文字数を3333文字で揃えてみたかった。私です。
私の拘りって訳じゃないんですが、トレーナーの勉強の描写とかあまり省いたり事後報告みたいに組み込みたくないので進行系でそう言った勉強やトレーニングの描写を書いてちゃんとネイチャはやってるんだよって魅せたい派です。
…………その前に書くとこ書けよ、はよ進めろって言われそうですが。
待ちに待った夏休み。
多くの学生にとって夏休みは至福の存在。夏休みが1日多いだけで大喜びし、最終日には新学期へと絶望する魔の誘惑期間はトレセン学園でも変わることは無い。
特に中等部はそれが顕著だった。休み期間何処に行こうか悩む者、休み期間のトレーニングに関して実技の教官に相談しに行く者。宿題がめんどくさいと今から嘆く者。実に様々であるが、おおむね一般の学校と変わらない雰囲気が中等部全体で漂っていた。
うん、実に健全だね。走りのエリートが集まるトレセン学園でも私達はまだまだ子供、知り合いの年相応の部分が見れて私は実に満足である。
同じクラスのライアンも、同学年のエアグルーヴやスズカも実家に帰省してトレセン学園に居ない。同室で仲直り?したルドルフ先輩もものすっごく渋りながらも実家に帰って行った。
うん、ご両親とは仲良くね?
そんな夏休み真っ最中の7月。私が今何をしているかと言えば実家に帰る訳でも無く、さりとて誰かの家に遊びに行っている訳でも無い。
「ですから、この事から
私は絶賛チームカノープスの部室で南坂さんに座学を教わっている所です。
カノープスの部室はアニメで見たそのまんまで少しだけ感動。私は真ん中のテーブルにノートを開いて南坂さんの話を纏めて、ホワイトボードに色々と書き込んでいる南坂さんという構図。
「けどさ、
「ソエって別名も知ってるんですね、普通は医療関係者やトレーナーしか知らないのに流石ネイチャさんです。はいネイチャさんの言った通りボーンシストは骨の発達不良で起こる骨病変の一種です。ですのでボーンシストが発症すると競争能力を疑問視するトレーナーも多数います。実に嘆かわしいですが。」
そう言って悲しそうな表情をする南坂さん。因みに私が敬語じゃないのは2回目、ルドルフ先輩とレースした日の次に会った時に話しやすい喋り方で構わないと南坂さんに言われたから。
南坂さんのトレーナー授業は主にウマ娘の病気について。てっきり私は病気の発症しにくいトレーニング法でも教えてくれると思ったのだがそこは南坂さん、まずは病気の理解からとこうやって病気の種類や発症例を交えて実に分かりやすく教えてくれる。
「そうなると…………過度なトレーニングはさせず、骨の強度を上げる食生活を促しながら尚且つ骨に負担のかからないピッチ走法とかで負担面の軽減とかで何とかする感じ?」
「それに加えてプールやウッドチップコースも追加ですね。とにかく骨の強度が上がらなければどうしようも無いので。」
「うへ…………そこまで出てこなかった。追加で勉強しなきゃ……」
「いえいえ、そこまで答えられたなら十分ですよネイチャさん。向上心があるのは良いのですが、詰込み過ぎて知識が偏っても行けません。バランス良く行きましょうか。」
「はーい。」
少し気の抜ける返事を返しながら、私はテーブルへと上半身を倒した。南坂さん、優し気な好青年かと思いきや案外見た目に寄らず怪我の知識はガチである。まぁ、怪我をさせずにトゥインクルシリーズを走り切る事を目標にしているので当たり前っちゃ当たり前なんだけどね。
「次はコズミや
「コズミは筋肉痛、感冒は風邪。で合ってる?」
「はい、ネイチャさんの答えで間違い無いですよ。どちらも怪我では無いのですが、トレーニングのケアを怠れば簡単に発症してしまいますから身近な症状と言っても良いでしょう。因みにですがウマ娘はヒトよりも体温が高いので軽度の感冒でも体温が40°位まで上がるのでヒトとの違いに注意しといて下さいね?」
なのでトレーニングのケアは大切に。そう言う南坂さんに私は激しく同意する。
トレーニングに付き纏うのがコズミである。特にトレーニング後に入念な柔軟等のケアを怠ったウマ娘は大体経験する症状だ。勿論、ウマ娘によって症状の個体差はあるし中にはケアしてもコズミになってしまうウマ娘もいる。
そう言ったウマ娘は得てして筋肉が固く、他よりも注意しつつ柔軟性を持たせるトレーニングをしなければいけない。
でなければ本格的なトレーニングを行う事が出来ず鍛えにくいウマ娘とトレーナーに見られてしまうからだ。
スカウト前のウマ娘にとっては死活問題、スカウトされたウマ娘も上手くトレーニングを出来ずいい成績を残しづらくなってしまう。
(ホント…………柔軟とか集中してやってて良かったわぁ)
私の走法はかなり特殊らしいので(沖野さん証言)特に最近は今までよりも柔軟を持たせるストレッチを重視している。レース中に走法を変えるのはそれだけ脚に負担がかかるとの事なので特に。
お陰様で体も大分柔らかくなって、最近では脚を開いたまま胸が地面に着くようになった。目標は目指せテイオー並みの柔軟性!
(まぁ無理か。)
脳内でコメクイテー顔の私を浮かべながらそう呟いた。
感冒、つまり風邪に関してはなるようにしかならないと思う。勿論予防は大切だけど、トレーナーに必要なのは風邪にかかった後のケア。
南坂さん曰く、感冒が治った後に急なトレーニングをすると逆効果らしいのでそのトレーニング計画が大事との事。
本人は謙遜していたけれども、それでも南坂さんの医療関係者顔負けの知識量はおハナさんでも敵わないって言う位だから本当に凄い。私の知らない事、そして知っている事でも豆知識を加えて教えてくれるので新たな知識が増える増える…………
なんでこの人アニメであんな振り回されてたんだ?こんなに凄い人なのに。この人のお陰であの程度に済んだのか、はたまたこの人でもあれほど振り回せるカノープスのメンバーが濃いのか…………
そんな事を考えてしまう位に脳を酷使しちゃってちょいとオーバーヒート気味な私。
これには南坂さんも苦笑して私を見た。ごめんなさいやる気が無い訳じゃないんです。ただ脳が疲れちゃって…………
壁掛け時計を見れば時刻は丁度昼の12時。朝8時からやっていたので気づけば4時間近く南坂さんの時間を盗ってしまっていた。南坂さんも時間に気づいたのか再度苦笑する。
「時間も時間ですし今日はこの辺でお開きにしましょうか。」
「ごめんね南坂さん。こんなに時間使っちゃってさ。」
「別に構いませんよネイチャさん。私の担当も夏休みで帰省していますし、それに存外私もこの時間が好きなので。」
私の謝罪に微笑みながら答える南坂さん。私はそんな南坂さんから視線をバッグへと移した。
ゴソゴソとバッグの中に手を突っ込む私はお目当ての物を見つけるとそれを南坂さんへと向けた。
「それは?」
「お礼だよ?一応おハナさんや沖野さんにもおいしいって感想を貰ってるから味の保証は実証済み。」
私が取り出したのは何時もの
いや~おからを使うのはよくあるんだけど、味の調整が大変でバターとか砂糖とか減らしてるから最初は美味しくなくて、ムキになってきな粉とか色々試してみて頑張った代物である。
「これがおハナさんが自慢していたクッキーですか。私も食べてみたかったので嬉しいですね。」
「そう言って貰えると嬉しいよ。お昼のデザートにでも食べてね?」
のんびり帰り支度をしながら私はそう答えた。テーブルに置いたクッキーは10枚入りを簡素にラッピングした物。沖野さんにもおハナさんにも作っているので量産化を本格的に考えなければいけない気がする。
感激したように嬉しそうにする南坂さんに少し笑いながら、私は部室の出入り口まで歩いた。
「次は来週でしょ?また作って来るから期待しないで待っててね?」
「残念ですがネイチャさん、期待してますよ?」
どうやらこれはリピーターが増えそうだ。そう苦笑しながら考え、私はカノープスの部室を後にした。
「んじゃ南坂さんさようなら、また来週。」
「はいネイチャさんも怪我の無いように。また来週会いましょう。」
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