休憩で煙草吸ってたら、あれ?ネイチャと沖野さんってめっちゃ似合うんじゃねって思いついたので試しに書いてみました。
作中ネイチャが吸っているのは煙草ではなくアロマシガーと設定したレース前や後にウマ娘の興奮状態を鎮静させる医薬品の一種です。
競馬では入れ込んだり馬っけを出したりして興奮している競走馬も居るらしいのでそれを知ってこのような設定をしました。
私も喫煙者ですが別に煙草を推奨している訳でも、未成年の喫煙を擁護するつもりもありませんのでお間違いの無いようお願いします。
どうしても気に入らない方はブラウザバックして読み飛ばす等お願いします。
練習場への道すがら、私たちは他愛も無い話をしていた。私としてはおハナさんが私の作ったクッキー等のお菓子に食いついたのは意外だった。
ちょっと失礼だけど、やっぱり女性だから甘い物が好きなのかな?とも思ったのだが、どうやら夜遅くまで仕事をしているから気分転換にコーヒーに合うつまめるお菓子が好きとの事。うーん基準が仕事人間なのはどうかと思う。
沖野さんはそんなおハナさんをからかってはおハナさんからの肘鉄に悶絶していた。そんなトレーナー同士のやり取りを見て私とルドルフ先輩、マルゼンスキーさんの3人で笑ったりもした。
何度目か分からないおハナさんの肘鉄を喰らった時、沖野さんの胸ポケットから小さな箱がポロっと落ちてきた。なんだろうな?と思ったが、それを拾ったおハナさんは呆れた様に溜息を吐きながら沖野さんへとその箱を突き返した。
「貴方、まだ止めてなかったの?ウマ娘は嗅覚も鋭いんだからそんな自分にも周りにも害しかない煙草なんかいい加減止めなさい?」
「すまん。何とか本数は減らせてるんだがまだまだ禁煙には程遠くてな。」
どうやら沖野さんが落とした箱は煙草だったらしい。おハナさんから受け取った煙草を胸ポケットへ仕舞いながら、私がじっと見ているのに気付いた沖野さんが笑いかけてきた。
「なんだ、興味あるのか?止めとけ止めとけ。こいつは百害あって一利無しのしろもんだ。ネイチャにゃ似合わねぇよ。」
そう言って笑っている沖野さんだが、ぶっちゃけ前世喫煙者だった身としては沖野さんの言ってる事の意味は分かっていてもつい吸いたい気分になってしまう事がある。
それに幼い頃のナイスネイチャ…………前世を思い出す前の事だが、商店街のおっちゃん達はほぼ全員が喫煙者だったので実は煙草の匂いを嗅ぐと商店街の日々を思い出してとても懐かしい気持ちになってしまう。
高い所の物に手が届かなくておっちゃんに抱っこされた時、お店のお手伝いを頑張り過ぎて疲れてしまいおっちゃんにおんぶされて家に帰った時…………
おっちゃん達の服に染み付いた煙草の匂いが好きだった。実の父を知らないナイスネイチャにとっては、おっちゃん達に染み付いた煙草の匂いが父親の匂いに感じられた。
つい懐かしさを思い出して喋ってしまったが、勿論私自身はどんなに煙草を吸いたくても法律は守る。未成年喫煙ダメ絶対!
「そうか…………良いお父さん達だったんだな。」
そう言って優しく微笑む沖野さん。待って、なんでおハナさんは眼鏡をずらして目頭を手で押さえてるんですか?マルゼンスキーさん頭を撫でないで下さい。ルドルフ先輩、何ぼそっと今度お父様に電話しようって呟いているんですか?聞こえてますよ!
「流石に煙草はやれん。やれんが………ネイチャには丁度良い物がある。」
そう言って沖野さんベストの内ポケットからまた別の箱を取り出した。箱の大きさは先ほどの煙草と同じ位の大きさでちょっと縦長な印象。
「これは煙草に似ちゃいるが全くの別モンだ。主にレース後に興奮したウマ娘用に使われる物でな、自然由来の素材を使った鎮静効果のある便利な物だ。
現代の西洋医学とは違って漢方を使う東洋医学に近いアプローチだからウマ娘の体に対して副反応が出る事も無い。考え方としちゃアロマオイルに近い代物で、名前もまんまアロマシガーって言うんだ。」
まぁ、最近は副反応も出ない錠剤タイプやガムタイプが出てきたから殆ど使われることは無くなったがな。そう言って私に手渡してきた沖野さんにお礼を言いながら箱を眺める。
箱には大きく目立つようにウマ娘用鎮静剤、喫煙タイプと書かれている。多分間違えて煙草を吸わない様にしているのだろう。少し箱を開けて匂いを嗅げば、漢方薬独特の匂いと共に甘いバニラの匂いがした。
「ついでだ、まだ早いがスピカ入部記念にこいつもやるよ。」
そう言って手渡されたのは年季の入った銀色に輝くジッポライター。所々細かい傷があるが、それが逆に良い味を出していて私は一目見てこのジッポライターが気に入った。
「俺がトレーナー合格祝いに貰ったヤツだがネイチャにやる。このジッポにもお前の夢を見させてやってくれ。」
「…………良いんですか?」
「おう、やるやる。オイルと代えのフリントは明日にでも家から持ってきてやるからな。
あ…………おハナさん、丁度そこの建物の影に喫煙所があるから試しに使わせてもいいか?」
「…………仕方ないわね。少しだけよ?」
沖野さんはおハナさんにそう断って私を喫煙所へと案内すべく連れ出した。校舎裏の入り組んだ影に隠れる様に設置された簡素なプレハブ小屋の喫煙所。ウマ娘達の邪魔しない様にひっそりと建てられたその喫煙所に私と沖野さんは入った。
私は沖野さんから手渡されたまま手に持っていたアロマシガーを早速開いた。
数本減ってはいたが、特に嫌悪感を持つ事も無く一本引き抜いてアロマシガーを口に咥えた。
前世では私もジッポライターを使っていたので、慣れた手つきでジッポの蓋を親指で弾いて開け火をつける。ゆっくりと軽く吸って、煙を肺へと満たしていく。
前世で吸っていた煙草とは全く違う甘くちょっと薬っぽい味。
多分吸いたい欲求もあったと思うが、ウマ娘用に作ってあるだけあってとても心地良かった。
隣では沖野さんが胸ポケットから普通の煙草を取り出して気まずそうにしていた。
はは~ん、さては私にジッポライターを譲ったからライターが無いな?
私は特に何も言わず、無言で口に咥えたアロマシガーを手に取ると沖野さんの方へと向けた。沖野さんも何も言わず、その火に煙草を近づけ火を移した。
間接的なシガレットキスみたいな物だが生憎その程度で感情を揺らされる様なお子様ではない。沖野さんも特に何も思う事も無かったのか、お互い無言で隣り合って煙草とアロマシガーをのんびりと嗜む。
こうしていると前世の職場の同期を思い出す。お互い嫌なことがあると何も言わず喫煙所に行って隣合って煙草を吸った物だ。ちょっと同期が懐かしいな。元気にしているだろうか?
「…………一応注意しておくが、喫煙所以外では吸うなよ?必要なら携帯灰皿を買ってきてやる。」
「分かってますよ。沖野さんもポイ捨てなんて駄目ですからね?」
「こいつぅ!」
そう言って沖野さんと少しの間にらめっこした後、2人仲良く笑い合った。示し合わせた訳でもないのに、2人そろって天井へと煙を吐く。天井へと立ち昇る2つの白煙。案外、沖野さんとは上手くやれるかもしれない、私はそう感じた。
後、もしかしたらアニメで良く舐めてた蹄鉄型の棒付きキャンディーって禁煙した反動だったのかな?
だとしたら沖野さんの禁煙フラグを折ってしまったかもしれない。将来のチームスピカの面々が嫌がらない事を祈ろう。
一方その頃
「あらぁ?案外良い雰囲気じゃない?」
「流石に担当に手を出す程沖野はバ鹿じゃ無いわよ。」
喫煙所を遠くから眺めるマルゼンスキーとおハナさん。ナイスネイチャと沖野さんが喫煙所へと向かった後、心配だと騒ぐシンボリルドルフを落ち着かせる為にこっそりナイスネイチャと沖野さんの2人を付けていたのだ。
「…………なんか息ぴったりで悔しいです。」
ムスッっとした表情で言うシンボリルドルフにマルゼンスキーとおハナさんは苦笑しながら確かにと思ってしまった。
今日出会ったばかりのはずなのにまるで長年付き添った相棒の様な雰囲気を出す2人。実際はナイスネイチャが前世が男だった事、精神年齢が沖野さんよりも上な事で男性と二人っきりでも落ち着いているだけでお互い何かを意識しあっている訳では無いのだが、マルゼンスキーとおハナさんからはそれが代えってホームズとワトソンの様な相棒の様に見えてしまった。
「…………悔しい」
そう漏らすシンボリルドルフ。内心大事な後輩が取られてしまうんじゃないかと気が気じゃ無い様だった。
「少しはネイチャを信頼しろルドルフ。全く、前から思っていたがお前はネイチャが絡むと少しポンコツになっているぞ?」
シンボリルドルフを呆れた目で見ながら、おハナさんはシンボリルドルフに対してそう注意した。
「取りあえず、2人共帰ってきそうだし私達も戻りましょうかおハナさん?」
「そうね、気づかれても面倒だし戻りましょう。行くわよルドルフ。」
今にも突撃しそうなシンボリルドルフの首根っこをひっつかんで、おハナさんとマルゼンスキーは元の場所へと戻っていく。
何時も誤字指摘有り難うございます。自分で書いた分気づかずにいた箇所もあってとても助かっています。
これからも、この駄文をよろしくお願いします。
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