昨日は疲れからか投稿できませんでした。すみません。
沖野さんと話し合ったあの日から早一か月。例年よりやや早い梅雨入りにより土砂降り真っ最中の六月初旬。
展示レースから今日までの間に何かあったか。と言われればまぁ少しは良いも悪いも変わってしまったと言った方がいいかもしれない。
まず良い方としては、相も変わらずクラスメイトと上手く仲良く出来ない私に話しかけてくれるウマ娘が増えた事。
「メジロライアンです!ナイスネイチャさんの走りを見ました!とっても早くてカッコよかったです!今度一緒にトレーニングしませんか?」
名門メジロ家の筋肉お嬢様担当、メジロリャイア…………失礼、メジロライアンである。
メジロ家のお嬢様でありながらそこに名家ぶった所も無く、趣味は筋トレ特技は筋トレ、嫌いな物はコレステロールというスポーティーで爽やかな雰囲気のボーイッシュなウマ娘。
私が最早ルーティーンと化している授業間の休憩中に海外の論文を読んでいる時に気安く(悪い意味では無い)話しかけてくれて、リギルの展示レースの感想を貰った。ぶっちゃけあれ以降嫌われる、というか避けられるのは半ば覚悟していたのでかなり意外だった。
それとなく聞いてみたのだけど、いい意味でレースに対してくよくよしない性格の様で、悩む位なら自身を鍛えればいいとの事。ライアンのそう言う明るい性格というのも合って、彼女とは効率的な筋肉のトレーニング方法に対して良く議論する間柄となった。
エアグルーヴやスズカもライアン経由で再び話す事も出来た。クラスが違うのでライアンほど頻繁に話したりはしないが、テンポイントさんが忙しい日や特に予定も無い日は一緒に食堂で食事を摂る位には仲良くなれたんじゃないかなと思うけど、何故かライアンと一緒にジムに行こうと誘ってもエアグルーヴもスズカも最初の一回目以降、誘っても誘っても断られる様になってしまった。私は筋力トレーニングは程々に、論文や参考書で得た知識を元に実地練習としてライアンのサポートですよ?
私は知識により理解が高まる。ライアンはより効率的に筋肉を鍛えられる。まさにWin-Winの関係である。
ここ最近は梅雨の影響もあって、練習場で走れないほどの土砂降りが続いていたのでちょっと頻度が多かったかもしれない。梅雨明けしたらトレーニング内容に修正を加えたいと思う。
また、あの日以降流石に行き辛くてリギルには行っていないけどおハナさんとマルゼンスキーさん、あと意外にもカツラギエースさんとは良好な関係でいる。
おハナさんはあの日の夜に沖野さんから聞いたのか、翌日慌てて私の所まで来て謝ってきた。凄く申し訳ない雰囲気で謝罪してくるので私としてもどうしていいか分からなかった。だってリギルとして担当の娘のケアをするのは当然だし、一応は私にもちゃんとケアしなさいと声をかけてくれていた訳で…………
寧ろ私の方こそ勝手に帰ってしまい申し訳なかったので謝った所、『ネイチャは悪くないのよ、ちゃんと見てあげれなかった私が悪いのよ』とまた謝られ、
マルゼンスキーさんとカツラギエースさんも、学校で会ったら世間話をする位には仲がいい…………とは思う。正直高等部には行かないのでそこまで会う頻度は無いから何とも言えない。ただ、マルゼンスキーさんとカツラギエースさん。お2人共あまり私をリギルの並走トレーニングに誘わないで下さい。
貴女方は大丈夫でしょうけど、きっと他のリギルの娘は嫌がると思います。
次に悪い方?に変わってしまった事。
まずめっちゃ見られる様になった。これはエアグルーヴに言われて私が意識して周りを見る機会を増やしたから気づいただけで前からそうだったのかもしれないが、教室で論文や参考書、ライアン達と話している時、挙句にはトレーニング中まで見られている気配がするのだ。正直、私的にはこれが中々気になって落ち着かない。
エアグルーヴに相談しても
「たわけ、デビューしたら嫌って程に多くの人間に見られるのだ。いい練習だと思って今のうちに慣れておけ。」
と一蹴されてしまった。幸いなのは悪意ある視線っていうのかな?そういうのが殆ど無い事。興味本位とか好奇心に近い視線がほぼ全てな事で特に不快な物では無い…………気になるだけで。
因みに、テンポイントさんに相談に行った所事の経緯を聞かれ、展示レースの事を話したら不機嫌気味に沖野さんの所に行ってしまった。流石に心配になって後で沖野さんの様子を見に行ったけど、頭にコメディーアニメ並みにでっかいたんこぶを作って悶えていた。
未だに不機嫌そうなテンポイントさん。これは流石に沖野さんが可哀そうだったので、沖野さんとテンポイントさんに
機嫌の落ち着いたテンポイントさんは私の淹れた紅茶を飲みながら、悪意が無いならば放っておけとのお言葉を頂いた。そういった相手を観察するウマ娘の中には『見取り稽古』と呼ばれる相手の走りやトレーニングを見て自身の糧にするトレーニングをしている娘も居るそうだ。
立ち直った沖野さんも、寧ろ向上心があると褒めるべきだと言いながらクッキーを頬張っていた。
これには私も成程ねぇ…………と思ってしまった。そういうトレーニングもあるのか。
因みに、私と沖野さんの関係についてテンポイントさんは特に問題は無いと言っていた。トレーナーの中には2年生、3年生のスカウトでは無く1年生のウマ娘にスカウトの予約をする変わった性格のトレーナーも居るそうで、トレーナーとして活動したりトレーニングの指導をするのは2年生になって正式に担当になるまでは校則で禁止だが、雑談や勉強の面倒を見る等は問題ないらしい。
しかも、そうやって1年からスカウト予約が来たウマ娘の大半はトゥインクルシリーズで結果を残しているので、寧ろネイチャを評価されている様で嬉しいともテンポイントさんは言っていた。
沖野さんの腕も信用はしている…………けど私の脚を無断でいきなり触った事は未だ許していないとの事を最後、念押しするようにテンポイントさんは付け加えていたけど。
ここまでが私の中で特に大事にするほどでは無い変化。
1番変わってしまったのがルドルフ先輩との関係。
私はもう展示レースの事は過ぎた事として気にはしていないし普段通りルドルフ先輩に接しているのだけど、ルドルフ先輩からはどうにも避けられている印象。何時も帰る時間は門限ギリギリまでトレーニングしているし、帰っても直ぐシャワーを浴びて眠ってしまう。
朝早く起きて早朝トレーニングに行ってしまい前の様に一緒に食事を摂る事も一緒に登校する事も減ってしまって私は少し寂しい気持ちになった。一度、本格的にリギルのトレーニングが忙しくなったのかなと思いおハナさんに相談した所。
「最近は自主練でオーバーワークばかりしていたから、止めさせようとしたけど聞かなくてね。仕方ないから専用のメニューを組んでそれ以上トレーニングしない様言い聞かせてるのよ。」
そう言われてしまった。因みに、リギルのトレーニングはまだ年相応らしく激しいメニューはまだ無いとの事。
それを聞いて一応は安心したけど、どうやらルドルフ先輩は朝ご飯を抜いてトレーニングしている事をモンテプリンスさんから知らされた。
これには私もおハナさんも頭を抱えた。まさか食事を抜いてまでトレーニングをしていたとは思ってもみなかった。おハナさんからも注意するらしいが、私も一応対策をしておこうと思い、何時もお世話になっている美浦寮の食堂スタッフさんにお願いして厨房の一部を貸して貰った。
私は何時もルドルフ先輩よりも遅い時間に寝る。これは私がトレーナーの勉強をしている為だが、最近はルドルフ先輩が早く寝る為より顕著になっている。
ルドルフ先輩が寝た後、私は食堂で明日の仕込みをしているスタッフさんの邪魔にならない様に隅でルドルフ先輩がせめて朝食を抜かない様に簡単な物を作っていく。
余ったご飯で塩のおにぎりと簡単なお味噌汁。和風出汁の素は偉大なり。わざわざ出汁を取らないで済む。
おにぎりをラップで包んで、お味噌汁は実費で買ったちょっとお高い魔法瓶に入れる。最近の魔法瓶ってすごいね。半日以上温度が長持ちするなんて驚いたよ。
念の為にノートの一部を破って『ちゃんと朝ご飯食べて下さい』と書いてから私も就寝するのがここ最近の日課。一応朝起きたら全部無くなっているのでちゃんと食べてはくれている様で安心している。
「ネイチャ…………お前最早嫁さんだぞそれ?」
そして現在、土砂降りの雨を見ながら私は沖野さんとスピカの部室、その軒先の濡れない場所でアロマシガーと煙草を吹かしている。
一応私はテンポイントさんにアロマシガーを使っている事を言ったのだけど、聞いた途端に『喫煙所』の看板と許可証、灰皿スタンドをスピカに持ってきたのは流石にやり過ぎだと思う。物凄いやり切った感を出していたから何も言えなかったけど。
という事で私は校舎近くの喫煙所以外で吸える場所が増えたので絶賛スピカの部室で吹かしている訳だけど、別にただ吸いに来ている訳じゃない。沖野さんに約束通りトレーナーとしての勉強を見て貰っている。おハナさんからは課題を頂いており、それを沖野さん経由で渡して採点して貰い、沖野さんからは主にトレーナー試験の過去問を採点して貰い、空き時間で沖野さんのトレーナー論を教えて頂いている。実はしっかりした資料を使っていて、アニメ内の突拍子の無いトレーニングも実はちゃんと考えられていたのは正直疑っていてごめんなさいとしか言えない。
因みに、おハナさんからの課題はこんな感じ。
『中等部2年ウマ娘
距離適性 中距離
脚質適正 先行、差し
健康状態 良好
脚部不安 無し
本人目標 日本ダービー
本人性格 内向的、しかしトレーニングは真面目
友人関係 良好、クラスでも孤立せず
上記のウマ娘をメイクデビューまでの2年間のトレーニング表、及びメンタルケアの有無を計画しつつ問題点を見つけ、その改善策を纏め提出すること。』
こんな感じ、これを1週間で考えて文章で纏めて沖野さん経由でおハナさんに提出している。未だ合格点は貰えず赤字でめっちゃ添削、加筆されるけど、おハナさんも忙しいはずなのにここまでしっかり書いてくれるのは感謝しかない。
「お嫁さんって…………同性なのに何言ってんの沖野さん?それに同室なんだしこれ位普通じゃん?」
「比喩に決まってんだろ。普通って言うが、避けられてる相手にそこまで出来るのは中々居ないっつうの。」
そんな感じで軽く休憩がてら沖野さんと2人でアロマシガーと煙草を吹かしている訳でして、存外この時間が私は好きだったりする。
2人で吐き出した白煙が曇天の空目指して雨に濡れながら昇って行くのを見ながら、私は沖野さんと他愛の無い雑談に興じる。
「まぁ、お世話になってるし…………それにやっぱりルドルフ先輩とは仲直りしたいじゃん?」
「仲直りねぇ…………ネイチャとルドルフなら問題無いとは思うが、まぁ好きにしたらいいさ。」
「そうする。で、この後はどうするの?続きする?」
弱い雨なら重バ場のトレーニングとして走っても良いのだけど、正直ここまで強い雨脚だと流石に私としてはやる気は起きないので今日のトレーニングは休み。時間は余っているので私はそう聞いた。そうだなぁと、沖野さんは土砂降りの雨を眺めながら考えている。
「こっちも一段落してるし、今日はオフって事でのんびりするってのはどうだ?」
そう言って笑いかける沖野さんに私も笑顔で返す。まぁ、たまにはのんびりする日があっても良いか。
「そうですかそうですか。んじゃ沖野さん、バッグの中に朝作ったスコーンがあるんだけど…………どうする?」
「未来の愛バが作ったんなら勿論食べさせてもらうよ。紅茶をお願いしてもいいか?」
「いいともー…………なんてね?」
私が笑いながらそう言うと釣られて沖野さんも笑い出す。声を出さずに2人で笑い合って、最後にもう一口吸ってから灰皿スタンドにアロマシガーと煙草を押し付け火を消した。
白い息を吐いて私と沖野さんはスピカの部室へと入っていく。
甘い匂いと紅茶の香りが部室を満たすまで後10分。
そして2人の楽し気な笑い声が聞こえるまでもう5分。
同時刻、とあるカフェにて
「もしかしてネイチャってスピカのトレーナーと付き合ってるのかな?」
「たわけ、1度ネイチャとトレーナーの2人でいる所を見た事があるがあれは恋人どころか最早夫婦だったぞ?」
「嘘でしょ…………ネイチャとトレーナーさんってそこまで進んでるの?」
ネイチャが3人の勘違いを正すまで後1日
それを信用されるまで後…………後…………3人とも信用するのかこれ?
メジロライアンが今回初登場。
出した理由はアニメ1期でメジロパーマーの代わりにネイチャと一緒にスズカを応援していた所からです。
同じシーンで居たチケゾーはやはりBNWとして出したいので今回出番なし。
また、ライアンと同室設定のアイネスフウジンはスぺちゃんと同じ高等部編入組の設定だったので時期的にこちらもボツに…………
シガーネイチャのジュニア期以降の進路
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ルドルフ先輩に続け無敗三冠
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いやいや、トリプルティアラこそ至高
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もっと上を目指そう海外クラシック挑戦
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良いパワーしてるね?国内外ダート挑戦
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その他