「はい、そこまで」
俺らの技がぶつかり合おうとしたその時、紫の声が聞こえたのと同時にスキマが開き、スキマに俺達の攻撃はそれぞれ吸い込まれてしまった。
「全く…あんな技がぶつかり合ったら結界に支障が出てしまうじゃない…」
文句を言いながら、紫は霊夢と共に空から俺の元へと降りてくる。
そんなこと言われても…
そう思いながら、俺はゼウスとの同一化を解き、体力がそこに尽きた感覚を味わいながらその場に座り込んでしまう。
「紫?もしかして貴女がこの異変を引き起こしたんじゃないでしょうね…?」
「あら?何のことかしら…?」
博麗の巫女に怪しまれ、紫は笑みを浮かべてとぼけたが、胡散臭さが増しただけだった。
「惚けないで!外来人をここに呼べるのは貴女しかいないでしょ!?こんな危険人物を幻想郷に呼ぶとか…管理者の自覚あるの!?」
「れ、霊夢少し落ち着いて…」
「落ち着いてられないわよ!!」
怒りのオーラを放っている博麗の巫女に怒涛の文句を言われ、紫は少し戸惑っているようだ。
「霊夢の話はあとでゆっくり聞くとして…問題は貴方よ」
そう言って紫は俺の方を見て来た。
博麗の巫女からの説教から逃げるために、話題を逸らしたようだ。
「何なのあの馬鹿みたいな力!複数の神々を使役して、更にゼウス様と同一化とか…一体何者なのよ貴方」
紫に怒られるが、勝手に力量を見間違えたのはそっちだろう。
というか、紫は俺が神を身体に宿していることに気付いていたみたいだ。
「はぁ~…折角ゼウス様との宴会用に用意したお酒が無駄になっちゃうじゃない…」
「待て、神々との宴会ってどういうことだ?」
「あっ……」
溜息交じりに紫がボヤいた爆弾発言をしっかりと聞いた俺は、紫に問いただす。
「さ、さぁ~?気のせいじゃないかしら…?」
必死に誤魔化そうとする紫に、俺と博麗の巫女の痛い視線が刺さる。
「ええそうよ!貴方が能力でゼウス様をその身に宿していると分かったから、貴方の身体をゼウス様に乗っ取らせ、そしてゼウス様と久々にお酒を飲もうと思っていたのよ!」
俺らの視線に耐えかねた紫は、吹っ切れた態度で本来の目的をバラした。
それを聞き怒りが爆発した俺は、有無を言わさず、雷を纏った手で紫の顔面にアイアンクローを食らわせた。
「ま、待って…ゼウス様とお酒を楽しんだ後はちゃんと返すつもりだったから…だから、ね?」
「雷符 『イレクトリズモス』」
「あぁーーーーー!!!!!」
紫の戯言を無視して、俺は紫に電気を流した。
暫く紫に罰として電気を流した後、手を放す。
「ふぅ、スッキリし……た…?」
俺が怒りをぶつけられてスッキリした時、視界がぐにゃっと曲がり、俺はそのまま地面に倒れた。
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「…どうするの?これ」
「そう言われてもねぇ〜…」
いきなりぶっ倒れた美少年を霊夢はお祓い棒で突きながら、紫尋ねる。
「博麗神社に1回預かってくれないかしら?起きたら連絡を頂戴ね」
「ちょっと!待ちなさ───」
無責任な事を言う紫を引き留めようとするが、時すでに遅し。紫はスキマを使ってさっさと帰ってしまった。
「全く…レミリアや妖夢も運ばないといけないのに…」
そう愚痴を言いつつ、霊夢は美少年を先に博麗神社に運ぶことにした。