【俺にとっては朗報】家に戻ったと思ったら超絶美女と同衾してた件について【おまいらにとっては悲報】 作:クラウディ
続いた
「…………ハァ……」
「どうかしたの
「
ここはテイワット大陸に存在する海上隣国『
そんな国の統治神である雷電将軍
姉の眞は素早く書類を処理しているが、妹の影は眞と比べれば10分の1程度に遅い。
これは二人が力を合わせて行っていた、国の運営の仕方からしてこうなっているのだ。
――武の「雷電影」。
――智の「雷電眞」。
これは、あの世界を揺るがすような魔神戦争勃発時である数千年前から欠片とて変わっていない。
『雷』という刹那の間でしか姿を現さない現象の神であり、『永遠』という『夢』を目指す2人。
姉妹と言っても、心の在り方まで同じではなく、永遠のありかたには少し差異があった。
そのせいか、時折衝突することがあったのである。
――しかし、それはとある存在によって一旦は落ち着き、2人はその理想を寄り添わせた。
「この事件のおかげで確かに良い方向へと向かっているだろう」そう彼女らの親友は語っていた。
だが……。
「……気がかりですか?
「……ええ……旅人の少女から聞きましたので。モラクスに陽らしき人物のことを話すと、血相を変えて飛び出していった。そして、今も帰っていないと……」
「そうですね……」
そう影はいったん書類をさばく手を止め、ため息を吐く。
そんな影の姿を見て、同じようにため息を吐く眞。
一見すれば、絶世の美女が何かを憂えている姿として絵画になっていそうなものだが、2人の心の曇りは晴れそうにもない。
そんな二人の脳裏に浮かぶのは……今は亡き親友であり、他者のために永遠を求める自身の心を大きく乱した愛しい人の姿。
隣国「璃月」より派遣された仙人である青年……「
『雷電眞様。雷電影様。璃月より参りました仙衆夜叉が一人、『陽天』と申します』
『書類仕事ばかりでお疲れではありませんか? 少し気晴らしにご飯を食べに行きましょう』
『影、大丈夫か? 怪我とかしてないよな? 少しだけなら俺が治せるから』
『眞さん、あんまり滞在できなくてすいません。でも、今回は帝君に相談して何日か休みを取らせてもらいましたので、存分に遊びに行きましょ!』
『影、ちょっとその剣術教えてくれないか? いろんなことは知っておきたいし……えっと、まずは腕をこう、って、なんで抱き着くんだ影!? いや、動きは見るだけで覚えられるから!』
『眞さん? あの、今休憩ですよね? なんで腕に抱き着くんですか? いやいやいや! 嫌じゃないですけど、それはそれは柔らかいものが……え、『暑くて倒れそうだわ』って、神がその程度で暑がりますか!?』
『影、そんな無理しなくてもいいからさ。今日は祭りだろ? 今日くらいは仕事を忘れて遊びに行こうぜ。ほら、眞さんも。書類は明日俺が手伝うから』
『影! 団子牛乳で一息つこうぜ!』
『ま、眞さん! すみません! 今日も匿ってください!』
『影~。無茶すんなよ~』
『ッ! 眞さん! 息をしてください! 死んじゃだめだ! あなたは絶対に死なせたくないんだ!』
『あ、あはは……なんとかなったぁ……影、守ってくれてありがとな。眞さんも、帰ってきてくれてありがとうございます』
『影~!』
『眞さ~ん!』
『……将軍様。璃月の岩神から、陽天殿が戦死したとの通達が来ました』
『知っておるか影? ここ最近の稲妻では、様々な武芸を扱う者が突然現れては魔物を蹴散らし、人々を助けるそうじゃ。それこそ、お前の雷霆と剣術。岩神の憤土と槍術。他にも多くの武芸を使うという同一の存在。ここまで言えばわかるじゃろ? その存在は我らが愛した――』
「っ!」
「落ち着きなさい影」
フラッシュバックした光景に立ち上がりかけた影を、冷たい一言でいさめる眞。
その顔は非常に落ち着いていながらも、纏う雰囲気は雷霆を蓄えた黒雲のようであった。
そんな姉の様子を見て、立ち上がりかけた体を座らせる影。
「すみません眞……」
「……分かるわよ影。私たちにとって、彼は大きすぎた。……できるなら、私もすがりたいわ」
「そうですね……」
顔をうつむかせた眞の表情はうかがえないが、それでもその表情は雨が降り出しそうな曇り空のようであった。
……彼女たちにとって、陽――『陽天』の存在は大きすぎた。
それこそ、彼がなくなったと聞いたときは稲妻をしばらく暗雲が包み、彼が生きている可能性があると親友から聞かされた時は、神としての責務を放り出してすぐさま探しに行きたかった。
だが、できなかった。
神として、この国を愛する者として、そして――
『俺さ、この国好きだよ。なんていうか……故郷みたいに懐かしいような、見覚えがあるような……なんていうか、俺を拾って育ててくれた帝君の璃月とはまた違う意味で……すっごく安心できるんだ』
――彼が好きだといった国を守るために、彼女たちは神としてあり続けたのである。
「それに、よく外に行く影なら彼を連れ戻せるでしょ? もしその時は、雷の神を怒らせた罰を受けてもらわないとね?」
「……そうですね。彼にはしばらく言うことを聞いてあげないようにしましょう。嫌って言っても抱きしめて、愛し合いましょう。それこそ、『永遠』に……」
「いいわね影。なら、今日はここまでにしておきましょうか」
「分かりました。……あ、そういえば団子牛乳を買ってきておいたんです。一緒に飲みましょう」
一旦仕事を切り上げて休憩に入ろうとする2人。
――だが、運命とは突然訪れるものなのだ。
「しょ、将軍様! ご報告があります!!」
「なんですか? 裟羅はどうしたんですか? まさか、怪我を?」
「い、いえ! 裟羅様は負傷はしておられないのですが、ある人物が戦場に飛び込んできたのです!」
「? まさか、浪人? こちら側についてくれるならばいいのではないですか?」
「そ、それがですね! 彼の者は
「「!!??」」
天守閣に慌てて入ってきた平兵士。
そんな男の報告に、2人の神は目を見開いた。
そも、元素力というのは1人につき一つしか扱えない。
それは神である2人であっても例外ではないのだが……。
――しかし、彼女たちは知っている。
――それが可能な存在を。
「ッ! 姉さん!」
「私も出るわ影! できるだけ早く!」
「分かりました! 姉さん捕まってください!」
「ちょ!? 将軍様!?」
兵士の男の制止など、今は関係ないと言わんばかりに無視し、眞と影はその体を元素が荒れ狂っている場所へと即座に移動させる。
目的地へと到達し、雷の元素から肉体を戻した二人が目にしたものは――
「斬空――『無想の一太刀』」
――腰に提げていた刀を抜き放ち、魔物の群れを両断する男であった。
「あ――」
「嘘――」
その斬撃は、前に立ちふさがる相手を空間もろとも両断し、余波で草木を薙ぎ払う。
その斬撃のすさまじさは、影が到達した領域――『無想の一太刀』と遜色がないほど。
それを放てるのは、2人の間では自身を除けば一人しかいない。
「陽……?」
「? ……!? ま、眞さん? それに影も……」
「どうして……神子が言っていたのは……嘘じゃなかった……?」
死んだ人物が生きているというあまりにも現実離れした光景、いや、それ以上に亡くなった愛しい人が立っているという現実に困惑する。
だが、次第に理解が追い付いてきたのか、彼女たちは目じりに涙を浮かべ始めた。
「なんで……! なんで……帰ってきてるって、言わないんですか……!」
「……ごめんなさい」
「謝らないでください! 私たちは、あなたのことをずっと思ってて……!」
「…………」
「ヒック……でも、生きていてくれて、嬉しい、です……また、一緒に……!?」
再会の喜びを表す言葉は最後まで続かなかった。
――彼の姿が霧のように消えかけていたからだ
「は、陽……? なんで……!?」
「……俺は『夢幻』みたいな存在です。『俺』が分かってない深層意識。『夢』と『現』の魔神の合いの子としての力……夢が覚めるとき、俺は消えます。前はそれがすごく長かっただけ。だから……すみません。俺は行かなきゃ」
彼らに背を向け、遠くへと足を踏み切ろうとしている陽。
理解が追い付いていない2人であっても、何をしようとしているのか分かった。
「「ッ! 駄目!」」
「――え」
だから、抱きしめたのだ。
雷霆をその場でとどめるように。
この瞬間が止まればいいと思うように。
……『永遠』になってしまえばいいと思いながら、彼女たちは彼に触れた。
――瞬間、世界が変わった。
「――え?」
「え、陽――きゃっ!」
「ッ! 姉さん!」
彼を抱きしめたと思っていた2人は見知らぬ空に放り出される。
眞は突然のことに対応が遅れるが、荒事に慣れている影が彼女を支える。
「ここは……」
「稲妻……ではありませんね……テイワットでもなさそうです」
「陽もいない……なら、ここは――!?」
「どうしたんですか姉さ――!?」
突然の現象に、しかし、戦いを経験した二人は状況を把握しようと周囲を見回した。
その時、目に飛び込んできたのである。
「あ、あぁ……」
「こんな、ところにいたんですね……」
「「陽!!」」
こうして、愛しい者への想いを胸に、また二人の神が世界を超えたのであった。
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1:仙衆夜叉の陽天
このスレは俺こと「仙衆夜叉の陽天(またはイッチ)」が出会った異世界からの来訪者に関しての相談をするスレである
荒らしは全スルー(もしくは俺が報告する)
初見さんは歓迎しよう!盛大にな!
ノリにノルのはおk(でも度が過ぎないように)
まとめるのはツンデレニキとスレ民に任せた
↓事の発端スレ
【俺にとっては朗報】家に戻ったと思ったら超絶美女と同衾してた件について【おまいらにとっては悲報】
なんか今度は雷の神が来たんだけど……
(鏡写しかのように顔立ちが瓜二つで、紫紺色の長髪を編み込んだ二人の美女がこちらを見つめている。泣いていたのか少し目元が腫れている画像)
2:名無しのネット民
おかえヌッ!
3:名無しのネット民
初手爆弾投下やめロッテ○ア!
4:名無しのネット民
あぁ……ダメだ……エッチすぎますねぇ……
5:ツンデレニキ
……評論家ニキ
6:変態評論家
任せたまへ
2人の髪色は紫紺色という今までの神の前例から外れない、特殊な髪色をしている
そして、雷の神というイッチの証言からその髪色は『紫電』を思わせる
『紫電』というのはそもそもの紫色の雷の他に、『鋭い光』や『鋭い眼光』、『とぎすました刀剣の光』などの表現にも使われるそうだ
そして、神というのは大小はあるが、魔法の源となる元素をつかさどるだけあってほぼ必ず戦闘能力を持つもの(鍾離さんは言わずもがな、吟遊詩人であるウェンティ嬢も同じである)
大和撫子的和風美人である彼女たちは、立ちふさがる相手を雷霆と雷で排除するのだろう……華奢な腕や足からはわからない、まるで鞘に納められた刀のようだ
そんな攻撃的な面を持ちつつも、その体はまさに芸術品
顔立ちはこれまた非常に整っており、凛としている
まるで錦のような手触りを感じさせる美しい肌は、新雪のように白い
しかしおしろいで染まった白とまではいかず、本来の肌の色をさらけ出している
そして、その胸部装甲は豊満であった……
7:名無しのネット民
いつもの
8:名無しのネット民
実家のような解説
9:名無しのネット民
実 家 の よ う な 安 心 感
10:名無しのネット民
む し ろ 実 家
11:名無しのネット民
ち く わ 大 明 神
12:名無しのネット民
誰だ今の
13:名無しのネット民
相変わらず変態的な言葉のうまさである
14:名無しのネット民
これが世界に名をはせる向井ってマ?
15:名無しのネット民
あれだよあれ
天災と馬鹿はなんとやらってやつだ
16:名無しのネット民
天災(誤字にあらず)
17:名無しのネット民
ほいほいそれで、またなのかイッチ?
18:仙衆夜叉の陽天
はい
またっす
19:名無しのネット民
いや、もうわかってるよ
どうせあれだろ?
20:名無しのネット民
イッチのことが好き云々な神様だろ?
21:名無しのネット民
裏山
22:名無しのネット民
とりあえずもげろ
23:名無しのネット民
豆腐の角にぶつかって皆に看病されないかなぁ……
24:名無しのネット民
>>23 わかる
25:名無しのネット民
>>23 それな
26:名無しのネット民
>>23 うらやましいけど、実際にされたら過保護すぎるのと愛が重すぎてナニされるか分かったもんではない
27:名無しのネット民
>>26 ほんそれ
28:名無しのネット民
愛が重いのはうらやましいけど、ここまで重いと……うーん……
29:名無しのネット民
甘ったるすぎるのは食べづらい的なやつな
30:ツンデレニキ
んで、その二人はどんな人なんだ?
31:仙衆夜叉の陽天
>>30 璃月から行ける海上隣国「稲妻(いなずま)」の双子神
妹の「雷電影(えい)」さんと、姉の「雷電眞(まこと)」さんだ
32:名無しのネット民
へー双子なんだ
33:名無しのネット民
いやまぁ、確かにクリソツなんだけど、クリソツすぎて見分けつかん
34:名無しのネット民
具体的にはどっちがどっち?
35:仙衆夜叉の陽天
十二単みたいな長い着物着てるのが眞さん
丈の短い着物着て動きやすそうなのが影さん
眞さんが政治関連の大半を担ってて、影さんが戦関連の大半を担ってるんだってさ
36:名無しのネット民
にゃるほど
37:名無しのネット民
2人のできることを分けるのか……
38:名無しのネット民
双子なりの良い国の回し方だな
39:仙衆夜叉の陽天
そんな彼女と俺たちの関係は……
俺からは『大親友』
眞さんたちからしてみれば『愛しい人』
だそうだ
40:名無しのネット民
知ってた
41:名無しのネット民
だろうな
42:名無しのネット民
やっぱりな♂
43:名無しのネット民
もうお前「(恋愛的に)神殺し」名乗れよ
44:名無しのネット民
「女の敵」も付きそうじゃね?
45:名無しのネット民
「ヘタレ野郎」もでしょ
46:仙衆夜叉の陽天
お前ら好き勝手言ってんなぁ……
47:名無しのネット民
ぬ
48:名無しのネット民
どうしたイッチ?
49:名無しのネット民
いつもなら言い返してくるイッチが言い返してこない……?
50:名無しのネット民
どうしたイッチ
なんか拾い食いでもしたのか?
51:仙衆夜叉の陽天
拾い食いは、昔の特訓でやむを得ずやらなきゃいけなくて、そんな時に毒キノコ食ったことあるから安全なやつもしくは処理すれば食べられるやつ以外は食べてない
52:名無しのネット民
えぇ……
53:名無しのネット民
漢塾かな?
54:名無しのネット民
毒キノコ食ったことあるんだ……
55:名無しのネット民
何で生きてるんですかねぇ……
56:仙衆夜叉の陽天
それに関しては無駄に頑丈な体を生んでくれた親に聞いてくれ
まぁ、そんな親父とお袋は海外旅行行ってるんだけどな
57:名無しのネット民
ん……?
58:名無しのネット民
あれ?
イッチって捨て子じゃなかったのか?
59:仙衆夜叉の陽天
何がどうしてそうなった……
いや、親父たちはたまーに顔出しに来るぞ
まぁ、基本的に育ててくれたのは爺ちゃんなんだけどな
60:名無しのネット民
おっと……
61:名無しのネット民
闇深い要素が……
62:ツンデレニキ
……すまんなイッチ
触れちゃいけないことに触れた
63:仙衆夜叉の陽天
……???
いや、俺の親父たちはネグレクトなんかしてないぞ?
ただ単に、育てるなら爺ちゃんがいいって、あのなまはげに託しただけで、年一くらいは帰って来たと思えば大量のお土産押し付けてからまた日本を飛び出すんだぞ
よくなんなのか分からん観光名所の写真とか送りつけてくるし、鍾離たちが来る前にも何枚かもらったし
64:名無しのネット民
っておい!
65:名無しのネット民
心配して損したわ!
66:ツンデレニキ
……親は子に似るとはよく言うが
67:名無しのネット民
ファンキーなのは血筋なのか……
68:名無しのネット民
ということは将来的にイッチは……
69:仙衆夜叉の陽天
不吉なこと言うのはやめい!
70:名無しのネット民
ってか、そういえばさっきのイッチは結構反応が薄かったよな?
71:名無しのネット民
なんていうか……疲れてる?
そんな感じだった
72:名無しのネット民
んで、何があったんだよイッチ?
73:仙衆夜叉の陽天
…………
74:名無しのネット民
…………
75:仙衆夜叉の陽天
…………彼女たちに挟まれて添い寝することになりました
76:名無しのネット民
クソがっ!
77:名無しのネット民
けっ!いい身分だなぁオイ!
78:名無しのネット民
あの美女姉妹に挟まれるとか……!!
79:名無しのネット民
あのオパーイを押し付けられるだとぉ!?
80:名無しのネット民
憎しみで人が殺せたら……!
81:名無しのネット民
祝ってやるぅ!
82:名無しのネット民
ウォズ……祝え……
83:名無しのネット民
は?
84:名無しのネット民
祝えと言っている……
85:名無しのネット民
祝え! 世界を超え、数多の神を(恋愛的に)落とす究極のタラシ!
その名は「仙衆夜叉の陽天」!
神に囲われた男の結婚までの物語である!
86:仙衆夜叉の陽天
いやいやいや!
まだそれは早いって言ってんだろ!?
風呂は一緒に入ったけど、まだ告白とかはしてないし……
あ
87:名無しのネット民
……は?
88:名無しのネット民
……おいイッチ
89:名無しのネット民
ま、まさか……!?
90:名無しのネット民
やったんだな!?
91:名無しのネット民
やりやがったんだろテメー!
92:名無しのネット民
ゆ゛る゛ざ゛ん゛!゛!゛!゛!゛
責任もって結ばれろ!!
93:名無しのネット民
もしもしポリスメン?
ここに戸籍が欲しい人たちが4名ほどいるんだが……
94:名無しのネット民
教会工事本格的に進めるか……
95:名無しのネット民
知り合いの呪術師に頼んでみるわ
イッチが神様たちに監禁されますようにってな
96:名無しのネット民
おい待て、まだマグロのシーズンじゃないぞ
97:名無しのネット民
夏休み入って仕事増えたから満漢全席作れねぇや!
98:名無しのネット民
結婚式の準備を急げ―!
99:名無しのネット民
爛れてて草
100:名無しのネット民
あーもう滅茶苦茶だよ!
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「んぅ……あぅ……んぁ……」
「すぅ……んっ……あっ……」
「心頭滅却心頭滅却煩悩退散煩悩退散……」
時の魔王の従者に祝われた「もう結婚しろよ」と掲示板の民から催促されているイッチこと青年は、ある種の天国であり、ある種の拷問を受けていた。
それは、双子の雷神「雷電眞」と「雷電影」に挟まれて次の日まで就寝するということ。
一部の人には天国だけが味わえるのだが、青年からしてみれば自分が人として最低な行為をしかねないという状況を味わっていたのである。
「え、影さん……?」
「ん……くぅ……」
「ま、眞さん……?」
「ひぅ……駄目っ……」
「…………!!!(耐えようとしかめてるのか、役得と思っているのかよくわからない表情を行ったり来たりしている)」
2人に声をかけて離してもらおうかとも考えたが、声をかけても嫌だと拒否する子供のように体をよじることで聞き入れてもらえない。
しかも、声をかけるたびに彼女たちの体は丸まっていき、抱きしめている青年の腕にその肢体を絡めていく。
クッションの中でも非常に素晴らしいと思ってる「ヨ○ボー(基本家にいない親が送ってきた)」以上の沈み込むようでありながら、上質なマットレス以上に押し返してくる感触を、鍛えられたことで鋭敏になった感覚がほぼダイレクトに伝えてくる。
前世の自分はよく耐えていたもんだと青年は言いたくなったが、結局のところは過去の自分。叫んでも意味がない。
掲示板の民が言っていたように「YOU! 手を出しちゃいなよ!」とすぐ行動していたら、まぁ、多少なりとも問題は起こるが吹っ切れていただろう。
だが、青年からしてみれば、彼女たちは初対面。
手を出せば自分は外道なのだ。
……まぁ、正解は青年がヘタレなだけなのだが……。
そんな状態で悶えていたときだった。
「……陽」
「! な、なんですか眞さん?」
「ねぇ、陽……」
「え、影さんも……? ど、どうしてこんなことするんですか……?」
「……怖いの」
「……へ?」
「あなたがまた……私たちの知らないところで消えてしまうのではないかと思って……」
「…………」
2人が目を開き、青年へと語りかける。
その瞳は、来たばかりの鍾離とウェンティのように、不安に揺れていた。
「私たちは、あなたを目の届かないところで亡くした……」
「姉さんはまだしも、私なら間に合わせられた……」
「それが怖いの陽……」
「目が覚めたらあなたはどこかへ行ってしまうのではないかと思って……」
「…………」
2人のすがるような言葉に開こうとした口を閉じる青年。
まるで子犬のような弱弱しさに、こんな風にした男……まわりまわって自分に怒りがわいた。
自身には関係がないと割り切れればいいだろう。
しかし、異世界からの存在である鍾離やウェンティ、彼女たちがその逃げ道をふさぐ。
そして、青年はヘタレではあるが責任感はある男だ。
だから、今のような事態にあっても自分の責任だと感じているのである。
決してうぬぼれているわけではない。
無意識的に、自分ではない心のどこかの片隅に、あり得るんだと確信をもっていたからだ。
「……風呂に入ってきたのもそうなのか?」
「……はい」
「……えぇ」
「そうか……」
彼女たちの体が震えるのを感じ取り、そこで彼は決心した。
体を起こし、2人を交互に見詰めた後、口を開いた。
「おれはさ……皆との思い出を欠片も持ってないんだけどさ、皆のことはなんでかすっごい大切な人だと思ってるんだ……それが、陽天としての俺が言ってるのかどうかなのはわかんねぇけどさ……」
「…………」
「……でも……」
「だけどさ、俺じゃないかっていう確信があるなら逃げちゃダメなんだと思ってるんだよ」
「「……!」」
「今の俺がやったことじゃなくても、昔にやったことがあるなら責任をとる。逃げるのは後味悪いからな」
そう言って青年は、左右にいる二人に宣言したのである。
「まぁ……その……責任は取るよ。鍾離もウェンティも、それこそ2人もさ」
「……ふ、ふふっ、やっぱり、陽は陽ですね。ねぇ影?」
「ふふっ、そうですね姉さん。どんなに言ってても、小心者で、女慣れしてなくて、私たちの気持ちを知ろうともしない甲斐性なしです」
「お、お前らなぁ……」
先程までの悲壮感漂う雰囲気から、月の光を浴びて輝く月下美人のように美しい笑みを見せる二人。
そんな二人に気を張りすぎた方力を緩める。
そう、緩めてしまったのだ。
「でも……」
「えぇ、気持ちは同じよ影。ねぇ陽。少しだけ許してね?」
「ん? なんだ――」
いつの間にか近づいていた眞が顔を寄せ、スッと流れるように自身を重ね合わせた。
途端に柑橘系の甘い香りで肺が満たされ、そんな状態が十数秒続いたのである。
短いリップ音が口元から鳴り、2人の間で銀の橋が架かった。
「んっ……ごめんね陽。突然こんなことしちゃって……でも、私のこの気持ちに気づいてくれないあなたが悪いのよ?」
「え、いや、その、え?」
「むぅ……姉さん、こっちにもください」
「ふふっ、はい♪」
「え、ちょ――」
眞に優しく押されて、今度は影の顔が視界いっぱいに映る。
こちらは花のように甘い香りで、青年は突然のことと相まって固まってしまった。
そんな青年を置き去りに、影は眞よりも長い間重なり、舌を熱く絡めている。
最後まで惜しむような繋がりを離し、影は青年の瞳をまっすぐ見据え、眞は青年の背中に抱き着く。
「ふふっ、知っていますか陽?」
「私たちは『永遠』を追い求める雷神」
「永遠の定義はいろいろとありますが、今の私たちが求める『永遠』は、昔のように似ているようで違うものではありません」
「その『永遠』……『みんなが笑っていられる世界を永遠に』というのは、あなたが言ったのですよ?」
「そして、私たちが笑っていられる世界にはあなたが必要なの。……だから……」
「だから……」
「「絶対に……『永遠』に逃がさない」」
「前門の虎後門の狼」「四面楚歌」「八方塞がり」等々いろんな言葉が頭に浮かぶが、今しっくりくるのは……そう――
「なんてことだ、もう助からないゾ♡」であった。
※後書き※
???「なんてことだ、もう助からないゾ♡」
※登場人物紹介※
・イッチ
文字通りの四面楚歌になったハーレムヘタレ野郎
そのくせ責任は取るとか言っちゃうイケメンなのかそうじゃないのかはっきりしてほしいやつ
最後のアレは未遂に終わった。
・TS鍾離&TSウェンティ
今回は影が薄かったけど、イッチが(性的に)食われるのを未然に防いだ功労者
しかし、イチャイチャしたいとは思ってるため、多分そろそろヤリに行くかも
・ツンデレニキ
皆がそろそろ慣れてきたのと統率が取れてきたのであんまり出番がない人
でも、裏では結構頑張ってる(イッチの親にコンタクトをとれないか試してる)
・変態評論家ニキ
通常運転だったというか解放したというか、まぁいつも通り解放した人
素晴らしいモデルが増えて「我、満足」状態
裏では、ツンデレニキとともに持てるつてを生かしてイッチの親に探してる
・雷電姉妹
『みんなが笑っていられる世界を永遠に』という新たな『永遠』を叶えるためにイッチに迫る新たな嫁(候補)
後日、イッチの爺ちゃんが来たときには、2人とも「お爺さん! お孫さんを私たちに下さい!」と言った。
イッチは宙を舞った。
ハイテンションで書いたから頭痛いでござる。
お気に入り登録や感想、評価にここ好きなどをもらえると作者はバジリスクタイムを踊りたくなるくらい喜びます。
なので、どしどしお送りくださいませ~
それでは皆様、また次回~
(・ω・)ノシ