「彩葉さん、貴女に地下デュエルの特別オファーが届いております」
スーツにシルクハット姿の痩躯の男性の言葉に、真っ白なふわふわベッドに寝転がっている少女――柳里彩葉は面倒そうにごろんと転がりながら、まさしく猫のように丸くなって痩躯の男性――自分の地下デュエルにおけるマネージャーであるモンキー猿山を気だるげな猫目で一瞥する。
「めんどい」
「……これは運営からの直々のオファーとなっております。その意味が分かりますね?」
「……」
一刀両断する彩葉だが眉一つ動かさず薄い笑みを浮かべている猿山の言葉を受けて露骨に嫌そうな顔をする。
現在彩葉がいるこの部屋、高級ホテルを思わせる贅沢な家具が用意された上等な部屋は彩葉が地下デュエルで勝った賞金を元に借りている、地下デュエル内では最上級といえる部屋。下級ともなるともはや牢獄のような部屋に所狭しと押し込められている事も珍しくない中、そんな高級な部屋を独り占め出来るのは地下デュエルで勝ち進み、金を稼いでいる者の特権。
しかしその部屋含めて地下デュエルを運営している者に目をつけられたり機嫌を損ねたりすれば権力でこの部屋の使用権を奪われてもおかしくはない。それほどまでに運営というのは地下デュエルの中では絶対的な支配者だった。
「……相手は誰?」
ベッドに寝ころんだまま、しかし諦めたように促す彩葉に「そう言っていただけると思いました」と薄い笑みのまま答える猿山。そして彼はぺらりと資料をめくりあげた。
「お相手も貴女と同じく地下デュエルのデュエリストです。ですが、趣味でギャンブルをしていて負けが込み、借金を重ね、デスマッチデュエルでも最近戦績が振るわず。ついに後がなくなって逃げ出しました。無論、すぐに捕まりましたがね」
「えー、そういう奴の制裁って犬飼のおじさん担当じゃないのー?」
「彼には見所のあるプロの落ちこぼれを相手してもらう予定でしてね……カイザー亮、と言いましたかな?」
「あっそ……で、そいつにデスマッチデュエルでトドメを刺せばいいの?」
猿山の説明に彩葉はごろごろと転がりながらあっさりと「殺す」という旨の言葉を口にする。しかし猿山は「ノンノン」と人差し指を振ってそれを否定した。
「もちろんそれも簡単でしょう。ですが、
猿山の酷薄な笑み。それを見た彩葉も「きゃは♡」と興味を示したように笑いを返すのだった。
「レディースエンドジェントルメーン!!! さあ、今宵のメインイベントを開始するぜぇ!!!」
さて、場所は非合法な地下デュエルの会場へと移る。
そこに立つのは黒猫を思わせる黒いネコミミパーカーがトレードマークな猫目の小柄な少女――彩葉。その目の前には大柄で筋肉質な男が目を血走らせて彩葉を睨みつけていた。
まるで美女と野獣のようなその光景を包むのは一応空気穴が天井に設けられているもののそこ以外は強化ガラスによって完全に密閉されていると思われる透明な部屋。一応出入り口だけは強化ガラスではないが、そこもそこで鉄製のドアになっており、閉じ込められれば脱出は不可能なのが伺えるものだった。
そして彩葉とその対戦相手は向かい合っているものの、透明な部屋自体はそれぞれ一人一つずつ独立しており、二人が向かい合うように立てばちょうどいい位置にテーブルデュエル用の端末が設置されている。
普段はコロシアムか何かを思わせる牢屋のような金網に囲まれてデュエルしている彩葉は珍しい趣向の部屋をふぅんと興味津々に見回し、部屋の外を見る。そこだけはいつもと変わらず、仮面で顔を隠した観客が自分達を見守っており、彼らのざわめきは部屋に付けられているスピーカーを通して彩葉に届いており、さらに見ると部屋にはマイクが取り付けられているため自分達の声もそこから外にスピーカーを通して届くようになっているのだろうと彩葉は推測していた。
「今回のデスデュエルはヘルキャット彩葉VSブラッドブル
司会者がそう言って観客を煽り、同時に用意されているモニターにでかでかと文字が表示される。
【ライフを奪いあえ!グリードデュエル!】
モニターに表示された文字に観客がざわざわと困惑した声を出したりする。
「今回のデュエルは特別製! デュエリスト両者のライフポイントが共有される仕組みだぜ! もっとも。それ用にデュエルディスクのシステムを弄るのは無理だったから、グリードデュエル用にシステムを構築したテーブルデュエル用の端末を使用してもらうぜ!」
本来デュエルモンスターズにおいてライフポイントとは文字通りデュエリストの
「困惑もごもっとも。しかし今回のデュエルにおいてライフポイントとは命ではない。そう、ライフポイントを
司会者はそう言って熱狂しつつも冷静にルールを説明していく。
今回のデュエルは先程言った通りライフポイントは両者共有、さらに20000ポイントからのスタート。
互いのデュエリストは通常通りのデュエルを行い、ライフポイントにダメージを与えた場合、その与えたダメージ分自分に
つまり20000のライフポイントを奪い合うというのは、このライフポイントをいかにして自分のマネーポイントにするか。という事である。
「ちなみにライフを支払う、または失うなど、ダメージ以外によるライフポイントの減少はマネーポイントへの加算とは認められない。また回復をした場合にマネーポイントが減るなんてケチな事はねえから安心しな!
そしてこのグリードデュエル、マネーポイント一ポイントにつき500円に変換! 全てのポイントを独り占めにすれば一千万円だ!」
その言葉に観客が「ほぉ」と控えめに声を出し、ブラッドブル潮なる男性も歓声を張り上げる。
「もちろん演出だって気合いを入れてるぜ! モニターをご覧あれ!」
司会者の言葉と共にモニターの映像が移り変わる。
現在彩葉達が入っている透明な部屋と同じものがモニターに映っている。いや、その部屋の上には額に「100」と書かれたメーターの貼りついた[強欲な壺]が置いてある。と思ったその時、二人の部屋それぞれの上にも強欲な壺が仰々しい機械音を立てながら降りてくる。どうやらここまで含めて演出らしい。
そしてモニターの中の強欲な壺が傾き、裏返って天井を完全に塞ぐような形でくっつくと共に壺の中から金貨が部屋の中へと降り始め、同時に強欲な壺の額のメーターも「99」「98」とカウントが進んでいく。どうやら金貨はソリッドビジョンらしく、地面に落ちると同時に消滅するも部屋を埋め尽くさんとばかりに降り注ぐ金貨の雨に観客達は面白そうに笑い、潮は画面を見ながら再び歓声を上げ、彩葉は「ふぅん」と呟きながら画面の推移を見守る。
そして20秒ほどでメーターのカウントが「0」を示すと同時に金貨の放出も終了。傾いていた強欲な壺は立ち直して沈黙した。
「これはちょっと地味なライフで勝利した場合のデモンストレーションだ! もちろん20000ポイントで勝利した場合はこんなもんじゃないぜ!! そしてマネーポイントを全て受け取らないとこの部屋からは出られないから注意してくれよな!」
「当然だ! 金も貰わずにさよならなんて出来っかよ!!」
司会者の念を押すような言葉に潮が声を上げる。気合充分な様子が伺え、司会者はうんうんと頷いていた。
「そして言うまでもないが、こいつはいつものデスマッチデュエルに付加した特別ルールだ。衝撃増幅装置の電撃にも注意しな! さあ、グリードデュエルの説明はここまでだ。ここからは二人のデュエリストの壮絶な
説明を終え、司会者がそう宣言すると同時、二人はテーブルデュエルの端末前に立ってデッキを端末にセット。
「「デュエル!!!」」
「イッツァ、ショーターイム!!!」
そして二人の掛け声とグリードデュエルなる地下デュエルの開始を宣言する実況の声が重なり合った。
「先攻は俺様だ! ドロー!!」
先攻を取ってカードをドローするのは潮。彼は六枚の手札を見てニヤリと笑う。
「俺はモンスターをセットし、カードを四枚セットしてターンエンドだ!」
「私のターン、ドロー♪」
合計五枚のカードセット、入念に仕掛けた様子の潮に対して彩葉はニヤニヤ笑いをしながらカードをドローする。
「私は[ツインバレル・ドラゴン]を召喚して、効果発動♪ このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に相手フィールド上に存在するカード一枚を選択して発動し、コイントスを二回行って二回とも表だった場合、選択したカードを破壊するよ。狙いはそうだね~、そのモンスターでいっか♡」
ツインバレル・ドラゴン 攻撃力:1700
彩葉の場に現れた、頭部が銃で出来ている機械龍の後ろに二つのコインが出現し、機械龍が狙いを定める。そしてコインが弾かれたように上空を飛び、落下。そのコインはそれぞれ「表」「裏」を示していた。
「ちぇ、残念。じゃあリバースカードを三枚セットして、守備モンスターに攻撃!」
効果は失敗、なら普通に攻撃と攻撃を指示。同時にツインバレル・ドラゴンが放った弾丸が潮の場のモンスターを撃ち抜き、壺の中からぎょろりと目玉を覗かせるモンスターが姿を現した。
「へへへ。[メタモルポット]の効果発動だ! 互いのプレイヤーは手札を全て捨て、デッキから五枚ドローする!」
「そんなとこだろうと思った。ありがとうございまーす♪」
一気に手札交換及び大量ドローを行える強力モンスターの姿に、しかし潮のプレイングから想定していた彩葉は笑顔でお礼を応える。その時、潮が「だが!」と声を上げた。
「メタモルポットの効果発動にチェーンして永続罠発動[グリード]! カードの効果でドローを行ったプレイヤーは、そのターンのエンドフェイズ終了時にカードの効果でドローしたカードの枚数×500ポイントダメージを受ける!
さらにチェーンして永続罠[神の恵み]も発動! このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、俺はカードをドローする度に、500LP回復する!
そしてメタモルポットの効果により、互いに手札を全て捨てて五枚ドローだ! そして神の恵みの効果により、ライフを500回復する!」LP20000→20500
「……ふ~ん」
潮は効果によってドローするごとにダメージを受けるカードを発動。それを見た彩葉は訳知り顔でニヤニヤ笑みを浮かべながら、メタモルポットの効果による手札交換処理を行い、新たな五枚の手札を見る。
「……じゃ、私はターンエンドでいいよ」
「ひゃっはぁ! エンドフェイズにグリードの効果発動だ! 俺は五枚ドローし、お前も五枚ドローしている。よって互いに2500のダメージだ! ひゃっはぁぁぁぁぁっ!!!」LP20500→18000
「あああぁぁぁぁっ!」LP18000→15500
「そして! このライフダメージは俺のグリードによる効果! よってマネーポイントは全て俺のものだ! そうだな!?」MP0→5000
潮はそう雄叫びを上げる勢いで叫び、このデュエルの審判も兼任する司会者を睨むように見る。それに対して司会者は「その通り!」と潮の主張を肯定し、同時に彼の部屋の天井に置かれている強欲な壺の額のメーターが上昇、「5000」を示す。
そして当初の説明通り一ポイントにつき五百円に変換される。この時点で彼はこのデュエル終了後、無事にマネーポイントを受け取る事が出来れば二百五十万円が手に入るわけだ。
「俺のターン、ドロー! 神の恵みの効果でライフ回復! そしてリバース・マジック発動[墓穴の道連れ]! お互いは、それぞれ相手の手札を確認し、その中からカードを一枚選んで捨てる。その後、お互いはそれぞれデッキから一枚ドローする!
俺の手札は[手札断殺]、[闇の仮面]、[デス・コアラ]、[プレゼントカード]、[手札抹殺]、[魔宮の賄賂]だ!」LP15500→16000
「……魔宮の賄賂を捨てて。私の手札は[BM-4ボムスパイダー]、[トランスターン]、[アイアンドロー]、[リボルバー・ドラゴン]、[融合]だよ」
「ならBM-4ボムスパイダーだ。そして墓穴の道連れの効果により、互いにドローする。当然神の恵みの効果でライフを回復する」LP16000→16500
「うん、ドロー」
互いに相手の指定したカードを墓地へと捨て、新たなカードをドロー。その時潮の場のカードがもう一枚翻った。
「この瞬間、永続罠[便乗]を発動だ! 相手がドローフェイズ以外でカードをドローした時に発動する事ができ、その後、相手がドローフェイズ以外でカードをドローする度に、自分のデッキからカードを二枚ドローする!」
ピーピングや手札破壊ではなくこれの発動が目的だったのだろう。潮はさらにリバースカードを一枚伏せると手札の魔法カードを発動する。
「魔法カード[手札抹殺]! 互いのプレイヤーは手札を全て捨て、その枚数分ドローする! 俺の手札は残り四枚、これを全て捨てて四枚ドローだ! 神の恵みの効果で回復!」LP16500→17000
「私の手札は五枚だから、五枚捨てて五枚ドローするね」
「さらに! 俺は便乗の効果で二枚ドローだ! 回復ゥ!」LP17000→17500
さらにお互い手札を一気に交換。そして潮は最後にモンスターとリバースカードを一枚ずるセットしてエンドフェイズへの移行を宣言する。
「グリードの効果! 俺はこのターン墓穴の道連れで一枚、手札抹殺で四枚、便乗で二枚。合計七枚ドローしている! よって3500のダメージだぁ!!」LP17500→14000
「私は墓穴の道連れで一枚、手札抹殺で五枚。合計六枚ドローだから3000ダメージ……あああぁぁぁぁっ!」LP14000→11000
そしてグリードの効果により互いに欲望の報いが電撃という形で襲い掛かる。もっとも彩葉はほぼ完全に潮の欲望に巻き込まれる形なのだが。
「へ、へへへ……この痛みも後で大金をいただくためだと思えば苦でもねえ……」MP5000→11500
「私のターン、ドロー」
そして潮は激痛とこの後の楽しみが入り混じったような不気味な笑みを浮かべながら、メーターに「11500」と記された強欲な壺を見上げている。それをどこか憐れんだような目で見ながら彩葉は「私のターン」と宣言し、カードをドローする。
「え?」LP11000→14000
その時、彼女のライフが、いや今回のルールでいえば共有となっているライフが唐突に回復する。それに彩葉が流石に驚いた顔を見せるが、続けて潮の場のカードが一枚翻っているのに気づき、潮がニヤァと笑みを見せる。
「トラップカード[ギフトカード]! 相手のライフを3000ポイント回復する。今回のルールでは共有だから俺のライフも同時回復みたいなもんだがな」
「ふ~ん。ま、いいや。ありがとね、おじさん♡ ドローフェイズ終了だよ♪」
「ひゃっはぁ! ならスタンバイフェイズにリバースカードオープン! [手札断殺]! お互いのプレイヤーは手札を二枚墓地へ送り、その後それぞれデッキから二枚ドローする!」
「むぅ……」
「そしてお前がドローフェイズ以外にドローした事で、俺はさらに二枚ドローだ! そして手札断殺と便乗、それぞれでドローした事により神の恵みの効果で合計ライフを1000回復する!」LP11000→12000
二人合わせて合計六枚ドロー。つまりグリードの効果による3000ダメージが確定する。そしてそれはさらに彼にMPが3000加算されるという意味だ。そしてシモッチによる副作用などのコンボを利用するわけでもないギフトカードの単体使用。彩葉が眉を顰めると、潮は自慢げに笑みを浮かべた。
「運営関係に俺のファンがいてなぁ。この特別ルール、俺は先に教えてもらっていたんだ。ライフの回復でMPは減少しねえ。つまりギフトカードも文字通り百五十万円のギフトカードに早変わりって事だ!」
「なるほどね~……まあいいや。メインフェイズに入るよ」
ライフ回復カードを兼用する事で少しでもMPを稼ごうという魂胆なのだろう。
自慢げに笑う潮に対し、彩葉はニヤつきながら次に動く。
「魔法カード[死者蘇生]を発動! 墓地の[リボルバー・ドラゴン]を特殊召喚して、リボルバー・ドラゴンの効果発動! 一ターンに一度、相手フィールドのモンスター一体を対象としてコイントスを三回行い、その内二回以上が表だった場合そのモンスターを破壊する!」
新たな機械龍が出現と同時に潮の場の守備モンスターに狙いを定め、それの後ろの出現した三つのコインが弾かれたように上空を飛び、落下。そのコインはそれぞれ「裏」「表」「裏」を示していた。
「あちゃあ、残念……じゃ、普通に攻撃いくよ! リボルバー・ドラゴンで守備モンスターを攻撃!」
効果破壊こそ失敗したものの、ならばとリボルバー・ドラゴンは守備モンスター目掛けて通常の射撃攻撃を開始。それを受けた守備モンスター――スケルエンジェルは無抵抗に破壊される。
「クク、スケルエンジェルのリバース効果発動! 俺はデッキから一枚ドローする!」LP12000→12500
「じゃ、ツインバレル・ドラゴンでダイレクトアタック!」
「ひゃは、それくらいならくれてやるぜ!」LP12500→10800
「そして与えたダメージ分、私のMPに追加されるっと。あとは一応リバース・永続魔法[機構部隊の最前線]を発動して、リバースカードを一枚セットしてエンドフェイズに入るね」MP0→1700
「この瞬間グリードの効果! 俺はこのターン五枚ドローした! よってダメージは2500だ! あああぁぁぁぁっ!」LP10800→8300
「私は二枚、1000ダメージだね……くぅぅっ!」LP8300→7300
「そして合計3500ポイントが俺のMPに追加ァ!」MP11500→15000
これで潮のMPは15000。七百五十万円がデュエル終了後、無事にマネーポイントを受け取る事が出来れば手に入るわけだ。
そう考えている潮はもはや電撃の痛みなんてなんのそのと言わんばかりの血走った目に欲望の笑みを湛えながら「俺のターン!」と猛々しく宣言してカードをドローする。
「魔法カード[浅すぎた墓穴]を発動! 互いのプレイヤーはそれぞれの墓地のモンスター一体を選択し、それぞれのフィールド上に裏側守備表示でセットする! 俺は[メタモルポット]をセットだ!」LP7300→7800
メタモルポット 守備力:600(裏側守備表示)
「なら私は[BM-4ボムスパイダー]をセットするね♪ ありがとー♪」
BM-4ボムスパイダー 守備力:2200(裏側守備表示)
潮と彩葉の場に一体ずつモンスターが墓地からセットされる。
しかしこのターンに特殊召喚したメタモルポットの表示形式は変更できず、そのリバース効果は発動できない。だがそんな事は分かっているとばかりに、潮はさらなる手を取った。
「魔法カード[太陽の書]を発動! メタモルポットを表側守備表示に変更し、リバース効果発動だ! 互いのプレイヤーは手札を全て捨て、新たに五枚ドローする! そして、お前がドローフェイズ以外でドローする事により、俺は便乗の効果でさらに二枚ドローできる!」LP7800→8300→8800
メタモルポット 守備力:600(裏側守備表示)→攻撃力:700
「オッケー。ドローするね」
派手にドローを繰り返し、一気に手札を七枚に増やす潮。その手札を見た彼はニヤリと笑い、さらに動くように手札の一枚を魔法・罠ゾーンに差し込んだ。
「速攻魔法[皆既日食の書]を発動! フィールドの表側表示モンスターを全て裏側守備表示にする。そしてこのターンのエンドフェイズに、相手フィールドの裏側守備表示モンスターを全て表側守備表示にし、その後、この効果で表側守備表示にしたモンスターの数だけ相手はデッキからドローする!」
メタモルポット 攻撃力:700→守備力:600(裏側守備表示)
「く……」
「リバースカードを二枚セットしてエンドフェイズ! 皆既日食の書のさらなる効果発動! 相手フィールドの裏側守備表示モンスターを全て表側守備表示にし、その後、この効果で表側守備表示にしたモンスターの数だけ相手はデッキからドローする!」
「表側表示になったモンスターは三体。三枚ドローするね」
ツインバレル・ドラゴン 守備力:200(裏側守備表示)→守備力:200
リボルバー・ドラゴン 守備力:2200(裏側守備表示)→守備力:2200
BM-4ボムスパイダー 守備力:2200(裏側守備表示)→守備力:2200
「そしてグリードの効果発動だ! 俺がこのターンドローしたカードは7枚! よって3500ポイントのダメージを受ける! ハハハハハッ!!!」LP7800→4300
「私は八枚、よって受けるのは4000ダメージ……きゃああぁぁぁっ!!!」LP4300→300
「そして合計7500ポイントがMPに追加されるゥ!」MP15000→22500
普段のデスマッチデュエルならばノーダメージのところからでも即死になる4000のダメージ。その電流に彩葉は痛々しい悲鳴を上げており、それを観客は主に愉悦を、彼女のファンだろう観客は愉悦の中に僅かに心配そうな表情を見せつつ見守っていた。
「あ、く……私のターン、ドロー……う……」
「ハハハ! どうしたヘルキャット!? まだくたばってくれるなよ? せっかくなんだ、もっと稼がねえとなぁ!」
電撃のダメージにふらつく彩葉を嘲笑う潮。彼も同じ電撃を受けているはずなのだが、もはやこの後大金が手に入るという欲望で電撃のダメージを耐えているとしか思えないほどの頑丈さをみせつけていた。
「でも、もう残りライフ……300……これでどれだけ稼ぐって……え?」
息も絶え絶えに指摘する彩葉だが、その時デュエルテーブルのライフメーターが変動する。一気にそのライフポイントが8000にまで回復したのだ。そして、潮の場で一枚のカードが翻っている事に気づく。
「トラップカード[ヒロイック・ギフト]。相手のライフポイントが2000以下の場合に発動でき、相手のライフポイントを8000にして自分のデッキからカードを二枚ドローする。これでまだまだ稼げるぜ?」LP300→8000→8500
「……んふ。ありがとね、おじさん♡ 私の手札は八枚、これだけあればその8000のライフを一気に削って、私も大儲け――」
「そうはいかねえんだなぁ! もう一枚リバースカードオープン、[大暴落]! 相手の手札が八枚以上ある時に発動する事ができ、相手は手札を全てデッキに加えてシャッフルした後、カードを二枚ドローする!!」
「――な……!?」
メタモルポットと皆既日食の書での大量ドローへの対策も織り込み済み。といわんばかりのコンボにより、八枚もあった彩葉の手札は一気に二枚へと減少。
さらに彩葉がドローした事によって潮は便乗の効果でさらに二枚ドローを追加。しかもこのドローによりグリードの効果によるダメージも確定した。
「ハハハ! どうだ、もう万策尽きたか!?」LP8500→9000
「なら――トラップ発動[ギャンブル]! 相手の手札が六枚以上、自分の手札が二枚以下の場合に発動する事ができ、コイントスを一回行い裏表を当てる。当たった場合、自分の手札が五枚になるようにデッキからカードをドローする。ただしハズレの場合、次の自分のターンをスキップする!」
現在潮の手札はヒロイック・ギフトと便乗のドローによる八枚、彩葉の手札は大暴落により二枚。
彩葉はそれを利用した一発逆転のギャンブルに出る。手札は潤沢と言えど場は裏側守備表示のメタモルポットのみで魔法・罠ゾーンにもカードはない。攻めるタイミングはここしかない、といわんばかりの彩葉の目の前にコインが出現。
「お願い――表!」
彩葉の宣言が響くと同時にコインは弾かれたように上空に飛び、くるくると回転しながら落下して地面に着地。その目は――裏を指していた。
「な……」
「はっははは! 残念だったなぁ! ギャンブル失敗により、次のお前のターンはスキップされる!」
このままでは合計二ターンこっちは何も出来ないまま相手にターンが回される。そうなってはまずいと彩葉は「リボルバー・ドラゴンの効果発動!」と宣言し、再びリボルバー・ドラゴンの後ろに出現した三つのコインが宙を舞う。
しかしその結果は先程と同じ「裏」「表」「裏」。またも効果失敗だった。
「ヒャハハハハ! 今日は運が悪いなぁヘルキャット! さあ攻撃してみな! メタモルポットの効果でドローして、さらに2500ダメージが追加されるがなぁ!」
攻撃すれば手札は五枚に増える。だがそのターンで仕留められなければエンドフェイズに合計3500ポイントのダメージを受けてしまう。そんな状況を前に彩葉は固まってしまっていた。
「う……うええぇぇぇ……」
そして彼女は突然へたり込むと泣き出してしまう。
「お願い……お願い、します……もう、痛いのやだぁ……」
既に受けたダメージは10000を越している。普段のデスマッチデュエルならば二回はデュエルが終了しているようなダメージを一回のデュエルで立て続けに受けていては、いくらそのデュエルに慣れていても限界が来るのだろう。
泣き出した彩葉に対し潮は愉悦を感じたような笑みを浮かべながら話しかける。
「それならそれなりのお願いの仕方ってのがあるよなぁ? ヘルキャット」
「……はい」
潮の言葉を受けた彩葉は既に心が折れているのか、へたり込んだ状態から両手を地面につけて頭を地面につけるくらいに下げる。所謂土下座の格好を潮に見せた。
「もう痛いの嫌です……このデュエルが終わった後、なんでも言う事聞きます……だから、これ以上私にドローさせないで下さい……」
「ヒャハハハハ! いい格好だなヘルキャット! いいだろう、そのままおとなしくターンエンドしな! そのエンドフェイズに1000ダメージ受けるが、その程度はそのまま堪えろよ?」
「はい……ターンエンドです……あああぁぁぁっ!!」LP9000→8000
「俺様のターン、ドロー!」LP8000→8500 MP22500→23500
電撃が土下座している彩葉を容赦なく襲い、彩葉は土下座の態勢を維持したまま電撃の痛みに身体を震わせ、潮はその姿をどこか興奮したように見ながらカードをドローする。
「チッ、手札が悪いな。カードを二枚伏せてターンエンド。ギャンブル失敗によってテメエのターンはスキップされる。文句はねえな?」
「はい……」
「俺様のターン、ドロー!」LP8500→9000
土下座してカタカタ震えている彩葉に高圧的に確認をした後、潮は再び己のターンを宣言してカードをドロー。そして何か思いついたようにニヤついた。
「俺は[メタモルポット]を反転召喚!!」
メタモルポット 守備力:600(裏側守備表示)→攻撃力:700
「……え?」
突如彼の場に反転召喚されるメタモルポット。その言葉に彩葉がはっとしたように顔を上げるが、潮は嗜虐的に笑いながら「メタモルポットのリバース効果発動!」と宣言。
「互いのプレイヤーは手札を全て捨て、新たに五枚ドローする! おらヘルキャット! さっさと手札を全て捨てて五枚ドローしな!」
「ま、待って……もう、ドローしたくない、って……」
「ははは、何の事だろうなぁ!? おらさっさと進めやがれ!」
「ひっ……」
約束を反故にした潮だが、心が折れた状態で屈強な男に凄まれたら逆らえないのか彩葉は手札を全て捨てて新たにドローする。これで2500ダメージが確定。
「五枚ドローっと。そして便乗でさらに二枚ドロー……まだ終わらねえぞ! トラップ発動[撹乱作戦]! 相手は手札をデッキに加えてシャッフルした後、元の手札の数だけデッキからカードをドローする!」LP9000→9500→10000
「え……?」
「おらボーっとすんじゃねえ!!!」
「は、はい……」
だが潮はさらに、今度は彩葉にのみドローを強要するカードを使用。彩葉は再び手札を全て捨てて五枚ドローした。
「さらに! メタモルポットを生贄に捧げ、[ジャンク・コレクター]を召喚! ジャンク・コレクターの効果! フィールド上に表側表示で存在するこのカードと自分の墓地に存在する通常罠カード1枚をゲームから除外して発動し、このカードの効果は、この効果を発動するためにゲームから除外した通常罠カードの効果と同じになる! 俺はジャンク・コレクターと墓地のプレゼントカードを除外して、撹乱作戦の効果をジャンク・コレクターの効果とする!」LP10000→10500
「あ、あ……」
その意味を理解し、恐怖したような表情で震える彩葉。しかしその処理は止まらず、彩葉も恐怖で頭が真っ白になっているがためか逆に身体が勝手に処理を行って手札を交換していた。
「こいつでトドメだ! リバースカードオープン[トラップトリック]! デッキからトラップトリック以外の通常罠カード一枚を除外し、その同名カード一枚をデッキから選んで自分フィールドにセットする。そして、この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる!
俺はデッキのプレゼントカードを除外し、同名カード[プレゼントカード]をセットし、発動! 相手は手札を全て捨てて五枚ドローする!! おら、俺様からのプレゼントだ! 素直に受け取りやがれ!!」LP10500→11000
「あ……」
「ケケケ」LP11000→11500
五枚の手札が捨てられ、新たに五枚ドロー。つまりこれだけで彩葉は二十枚カードをドローした事になる。
「そしてエンドフェイズだ。グリードの効果発動。カードの効果でドローを行ったプレイヤーは、そのターンのエンドフェイズ終了時にカードの効果でドローしたカードの枚数×500ポイントダメージを受ける……つまり俺は13×500で6500のダメージを受けちまうがヘルキャット、お前には20×500、10000のダメージを受けてもらうぜ」
「あ、やだ……やだ……」
潮の嗜虐的な笑みでの言葉に彩葉はぶるぶると震え出すが、もうその処理は止まらない。
「ヒャッハハハハハァッ!!!」LP11500→5000
「きゃああああぁぁぁぁぁっ!!!」LP5000→0
二人を強欲の報いたる電撃が襲い、潮はこれで大金がゲットできる未来を夢見て笑いながら電撃を受け、逆に彩葉は大ダメージとなる電撃に苦しみの悲鳴を上げて悶えていた。
そしてダメージ合計11500が強欲な壺のメーターに加算。潮のメーターが「34000」を指してグリードデュエルは終了を迎えるのだった。
「グリードデュエル終了!!! 最終結果はヘルキャット彩葉1700、ブラッドブル潮は34000。圧倒的大差! さらにブラッドブル潮は未だ立っているのに対し、ヘルキャット彩葉は失神! まさしくブラッドブル潮の完全勝利!!」
司会の言葉通り、潮は息こそ乱れているものの大金入手という欲望が彼を覚醒させているのか未だに意識があるのに対し、彩葉は白目を剥いて舌を出し気絶。しかも電撃の余韻が残っているのか身体をビクビクと痙攣させていた。
「ウオオオオォォォォォッ!!! これで金は俺のもんだああああぁぁぁぁぁっ!!!」
そして潮はガッツポーズを取って雄叫びを上げる。その姿を観客達は面白い見世物を見るかのように眺めていた。
「さあブラッドブル! 君が得たマネーポイントを受け取るといい! このマネーポイントの支払いが終われば賞金は君のものだ!」
「おう!!」
司会の言葉を受け、潮が得意満面に頷くと同時に潮と彩葉、両方の部屋の真上に待機していた強欲な壺が傾き始め、デュエル開始前のデモンストレーションと同じように裏返って部屋の天井を完全に塞ぐような形でくっつくと共に壺の中からソリッドビジョンの金貨が部屋の中へと降り始める。
「ヒャッハハハハハァッ!! 金だ金だぁ!! 全部俺のもんだああああぁぁぁぁぁっ!!!」
ソリッドビジョンとはいえ金貨。この後には本物の金が手に入ると信じている潮は満面の笑みを浮かべて天井を見上げ、その金貨を迎え入れるように両手を掲げ伸ばしていた。
「きゃっは♡」
そんな笑い声が聞こえる。
潮がなんだと声の方を向く。そこにはさっきまで無様に倒れていたはずの彩葉が、彼を見下すような目を向けて嘲笑う笑みを浮かべている姿があった。
「ハハハ! なんだヘルキャット!? 今更負け惜しみかぁ!? まあいい、デュエル中の言葉忘れちゃいねえだろうな? お前はもう俺の奴隷同然だ! この金の受け取りが終わった後、たっぷり可愛がってやるよ!」
「きゃっっっっは♡ おじさんってば、まぁだ気づいてないんだぁ♡」
潮の言葉を彩葉は嘲笑う。潮が「アァン?」と凄んだような声を出すと、彩葉は恭しくお辞儀を行った。
「では、短い間ですがご主人様に、奴隷として懇切丁寧にお教えいたします。デモンストレーションの事は覚えておいででしょうか?」
「あぁん? あんな金が手に入る手順を見せるだけのがどうだってんだ?」
「んふふ♪ あの時、マネーポイントを示す100のメーターが0になるまで、およそ20秒ほどかかっておりました。つまり約1秒でポイントは5減ります。ご主人様のポイントはおいくらでしたでしょうか?」
「34000……」
「これが1秒で5減ると仮定すればかかる時間はおおよそ6800秒となります。これを分に直せば6800÷60で約113分。支払いが終了するまでおよそ二時間となります」
ちなみに彩葉のマネーポイントは1700。支払い終了までは約六分である。
「ふん。たった二時間で一千七百万が手に入るって事だろ。しかもお前という奴隷も手に入るなら安いもんだ」
「きゃはははは♡ ここを生きて出られるって思ってるの? ご主人様ってばおバカさんだねぇ♡」
「なんだと!? テメエここを出たら覚えてろ!!」
「クスッ♪」
潮の怒号もどこ吹く風、先ほどまで怯えた様子が嘘のような慇懃無礼な彩葉の姿に観客が何故かニヤついていた。
「このグリードデュエル用に作られたっていうデュエル場、何かおかしいと思わない?」
「何かだと?」
「なんでいつもみたいな牢屋を使わないのか? なんで二人が別々の部屋に入れられてるのか? なんで外の声及び私達の声はマイクやスピーカーを通しているのか?」
彩葉は「んふ♪」と笑って、己の出した疑問に答える。
「この部屋、完璧に密閉されてるんだよ」
「密閉だと?」
「あ、密閉されたの間違いかな? さっきまで天井に空気穴あったもん」
「さっきまで……!?」
彩葉の言葉に潮は見上げる。さっきまでは空気穴があった。しかしその空気穴は現在、強欲な壺によって塞がれている。
「完璧に密閉された、つまり空気の出入りがない部屋の中。おじさんはそこで二時間待つってこと♪ 酸素が持つといいねぇ♡」
そう言い、彩葉はにんまりと可愛らしく笑ってみせる。
「本日のホントのメインイベント、開始だよ♡」
そして、その可愛らしい微笑みが見下すような視線と嘲るような笑みへと変化した彩葉が告げる。
「ふざけんなああああぁぁぁぁぁっ!!!」
それと潮が怒りに顔を真っ赤にしながらガラス部屋に殴りかかるのは同時だった。
「出しやがれ!!! 俺は勝ったんだ!!! 今すぐに支払いを終わらせろぉ!!!」
顔を真っ赤にして声を荒げて喚き散らし、ガラス部屋を殴り続ける潮。その姿を観客は楽しそうに笑って見守り、人によっては悠々と軽食や酒を注文して潮の姿を肴に食事や酒に舌鼓を打ち始めていた。
そんな潮を尻目に、彩葉は六分ほど経ってマネーポイントの支払いが終了。同時に部屋の扉のロックも解除され、彩葉は強欲な壺が外れたことで再び空気穴から酸素が部屋の中に供給されるように風が吹き出したのを感じつつひょいと部屋を抜け出すと、自分を応援したり心配してくれたファンに向けて笑顔で手を振りつつ、未だに喚いて拳が破れ血を流しつつもガラス部屋を殴り続ける潮を見てクスッと冷たく笑う。
「おじさんもバカだなぁ♪ あんなに暴れて息を切らしちゃったら、酸欠がもっと早くなるだけなのに♡」
そしてそう言い残して舞台裏に引っ込んだ彩葉を迎えるのは猿山だった。
「ご苦労様です。とても面白いショーになりましたよ」
「おじさん、大まかなルールや潮のおじさんをどうするかはともかく、下手したら私まで酸欠になるのは聞いてなかったよ?」
「おや、これは失礼を。貴女の衝撃増幅装置の電流を弱めるようスタッフに念押しするのに夢中で伝え忘れておりました」
猿山の薄い笑み。しかしどうせ実際のところは「そうした方が面白いかもしれない」とでも思ったとこだろうな。とか「私が酸欠で死んだら物好きにでも死体を売り飛ばすつもりだったな」とか猿山の思考を推測する。
ちなみに猿山の言う通り、今回のグリードデュエルは本来潮への制裁であり欲をかいた彼が自爆して大金が入手できるという夢をギリギリで打ち砕かれた挙句、自業自得で死亡するというショーを観客に見せるためのもの。
彩葉が巻き込みで死ぬのはまあそれはそれとしても普段使ってるような電流で死亡するのは面白くないとして、彼女の衝撃増幅装置の電流はギリギリまで弱められていたのだ。その分の苦しむ姿は彩葉が自分で演技していたわけである。
「で、八十五万円はちゃんと貰えるんだよね?」
「もちろんです。後でご用意いたしましょう」
一応ファイトマネー代わりであるお金が手に入るかの念押しに猿山はクックッと笑って答える。
「ああそれと、カイザー亮にマッドドッグ犬飼が敗れましてね。大ダメージを負ってしばらく再起不能です。その分の地下デュエルのオファーが貴女に届くかもしれません。担当外ですが、まあ頑張ってください」
「えー、めんどーだなぁ……」
同じマネージャーの下にいる同士である相手がこの暴力的な違法デュエルによってしばらく再起不能になった。それに対する感想を「面倒」で済ませた彩葉は、そこで話を打ち切ると「部屋に戻ってさっさとふかふかのベッドで寝よう」と思って部屋に戻っていくのだった。
《後書き》
新年あけましておめでとうございます。
というわけで、思いついたので新年早々「強欲デュエリストに負けちゃう(と見せかけてわからせる)メスガキデュエリストの話」投稿でございます。え、タイトルがおかしい?なんのことですか?(すっとぼけ)
今回のデュエルはまず相手が【グリードバーン】使いという事が最初に決まり、それを活かして構成を考える中で後述の理由からオリジナルルールを制定。彩葉は正直デッキネタがなかったのでいつもの?というのも変ですがリボルバー・ドラゴン達を使わせました。
ちなみに今回のデュエル「ダメージを与え過ぎてMP増やし過ぎたら死ぬ」という初見殺し仕様であり、彩葉はそれを前もって聞いていたので全然やる気がありませんでした。(笑)
むしろ色々演じて潮に調子こかして自分にダメージを与えるよう唆す方に力を入れていたという設定です。土下座と懇願もその一環という設定です。(笑)
ちなみに本作のオチというか本作お約束のメインイベント(支払いが終了するまで密室から出られず、密閉された空間に長時間閉じ込められることによる酸欠が示唆される)ですが。
はっきり言いますと「ジャンケットバンク」という、ヤンジャン及びジャンプ+で連載・配信されているギャンブル作品のネタが元になっております。「そうだ、これ【グリードバーン】使いにやらせたら面白そう」と思いついたのが今回の話書いたきっかけですので。
オチを元にしただけだし、そもそもギャンブルとデュエルで全く異なるものだし、そのオチに持っていくために落とし込んだデュエルルール自体は僕オリジナルのもの(もし既にあったらごめん。そっちはガチ偶然です)だからパクリにはならないと思うんですが……まあアカンかったら削除します。
そして注意事項です。今回のオリジナルルールでのデュエルことグリードデュエル、敵味方でライフポイント共有というおかしなルールですが。「このルールの場合このカード使えるの?」とか「この効果の処理どうなるの?」とかの質問は一切受け付けません!それ言い出したら多分キリがなくなります!その上で特別ルールってことでそのルールに関わる部分での多少の独自処理は「今回のルール上アリです!」で押し通させていただきます。ご了承ください。
また、私流石に「どれくらいの容量の部屋ならどれほど酸素があり、どれほどの間なら密閉状態でも呼吸による生命維持が可能か、及びどれほど時間が経てば酸欠により窒息死するか」なんて分かりません。あの部屋に関しては「まあもしMPを独り占めしようと欲を突っ張ったら確実に密閉空間内での酸欠によって死ぬ」くらいの大きさだと思ってください。
では今回はこの辺で。ご指摘ご意見ご感想はお気軽にどうぞ。それでは。
PS)
え、今回彩葉ちゃんが戦った相手の名前が「うしお」? はっはっは、何の事でしょうかね?
使用デッキが【グリードバーン】で、二つ名が