LALEメンバー5人が盛岡で食べ歩きするお話です。
※過去に作者が盛岡へ遊びに行ったときの経験をもとに書いています。
【柊一郎】
「……やっと到着」
【ノア】
「ここが盛岡ですか。思ったよりは都会ですね」
【妙花】
「それでも空気が澄んでるじゃねぇか。あの島よりはよっぽどいいと思うぞ」
【柊一郎】
「青藍島と比べるのは失礼じゃない」
【伊栖未】
「それにしてもと、遠かったな…」
【釘谷】
「仕方ないだろう。そもそも島から東北までかなりの距離がある。行くだけでも大変だ。」
【妙花】
「元々行きてぇって話になったのは手前が発端だろ、伊栖未」
【柊一郎】
「伊栖未の食欲が爆発したんだっけ」
【ノア】
「えぇ。ドカ食い気絶を極めに極めた結果、暴食の権化となり果てたんです。それで鐘さんがもっと美味いもん食いたいと言い出して、このグルメ旅を提案されたんですよね」
【伊栖未】
「ふすぅ……! ふすぅ……!」
【釘谷】
「そう慌てなさんな。だが、たしかに盛岡は美味いものが多いと聞く。俺も楽しみだよ」
【妙花】
「とはいえ、1泊しかできねぇからな。行く店は厳選して、効率的に回らなきゃいけねぇ」
【柊一郎】
「予算が潤沢でないのが……口惜しい」
【釘谷】
「ゲームの売れ行きが好調とは言えないからな。手元不如意というほどでもないが、余裕があるわけでもない」
【ノア】
「ですね。グルメ目的とはいえ、抑えられるところは抑えた方がいいですね」
【伊栖未】
「そ、それより早く、行こ……!」
【妙花】
「だな。店はアタシが調べてひと通り把握してるからな。先導してやるよ」
【伊栖未】
「さ、さすが妙花……!」
【柊一郎】
「伊栖未が言い出しっぺなのに妙花に丸投げなのなんで」
【ノア】
「鐘さん曰く、食欲が暴走すると脳がトリップして、調べるどころか文章も読めなくなるそうです」
【釘谷】
「シナリオライターがそれでいいのか……。頼むよ、本当に」
【伊栖未】
「むっ! で、でもみんなも腹減ってるだろ……! いつも質素なご飯しか、食べてないんだから……!」
【柊一郎】
「正直腹減ってる。かなり」
【妙花】
「否定はしねぇ」
【ノア】
「貧乏メシがずっと続いた後にグルメとなると腹も減って当然です」
【釘谷】
「そうだな。俺も年甲斐もなくかなり食欲が湧いてるよ」
【妙花】
「…………ところでよ、手前ら」
【ノア】
「どうしました?妙花」
【妙花】
「……ここ、異様に寒くねぇか?」
【柊一郎】
「…………」
【ノア】
「…………」
【伊栖未】
「…………」
【釘谷】
「…………」
【柊一郎】
「……寒い」
【ノア】
「正直めちゃ寒いです」
【伊栖未】
「や、やっぱそうだよな……。す、すごく寒いぞここ……」
【釘谷】
「青藍島では考えられない気温だ。冬着を厚めに着込んできて正解だよ」
【ノア】
「元々東北は寒い方ですが、ここは特に寒い方だと思います。ていうか、何度なんですか?」
【妙花】
「今日は最高1度、最低マイナス10度だ」
【柊一郎】
「青藍島じゃまずありえない」
【伊栖未】
「な」
【釘谷】
「プリズンも寒いには寒かったが……今思うとそこまででもなかったかもしれんな」
【妙花】
「この時期はいつも今日ぐらい寒いらしいぞ。それと噂ではな、ここより少し北のとある地域はここより5~10度ぐらい寒いらしい。知らねぇが」
【ノア】
「そこの人たち生きてます?」
【柊一郎】
「普通に失礼」
【妙花】
「住人はちゃんといんだからよ。滅多なこと言うんじゃねぇぞノア。あくまで噂だ」
【釘谷】
「そういうところも含めて楽しいのが観光だよ。……時間もある。そろそろ行かないか」
【妙花】
「……そうだな。駅でたむろしてても仕方ねぇし、そろそろ出発といこうじゃねぇか」
【伊栖未】
「で、どういう段取りで、行くんだ」
【妙花】
「アタシが調べた店を5つ回る。今日はそのうちの4店。もう1店は明日だ。そこで食い終わったら、あとは土産でも買って帰ろうって腹積もりだ。それでいいか? 手前ら」
【柊一郎】
「わかった」
【ノア】
「了解です」
【釘谷】
「異論はないよ。そうしよう」
【伊栖未】
「よっしゃ……! 楽しみだ……!」
【柊一郎】
「で、まずはどこ行くの」
【妙花】
「最初は『冷麺』を食いに行くぞ」
【柊一郎】
「冷やし中華か」
【妙花】
「ちげぇ。冷やし中華を冷麺って呼ぶ地域もあるようだが、これから行くのは本場の『盛岡冷麺』だ」
【柊一郎】
「そうなんだ」
【ノア】
「あの、寒いのに大丈夫ですか?」
【妙花】
「それでもいけるもんらしいぞ。寒さなんて気にならねぇぐらいうめぇんだよ。きっと」
【伊栖未】
「ほ、ほんじゃ行こ…!」
★場所:冷麺がある某店(1店目)
【店員】
「お待たせしました。こちら、冷麺になります。ごゆっくりどうぞ」
【柊一郎】
「……たしかに冷やし中華とは違う」
【妙花】
「だろ? 麺もトッピングもちげぇ。これがいいんだよ」
【ノア】
「器が少し冷たいですけど、普通に美味しそうなので気になりませんね」
【釘谷】
「それじゃあ、いただいてみよう」
【伊栖未】
「…………美味い……! 冷たいスープが、美味いぞ……!」
【柊一郎】
「旨味がはっきりと伝わってくる。なんのダシか分からないけど」
【釘谷】
「牛骨のスープじゃないか。おそらく鶏ガラも加えてある。しっかり味わうとわかるよ」
【ノア】
「麺のコシが強めですね。ツルッといけますし、喉ごしが良いと思います」
【伊栖未】
「具も、いい。酢漬けのキュウリ、キムチ、牛肉のチャーシュー、ゆで卵。全部、美味い」
【妙花】
「スイカが入ってるのがまた乙だな。店によってはスイカの代わりにリンゴが入ってるらしいが」
【柊一郎】
「全体的に……クセになる味だ。しばらくしたらもう一度食いたいって思うような感じ」
【ノア】
「ですね。名物料理としては最高なやつです」
【釘谷】
「初っ端から満足度が高かったな。こりゃいい食べ歩きになりそうだ」
【伊栖未】
「……うん、美味かった! つ、次行こ。妙花」
【妙花】
「あぁ。全員食い終わったようだし、店出るか」
【釘谷】
「俺が払っておく。P〇yP〇y使えるようだからな」
【柊一郎】
「釘谷サンが電子決済を使いこなしてる」
【釘谷】
「シャバに出てもう何年も経ってる。さすがにスマホを使うぐらいは慣れるよ」
【ノア】
「それで、次はどこへ?」
【妙花】
「次はな……『ジンギスカン』だ」
【伊栖未】
「ジンギスカン! ……って、な、なんだ? 魚使った洋食、か?」
【柊一郎】
「知らないの伊栖未。鶏のレバーを使った焼肉だよ」
【ノア】
「違いますよ。豚のタンのことです」
【妙花】
「知らねぇなら黙ってろ。羊肉を使った焼肉だ。マトンやラムだな」
【伊栖未】
「へ、へぇ。羊、か。興味あるな……」
【妙花】
「本場は盛岡よりもう少し南の方らしいが。この辺でも食えるみてぇだぞ」
【釘谷】
「こっちは会計終わらせたぞ。それじゃあ、次の店行こうか」
★場所:ジンギスカン専門の某店(2店目)
【店員】
「こちら、ジンギスカン得セットとなります」
【ラーレ社員一同】
「おおぉ………」
【柊一郎】
「これが……羊肉」
【ノア】
「見た目は普通の肉と変わりませんね」
【伊栖未】
「ど、どんな味、なんだろ」
【妙花】
「ほら、焼いてくぞ」
●SE:肉を焼く音
【釘谷】
「いい匂いだ。牛や豚とはまた違った良い香ばしさがある」
【柊一郎】
「肉の周りにもやしとキャベツと玉ねぎ敷くんだ。いっぱい」
【妙花】
「こうすることで肉の旨味が野菜に染みてうまくなんだよ」
【ノア】
「でもなんで野菜はその3種類だけなんですか?」
【妙花】
「ジンギスカンに合う野菜の定番らしい。もちろん他の野菜を入れるとこもある。人参、ピーマン、かぼちゃとかな」
【伊栖未】
「み、店や地域によって、その辺、違うんだな」
【釘谷】
「野菜が多いのは助かる。お前さんたちは大丈夫かもしれんが、俺は肉だけだと油がキツくてな」
【柊一郎】
「今日はあと2件回るから。無理しないで」
【妙花】
「ほれ、手前ら焼けたぞ。適当に持ってけ」
【ノア】
「ありがとうございます。それじゃ、いただきます」
【柊一郎】
「……美味い。独特のクセがあるけど、噛めば噛むほどジューシーで旨味が出てくる」
【伊栖未】
「タ、タレもいい。ちょっと甘辛くて、香辛野菜の風味がある、かも。肉に合ってて、美味い」
【ノア】
「えぇ。肉も、こう、牛肉ほど濃い目でもなく、豚肉ほど淡白でもなくて、けっこう食べやすいですね」
【妙花】
「あぁ。こりゃかなりいけるよ」
【柊一郎】
「……釘谷サン、どうしたの」
【釘谷】
「…………」
【伊栖未】
「ど、どうした?美味すぎて、感極まったか」
【釘谷】
「…………ビールがほしくてな」
【若い四人】
「…………」
【ノア】
「……実は私も思ってました」
【伊栖未】
「た、たしかに。これ、酒と合わせたい、やつだ……」
【柊一郎】
「まだ昼頃だし、酒はちょっと」
【釘谷】
「あぁ、本当に飲む気はない。だがどうしても恋しくなってな……」
【柊一郎】
「…………」
【柊一郎】
「………妙花」
【妙花】
「分かってる。言うな。すまねぇ。そこまで配慮が回ってなかった」
【釘谷】
「なに、気にしなくていい。今晩ホテルでじっくり飲むからいいさ」
【ノア】
「これホッピーも合いそうですよね。日本酒もいいかもしれません」
【伊栖未】
「や、やめろノア。飲みたくなるだろうが……!」
【柊一郎】
「食べ終わったし、宴会になる前に店出よう」
【妙花】
「だな。手前ら、ジンギスカンで乾杯はまたの機会にするぞ」
【伊栖未】
「で、次は、どこだ?」
【妙花】
「『じゃじゃ麵』を食いに行く」
【柊一郎】
「名前だけならよく聞くやつ」
【伊栖未】
「な」
【ノア】
「たしかに、実際どんな料理なのかよく知りませんよね」
【妙花】
「着いてのお楽しみだ。行くぞ」
★場所:じゃじゃ麺のある某店(3店目)
【柊一郎】
「これが……じゃじゃ麵」
【ノア】
「平打ちの太麺の上に肉味噌があって、それにネギ、キュウリ、おろし生姜。これは他じゃ見られない麺料理ですよ」
【伊栖未】
「ど、どうやって、食べんだ?」
【妙花】
「全部混ぜんだよ。熱いうちにな」
【釘谷】
「俺も昔食ったことがある。よく混ぜた方が美味いぞ」
【柊一郎】
「……美味い。かなりコクがあって、まろやかな味だ」
【ノア】
「生姜があるからだと思いますけど、ちょっと餃子っぽい風味を想起しますね」
【伊栖未】
「冷麺とはまた違って、いくらでも食べれる……ぞ! むしゃむしゃ! ガツガツ!」
【釘谷】
「まぁ、待て。麺は少し残すんだ」
【伊栖未】
「?」
【釘谷】
「麺を少し周りに避けてな、備え付けの卵をこう、入れるんだ」
【ノア】
「……あの、これは一体」
【釘谷】
「店員さん、”ちーたん”をお願いします」
【柊一郎】
「?」
【釘谷】
「……こうやってな、食べかけの皿に卵を入れて、肉味噌とネギを加えて店員さんにゆで汁を注いでもらうんだ。こうしてできた卵スープがじゃじゃ麵のシメとして有名なんだよ。これを『ちーたんたん』と呼ぶ」
【赤と黒とハゲ】
「美味そう…!」
【妙花】
「へぇ。アンタよく知ってるじゃねぇか。ちーたんたんってのはアタシも知らなかった」
【釘谷】
「食べたことあるからな。だいぶ昔だが。ちなみにちーたんたんという名称は店によって違うらしい」
【柊一郎】
「さすが釘谷サン。調達屋ならぬ情報屋さんだ」
【釘谷】
「…………」
【ノア】
「ツッコみづらいことをよく平気で言えますねこいつ」
【伊栖未】
「ね」
【妙花】
「おい、アタシらもちーたんたんでシメたら今日の最後の店行くぞ」
【柊一郎】
「最後は?」
【妙花】
「ラーメン」
【柊一郎】
「…………」
【ノア】
「…………」
【伊栖未】
「…………」
【釘谷】
「…………」
【柊一郎】
「え。ラーメン」
【ノア】
「飲み会のシメでよく食べるものを今日のシメとかけてそう言ってるんですか? なかなか乙ですね」
【釘谷】
「何を言っているかよくわからんがそういうことじゃないだろう」
【伊栖未】
「で、でも、ここまで麺が続いて、なんで」
【妙花】
「くっくっ、当然ただのラーメンじゃねぇ。変わり種のラーメンだよ」
【柊一郎】
「普通のじゃないなら面白そうでいいけど」
【妙花】
「楽しみにしてろよ。ほら店出るぞ」
★場所:某ラーメン店(4点目)
【店員】
「お待たせしましたー」
【柊一郎】
「これは……見たことないラーメンだ」
【伊栖未】
「す、すごくいい匂いだ……! 美味そう……!」
【ノア】
「ちょっと待ってください」
【妙花】
「どうしたノア」
【ノア】
「…………納豆の臭いしませんか」
【妙花】
「…………」
【釘谷】
「言われてみればそうだな。納豆のような香りがする」
【妙花】
「…………くっくっ」
【ノア】
「?妙花?」
【妙花】
「お察しの通りだよノア。だがな、納豆の旨味がスープに溶け込んでるだけで、納豆そのものじゃねぇ」
【ノア】
「……どういうことですか?」
【妙花】
「いいから食うぞ。手前らも」
【ノア】
「……本当だ。納豆の風味はありますけど、そこまで主張がありません。というか、味噌がベースになってますね、これ。なんか不思議です。納豆の味なのに食べられるなんて」
【柊一郎】
「キムチの風味もあるからか、強烈な旨味が口の中に広がる。これは美味い」
【伊栖未】
「た、たしかに。こんな味、初めてだ」
【妙花】
「この店特製の納豆味噌ってもんを使ってるらしい。そこにトッピングでもやし、ネギ、コーン、小さいカクテキが入ってる。こりゃ美味くて当然だよ」
【釘谷】
「野菜が美味いな。正直野菜だけで米いけるんじゃないかこれ」
【柊一郎】
「たしかに。ご飯に合うレベルで野菜に味が染みこんでる」
【ノア】
「……もう私スープまで飲んじゃいましたよ。納豆が気にならないぐらい美味かったです」
【伊栖未】
「あ、あの納豆嫌いのノアを、完食させるとは。恐るべし」
【妙花】
「ちなみに店舗によっては本当の納豆もトッピングとして入ってるらしいぞ。ここはなくてよかったな。ノア」
【ノア】
「ええ、もしあったらいくら妙花とはいえただじゃおかないところでしたからね」
【伊栖未】
「い、いい加減……納豆、克服しろ…」
【柊一郎】
「嫌いなものには本当に敏感な子」
【妙花】
「……それより、どうだ? 美味かったろ? 今日のラストを飾るにふさわしかったと思うぞ。アタシは」
【釘谷】
「ああ。満足だ。今日はよく食ったよ」
【柊一郎】
「盛岡のご飯……侮れない」
【伊栖未】
「だ、だな。来てよかった……!」
【ノア】
「でもあともう1店、明日行くんですよね。どこ行くんですか」
【柊一郎】
「もう期待しかしてない」
【妙花】
「手前らは知らねぇか。盛岡名物で有名なのがあるだろ……大食いするやつのな」
【釘谷】
「……まさか、『わんこそば』か」
【のあちーしゅー】
「!!!」
【ノア】
「……なるほど。だからそれを明日の最後に回したんですね」
【妙花】
「そういうわけだ。だからよ、手前ら……――ここいらで勝負といかねぇか?」
【柊一郎】
「勝負」
【妙花】
「わんこそばは自分からギブアップするまでひたすら椀が追加される。自分の胃袋の限界に挑戦ってこった」
【柊一郎】
「……やろう」
【伊栖未】
「うん、面白いぞ……! みんなで胃の強さ比べだな……!」
【ノア】
「大食いは得意な方ではありませんが、いいでしょう。受けて立ちます」
【釘谷】
「すまんが俺は不参加だ。年寄りなもんでな、勘弁してくれ。大人しく普通のかけそばでも食べてるよ」
【妙花】
「あいよ。ちなみに、100杯以上食ったら記念に絵馬の形の手形と証明書がもらえるぞ」
【柊一郎】
「やるっきゃないっしょ」
【伊栖未】
「燃えて、きたぞ……!」
【ノア】
「勝つのは……」
【元気な四人】
「俺だ!!」
「わたし……だ!!」
「私です!!」
「アタシだ!!」
【釘谷】
「……いつまでも若くていいな、お前さんたちは」
●翌日
★場所:わんこそばが食べれる某店(最後の5店目)
【柊一郎】
「…………」
【妙花】
「…………」
【ノア】
「…………」
【伊栖未】
「…………」
【妙花】
「手前ら、準備はいいな?」
【柊一郎】
「完璧」
【ノア】
「問題ありません」
【伊栖未】
「私が、勝つ……! ふすぅ……!」
【釘谷】
「あまり無理はするなよ。明日からまた仕事なんだ。影響が出ないようにな」
【柊一郎】
「うん。ありがとう、釘谷サン」
【妙花】
「……おしっ! 始めるぞ!!」
【店員】
「はいどんどん♪」
【柊一郎】
「…………!」
【ノア】
「…………美味いです! これなら!」
【妙花】
「…………ああ量も少ねぇからな……こりゃ面白ぇとこまでいけそうだ!」
【伊栖未】
「…………むしゃむしゃ! ガツガツ!」
【店員】
「はいじゃんじゃん♪」
【柊一郎】
「…………これ、100杯いけそうだ……!」
【ノア】
「…………ペース調整が、少し、必要ですね……!」
【妙花】
「…………うおぉぉ!!」
【伊栖未】
「…………もっと……! もっと、いけるぞ……!」
【店員】
「はいどっこい♪」
◆
【柊一郎】
「……もう無理」
【ノア】
「……け、結構キツかったですね」
【妙花】
「……ふぅ、アタシも久々に腹十分を越えたよ」
【伊栖未】
「……で、でも美味かった……!」
【釘谷】
「おつかれさん。ずいぶんと健闘したじゃないか。お前さんたち」
【柊一郎】
「しばらくはもう蕎麦はいいかも」
【ノア】
「何日分の蕎麦食べたかわかりませんからね」
【妙花】
「……で、結果はどうだったんだ」
【店員】
「結果はこちらになります」
◆わんこそばの記録
柊一郎: 85杯
妙花 : 69杯
ノア : 72杯
伊栖未:119杯
【伊栖未】
「や、やった……! 100杯越えだ……!!」
【釘谷】
「よかったじゃないか。おめでとう」
【ノア】
「鐘さんすごいです!おめでとうございます!」
【妙花】
「伊栖未がここまで食えたとはな……驚きだよ。でも、これで記念品がもらえるな。よかったじゃねぇか」
【伊栖未】
「え、えへっ、えへっ」
【柊一郎】
「…………」
【ノア】
「……どうしました?」
【柊一郎】
「…………100杯、いけなかった」
【妙花】
「仕方ねぇだろ。そもそも100杯は難易度高ぇんだ。また今度挑戦しろよ、な?」
【柊一郎】
「…………伊栖未、今度は……負けない」
【伊栖未】
「い、いつでもかかって、こい……!」
【ノア】
「あの、しばらくはドカ食い気絶は控えてくださいね。鐘さん」
【妙花】
「さて、これで盛岡のグルメ旅は終了だ。あとは土産でも買って帰るぞ」
【釘谷】
「ああ、そうだな。こういうのも悪くなかった。楽しかったよ」
【伊栖未】
「う、うん……! また、来ような……!」
【柊一郎】
「駅でごまの蜜が入ってる団子でも買ってから帰ろ」
【ノア】
「あれひと口で食べないと中身飛び出ちゃいますからね。気を付けて食べるんですよ」
【妙花】
「どうせ漫画の知識で言ってんだろ手前は」
【伊栖未】
「な」
★場所:LALEオフィス
【伊栖未】
「……や、やっと帰ってこれた……! ……でも、暑い……」
【ノア】
「ほんとですよ……この島暑すぎますって……」
【釘谷】
「盛岡の後に青藍島だと気温差がな……」
【柊一郎】
「今日はもう荷物片づけて寝よっか」
【妙花】
「だな。にしても、食ったメシ全部美味かったな。また行きてぇよ」
【ノア】
「そうですね。納豆嫌いの私を完食させたラーメンがあるぐらいです。もっと美味な名物があるのでしょう」
【伊栖未】
「うん、ど、どれも"最高"だった……! 今度はソフりんも誘って行きたいな……!」
【ノア】
「ナイスアイデアです鐘さん!!!!!!」
【伊栖未】
「み、耳が…」
【柊一郎】
「ノアうるさい」
【妙花】
「夜中だぞ。ちっとは加減しねぇか」
【釘谷】
「また行きたいのは同感だ。だが、ひとつ反省点がある」
【柊一郎】
「なに、釘谷サン」
【釘谷】
「――……次に行くときは暖かい時期にしよう。必ず」
【ノア】
「賛成です」
【妙花】
「間違いねぇ」
【柊一郎】
「まったくもっておっしゃる通りだと思います」
【伊栖未】
「君いいねぇ」