元人理救った人類最後のマスターその2、現在クリプター 作:Mr.ドリアン
原作と殆ど変わらないであろうシーンやセリフは大きくチョキチョキしてるのと、急いで仕上げたのでちょった拙くなってるかもしれません。てか、なってる。特に最初。
あと、作者はガンダムを履修していないので、水星の子が水星たぬきって言われてたのを感想欄で初めて知りました。よくよく見れば、たぬきに見えて面白い。
『―――正面ゲート開放。ようこそ、ゴルドルフ・ムジーク様。並びに、国連査問会の皆様。当カルデアは皆様の入館を歓迎します。』
「………さて、どう料理してやろうかしら」
「落ち着け。元所長。そんなことすれば、ここは解体に真っ直ぐだ」
「元じゃないわよ!元じゃ!」
人理継続保証機関フィニス・カルデア。ここは、その中央管制室。そこにカルデアに所属している機能が停止しないための人員以外の全員が集まっていた。
その中で、騒いでいるのは、このカルデアの所長であったオルガマリー・アニムスフィアと医療チームの特別顧問としてカルデアに在中しているギリシャの英雄、アスクレピオスだ。
「いいかい。マシュ、藤丸くん。君たちは基本的に沈黙だ。あそこの元所長のように騒いだら駄目だよ」
「あ、はい」
「も、勿論です」
「私を悪い例みたいに使うんじゃないわよ!それと、そこ二人!納得したような顔してるんじゃないわよ!あと私は現所長よ!」
「ちょっ、マリー!燃えてる燃えてるから!」
すると、オルガマリーの体は、彼女の激情を表すかのようにメラメラと揺らぎだす。背中や肩にいたっては人型が留められず、炎が吹き出すように歪んでゆく。それを医療チームのトップである青年、ロマニ・アーキマンが諫めると、オルガマリーは、落ち着きを取り戻したのか、ゆっくりと人型へと戻って行く。
「………ふぅ。まぁ、こうなるのはわかっていたわ。まったく忌々しい。あの、ボンボンめ」
「実家の後ろ盾を無くせば、ただの癇癪持ちの面倒な幽霊だからな。貴様は」
「うるさいわね!わかってるわよ!」
「はいはい。そこまで、奴さんがいらっしゃったよ」
再び、オルガマリーとアスクレピオスの口喧嘩が始まるのかと思えば、管制室の扉の方から足音が聞こえてきたことにより、続けられることはなく、お互いが鼻を鳴らして、扉の方へと向く。
「ほぉーう!ほほぉーう!仲々良いではないか!地の果ての工房と聞いて期待はしていなかったが、ここまで近代的な施設とは!ロンドンのどこの研究室よりいいのではないか?」
「随分な胴間声だね」
「…………るっさいわね」
「所長とそんなに変わらないんじゃ………」
「ん?」
「なんでもないです!」
扉が開き、そこから聞こえるのは、男の耳を抑えたくなるような胴間声だった。それにオルガマリーが顔を顰めて文句を言うが、立香の呟きに即座に反応して笑顔へと変わる。
ぞろぞろと武装をした兵達とそれに見合わぬ美女を一人引き連れ、他の者より太った金髪の男、ゴルドルフ・ムジークが立香達の方へと歩いてくる。
「ほう、そこにいるのが報告にあったサーヴァン……ト………き、君は、まさか」
ゴルドルフはダ・ヴィンチを見ると、その横に存在しないはずの人物の姿があることを確認し、だんだんと顔が青くなっていく。
「オルガマリー・アニムスフィアですが、なにか?」
「ヒィッ!」
オルガマリーはゴルドルフに声を掛けられ、笑顔のまま振り向く。それを見たゴルドルフは情けない声を上げる。それもそのはず、オルガマリーは死んだことになっており、そんな彼女は恐ろしい笑顔を浮かべているのだから。
「き、きききき君は、し、しし死んだのではな、なかったのかね!?」
「えぇ、死にましたが?お蔭で、ほら」
「ヒィィィッ!」
オルガマリーが体から炎が吹き出ると、ゴルドルフは恐怖で腰を抜かし、そのまま後ろへと下がっていく。そして、美女が少し屈んで、ゴルドルフを受け止める。
「落ち着いてください。彼女は霊体。魂だけの存在です。さらに言えば、延命処置したのは、火神水琴、彼です。今の彼女は炎そのもの。我々に直接干渉できても微々たるものです」
「そ、そうなのか?ふ、ふん!おどろかせるんじゃないよ!まったく………」
ゴルドルフは、先の戦いの唯一の戦死者、火神水琴の名前を聞くと、調子を取り戻したのか、ふん、と鼻を鳴らして、立ち上がると、カルデアの職員達を見る。
「それにしても、彼のことは実に残念だ。あぁ、実に残念でならないよ。彼の名は時計塔でも有名な魔術師だったからね。特に、悪い方でだが」
「え?」
「まぁ、トラブルメーカーだったから」
「こればっかりは否定のしようがないわ。アイツ、自由奔放すぎなのよ」
ゴルドルフは鬱憤が晴れたように水琴の訃報を悼む。それを見て、時計塔時代の水琴を実際に見ていたロマニもオルガマリーもしょうがないと言うように頭を抱える。
「それにしても、不思議なものだね。彼の魔術は使用者が死んだとしても持続可能なのだな」
「それに関しては維持装置があります。常に水琴くん本人に維持をしてもらうわけにも行きませんでしたし、彼には常に万全を期してほしかったですから」
「なるほど。魔術道具の面にしても掘り出しものが、かなりありそうだな。コヤンスカヤくん。なかなか良いものを紹介してくれて助かるよ」
「そう言っていただけると光栄です♡」
ゴルドルフは自身の後ろに控えている美女、コヤンスカヤにカルデアを紹介したことに礼をいれる。そうすれば、コヤンスカヤは満足そうなゴルドルフの顔を見て、自身も満足する。
「さて、所長代理ロマニ・アーキマン。前所長オルガマリー・アニムスフィアの代理よくぞ務めてくれた。これより、業務をこの私、ゴルドルフ・ムジークに引き継がさせてもらおう。そして早速で悪いのだが君たちは拘束させてもらおう」
ゴルドルフの合図と共にゴルドルフの後ろに控えていた兵士たちが立香達へと銃を構える。咄嗟にマシュが前へと出ようとするが、それをロマニが手で制して、マシュに笑顔を向ける。
「あら、随分と穏やかじゃないわね。私たちは既に犯罪者扱いなのかしら?」
「少なくとも査問会が終わるまではそんなことをされる謂れはないと思います」
「ふん。オルガマリー・アニムスフィアが魂の存在でだが生存していることなど、報告書にはなかった。つまり、国連の報告の命令に背いているのは明白。ならば、君たちには叛逆の意思があると思うのだがね?」
「あら、記載はしましたわよ?前所長は地縛霊となった、とね。それに、ここには英霊が二人と疑似英霊が一人いるわ。警備設備等々もそこらへんの国よりも上。少なくともそれは報告書にも記載していたわ。なら、そんな武力を抱える組織と交戦するかもしれない、って言うその割には、随分と兵の数が少ないじゃない。つまり、その数で連れてきたのが国連の兵隊なら、一先ずは、できるだけ友好的に、戦うのは相手の態度、危険度次第。が国連の考え。なら、今銃を構えているその兵は国連の兵隊じゃくて、貴方の個人的な兵隊になるわね。違う?」
「ぐっ…………。こ、コヤンスカヤくん!カルデアに残った人間の中に私に逆らえる人間はいない、という話ではなかったか?普通に逆らわれているのだが」
「その振り込みでこちらの商品を売り込んだのですが。申しわけありません。そもそも前所長のオルガマリー・アニムスフィア様が生きているとは思いもよらず」
「ぐぅ…………」
ゴルドルフは信頼していた女性にも報告漏れ♡と言われて、ぐぅの音しか出なくなってしまった。ゴルドルフが悔しそうに歯噛みしているのを見て、オルガマリーは勝ったと、優越感に浸る。それがカルデア職員たちからすればあからさまだからか、彼ら彼女らのオルガマリーを見る目は少し冷たい。
結局のところ、オルガマリー・アニムスフィアとゴルドルフ・ムジークの二人は似た者同士だったりするのだ。
「閣下。所詮虚仮威し。威厳を見せてください」
「う、うむ。そうだな。私はできる男だ」
美女はゴルドルフにそっと囁く。そうすると、ゴルドルフは自身を取り戻したのか、咳払いを一つすると、オルガマリーを見据える。
「残念ながら、オルガマリー嬢。私が借り受けた人員はこれだけではない。今もヘリでこちらへと運び込まれている。ざっとこの三倍。カルデアの制圧は容易い。これが魔術協会の意向だと思ってくれたまえ。旧スタッフを拘束、一箇所にまとめ、その間にカルデアを調べ上げさせてもらう。その後、私が連れてきた人員へと引き継がさせてもらう。旧スタッフの殆どは解任だろうがね。私が紳士的であったのを感謝して欲しいね」
今度はオルガマリーが悔しそうに顔を歪ませる。普通に言い返されるとは思っていなかったのだ。オルガマリー自身、ゴルドルフは自身と似ているのをなんとなくだが、理解した。そのため、ある程度崩せば、勝手に自滅すると思った。何故か?自分がそうだからだ。しかし、オルガマリーは失念していた。依存先のいる自分がある意味無敵だったことを。レフ・ライノールの緑たわし野郎がいた時の自分がカルデアにおいて、完全無欠(笑)の所長様だったことを。登場する作品が違えば、心の怪○団に目でもつけられていたかもしれない。そのことを周り(主に水琴とアスクレピオス)から散々イジられていたため、苦い思い出となった当時の自分をオルガマリー記憶に封印していた。だから、気付けなかった。ゴルドルフが、人理焼却の最初、カルデアが爆発する前の自分とそっくりであったことを。ゴルドルフの後ろに控える美女が忌々しいたわし野郎が自分を見ていた目と同じ目でゴルドルフを見ていたことを。
オルガマリーは諦める。これ以上、言い合ったとしたら本当に戦争を始めることになるからだ。ここにいるのが、立香ではなく、水琴だったらすぐに戦争に舵切っていたかもしれない。前提的に水琴がいれば、こうはならなかったというのもあるが。
「一ついいかしら?」
「………ん?なんだね」
「ここを貴方のものにした旨味はなに?」
ゴルドルフは笑い、美女は嗤う。
「そんなもの。私が決めることだ。私はムジーク家の私財の全てを使ってここ、カルデアの利権を買い取った。少なくとも、魂だけの存在の貴様や、火神水琴の作った魔術道具諸々は有用性があると思うがね」
「ゴルドルフ所長。挨拶はそのへんで充分ではないかと。教会の査問会の準備が整いました。すぐに調査を開始したいのですが」
そこにコツコツと靴を鳴らしてゴルドルフへと、一人の神父が話しかける。神父は立香たちに気がつくとそちらへと向く。
「すまないな。言峰神父。紹介しよう。彼は―――」
「お初にお目にかかる。私は言峰綺礼。教会の聖堂教会から査問会顧問として派遣された神父だ。よろしく頼むよ、人理継続を果たしたカルデアの諸君。短い間だが、どうか苦楽を共にせんことを」
「………まさか、カルデアの謹慎室が独房として使われることになる日が来るとは、思いませんでした」
「まったくだ!こんなことならここにも予算を使っておくべきだったね!ところどころ破れてる硬いベット!旧式のガタガタいっている中古で買った空調!そして、自分の周囲くらいしか照らせないケチりにケチった照明!ハッハッハッ!独房とはこのことだね!まぁ、外には出たければある程度は出れるのだけれど!」
ここは、フィニス・カルデアの謹慎室の一室。そこに異様にテンションの高いダ・ヴィンチの声が響く。それを見て、よく呑気にいられるな、と呆れたような感心したような目で見るカルデアのスタッフの一人であるムニエルとそれを苦笑いで見るマシュ・キリエライトと立香の四人がいた。
かれこれ、彼等はここでかれこれ四日ほど過ごしていた。
「それにしても。コヤンスカヤという女の情報が少なすぎる。あるとすれば、この水琴くんの残したUSBのデータのみ。まさか、要注意人物としてマークしてるとは思わなかったよ」
「要注意人物のところに言峰神父もあります。えっと、元々は冬木市の教会の神父をしていて、2004年に行われた第五次聖杯戦争の監督役であり、10年前に行われた第四次聖杯戦争においてはアサシンのマスターとして参加していた。その際のサーヴァントは当時の監督役の記録から百貌のハサンと推測。英雄王のギルガメッシュ王とも交流があったとか。娘がおり、名前をカレン・オルテンシア。仲はすこぶる悪い。赤い外套の正義の味方、うっかり女神姉妹、灰になった某快楽の女神、着ぐるみジャガーよろしく、冬木市の関係者はなにかと英霊そのものや依り代になることが多いため、上記の両名の顔を覚えておいて損はない。好きな食べ物は冬木市にある中華飯店、紅洲宴歳館・泰山の麻婆豆腐。興味本位で食べることはおすすめしない。…………先輩、どうしてでしょう。私、この写真の麻婆豆腐を見たこと無いはずなのにあるきがします」
「うん。私も見たことあるきがする」
「というか、随分と調べてあるな。泰山のレビューまであるぞ」
四人が見ているのは、謹慎室の机の引き出しに仕込まれていたパソコンとデータの入ったUSBだった。どうやら、立香の尊敬する先輩はこうなることも予想済みのようで、要注意人物として、ゴルドルフ・ムジーク、タマモヴィッチ・コヤンスカヤ、言峰綺礼の三名のデータが目立つように配置してあった。
更にこの世界のことに乏しい立香の事を配慮してのことか、魔術協会、聖堂教会etc.検索をかければ殆どのことが情報として現れるようになっていた。この世界においては地球の本棚といっても過言ではないほどの情報量だ。
「………………」
「どうしたんだよ。ダ・ヴィンチ」
そんな中、ダ・ヴィンチは深刻そうな顔でなにかを思案する。それにいち早く気付いたムニエルがダ・ヴィンチに声をかける。
「いや、謹慎室のパソコンにUSB。更にそこには、今回の査問会の中心人物達のデータ。少し、きな臭く思ってね」
「………水琴の奴が手を引いてるとか、そんなこと言いたいのか?」
「そういうわけじゃない。でもね、話が進めば進むほど、不気味だ。言うなれば、ここまでは彼の思い描いているであろう展開になっているってことだろう?関係者ではなくとも、こうなることを知っていたとでも言うような―――」
「ダ・ヴィンチ」
「…………わかってるさ。言ってみただけだよ。許してくれ」
ムニエルは、この場に水琴を慕っていた立香とマシュがいるのを忘れて、考察を始めだしたダ・ヴィンチを諌める。ダ・ヴィンチは即座にそれを理解し、口を噤む。
パソコンからできるだけ情報を得ようと集中するマシュの横で、立香は二人の会話を聞こえたため、目線が僅かに下がる。
「おい藤丸立香、出ろ!査問会からの招集だ!」
その時、謹慎室の扉がドンドンドンドンと大きな音を立てて鳴り出す。そして、大声で立香を呼ぶ声がする。マシュは驚いて、咄嗟にパソコンを閉じると、ベットの毛布の下に隠す。
「おっと、どうやら。尋問の時間らしい。いきなり立香くんとは。いいかい立香くん。沈黙は金、だ。下手な発言は気をつけたほうがいい」
立香は頷いて、一度深呼吸すると、部屋を出る。
尋問が終わり、先程までいた部屋を出る。立香はどこかぐったりとした状態で、廊下を進んでいく。
「……………七時間ぶっ通しで質問責めは、ちょっと」
立香は部屋に入って、間髪入れられることなく七時間ぶっ通しで質問責めにあった。その中には、水琴のことだったり、Aチームメンバーの質問だったりよくわからないものまであった。
立香としては、そんなこと私が知るかマリモ野郎!と叫んでやりたかったが、その衝動をぐっと抑えた。言ったら碌な事にはならない。
「お疲れ様です♡」
「あ、えっ、と…………」
部屋を出ると、そこにはゴルドルフの後ろに控えていたコヤンスカヤと呼ばれていた美女がいた。
「申し遅れました。私、ゴルドルフ新所長の秘書を務めております。タマモヴィッチ・コヤンスカヤと申します。どうぞ、お見知りおきを」
「あ、えっと、藤丸立香、です」
「これはご丁寧にどうも」
自己紹介をしていなかったと、改めて立香に挨拶をしたコヤンスカヤを見て、立香は彼女への何故か警戒度を上げてしまう。自身の目の前の柔らかい笑顔を向けるコヤンスカヤに立香は何処か既視感を覚えたからだ。
「それにしても、大丈夫?」
「え?」
「まだお若いでしょう?なのに世界を救って、それなのに軟禁されて、七時間よくわからない世界の事情に巻き込まれる。到底、その年で経験することではありませんわ」
警戒する立香と裏腹にコヤンスカヤは、立香へと労りの言葉をかける。その顔は、立香を本当に不憫そうに見ていた。
「それに。貴方、日本の一般家庭の子だったはずでしょう?魔術に関わりなんて無いはずなのにどうしてスカウトなんて………なるほど、レイシフト適正が高かったのね」
なにも喋っていないのにペラペラと立香のことを喋りだすコヤンスカヤに立香は不気味に思いだす。
「それにしても、火神水琴のことは、本当に残念に思うわ」
「………………」
「そうそう。貴方とAチーム以外のマスター達ね。蘇生されて母国に帰ったのよ」
「え?」
自分達が軟禁されている間に爆発により、冷凍保存を止む無くされていたマスター達が母国に帰ったことを知らされた立香は思わず、声をもらす。
「彼らの情報はきっと高値で取引される。だって、彼ら自身がレイシフトが可能だという証明しているのだか―――失礼。ビジネスの話はあまりするものではありませんわね」
「…………なにが、言いたいんですか?」
「貴方も、帰ろうと思えば帰れる。と言いに来たの」
立香の息が止まる。
「貴方は元々、日本人のただの学生。本来ならば、青春というものを謳歌している年齢。それなのに貴方は、戦いに身を投じている」
「――――」
コヤンスカヤが立香の瞳を見る。立香は動揺して、大きく瞳を揺らしている。
「火神水琴と同じAチームの優秀な人達がこれから蘇生される。貴方はもう、戦う必要なんてない。違う?」
コヤンスカヤは囁く。立香を折るように。二度と立ち上がらないようにするかのように。
「わた、しは………」
「いいのよ?やめてしまって、全部投げ出してしまって」
それはまるで、かつて中国で傾国美女として名を馳せた九尾の狐がごとく、蛇が睨んだ獲物を逃さないように、コヤンスカヤは立香を追い詰める。
「だって、こんなにも頑張ったじゃない。だからもう辞めたって「フォウ!」―――ッ!!」
瞬間、二人の間に小さな白い影が通りすぎる。
「お前は………!」
「フォウくん?」
白い影の正体は、カルデアに住み着く四足歩行の謎の生物、フォウくんだった。その正体は、アーサー王伝説に登場する幻獣キャスパリーグであり、アヴァロン住まいのクソ野郎こと、マーリンの元同居人だ。色々あって、現在の彼には、キャスパリーグとしての力や記憶は殆ど残っていないが、マーリンを見た時は殴りかかる知性はある。どちらかというと、それは本能に近いのかもしれないが。
「邪魔をしないでくださる?私はこの子をただ重責から解放してあげたいだけなの」
「フォウ!」
「……………あ゛?」
嘘こけ、腹黒メガネ!、フォウくんが何をいっているのか、立香には理解できない。しかし、コヤンスカヤにはフォウくんがなんと自分に言ったのかを理解できた。コヤンスカヤは見下しているものに馬鹿にされるのを酷く嫌う。
「…………まぁ、いいでしょう。それよりも、藤丸立香さん。あなたに聞きたいことがありまして」
「聞きたいこと?」
「えぇ」
「フォウ!」
「―――あなたは!少し!…………黙っててください♡」
「フォォウ!?」
コヤンスカヤはフォウくんを一瞥すると、立香へと視線を戻す。フォウくんはコヤンスカヤをこれ以上、立香と会話させないためにコヤンスカヤへと飛びかかるが、コヤンスカヤはフォウくんをキャッチすると、そのまま胸の中に抱え込む。
「あら、失礼。それでね。火神水琴が作ったって言われる魔法について聞きたいのだけれど」
「魔法、ですか?」
「ええ♡なにか、知っていることがありましたら、と」
コヤンスカヤの聞かれた内容に立香は困惑する。魔術なら兎も角、魔法は根源なるものうんぬんと聞いていたため、そんなものを作った話を彼から聞いたことがあっただろうかと、考え込む。ふと、人理修復の旅でしたある会話が立香の頭をよぎる。
「――――いえ、聞いてないです」
「…………………そうですか♡なにか知っていれば、と思ったのですが、残念です。おっと、もうこんな時間。では、失礼させていただきます♡」
コヤンスカヤはフォウくんを離すと、笑顔のまま立香に背中に向けて、歩いていく。
『魔術と魔法の違い?まー、簡単に言えば、科学で説明できるか否か、みたいな感じか?』
『まぁ、現在の世界の知識全道員して、証明できるかできないとか、だな。ざっくりいうと』
『俺の火だって、科学で証明できるから魔術だぜ?ほら、エネルギーどうこうと酸素分子どうこうてきな。あれ、これって化学の分野だっけか?まぁ、いいや』
『ん?魔法は使えないのか?』
『あー、実は理論は完成してるんだよ。ちなオフレコな?』
『まぁ、難しい部分は端折りに端折って、俺の可愛い後輩に教えてあげましょう』
『俺の魔法は――――』
原作と全然違って、殆ど生存してるから展開色々変わるし、オルガマリーさんとドクターの細かい部分の口調と性格が思い出せなくて困ってます。ドクターはこんなことしない!は、ぜひ教えてください。優しいキャラって難しい。オルガマリー?あ、彼女は大丈夫です(作者の性格がこんなんだから、自分ならこうするやれば大体オルガマリー)。
ちなみにオルガマリーのゴルドルフへの長文は、それっぽいこと適当こいてるだけです。そのためドヤ顔かましても冷たい目で見られてます。オルガマリーは、地頭いいけど交渉とかになると頭悪くなるイメージがあるのと、作者の頭がシンプルに悪いんですねぇ。残念なことに。
二幕序章終わったらアナスタシア再履修してきます。