おんなのこは黒い水溜まりに囲まれながらひとりで佇んでいるようです。
少し様子を見てみましょう。
タタミ暮らしのコテツくんと申します。
今回はたくさんの物語から私の小説を選んでいただきありがとうございます。
そんな皆様方にひとつお願いがございます。
この小説は初投稿となります。
そのため、本文中に可笑しな部分があったり誤字・脱字があるかも知れません。
そんな間違いを見つけたらコメントで教えてくださると助かります。
それでは、拙作ではありますが最後までご覧ください。
私は王国で聖女と呼ばれていました。
王国では稀に強力な魔力と回復魔法に秀でた子が生まれるそうです。
その子たちは聖女、或いは聖人と呼ばれ王国総出で大切に育てられます。
そんな聖女として、私は生まれました。
幼少の頃から大人たちに持ち上げられ、言われるがままに力を扱う訓練をしてきました。幸いにも私は物覚えが良かったのですぐに力を上手く使えるようになりました。そんな私を見て大人たちは嬉しそうにしながら褒めてくれました。
私はそれが嬉しかったんです。
「わたしがもっと頑張ればみんなもっと笑顔になってくれるし、たくさん褒めてくれる!」
そう思い、私は努力しました。
今思えばそこからが始まりだったのだろうと思います。私は寝る間も惜しんで努力しました。回復魔法を磨くのはもちろん、様々な魔法を手当たり次第に覚えていきました。炎、雷、氷、禁忌とされる闇魔法まで少しでも使える見込みがあれば全て使えるようにしました。
「これでみんなもっと褒めてくれる!」
けど、違った。
私の前に広がっていたのは笑顔とは程遠い怯えた顔と震える穂先の槍でした。
当たり前です。今なら考えればすぐわかります。誰がひとつ呪文を唱えるだけで国ひとつ滅ぼせる者に怯えないだろうか。誰が禁忌とされる魔法にまで手を出す者に心を許すだろうか。
そんな危険な人に友好的に接する人がいるわけないと。
それでもその時私は期待していました。誰か一人くらい私の味方がいてくれてもいいんじゃないかって。
「あぁ……そうか……」
そして私は気付きました。
誰もいないのだと。
私がいくら頑張ってもそれはただ周りを傷つけるだけなのだと。
だから私は王国を出ました。
もう誰も傷つけたくなかったから。
もうあんな悲しそうな顔を見たくなかったから。
でも、上手くいかなかった。
王国から追手が来たからです。最初は数人だったけど、段々と人数が増えていき最終的には数百人にもなりました。
当然その全員を殺すことも出来ました。けれど、出来なかった。何故なら彼らは王国の兵士であり、私の仲間でもあった人達だったから。
結局私は彼らに攻撃することが出来ず、捕まってしまいました。
そして、私は牢獄に入れられました。
それからの日々は地獄そのものと言っていいものでした。
食事には毒が入っていたり、拷問を受けさせられたりしました。
痛くて辛かった。何度も死にたいと願いました。でも、死ねなかった。死ぬ寸前になると何故かいつも回復してしまったんです。まるで呪いのように。
何度殺されかけたのか分からない。だけど、殺して貰えなかった。
そんなある日、私の死刑が決まりました。
引き摺られるようにして台に上がり、
私は見てしまったんです。
怯えを押し殺したような顔で私に向かって石を投げる人々を、
恐怖の目で見る人々の姿を。
私は言いました。
「どうして? なんで皆そんな顔をしているの?」
「ねぇ! 教えてよ!? どうしてそんな目で見てるの!? 」
答えはなかった。
ただ黙って見ているだけでした。
「嫌だよ……そんなの!私はただみんなに笑顔でいてほしかっただけなのに!!!」
涙が流れ、悔しさと怒りで身体中が熱くなりました。
「うわああああ!!!!」
私は無我夢中で暴れました。
大人達が押さえつけようとしてくるけど関係ない。
なんで! どうして!! そう思って力を振り絞ろうとした時でした。今まで上手く扱えていた力が暴走しました。それも魔力抑制の枷でも相殺できないくらいに。暴走したのは闇魔法でした。
その時私はなぜ闇魔法が禁忌とされているのかを知った気がしました。
私を押さえつけていた人たちが突然苦しみだし倒れたんです。よく見ると腕や脚が私の足元を中心としてできた黒い水溜まりに溶け出していました。
「ひっ!」
「なんだよこれぇ!」
「助けてくれ!」
私は必死で制御しようとしました。
けれどダメだった。私の力はどんどん強くなっていきました。
すると、ひとりの男が兵士を伴って出てきました。
その男は私に向かって言いました。
「これはひどい、やはり魔女と呼ばれるだけのことはある」
その男は私がまだ王国にいた時に大臣だった男でした。もっとも王冠を被っているのを見るに国王になったようですが。
正直今考えると王国はその男にいいように情報操作されて操られていたのかも知れませんね。
もうどうでもいいですが。
「魔女…?!?!私は聖女よ!魔女を名乗った覚えはないわ?!?!」
「貴様! 陛下に対してなんて口の聞き方をしているんだ!」
「良い。それより早くこの者を始末せよ。これ以上被害が出る前にな」
「ハッ!!」
兵士達は武器を構えました。
「待って!話を聞いて!」
「聞く耳持たん。それにどうせここで死ぬのだ。最後に言い残すことがあるなら聞いてやるぞ」
私は叫ぶように言いました。
「私はただみんなのためを思って…!」
「そう思うならみんなのために死んでくれ!!」
ふと、そんな言葉が1人の国民から聞こえ何人もの人が賛同しているようでした。
「みんなのためを思って……か。ふん、馬鹿らしい。よく聞け魔女よ。これが国民の、この国の総意だ。わかったか、この国にお前の居場所は一欠片たりとも無いと知れ。さっさと殺れ!」
その瞬間、私の中から何かが消えました。
先程とは比べものにならない魔力の暴走が起きました。でも、今度は制御しようとしませんでした。私の魔法に巻き込まれていく兵士や国王、民衆を見ても何も思いませんでした。それどころか私の中に何かが生まれた気さえしました。
それからの事は覚えていません。気がついたら私の周りには人だったであろう黒い水溜まりがいたるところに出来上がっていました。
その水溜まりに星や月が反射して1人で佇む私を嘲笑うように。
そこで私は理解してしまったんです。
「あぁ……そうか、私はひとりぼっちなんだ。何処にも私の居場所はないんだ。」
と。
私は泣き叫びました。
誰もいなくなってしまったその王国だった場所で叫びました。
「誰か私のそばに来てよ! 誰か私を愛してよ! 誰か私のことを必要としてよ!!」
誰もいない虚空に向かってそう叫び続けました。
私は決めたんです。
この世界に私が必要ないなら死んでしまおうと。
でも死ねなかった。
自分の体に火を着けても、
魔法で作った槍で自身を貫いても、
皆を殺した黒い水溜まりに自分の体を浸しても、
死ねなかった。
全て端から回復魔法が発動してしまうから。
余計に苦しむだけでした。
私には地獄にすら居場所が無いと言われているようで、苦しかった。
でも、そのあと、よく考えたんです。
そうだ…。
居場所が無いなら作ってしまおうって。
誰もが私を必要とする夢の世界を作ろうって。
誰もがワタシを裏切ラナイ世界ヲ作ロウッテ
ダレモガワタシヲアイスルセカイヲツクロウッテ
ネェ...ミテルンデショ...???
ズットミテタンデショ...???
アナタハワタシヲサイゴマデミテクレタ
アナタハワタシノハナシヲサイゴマデキイテクレタ
ミエナイケドソバニイテクレタ
アナタハワタシヲウラギラナカッタ
アナタハワタシヲヒツヨウトシテクレル???
アナタハワタシヲウラギラナイデイテクレル???
アナタハワタシヲアイシテクレル???
アナタハワタシヲヒツヨウトシテクレテルアナタハワタシヲウラギラナイデイテクレルアナタハワタシヲアイシテクレルアナタハワタシヲヒツヨウトシテクレテルアナタハワタシヲウラギラナイデイテクレルアナタハワタシヲアイシテクレルアナタハアナタハアナタハアナタハアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタアナタ
アナタハワタシノイバショニナッテクレル???
こうして魔女は産まれまシタ。
オワリ
如何だったでしょうか。
私のような者が書いた拙作を最後まで読んで頂きありがとうございます。
宜しかったら御意見、御感想の方よろしくお願いします。
それでは、また私の作品に出会う機会があればその時は是非手に取って頂けると幸いです。
ご覧頂きありがとうございました。