「ヘンタイ・プリズン」のSSです。
千咲都・ノア・妙花・夕顔・ソフりん・シスターの6人の声が男性化するお話です。
時系列はグランドルート途中でまだ全員がプリズンにいる頃です。

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メンズボイスドラッグ

★場所:プリズン PC教室

 

【妙花】

「伊栖未ァ!! 何度も何度もシナリオ勝手に変えやがって!! いい加減にしろ手前ェ!!」

 

【伊栖未】

「ク、クオリティアップのためなら、致し方なし。わ、悪いとは思ってるけど――」

 

【妙花】

「やかましい!!」

 

●SE:机蹴る音

 

【柊一郎】

「ん゛ん゛っ゛!!」

 

【伊栖未】

「ぶふぉおっ!!」

 

【ノア】

「何回やるんですかこのくだり」

 

【ソフりん】

「頼むから備品壊すんじゃないぞ。19班責任者の私が怒られるんだからな」

 

【妙花】

「……ちっ。面倒ったらありゃしねぇ」

 

【ノア】

「まあまあ。そう焦らなくてもいいでしょう」

 

【柊一郎】

「矯正展までまだ時間あるから」

 

【妙花】

「あのなぁ……。アタシはゲーム制作以外にも他に仕事を抱えてんだ。手前らのものさしだけで測んじゃねぇぞ」

 

【柊一郎】

「そうなんだ」

 

【伊栖未】

「シナリオか、書きおわったらわぁ、わたしも手伝う、から」

 

【伊栖未】

「鐘さん絵描けましたっけ」

 

【柊一郎】

「イラストもそうだけど、音声収録もやらないといけないし」

 

【ソフりん】

「私の分ってまだ半分近くあるんだろ? 看守の仕事もあるから正直キツいんだよなぁ……」

 

【柊一郎】

「幼児退行も大変ですね」

 

【ソフりん】

「黙れ。チュパ音の練習と言ってるだろうが」

 

●SE:ドアが開く音

 

【葉月】

「……失礼するわよ」

 

【ノア】

「!!」

 

【妙花】

「……誰かと思ったら夕顔先生かい。こりゃどういう風の吹き回しだ?」

 

【ソフりん】

「……ゆ、夕顔看守長」

 

【葉月】

「おやソフィーヤ。お前本当にここの管轄なのねぇ。通常業務に加えて大変そうじゃない」

 

【ソフりん】

「え、えぇ……。命じられたものですので」

 

【葉月】

「あと今はただの看守よ。……嫌味かしら?」

 

【ソフりん】

「いえ。そういうわけでは……」

 

【伊栖未】

「………っ」

 

【葉月】

「……ちっ、ドブネズミもいたのね。まあ、いいわ。それより、19班に連絡事項があるわ」

 

【柊一郎】

「連絡事項?」

 

【ノア】

「なんでしょうか」

 

【葉月】

「お前たち、ゲームを作っているのよね。それをこっそり矯正展に出そうという腹積もりなのでしょう? 水城所長からそう聞いたのだけれど」

 

【柊一郎】

「え。バレてる」

 

【妙花】

「……あぁ、そのつもりだったが……なんか文句でもあんのか?」

 

【葉月】

「水城所長からの命令よ。もしゲームを矯正展に出すつもりなら、作中の登場人物の男女比を統一するように、とのことよ」

 

【伊栖未】

「…………!」

 

【ノア】

「…………えっ」

 

【妙花】

「なんだと……!」

 

【柊一郎】

「……どういうこと」

 

【ノア】

「私たちのゲームって主人公以外ほぼ全員女性でしょう? ほとんどがヒロインですから」

 

【妙花】

「つまり……あと2人ぐらい男キャラが必要ってことだ」

 

【ノア】

「正直めちゃ困ると言っても過言じゃないですね」

 

【伊栖未】

「で、でも最悪こ、声を当てなければ、立ち絵だけでも、いいん……じゃないか」

 

【柊一郎】

「それはダメだ。ヒロインだけ声があって男キャラだけ声がなかったら違和感がある」

 

【妙花】

「……なぁ夕顔先生。そいつは本当なんだろうな。なんかの嫌がらせじゃあねぇだろうな」

 

【葉月】

「あくまで所長がそう仰っておられたのよ。私は何も関知していないわ。文句なら彼女に言うことね。……たしか、今の時代は男女平等だからとかなんとか、そんなこと呟いていたわね。意図はよくわからないわ」

 

【妙花】

「……ちっ。こりゃ参ったな」

 

【ノア】

「立ち絵ならまだ急いで作れないこともありませんが、声をどうしましょう」

 

【柊一郎】

「オレはデータ管理や仕様書作りとかで声を当ててる時間なんてないし、釘谷サンとか炭鉱のみんなに頼もうにも忙しいって言ってたから……小沢は?」

 

【妙花】

「小沢もうちの連中も全員そうだ。メシ作りやら資材の搬入、設備の設置やらで余裕がねぇ」

 

【伊栖未】

「ど、どうしよ……」

 

【ソフりん】

「…………」

 

【ノア】

「もしキャラとして追加するなら、主人公の友人キャラと……強そうな敵役、といったところですかね」

 

【妙花】

「追加キャラはそれでかまわねぇが……」

 

【柊一郎】

「…………声をどうしよう」

 

【葉月】

「たしかに伝えたわ。それじゃあ――」

 

●SE:ドアが開く音

 

【樹里亜】

「ベッチェー♪ 退屈なので遊びに来ちゃいましたぁ♡」

 

【ノア】

「……!!」

 

【柊一郎】

「えっどうしてここに」

 

【妙花】

「手前ェ!! どうやってここに来た!! 監禁されてただろうが!!」

 

【ソフりん】

「我妻かん……元看守長……!」

 

【葉月】

「……!! ……樹里亜っ……貴様……!」

 

【樹里亜】

「おやぁ? ソフりんちゃんはともかく、葉月ちゃん? こんなところで何を?」

 

【葉月】

「こちらのセリフよ。貴様、地下に監禁されていたでしょう。どうやって――」

 

【樹里亜】

「まだ信徒……いえ、電子ドラッグの効果が残っている囚人がいたようなので、ちょちょいと操って鍵を外してもらい、こうして外の空気を吸いに来たんですよぉ」

 

【柊一郎】

「ちゃんと全員診たはずなのに」

 

【ノア】

「一部見逃してしまった……ってことなんですかね」

 

【伊栖未】

「そ、そんな……」

 

【妙花】

「……それで、何しに来やがった。アタシらのゲーム制作の邪魔しにでも来たってのか」

 

【樹里亜】

「先程も言ったでしょう。外の空気を吸いに、リフレッシュしに来ただけです。何もしませんので、ここにいさせてくれませんかぁ?」

 

【妙花】

「ふざけんな!! んなこと許すわけねぇだろうが!!」

 

【葉月】

「それ以前にこのまま脱走を見逃すわけがないでしょう。連行するわよ」

 

【樹里亜】

「いいんですかぁ? そんなことしたら処分を喰らうのは葉月ちゃんたちのほうじゃありません? 囚人の脱走を許してしまった、ということになるのですから」

 

【葉月】

「…………」

 

【樹里亜】

「あまり事を大きくしない方がいいと思いますよぉ。あとでこっそり房に戻りますから、ここはお互いのためにも黙っておいた方がよろしいのでは? 葉月ちゃん♡」

 

【葉月】

「……ちっ」

 

【柊一郎】

「かんぴょうがまさかの根負け」

 

【ノア】

「見慣れない力関係ですね」

 

【妙花】

「……ぜってぇ大人しくしてろよ。邪魔したらタダじゃおかねぇ」

 

【樹里亜】

「はぁい。……ところで。先程何やらお取込み中のようでしたが、なにかあったんですかぁ?」

 

【柊一郎】

「かくかくしこしこ」

 

【樹里亜】

「……なるほどぉ。ゲームの追加男性キャラに声を当てられる人材がおらず困っていると」

 

【ノア】

「えぇ。このままじゃゲーム制作が進まないんです」

 

【樹里亜】

「そういうことでしたら、私が力になりましょうかぁ?」

 

【妙花】

「あぁ? 何言って――」

 

【樹里亜】

「よろしければこちらの薬をお使いください。薬袋製薬が開発したものです」

 

【柊一郎】

「これは?」

 

【樹里亜】

「『メンズボイスドラッグ』、通称MVD。女性が飲むと、声が男性のように低くなるんです」

 

【伊栖未】

「そ、そんなこと、あるか……?」

 

【ノア】

「この前のヘリウムといいこの人本格的にドラ〇もんと化してきますね」

 

【柊一郎】

「でも本当ならそれ飲めば問題は解決する」

 

【樹里亜】

「そういうことですねぇ! では早速――」

 

【妙花】

「ちょっと待て。……申し出はありがてぇ。だが鵜呑みにもできねぇ。まず手前が飲んで効果を実証してみせろ」

 

【ソフりん】

「まぁ……それもそうか。いきなり飲むのも怖いもんな」

 

【樹里亜】

「……それもそうですねぇ。では私がまず飲んでみますねぇ。んんっ」

 

●SE:嚥下音

 

【柊一郎】

「…………」

 

【伊栖未】

「…………」

 

【ノア】

「…………」

 

【妙花】

「…………」

 

【ソフりん】

「…………」

 

【葉月】

「…………」

 

【樹里亜】

『……あぁ。あー。どうです? 男の声になっているでしょう?』

 

【赤黒ハゲ】

「「「おぉーー……」」」

 

【妙花】

「…………」

 

【葉月】

「…………なんなのこれ」

 

【ソフりん】

「で、でもすごい。男の人の声になってる」

 

【樹里亜】

『ふふっ、どうです? なかなかのイケボでしょう?』

 

【柊一郎】

「たしかにイケボ。アニメでよく聞くやつ」

 

【ノア】

「中村〇一みたいですね」

 

【妙花】

「そうかなぁ……」

 

【伊栖未】

「こ、これいいんじゃないか。わたしらのも、求めてる、声に」

 

【柊一郎】

「いいかも。シスターに収録してもらおっか」

 

【樹里亜】

『私はかまいませんよ? こっそり脱走すれば何度でもここ来れますし』

 

【葉月】

「刑務官の前で堂々と脱走宣言しないでもらえるかしら」

 

【ノア】

「――待ってください」

 

【妙花】

「……あぁ?」

 

【柊一郎】

「どうしたの」

 

【ノア】

「せっかくなのでここにいる女子6人で男性声を披露してみませんか。それで追加キャラに最も適した人を決めて声を当ててもらうってことで」

 

【ソフりん】

「えっ。私もやるのか」

 

【葉月】

「冗談じゃないわ。なぜ私がそんなことを――」

 

【樹里亜】

『別にいいじゃありませんかぁ。降格してるんですから暇でしょう。少しくらい付き合ってあげてもいいでしょう』

 

【葉月】

「男の声でこの私を侮辱するんじゃないわよ貴様……!」

 

【柊一郎】

「お手数をおかけします。どうかよろしくお願いします」

 

【葉月】

「…………」

 

【葉月】

「…………花の借りを返すってだけの話よ。気まぐれで付き合ってあげるわ」

 

【柊一郎】

「ありがとうございます」

 

【ノア】

「よくわかりませんが、早速一人ずつ飲んでいきましょうか」

 

【伊栖未】

「シ、シスターはもう飲んでるし、次はソフりんで」

 

【ソフりん】

「え……私からか。別にいいけど」

 

【樹里亜】

『なぁソフィーヤ。楽しみにしてるぜ』

 

【ソフりん】

「その声で言うのやめてもらえませんか……」

 

【ノア】

「これ文章だけだとわけがわかりませんね」

 

【妙花】

「何言ってんだ手前は」

 

【ソフりん】

「……じゃあ、飲むぞ」

 

●SE:嚥下音

 

【ソフりん】

『……あー、あぁー。……どうだ?』

 

【妙花】

「へぇ。いいじゃねぇか」

 

【樹里亜】

『爽やかイケメンな感じだな』

 

【ノア】

「やべぇマジたまんねぇどうしよう10年分録音してぇおい柊一郎レコーディングの準備しろ急げなにしてんださっさとしろこのハゲ」

 

【伊栖未】

「興奮しすぎてオーバーヒートしてる」

 

【柊一郎】

「ノアちゃん戻ってきて」

 

【妙花】

「……どっちかと言うと友人キャラの方がいいか? 敵役だとピンとこねぇしな」

 

【伊栖未】

「う、うん。どっちかと言うとそうかも」

 

【ノア】

「声のイメージとしては宮野〇守ですかね」

 

【柊一郎】

「ノアって声優さんに詳しいね」

 

【ノア】

「これでも七ヶ浜なので」

 

【柊一郎】

「どういう理屈」

 

【ソフりん】

『それだと私も詳しくないといけないのでは……?』

 

【ノア】

「お姉ちゃん今のすっっごく"良"いですよ!! こう、乙女ゲーに出てくるキャラのセリフって感じで!!」

 

【夕顔】

「キンキン声が耳障りねぇ」

 

【伊栖未】

「ノアうるさい」

 

【妙花】

「それじゃあ次は夕顔先生に飲んでもらおうか。いいんだろ?」

 

【葉月】

「二言はないわ。とっとと薬を寄越しなさい」

 

●SE:嚥下音

 

【葉月】

『……なにか変わ……っ! ……変わってるようね』

 

【樹里亜】

『いいじゃねぇの。ずいぶんとイケボじゃねぇか。敵役でも友人キャラでもどっちでもいけそうだな』

 

【葉月】

『キャラ崩壊してるわよお前』

 

【妙花】

「すげぇ構図だな」

 

【柊一郎】

「子供の頃アニメかゲームで聞いたことある声っぽい」

 

【ノア】

「一番近いのは緑〇光ですね」

 

【伊栖未】

「そうかな……そうかも……」

 

【ソフりん】

『な、なかなかお似合いな声だと思いますよ』

 

【葉月】

『お前に褒められても嬉しくもなんともないわ』

 

【樹里亜】

『その声で女口調だとオカマっぽいぜ?』

 

【葉月】

『なぜ貴様はノリノリなの』

 

【柊一郎】

「すごい光景」

 

【ノア】

「元看守長ビッグスリーが男声で会話するとなんかアニメ見てる感じで新鮮ですね」

 

【妙花】

「ある意味貴重だな」

 

【伊栖未】

「さもありなん」

 

【ソフりん】

『あとはお前たち3人だな。次は誰が飲むんだ』

 

【ノア】

「~~~っ!! たまらんっ!!」

 

【伊栖未】

「い、いい加減落ち着けノア。……で、でも気持ちはちょっと……わかる、かも」

 

【妙花】

「そうかもなぁ……。ふと油断したら、思わずときめいちまうかもな」

 

【柊一郎】

「……なんか面白くない」

 

【妙花】

「わかりやすく嫉妬するじゃねぇか」

 

【樹里亜】

『そう心配するなよ。そいつらがお前を置いていくわけ……ねぇだろ?』

 

【柊一郎】

「さっきから何のキャラ演じてるの」

 

【ノア】

「中村〇一ってそういう感じでしたっけ?」

 

【妙花】

「じゃあ伊栖未。飲んでみろよ」

 

【伊栖未】

「わ、わたしか……。んっ」

 

●SE:嚥下音

 

【伊栖未】

『ど、どうだ……?』

 

【妙花】

「あー……なるほど。伊栖未に合ってるかもしれねぇな」

 

【柊一郎】

「キメツで聞いたことある声だ」

 

【ノア】

「下〇紘っぽいですね。キメツでいう我妻〇逸っぽいです」

 

【柊一郎】

「そうそうそれそれ」

 

【樹里亜】

『お? 呼んだか?』

 

【妙花】

「呼んでねぇ手前はすっこんでろ」

 

【伊栖未】

『〇の呼吸……壱の型……霹〇一閃!』

 

【赤緑ハゲ】

「「「おぉーいいねいいね」」」

 

【ソフりん】

『お前たち世代は子どものとき観てそうだよなあのアニメ……』

 

【樹里亜】

『俺たちが学生の頃に流行ったアニメだよな。懐かしいじゃねぇか』

 

【葉月】

『いつまでその口調で喋るつもり?』

 

【ノア】

「次は私が行きます」

 

【妙花】

「ノアなら間違いなく友人キャラっぽい声だろうな」

 

●SE:嚥下音

 

【ノア】

『……あー。……なるほど。これは……』

 

【妙花】

「なんだったか……えぇっと……なんとかの巨人、みてぇなタイトルのアニメで聞いたことあるような……」

 

【伊栖未】

『チン撃の〇人』

 

【妙花】

「あーそれそ……そうか?」

 

【柊一郎】

「リ〇ァイ兵長の声みたい」

 

【ノア】

『ということは神谷〇史ってとこですかね』

 

【樹里亜】

『俺たちの世代だったらおそ〇さんとか有名だったかな』

 

【葉月】

『一番有名なのは化〇語の主人公じゃないかしら』

 

【ソフりん】

『……アニメとか観てたんですね。意外です』

 

【葉月】

『私だって少しくらい観るわよ』

 

【樹里亜】

『まあ葉月ちゃんの世代なら――』

 

【葉月】

『はぁ?』

 

【樹里亜】

『おぉこわ』

 

【伊栖未】

『ラ、ラストは妙花、だな』

 

【柊一郎】

「でも妙花だから」

 

【ノア】

『予想は大方できますね。妙花ですから』

 

【伊栖未】

『な』

 

【妙花】

「あぁ? 妙な期待すんじゃねぇよ。いいから飲むぞ」

 

●SE:嚥下音

 

【妙花】

『……どうだ』

 

【柊一郎】

「やっぱり」

 

【ノア】

『完全に黒田〇矢ですね。意外性がなさすぎて何も面白くありません』

 

【伊栖未】

『つまんない』

 

【ソフりん】

『そんなボロクソ言ってやるなよ……』

 

【妙花】

『どういうことだ』

 

【ノア】

『ほら。もう完全に"それ"じゃないですか』

 

【柊一郎】

「違和感が全くない」

 

【伊栖未】

『何人か〇してそう』

 

【妙花】

『誓って殺しはやってません』

 

【樹里亜】

『もはや何を言うか簡単に予想できますねぇ』

 

【葉月】

『珍しくあのヤクザ娘がバカにされているじゃない……いい気味ねぇ』

 

【ノア】

『緑〇光はそんなこと言いません』

 

【伊栖未】

『せ、声優さんじゃないんだぞ……ノア……』

 

【妙花】

『死にてぇ奴だけ掛かって来い!』

 

【ノア】

『botか?』

 

【柊一郎】

「声どころかキャラが憑依してる」

 

【樹里亜】

『そこの桐生ちゃん! 止まりなさい!』

 

【柊一郎】

「声優違うじゃん」

 

【ソフりん】

『名前出しちゃって大丈夫ですか……?』

 

【妙花】

『今真剣なんだ。話しかけるな!』

 

【ノア】

『こんな使い物にならない妙花初めて見ました』

 

【伊栖未】

『もう滅茶苦茶』

 

【柊一郎】

「一旦落ち着かせよう」

 

 

 

  ◆

 

 

 

【妙花】

『はっはっはっ! すまねぇな。つい舞い上がっちまってな』

 

【ノア】

『桐生〇馬botと化したんじゃなかったんですね』

 

【伊栖未】

『や、やっぱわざとだったのか』

 

【葉月】

『それより樹里亜。いつになったら薬の効果は切れるのかしら』

 

【樹里亜】

『あと1時間くらいですかねぇ。でも予備はまだまだいっぱいあるので、切れても好きなだけ飲んでかまいませんよ?』

 

【葉月】

『もう結構よ』

 

【ソフりん】

『それでお前たち。この中の誰を追加キャラの声に採用するんだ?』

 

【妙花】

『……どうする? 柊一郎?』

 

【ノア】

『みなさん思ったよりいい声してたので、慎重に選ばないと』

 

【伊栖未】

『しゅ、柊一郎……!』

 

【柊一郎】

「…………」

 

【柊一郎】

「…………決めた」

 

【ソフりん】

『……誰が誰だ?』

 

【柊一郎】

「友人キャラをシスター、敵役を妙花にやってもらう」

 

【樹里亜】

『あらぁ! オーディション合格しちゃいましたねぇ♡』

 

【妙花】

『そうかい……。まぁ、敵役ってことならアタシしか適任はいねぇか』

 

【ノア】

『理由を聞いてもいいですか?』

 

【柊一郎】

「まずシスターはそもそもの演技が上手かった。声の性質的にも友人キャラにとても合ってた。だからこの人しかいないと思った」

 

【樹里亜】

『おやおやべた褒めですねぇ。七ヶ浜出身の二人をさて置いてここまで手放しで褒めていただけるなんて』

 

【赤ず金】

『『…………』』

 

【柊一郎】

「妙花は文句なしだった。主人公っぽくもあるけど何よりもヤクザらしさ全開だったから。敵役に十分合ってるはず、とオレは思った」

 

【妙花】

『くっくっ、あんがとよ。そんじゃあ全力で敵として振舞わせてもらうよ』

 

【ノア】

『妙花の場合怖すぎません?』

 

【伊栖未】

『夜眠れなくなりそう』

 

【樹里亜】

『どっちにしても葉月ちゃんやソフりんちゃんは看守の仕事がありますし、その方がいいと思います』

 

【ソフりん】

『……それもそうですね』

 

【葉月】

『最初私のこと暇と貶していたの忘れたのかしらこの女』

 

【柊一郎】

「それじゃあ早速シスターと妙花には声だけ先に収録させてもらう。まだ薬あるんだっけ」

 

【樹里亜】

『はいはいこちらに――』

 

●SE:ドアノック+ドアが開く音

 

【水城】

「失礼しますよ」

 

【全員】

「!!!」

 

【ソフりん】

『み、水城所長……! どうしてここに……!』

 

【樹里亜】

『おやまぁ』

 

【水城】

「おや、その声は一体……いえそれより、あなたは我妻元刑務官!! なぜここにいるのです!! おふたりもなぜ捕えないのです!!」

 

【ソフりん】

『これは、その……』

 

【葉月】

『少々込み入った事情がありまして――』

 

【水城】

「脱走した囚人を放っておくなど言語道断です!! 誰でもかまいません!! まずはこの状況を説明しなさい!!」

 

【柊一郎】

「かくしこ」

 

【水城】

「……なるほど。たしかに登場人物の男女比調整を命じたのは私です。他の囚人の事情も考えれば止む無し、といったところですか」

 

【妙花】

『へぇ、話せばわかるばあさんじゃねぇか、伊達にプリズンのトップじゃねぇな』

 

【ノア】

『ちょっと寿命縮みましたね』

 

【伊栖未】

『な』

 

【水城】

「それと、声が男性化しているのはまた我妻元刑務官によるものだったのですね」

 

【樹里亜】

『はい。如何にも』

 

【水城】

「ちょうどいいですね。以前のヘリウムによる声真似を孫たちにも披露したら思いのほか喜んでくれたので、ここでまたアニメ声のバリエーションを高めさせていただくとしましょう」

 

【妙花】

『あれ結局本当に何のアニメだったんだろうな』

 

【柊一郎】

「さあ」

 

【樹里亜】

『お薬はこちらです。害はありませんのでどうぞ安心してお飲みください』

 

【水城】

「えぇ、ありがとうございます」

 

【葉月】

『嫌な予感しかしないのだけれど……』

 

【ソフりん】

『同感です……』

 

●SE:嚥下音

 

【水城】

『……あー。……ほう、この声は――』

 

【19班と現役刑務官と現役犯罪者】

「!!!!!!!!!」

 

【葉月】

『こ、これは……!!』

 

【伊栖未】

『わ、わたしも聞いたことあるやつ、だ……!!』

 

【妙花】

『間違いねぇ……これは……!!』

 

【ノア】

『ドラゴン〇ールの……!!』

 

【柊一郎】

「ドラゴン〇ールってなんだっけ。どこかで聞いたことあるような」

 

【樹里亜】

『かなり有名ですから柊一郎ちゃんの歳でも知ってそうなものですけどねぇ』

 

【水城】

『気に入りました。某キャラの物真似を少しだけ披露させていただきます』

 

【知ってる6人と微妙に分かってない1人】

「…………ごくっ」

 

【水城】

『私の戦〇力は858545450721です。ですがもちろんフルパワーであなたと戦う気はありませんからご心配なく……』

 

【柊一郎の世代でもどこかで耳にする機会はあるはずだと思う】

「…………………」

 

【水城】

『いかがですか?』

 

【葉月】

『……感服いたしました』

 

【ソフりん】

『さ、様になりすぎじゃないかこれ……』

 

【伊栖未】

『こ、これはお孫さんだ、大興奮だな。知ってるか……怪しいところ、だけど』

 

【樹里亜】

『これはたまりませんねぇ。いろんな意味で』

 

【柊一郎】

「………………」

 

【ノア】

『…………妙花。最高の敵役を見つけました。降板してもらえますか』

 

【妙花】

『運が悪かったんだよ……アタシは』

 

 

 

 


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