キラキラの一等星   作:ミヤフジ1945

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昨日初めてネイチャの育成でUG行ったので嬉しくて書きました。






第26話

 

 

朝食を終えた私とルドルフ先輩は一度部屋に戻ってトレセン学園の運動服へと着替えてからシンボリ家所有のコースへと向かう事にした。私の場合は着替えに加えて私とルドルフ先輩の2人分のスポーツドリンクの準備もあるんだけどね。

スポーツドリンクと一括りに言ってもその種類はかなりの量になる。ペットボトルや缶に入っている完成品から粉末状になっていて必要な時に水で作れる商品。アイソトニック飲料やハイポトニック飲料の種類の違い。一般人用にウマ娘用、そこに更に各会社独自の配分もあるのだから、正直言って前世よりも種類が多くて数えるのもめんどくさい。

 

今回私がバッグに入れて持ってきたのは粉末状のウマ娘用ハイポトニック飲料系のスポーツドリンク。ハイポトニック飲料は浸透圧が低くて運動して体内の水分が減った時の水分補給の効率がアイソトニック飲料よりも良い。まあ逆にアイソトニック飲料は浸透圧が体内の水分と同じくらいで、風邪とか体調不良の時はそっちの方が効率良く水分補給出来るので私は時と場合で種類を使い分けているけど。

 

取りあえず運動服に着替えてから、私は持ってきたスポーツドリンクを作る為にセバスさんからお借りしたアレ…………名前何だっけ?ほら、良く運動部とかが使っている蛇口のついたでっかい水筒みたいなアレ。

 

…………まあいいか。

 

本当はこのスポーツドリンクも市販品じゃなくて完全に自分で自作してみたいんだけどね。水に塩と砂糖、あとレモンとかで基本的な部分は出来るんだけど中々美味しく、なおかつ低カロリーで安価に作る事が出来なくて現状は挫折中なのですわ。

 

そんな話は兎も角として、セバスさんにお借りしたでっかい水筒の化け物みたいなアレに私とルドルフ先輩の2人分のスポーツドリンクを纏めて作ってから、ルドルフ先輩の案内でシンボリ家所有のコースへとやって来た訳でして。青々と芝が生えるシンボリ家の自家用コースは流石に毎日専門業者が手入れしているトレセン学園にはどうしても劣ってしまうけど、一般的な公共コースに比べれば遥かに綺麗で整備されているとても立派な設備だった。コースの周りを囲むように植えられた広葉樹が影を伸ばし、公園にありそうな木製の屋根が付いたテーブルと椅子が観客スタンド代わりとでもいう様に小さく佇んでいた。

 

 

「ここが我が家のコースだ。一周2000mのコースが1つと、その中にダートコースが1つある。ウッドチップはまた別の場所にあるが今日は別に良いだろう。」

 

 

「はえぇ…………綺麗ですねぇ。」

 

 

「そうだろう?私も小さい頃は爺に頼んでここでトレーニングをしたものだ。」

 

 

少し得意げな様子で説明するルドルフ先輩に私は思わず少し間抜けな声で返事してしまった。私の出した変な声にルドルフ先輩はちょっとだけ笑っている。

 

もしかして笑いました?いや?笑っていないとも。そんな感じでルドルフ先輩とお互い笑いながら他愛の無い会話をしつつ、私達が歩いて来たお屋敷の玄関からコースへと続く石畳の道から芝の生えたコースの中へと入った。

蹄鉄付きのランニングシューズで芝を踏みしめる感覚を少しだけ楽しみながら、案内してくれているルドルフ先輩に着いて行く。

 

それにしても、まだ午前中だというのに日本特有のじめじめとした蒸し暑さがひりつく様なお天道様の光と共に私の体に纏わりついて来る、ルドルフ先輩はそんなモノ知らんとばかりに平気そうに歩いている。そんなルドルフ先輩に対して私は既にここまでの道のりでトレーニング用の運動服の中は汗でべとべとだ。

 

 

「ん?…………あいつは。」

 

 

唐突に、ルドルフ先輩は何かを見つけたのか足を止めてた。何だか分からないけど私も歩みを止めてルドルフ先輩が見ている方向、コースの反対側を見れば1人のウマ娘が不敵な笑みを浮かべてこちらに歩いて来る所だった。

 

ルドルフ先輩とは違うやや丸みがかった白い流星を持った鹿毛のウマ娘。右耳に付けられた波打つような形の耳飾りと、近づくにつれてハッキリと見える様になったルドルフ先輩に少し似た顔立ちが浮かべる不敵な笑み。

 

 

「おはようルドルフさんよ。今日は随分と遅かったじゃねぇか?」

 

 

「…………シリウスか。来ているなら一言言えば良かっただろう?」

 

 

「お生憎様、私は誰かと慣れ合う為にコース(ここ)に来ている訳じゃねぇんだ。」

 

 

「だとしてもだ。お父様のご厚意で使わせて貰っているんだ。せめてお父様に挨拶くらいはして行け。」

 

 

シリウスと呼ばれたウマ娘は不敵な笑みを消すこともせずルドルフ先輩に向き合っている。ああそうだ、なんで忘れていたんだろうか…………

シンボリ家と言えばルドルフ先輩の他にもいたじゃないか。ルドルフ先輩の1つ下で、史実ではシンボリルドルフに続き翌年の日本ダービーを勝ってダービー連勝という栄光をシンボリ牧場へと持ち帰り、2年間海外で活躍し日本競走馬に夢を見せてくれた名馬。そのウマソウルを引き継いだウマ娘が。

 

 

 

シリウスシンボリ

 

 

26戦4勝。G1を1勝し、生涯会得賞金1億4310万円+229,000フランス・フラン+16,500マルク。日本円で合わせると合計1億4930万円。海を渡りイギリス、更にはフランスやドイツ、イタリアなど、ヨーロッパを主戦場として走っていた名馬で海外での戦いは脅威の14戦。生涯戦績の半分以上が海外という珍しい競走馬で敗北してしまったがかの凱旋門賞にも挑戦した事がある名馬。それがシリウスシンボリである。

 

ウマ娘としてはルドルフ先輩をライバル視しており粗野で口も悪いが、しかしルドルフ先輩とは違う方向性でカリスマ性を持ち、嘘や方便が嫌いで常に強気で自信家のウマ娘。そのシリウスシンボリが今、私の前に腕を胸の下で組んで佇んでいる。

 

 

「あん?誰だお前?」

 

 

ルドルフ先輩に向けていた一対の瞳が私へと向けられる。というかシリウスシンボリは私が居る事に今の今まで気づいていなかったのか…………

 

 

「はあ…………ネイチャ。こいつの名前はシリウスシンボリだ。私の従妹で年は1つ下、丁度ネイチャと同級生だ。」

 

 

「ども…………ナイスネイチャです。」

 

 

溜息と共にルドルフ先輩は私にシリウスシンボリを紹介してくれた。私も一応挨拶をしたのだけど、当のシリウスシンボリ本人は私の自己紹介を聞いてから何やら先ほどまで浮かべていた笑みを更に不敵な物へと変えていた。

 

 

「へぇ…………お前が。私の名前はシリウスシンボリ。かの有名なナイスネイチャと会えて実に光栄だな。」

 

 

口ではそう言っているシリウスシンボリだけど、彼女の猛禽類の如き鋭い目は言外に全くそう思っていない事をはっきりと語っていた。

 

 

「…………それで、私達はこれから日課のトレーニングをする予定なのだがシリウス、お前はどうするのだ?もしここを使うなら私はネイチャは案内とアップがてらウッドチップコースの方に行って来るが?」

 

 

「本当は今日ルドルフ、アンタと勝負しようかと思っていたんだが…………気が変わっちまったぜ。」

 

 

「…………何?」

 

 

シリウスシンボリの言葉に訝し気に聞き返すルドルフ先輩。なんだろう、私としては凄く嫌な予感がするんだけど。

暑さによる汗とは違う嫌な予感による冷や汗が私の背筋をツーっと撫でる感覚。そしてシリウスシンボリはルドルフ先輩から私へと視線を移して、浮かべていた不敵な笑みを獰猛なモノへと変えた。

 

 

「模擬レースに一切出ないから疑っていた所だ。ナイスネイチャ…………お前と勝負してやる、トレセンの噂が本当かどうか確かめてやるぜ。」

 

 

「はあ?」

 

 

「何…………シリウス()こそが最も明るい星だ。いくらナイスネイチャ(素晴らしい素質)でも、素質だけじゃ1等星には勝てねぇって事を私が教えてやるよ。」

 

 

 

そう言ってシリウスシンボリが浮かべる獰猛な笑み。何時かのルドルフ先輩を彷彿とさせるその笑みだが、此処で私は気づいてしまった。

口では私に対して挑発する様にそう言っているシリウスシンボリだけど、その瞳の中に私は映っていない。ルドルフ先輩よりも明るいワインレッドに輝く彼女の瞳が映しているのはただ1人だけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………少しだけ、私の中のナニカが吼えた気がした。

 

 

 

 

 

 

 







シリウスシンボリというウマ娘のキャラクター像が掴めない…………
シングレは持ってないし、何とか史実エピソードを調べて書くしかない。

シガーネイチャのジュニア期以降の進路

  • ルドルフ先輩に続け無敗三冠
  • いやいや、トリプルティアラこそ至高
  • もっと上を目指そう海外クラシック挑戦
  • 良いパワーしてるね?国内外ダート挑戦
  • その他
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