LALEの4人がシスターから人工知能(AI)の基礎知識を学び、4人でお手軽なAIを作るお話です。
時系列はグランドルート後を想定しています。
※専門的な内容を含みます。
【ノア】
「――なるほど。学園生活のトレス、ですか」
【伊栖未】
「楽しそう」
【柊一郎】
「昔の話だけど。そのときたまたま夕顔さんに会って」
【妙花】
「ちょうどいいと思ってな、教師役を頼んだってわけだ」
【柊一郎】
「正直雰囲気は完璧だったと思う」
【伊栖未】
「で、でも……わたしはそ、そんとき、いなくてよかった」
【ノア】
「同感です。私もあのかんぴょう女とはあまり顔を合わせたくありません」
【妙花】
「気持ちは分からなくもねぇが。一応恩人だぞ」
【柊一郎】
「あのときオレを助け出すのに一役買ってくれたとか」
【ノア】
「それはそうですけど……」
【伊栖未】
「先生役が違う人なら……アリかも」
【ノア】
「えぇ。かんぴょう女以外を教師役に添えた上で、4人でトレスしてみたいですね」
【柊一郎】
「相変わらず嫌われてて可哀想」
【妙花】
「そうだなぁ……。4人で同じ授業を受けるってのはどういう感じなんだろうな。あんま想像できねぇが」
【ノア】
「せっかくですしお姉ちゃん呼んでやってみます?」
【伊栖未】
「ソ、ソフりん……? なんで……?」
【妙花】
「…………あぁ。そういえばソフりんと言やぁバイトで……」
【ノア】
「はい。塾講師のアルバイトしてるんですよ。今もしてるかはわかりませんけど」
【妙花】
「そうそう、ぴったりじゃねぇか。これ以上ねぇ適任だろ」
【柊一郎】
「呼んだら来てくれるかな」
【伊栖未】
「ソフりん優しいから……た、多分来る」
【妙花】
「……いや、ちょっと待て。頷いといてなんだが、ソフりんは止めとこう」
【柊一郎】
「なんで」
【ノア】
「お姉ちゃんだとなにか不都合でも?」
【妙花】
「そうじゃねぇ。普通に考えろ。こんなことでわざわざ呼び出すのはさすがに申し訳が立たねぇ」
【ノア】
「うっ……」
【妙花】
「バイトもそうだが本業の演劇だって忙しいはずだ。アタシらの勝手な欲のためだけに遠路はるばる来てもらうってのは筋の通らねぇ話だろ」
【柊一郎】
「……たしかに。ちょっと悪いかも」
【伊栖未】
「う、うちが手元不如意のとき、ソフりんにはよくお、お世話になってるからな。残念だけど……致し方なし」
【ノア】
「…………そうですね。あまり邪魔しちゃいけませんね」
【柊一郎】
「ちゃんと姉離れできてるじゃん。偉い偉い」
【ノア】
「煽ってんのか?」
【伊栖未】
「ほいじゃ、他に誰、いる? さ、さすがにもういなくないか……?」
【柊一郎】
「夕顔さん呼ぶ?」
【ノア】
「顔を合わせたくないって話聞いてなかったんですか?」
【伊栖未】
「人でなし」
【妙花】
「いずれにしろ仕事でさぞお忙しいはずだろ。現プリズン所長様なんだからよ。暇でも来てくれるか怪しいもんだが」
【柊一郎】
「それもそうか」
【柊一郎】
「…………でもどうしよう。もう候補いないけど」
【伊栖未】
「もう……思いつかない、ぞ」
【妙花】
「…………」
【ノア】
「…………仕方ありませんね。また今度時間ができたときにでもお姉ちゃんに電話で聞いてみて――」
●SE:玄関のドアが勢いよく開く音
【樹里亜】
「ベッチェー♪ みなさんお元気ですかぁ。つい近くに立ち寄ったのでお仕事の邪魔をしに来たんですけどぉ」
【柊一郎】
「…………」
【伊栖未】
「…………」
【ノア】
「…………」
【妙花】
「…………っ!!」
【樹里亜】
「? どうしましたかぁ。おや、チンピラちゃんも――」
【ラーレの面々】
「「「「いた(いやがった)」」」」
【樹里亜】
「…………はい?」
★場所:島内 レンタルルーム(教室)
【柊一郎】
「久々に来た」
【妙花】
「ずいぶんと懐かしいじゃねぇか……違う意味で」
【伊栖未】
「が、学校……だ……」
【ノア】
「へぇ……この島にもこういう場所あったんですね」
【柊一郎】
「プレイの需要があるから」
【ノア】
「なるほど。では今度は4人で来てここでエッチしますか」
【妙花】
「くっくっ、そりゃいいな。そんときはあそこの似非修道女みてぇなコスプレでもするか」
【樹里亜】
「…………」
【樹里亜】
「…………」
【樹里亜】
「(※↑女教師+眼鏡の格好をさせられている)」
【樹里亜】
「あのぉ……これはいったいなんなんですかぁ? 急に連れてこられたと思ったらいきなり着替えさせられますし」
【妙花】
「……この際だ、過去のことは一旦水に流してやる。だから今日はこっちの言い分を聞き分けろ。いいな」
【樹里亜】
「…………とにかく、主旨を説明してもらっていいですかぁ?」
【柊一郎】
「なんか授業してほしい」
【樹里亜】
「……どういうことです?」
【妙花】
「アタシらは全員まともに学校を通ってねぇ。その青春を取り戻すために学園生活のトレスをしようって魂胆だ」
【ノア】
「しかし教師役にふさわしい人材がおらず困っていたところでした」
【伊栖未】
「そこでシスターがや、やってきた。つまり……そういうこと」
【樹里亜】
「…………要は学校のごっこ遊びってことですねぇ。まぁそのくらいなら別に付き合って――」
【柊一郎】
「――ごっこじゃない!!!!」
【樹里亜】
「……そんなに怒ります?」
【妙花】
「柊一郎の言うとおりだ。遊びのつもりじゃねぇ。手前には今から真面目な授業をしてもらう」
【樹里亜】
「ずいぶんと無茶な要求してきますねぇ」
【伊栖未】
「リ、リアリティがなきゃ……身が入らない。興醒め」
【ノア】
「そういうことです。ためになる内容をお願いします。聞いた話によりますと、たしか大卒なんですよね?」
【樹里亜】
「えぇ。情報工学を専攻しておりました」
【ノア】
「ちょうどいいです。その分野のなにかの講義をお願いします」
【柊一郎】
「オレたちゲームを作ってるから、将来その知識がどこかで役に立つかもしれないし」
【樹里亜】
「…………はぁ」
【樹里亜】
「…………」
【樹里亜】
「…………ま、いいでしょう。退屈しのぎに少し付き合ってあげましょう」
【妙花】
「で、何を教えてくれんだい我妻先生ぇ」
【樹里亜】
「…………そうですねぇ。では、IT業界の主流であるAI、についての講義はどうでしょう」
【ノア】
「なるほど、AIですか。いいんじゃないでしょうか」
【伊栖未】
「……えー、あい? な、なんだそりゃぁ」
【柊一郎】
「あたまイ〇ポ、の略か」
【妙花】
「何言ってんだ手前は」
【伊栖未】
「地獄のような概念」
【ノア】
「な」
【樹里亜】
「"Artificial Intelligence"の略です。人工知能のことですねぇ」
【妙花】
「だがよ、なんでAIなんだ? どういう意図でそのチョイスを」
【樹里亜】
「あなたたちもIT業界に身を置く者として、その最新技術を知っておいた方がなにかとためになると思いまして」
【柊一郎】
「なるほど」
【ノア】
「大学でもAIを専門としてたんですか?」
【樹里亜】
「専門ではありませんでしたが、講義で履修はしていたので。みなさんに教えられるぐらいの知識はありますよぉ」
【柊一郎】
「じゃあそれでお願い。でも」
【伊栖未】
「…………じ、じんこー……ちのー……??」
【柊一郎】
「伊栖未のレベルでも分かりやすいようにお願いします」
【樹里亜】
「仕方ありませんねぇ。では始めましょうか」
【生徒のつもりの4人】
「「「「お願いしまーす」」」」
◆
【樹里亜】
「――簡単に言えば、コンピューターを使って人間の行動の一部を人工的に再現したもの、ですねぇ」
【妙花】
「まぁ人工の知能、って言うぐらいだからな」
【樹里亜】
「ロボットの”脳みそ”ですかねぇ。それをとても高度なレベルで仕上げられたのがドラ〇もん、とイメージしていただけると」
【伊栖未】
「おー……な、なるほど」
【樹里亜】
「ドラ〇もんのような様々なことができるAIを『汎用型AI』と言います。しかし現状の技術では実現不可能なので、そういったAIは未だ存在はしていませんねぇ」
【ノア】
「だから一般的なAIというのは『特化型AI』がほとんどなんですよね」
【樹里亜】
「よくご存じですねぇ。たとえば将棋ロボットなどが当てはまりますよ」
【妙花】
「AI自体がどういうものかはわかった。でもよ、それをどうやって作んだ? そこが肝要だろ」
【樹里亜】
「そうですねぇ。ここから少し話のレベルが上がりますよ」
【柊一郎】
「了解です」
【樹里亜】
「どうやって作るか、ですが。まずは人間の場合に置き換えて考えてみましょう。人はなにかをするとき、最初からそれができていたわけではないでしょう?」
【伊栖未】
「……? ど、どういうこと……だ……?」
【樹里亜】
「たとえばセッ〇スの場合。柊一郎ちゃん、まだ童貞だった頃、上手にセッ〇スできましたかぁ?」
【柊一郎】
「全然。勝手がよくわからなかった。どう動けば気持ちよくなるのかもまったく」
【妙花】
「……なるほど。AIもそうやって何度も同じことを繰り返して覚えていくのか」
【ノア】
「『学習』ですね」
【樹里亜】
「そういうことですねぇ。AIの場合で言えば、データをたくさん与えて覚えさせるんですねぇ。『ディープラーニング』という言葉を聞いたことありませんかぁ?」
【妙花】
「そういやどっかで耳にした覚えあるな」
【樹里亜】
「AIに学習させる仕組み自体のことは『機械学習』と言うんですが、その中にディープラーニングという技術が含まれているんですねぇ」
【樹里亜】
「機械学習は多くの手法があるのでとても全部は網羅できません。ですので、今回はそのディープラーニングを扱ったお話としますねぇ」
【ノア】
「まあ今のAI学習法はディープラーニングがめちゃ主流といっても過言じゃありませんし、いいんじゃないでしょうか」
【樹里亜】
「ちなみになぜディープラーニングが主流になっていると思いますかぁ?」
【ノア】
「データを与えるほど精度が向上しやすい、というかなり単純な仕組みで且つ一番効果が期待できるからじゃないですか?」
【樹里亜】
「概ねその理解でよろしいかと。課題によっては他の手法のほうが適している場合もありますが、おそらくディープラーニングが最も採用率が高いと思われます」
【柊一郎】
「学校でよく見る先生とできる生徒のやり取りだ」
【ノア】
「まぁ。できる生徒なので」
【妙花】
「こういう嫌な奴いるよな」
【伊栖未】
「が、学校行ってないから……ようわからんけど、か、絡みたくない奴だ」
【樹里亜】
「でも理解が早いのはいいことですよぉ。高速な”ディープラーニング”ですねぇ♪」
【ノア】
「どうやら私は優秀なAIだったようです……」
【伊栖未】
「うざい」
【柊一郎】
「な」
【妙花】
「いいからさっさと講義を進めねぇか」
【樹里亜】
「……ということなので、ディープラーニングの具体的な話をしましょう」
【樹里亜】
「まず、基本となるのはニューラルネットワークというものですねぇ」
【柊一郎】
「また急に専門用語出してくるじゃん」
【樹里亜】
「言ったでしょう。話のレベルが上がると……ちょっと黒板に書きますねぇ」
●SE:チョークで黒板に書く音
【柊一郎】
「すごい。網みたいな絵」
【伊栖未】
「ごちゃごちゃしてんねぇ」
【樹里亜】
「これがニューラルネットワークのイメージです。脳の神経回路の仕組みを図式化したモデル、と思っていただければ」
【妙花】
「あぁなんだっけ……たしか、ニューロンがどうとかあったような……」
【ノア】
「ニューロンは人間の脳にある神経細胞ですね。そのイメージからきたものだと思いますよ」
【樹里亜】
「そうですねぇ。ここが少し難しいところなのですが、この仕組みを使って『学習』をしていくんですねぇ」
【樹里亜】
「この一番前の層にデータが入力されます。そこで『重み』が付けられ、変換されて中間の層に渡されます。これを一番後ろの層まで行うんですねぇ」
【柊一郎】
「急にガチの学問っぽくなってきた」
【伊栖未】
「理解不能」
【妙花】
「その……中間層? 重み? ってのはよ、つまりどういうことをやってんだ?」
【樹里亜】
「個人的な見解ですが、イメージとしては人間の暗黙知の部分を処理しているような感じですねぇ」
【ノア】
「あぁ。なるほど」
【柊一郎】
「どういうこと?」
【樹里亜】
「先ほどのセッ〇スの話でたとえましょう。柊一郎ちゃんはどうやってセッ〇スが上手くなったか説明できますかぁ? ”回数を重ねた”以外で」
【柊一郎】
「…………」
【柊一郎】
「正直に言えば……感覚的だったから。経験則というか、勘みたいなもので覚えた」
【樹里亜】
「まさしくそれですねぇ。『言語化できない知識』『言語化できても意味が簡単には伝えられない知識』。そういうものがあるでしょう?」
【妙花】
「たしかに世の中すべての事象を言葉にできるわけじゃねぇ。日々の中で無意識で自然に覚えるようなもんってのもあるからな」
【伊栖未】
「そ、それが暗黙知」
【柊一郎】
「……なるほど。それをモデル化したのがニューラルネットワーク。で、層と層の間で『暗黙知の部分』をAIが理解していくのか」
【樹里亜】
「そういうことですねぇ。先ほど言った『重み』というのは”学習して覚える暗黙知のデータ”みたいなイメージになります」
【樹里亜】
「だからデータを与えれば与えるほど理解が深まるので高い精度が出るってことなんですねぇ」
【ノア】
「でもただデータを与えるだけでは意味がありません。”それはなんなのか”を理解する仕組みも必要です」
【樹里亜】
「仰るとおりです。一番後ろの層から出力されるものと『正解データ』の比較をして、”それはなんなのか”を理解するんですねぇ」
【伊栖未】
「せ、正解データ、とな」
【柊一郎】
「もうちょっと詳しく」
【樹里亜】
「たとえばAIに”オ〇ホ”というものを覚えさせるとしましょう。オ〇ホの画像データを大量に用意し、ニューラルネットワークに与えます」
【樹里亜】
「しかし相手はコンピューター。コンピューターがオ〇ホというものを理解しているわけがありません」
【樹里亜】
「なので、オ〇ホの画像を与えるとき、同時に『これはオ〇ホである』といったような、正解であることを示すデータを予めセットしておくんですよぉ」
【ノア】
「そうすることで、入力された画像がオ〇ホかどうかをAIが初めて判断できるようになる、ということですね」
【妙花】
「ちょっと待て。オ〇ホと一口に言ってもいろんな種類があるだろ。それだと何の区別もなく、”ただオ〇ホである”と覚えちまうだけじゃねぇか」
【樹里亜】
「チンピラちゃんの言うとおりです。なので正解データのほうで、『ラベリング』を人手で行います」
【柊一郎】
「ラベリング」
【樹里亜】
「正解ラベル。要は正解データに名前を付ける、みたいなイメージですね」
【妙花】
「じゃあ名前を付けて区別するってことか」
【樹里亜】
「そうですねぇ。たとえば、『オ〇ホの種類を自動で判別するAI』を作るとします」
【柊一郎】
「ネットで探せばそういうの作ってる人すでにいそう」
【ノア】
「言うほどそうか?」
【樹里亜】
「手元にある大量のオ〇ホ画像は5種類に分類できるとしましょう。オナ〇ップ、フェ〇ホール、ハンディ、床オ〇ホ、ア〇ホール、とでもしますかねぇ」
【ノア】
「なんでそんなに詳しいんですか?」
【樹里亜】
「このとき画像を入力する前に、その画像の種類のラベルを作ります。たとえば『画像1.jpg』は『オナ〇ップ』みたいに」
【樹里亜】
「このようにすべての画像に対してラベルを用意します。そうして各画像と紐づけたラベルの情報を『正解データ』と言います。違う言い方をすると『教師データ』と言うんですが、『正解データ』のほうがわかりやすいでしょう」
【伊栖未】
「な、なるほど……」
【妙花】
「でもよ、たとえオナ〇ップの画像を入力してもコンピューターは分からねえんだろ? どうやって正解データと照合して覚えさせんだ?」
【樹里亜】
「鋭いですねぇ。ここが『学習』の肝心なところなんですが、出力データと正解データを用いて評価が行われます」
【柊一郎】
「評価」
【樹里亜】
「両者を比較して『重み』を調整するんです。専門的なことを言うと、その調整には『損失関数』というものを使うんですが、ここは難しい話なので割愛します」
【伊栖未】
「重みって……さっき出て来たな」
【樹里亜】
「たとえばオナ〇ップの画像を入力し最後の層で出力されたとします。このとき出力される数値は0~1の値で表現されます。そういうふうにプログラムのほうで設定するんですが」
【柊一郎】
「……それって」
【ノア】
「確率として扱うってことですね。入力画像がオナ〇ップである確率が『0.3』として出力されるようなイメージでしょう」
【樹里亜】
「本当によくご存じですねぇ。出力の際に”それがそれであると思われる確率”に変換するんですねぇ。『活性化関数』というものを使います」
【ノア】
「……それで、正解ラベルの方の数値を『1.0』とでもしておけば――」
【妙花】
「そうか。”正解とどれぐらい乖離しているか”が数値としてわかるってことか」
【樹里亜】
「いかにも。その差分を利用して、ネットワークの『重み』を調整する。そしてまた別の画像を入力し評価して『重み』を調整する。ここまでの一連の処理が、ディープラーニングの『学習』に当たります」
【妙花】
「そういうことかい。概念は理解できたよ。プログラムを使った具体的な処理の話はわからねぇが」
【ノア】
「そこは私に聞いてくれれば教えますよ。話の中でどうプログラミングすればいいかわかったので」
【柊一郎】
「頭脳が明晰すぎる」
【伊栖未】
「な」
【樹里亜】
「ここまでがAIの『学習』の話になります。こうして『学習』できたモデルデータがAIの脳みそとなります」
【樹里亜】
「あとはこのモデルデータを使って『推論』する処理を実装すれば、AIは大方完成です。本当はそこからもう少しやることが色々あるのですが、初心者ですしこの辺で大丈夫でしょう」
【柊一郎】
「推論?」
【ノア】
「いざ実際にAIを使うときの”処理の中身”のことですよ」
【樹里亜】
「『オ〇ホの種類を自動で判別するAI』をシステム化したら、適当にそこらへんのオ〇ホをWebカメラにでも写して、それが”何のオ〇ホかを判定する”ことになるでしょう?」
【柊一郎】
「そこらへんのオ〇ホ」
【ノア】
「そのときの処理が『推論』と呼ばれるんです。まあこれはプログラミングで実装すればできることですね」
【樹里亜】
「もし多種類のオ〇ホ画像を大量に『学習』させて『推論』させれば、かなりの高精度で何のオ〇ホかを判定できるってことですねぇ!」
【伊栖未】
「そんな意気揚々と言われても」
【ノア】
「簡単にまとめると、AI作りの主な手順は『学習によるモデルデータ作成』→『推論処理の実装』ってことですね」
【樹里亜】
「そういうことですねぇ。だいぶ省略してますけど」
【妙花】
「だが仕組みも理屈も理解した。あとはプログラム周りも勉強すりゃよ、アタシらでもAI作れそうじゃねぇか?」
【柊一郎】
「たしかに。今度なんか作ってみよっか。ノアに主に頼ることになりそうだけど」
【樹里亜】
「…………」
【樹里亜】
「せっかくですので、”実習課題”を皆さんにやってもらいましょうか」
【ラーレ】
「「「「…………え??」」」」
【樹里亜】
「講義だけでは面白くないでしょう? この後オフィスに戻ったら4人で協力してAIを作ってみてください」
【伊栖未】
「か、簡単に言ってくれる……」
【樹里亜】
「インプットの後はアウトプット、ということです。お勉強の基本ですよぉ?」
【妙花】
「似非修道女の言うとおりだ。知識だけ持っててもつまんねぇ。手前で形にして初めて”理解”ってことだよ」
【ノア】
「いいですね。うちのPCは高スペックですのでディープラーニングは可能です。やってみますか」
【柊一郎】
「じゃあ一旦オフィスに戻ろう」
【樹里亜】
「…………」
【柊一郎】
「帰りますけど。着替えないんですか」
【樹里亜】
「この格好気に入ったので、ちょっと買い上げてきますね♪」
【ノア】
「めちゃノリノリじゃないですか」
【伊栖未】
「買う人い、いるのか」
【柊一郎】
「シスターの嗜好が未だによくわからない」
【樹里亜】
「でもそんな女教師のコスプレをした私も……?」
【柊一郎】
「割と好き」
【樹里亜】
「そういうことですねぇ♡」
【黒赤緑】
「「「………!!!」」」
【ノア】
「柊一郎!! 今度4人で来たときは遠慮なく要望を言ってくださいね!!」
【妙花】
「なんにでも着替えてやるしどんなプレイでも応えてやらぁ!!」
【伊栖未】
「ふすぅ……!!」
【柊一郎】
「すごい闘志」
★場所:LALEオフィス
【樹里亜】
「――では、課題の説明をしますねぇ」
【柊一郎】
「なんのAI作ればいいの」
【樹里亜】
「そうですねぇ、たとえば…………これを見てもらえますかぁ」
【柊一郎】
「…………女性器の画像」
【ノア】
「ま〇こですね」
【伊栖未】
「おま〇こ」
【妙花】
「ま〇こだな」
【樹里亜】
「淡々と言うのちょっとウケますね」
【柊一郎】
「このま〇こがどうしたの」
【樹里亜】
「問題です。このま〇この人は何歳でしょう?」
【伊栖未】
「えっ……難し、いやそうでも、ない、か? ちょっとわ、若い感じ」
【妙花】
「20代にしてはちと年季を感じるなぁ。もうちっと上か?」
【ノア】
「おそらく30代後半のま〇こじゃありませんかね」
【柊一郎】
「めっちゃ考察してるじゃん」
【樹里亜】
「正解は32歳でしたぁ♪」
【ノア】
「えっ。ホントですか」
【妙花】
「言われればそんな気もしねぇでもないが」
【柊一郎】
「結局これ誰のま〇こなの?」
【樹里亜】
「企業秘密です♡」
【伊栖未】
「け、けちんぼ……!」
【樹里亜】
「本人の名誉もありますので。黙秘します」
【柊一郎】
「なんだったのこのくだり」
【樹里亜】
「正解できなかったでしょう? ま〇こからその人が何歳か。それも4人もいて」
【妙花】
「…………手前、まさか」
【樹里亜】
「『ま〇こ画像から年齢を当てるAI』。通称『AEM(Age Estimation by Ma〇ko)』をみなさんに作ってもらいます。これが課題です♪」
【伊栖未】
「やっぱこの人ヤバい」
【柊一郎】
「な」
【ノア】
「言うほど通称か?」
【樹里亜】
「作ったら終わりではありませんよぉ。完成したらWebカメラを使って精度を確認してもらいますので」
【妙花】
「……どういうことだ?」
【樹里亜】
「私のま〇こにカメラを当ててみてください。それで私の年齢を見事に当てられてたらご褒美として高級寿司を御馳走しましょう」
【妙花】
「…………」
【ノア】
「…………」
【伊栖未】
「…………」
【妙花】
「手前、正気か? 自分のま〇こを――」
【気合のトリオ】
「「「寿司だぁーー!!!」」」
【妙花】
「えぇ……」
【ノア】
「絶対当てて見せましょう!! 散財覚悟で待っててください!!」
【伊栖未】
「ウニ、いくら、大トロ……!!」
【柊一郎】
「もうやる気しかない。やる気以外ない」
【樹里亜】
「頑張ってくださいねぇ♡ あ、一応実習ですので、作業中にわからないことがあれば聞いてもらって結構ですよぉ」
【妙花】
「そいつはありがてぇが……」
【伊栖未】
「そ、そう言えば……シスターってな、何歳なんだっけ……」
【ノア】
「気にしたこともありませんでしたね。お姉ちゃんとあまり変わらない気もしますけど」
【柊一郎】
「…………」
【樹里亜】
「ちなみに私のほうからは決して教えませんので。これでもお年頃の女子ですから。お寿司は本当にぴったり当てられたらってことで」
【伊栖未】
「お、お年頃の女子……」
【柊一郎】
「フッ」
【樹里亜】
「あなた今笑いましたかぁ?」
【柊一郎】
「滅相もございません」
【ノア】
「課題は分かりました。ですけど、肝心のま〇こ画像はどうしましょうか。大量に入手するなんて困難通り越して無茶ですよ」
【妙花】
「誰かに撮らせてもらうってわけにもいかねぇしなあ……。いや、撮ったとしても数が足りねぇか」
【樹里亜】
「ディープラーニングで画像認識の高精度なAIを作る場合は、学習データ画像は1,000万枚は必要と言われていますよぉ?」
【伊栖未】
「そ、そんなの無理じゃないか……?」
【樹里亜】
「それと学習にも時間がかかりますからねぇ。10時間ぐらいでしょうか?」
【妙花】
「おい。いくらなんでもかかりすぎじゃねぇか」
【樹里亜】
「これでも速い方ですよ? 今の時代はとっても高性能なネットワークがありますのでそれを実装して、あとはパラメータを最適化するぐらいでしょうか」
【伊栖未】
「し、仕方ないか……でも、画像どうやってあ、集めんだ……?」
【ノア】
「データ拡張(Data Augmentation)という技術はあります。元画像を反転、回転、輝度変更などを施して学習データの画像量を増やす方法です」
【柊一郎】
「でもそれって一枚を数十枚に増やせるくらいのもんでしょ」
【ノア】
「えぇ。かさ増しにしても微妙すぎます。どうしたら……――あっ!!」
【妙花】
「どうしたノア。なんか閃いたか?」
【ノア】
「たしかええっと…………ほら、これ見てください!」
【柊一郎】
「それは…………”
【妙花】
「なんだそれは」
【ノア】
「知らないんですか? 性的な交流を目的に作られたSNSですよ」
【妙花】
「知らねぇ」
【ノア】
「Hametterは男性の場合はおち〇ちんを、女性の場合はおま〇こをプロフィール画像にするんです!」
【妙花】
「地獄か?」
【ノア】
「それにほら! 年齢情報も必須になってますので条件は整ってます!」
【伊栖未】
「…………つ、都合いいな……?」
【ノア】
「それに、Hametterは1億人以上のユーザーがいますからそれなりの数のま○こが期待できます!」
【妙花】
「世紀末か?」
【ノア】
「ですので、自動でおま〇こ画像と年齢情報を引っ張ってくるスクリプトを組んで全部保存してしまえばいいんです!」
【柊一郎】
「つまりオレたちは……今から世界中のま〇こを見れる、ということか」
【樹里亜】
「そういうことですねぇ!」
【妙花】
「悪い伊栖未。頭痛薬を取ってきちゃくれねぇか」
【伊栖未】
「こ、これから作業始まるんだし、しっかりしろ妙花」
【柊一郎】
「でもいいのかな。勝手に人のま〇こ画像保存しちゃって」
【樹里亜】
「大丈夫と言うことにしましょう♪」
【ノア】
「ガバガバですね」
【柊一郎】
「ま〇こだけに」
【樹里亜】
「セッ〇ス中に言われたら萎えますねぇ」
【妙花】
「いいから早くやらねぇか。よくわかんねぇが時間かかんだろ?」
【ノア】
「そうですね。では、データ収集と推論処理実装は私がやります。データは共有HDDに保存されますので、3人は手分けしてラベリングをお願いします」
【素人3人】
「「「了解!(あいよ)」」」
【樹里亜】
「…………」
【樹里亜】
「…………ふふっ」
◆
【ノア】
「――よしっ! 私のも当たりましたね!」
【妙花】
「あぁ。少なくともアタシらのま〇こから齢は推論できてるようだ。それもぴったりな」
【伊栖未】
「あ、あそこにカメラ当てられるの……なんか、ちと恥ずかしかったな……」
【柊一郎】
「本島でやったら即逮捕されそう」
【妙花】
「だろうな」
【ノア】
「さすがはディープラーニングですね。時間かけて学習しただけありますよ。もう夜遅いですけど」
【柊一郎】
「シスターの年齢当てられたら明日の昼に寿司ってことで」
【樹里亜】
「ふふっ……それでかまいませんよぉ」
【妙花】
「さて、さっさと脱いで見せろ」
【樹里亜】
「はいどうぞ♡」
【妙花】
「なんの躊躇いもねぇ」
【伊栖未】
「神がかりなスピード」
【ノア】
「威厳すら感じる」
【柊一郎】
「それじゃ……カメラ当てます」
【樹里亜】
「…………んっ♡ あっ♡」
【柊一郎】
「物理的な当てるじゃなく」
【妙花】
「で、結果はどうよ柊一郎」
【ノア】
「けっこう自信ありますからね。おそらくいけるでしょう」
【柊一郎】
「…………」
【伊栖未】
「…………どうした?」
【柊一郎】
「…………10代……?」
【と20代の境ぐらいの3人】
「「「……………」」」
【妙花】
「……おいおい。それはさすがに」
【ノア】
「た、たしかに見た目は若いですけど……」
【伊栖未】
「それだと、わたしたちとあまり……」
【樹里亜】
「あっはははははは!! 残念でしたぁ!! 見事に外してくれましたねぇ!!」
【妙花】
「……っ!! ……どうしてこんな結果に……!!」
【ノア】
「……!! ちょっと失礼!!」
【樹里亜】
「あんっ♡」
【柊一郎】
「ノアがシスターのま〇こをいきなり覗き始めた」
【ノア】
「…………この人のま〇こ、
【伊栖未】
「………ま、まさか!」
【妙花】
「……手前ェ! レンタルルームで衣装を買い上げた、あのとき……!!」
【樹里亜】
「あっはははは! お察しのとおり! わざとあなたたちの元を離れて買い上げに行き、その隙にお手入れしておいたんですよぉ!! ”特殊な薬”を使って!!」
【ノア】
「……っ!! そういうことでしたか……!! いつもの薬袋製薬の薬で…!!」
【樹里亜】
「まぁ衣装を気に入ったのは本当なんですけどねぇ? 昔プリズンで一杯食わされたので、その”仕返し”ということです」
【伊栖未】
「す、寿司って言ったのは、あ、あえてき、希望をちらつかせて……!!」
【妙花】
「一気に絶望の谷間へ突き落す。…………アタシらが失敗するのを分かってて言ったんだな……!!」
【樹里亜】
「そういうことですねぇ! あなたたちのその苦渋に満ちた顔を見たかったんですよぉ!! とってもいい気分ですねぇ!!」
【妙花】
「…………過去のことを水に流すって話は撤回だ。やっぱり手前は――」
【柊一郎】
「待って妙花」
【妙花】
「ああ!? 止めんじゃねぇ柊一郎! この似非伴天連女に一丁お灸を――」
【柊一郎】
「オレ知ってるけど。シスターの歳」
【妙花】
「…………」
【ノア】
「…………」
【伊栖未】
「…………」
【樹里亜】
「…………はい?」
【柊一郎】
「昔に山岸看守長が教えてくれた」
【樹里亜】
「――――っ!!! あ、あのチンパンジー……!!! よくも……!!!」
【柊一郎】
「尋常じゃない怒り」
【ノア】
「ていうか知ってたんなら教えてくださいよ。違う課題を提案できたじゃないですか」
【妙花】
「まったくだ。余計な時間食っちまったじゃねぇか」
【伊栖未】
「で、でも……えーあいの勉強、わたしは、楽しかったぞ……!!」
【ノア】
「鐘さん…………。そう、ですね。それはそれ、これはこれってことですね」
【妙花】
「くっくっ、まさか伊栖未に嗜められるとは思わなかったよ。手前の言うとおりだ。これはこれで良い教訓になったってことだな」
【柊一郎】
「今後のゲーム作りに取り入れられるといいな」
【ノア】
「知識は使い方次第でいくらでも可能性を広められますからね」
【妙花】
「いっそのこと本当の”エロゲ”でも作ってみるか?」
【伊栖未】
「う、売れそう……!」
【柊一郎】
「それも構想に入れ――」
【樹里亜】
「良い空気のところすみませんが今から薬袋製薬の新商品『忘却薬』を飲ませますからねぇ!?」
【ノア】
「薬袋製薬ってなんでも作れるな」
【柊一郎】
「こっちを陥れようとした罰だ。3人に年齢をバラしてやる」
【樹里亜】
「なっ……!!!」
【妙花】
「ほぅ。いい顔してるじゃねぇか。ほれ柊一郎、さっさと教えろ」
【ノア】
「メモの準備はバッチリです」
【伊栖未】
「録音も完璧」
【柊一郎】
「確かシスターは――」
【般若みたいな顔の樹里亜】
「やめなさいあなた!!!!」