ONE PIECE世界を旅する一般クソザコTSうっかり幼女商人   作:褐色幼女万歳

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本日の行先 元ドラム王国

 「島が見えたぞ~~~っ!」

 

 「ほんと!?」

 

 「ビビさん、ナミさんはボクが看ているので甲板に出ていってもらった方がいいかと。メリー号ぶつけられても困りますし」

 

 「そ、そうね。お願いするわ」

 

 ベガパンク印のお薬の効果が出て談笑できる程度には回復したけどまだ予断を許さない状況のナミさん、ルフィさんたちが心配なのか代わる代わる部屋に入っては大丈夫かなんかさせろってうるさいので悪化する~~っ!!って両手を振り回して威嚇して甲板に追いやってはや数時間、メリー号を見つけた時は夜だったので多分もう朝だ。カルーの羽毛の中で目を覚ましたボクに島を発見した報告が聞こえてくる。

 

 ビビさんも目を覚ましてガタッと立ち上がった。彼女がいないと男衆がどこに船をつけるか分かったもんじゃないので促すとそれを分かってるのか彼女は慌てて外へ出ていった。すよすよ眠っているナミさんを起こさないようにそっと見守る。安眠のお香の効果がでたかなあ?

 

 すっかりボクのベッド兼ソファと化したカルーにもたれかかりながら軽くナミさんの様子を診る。発汗が増えてるからそろそろ薬の効果が切れちゃいそうだ。ドラム王国についたみたいだしささっとくれはさんに診せたいんだけどなあ。ボクの付け焼刃より本職の方がいいに決まってるもん。

 

 「えっ!?なにっ!?」

 

 「……どうかした?」

 

 「わかんない!見てくるからナミさんは安静にしてて!」

 

 どんっ!と銃を発射する鈍い音が聞こえたのでボクはとびあがる。ナミさんも目を覚ましてしまった。大丈夫だと思ってたけどもしかしてなんか問題起こってる!?

 

 この頃の元ドラム王国は確か黒ひげの襲来で海賊に対してぴりぴりしていたはずだ。だけどボクがサッチさんに渡した守護宝具で黒ひげの裏切りは失敗している、はずだ。油断のなくなったサッチさんが黒ひげを取り逃がすとは思えないから、そもそも黒ひげ襲来は起こらないものって考えて、まだワポルが王政をしてると思ってたんだけど……もしかして違う?サッチさん死んでないよね?え?マジでわかんない!

 

 ボクも騒がしくドアを開けて甲板に出たら……うわ、ドラム王国の人たちがこっちにピストルを向けてる!もうビビさんが撃たれたあとっぽい!えーっとえーっと……あ!いた!

 

 「ドルトンさ~~~ん!!!」

 

 「っ!?ウルか!?なぜそいつらと一緒に!?」

 

 「成り行きで!病人いるって話聞いた!?すぐに医者に診せないとまずいよ!イッシー20の誰か呼んで!」

 

 「……全員銃を下ろせ……海賊は信用できないが、みんなが知ってるように……あの子は信用できる」

 

 「おいウルちゃんよ、お前何もんだ?あんだけ頑なだった島のやつらがお前見た途端、武装を解くなんてよ」

 

 「別に何もしてないよ?1年位前に、ちょ~~~っとお安く石炭を卸しただけ!」

 

 「……彼女がいなければこの国の半数が凍え死んでいた。前王が石炭の供給を気まぐれに締め上げたおかげで暖房が機能しなくなったんだ。彼女は見返りもなく、石炭を赤字であっても卸してくれた」

 

 「別に赤字じゃないよ~?長期的に見れば黒字だもんね!ここに来るたびにみんな買ってくれるもん!」

 

 「……病人がいるなら急いだほうがいいだろう。案内する」

 

 あの時ボクがやったのは未来への投資だ。こうして良好な関係を築けている以上、それにはお金以上の価値がある。まあ当時はそんなこと考えてなくて、ボクに何とかできることの範囲だったから、値段を勉強させてもらっただけだけどね。それでもやっぱり、いいことできたのかも。

 

 「そろそろナミさんにのませた薬の効果が切れるよ、その前にお医者さんのところまで行かないと。ナミさんは……これで運ぼう!」

 

 「うおおおーーーっ!?なんだそれ!?何で浮いてるんだ!?」

 

 「ふふ、企業秘密!」

 

 ドルトンさんが案内してくれるみたいなのでボクは王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の中から昨日のうちに探し当てておいた魔法の絨毯を取り出して広げる。ぷかぷかと浮く絨毯を目にしたルフィさんの目が輝くが不思議絨毯ということで納得してね!

 

 部屋に入ってナミさんに絨毯の上に移ってもらい、掛布団や防寒用宝具でガッチガチにガードした状態でボクも同乗する。ルフィさんも乗せてくれって言ってたけどサンジさんにかかと落としで止められてた。それでも残念ながら定員オーバーなので乗せられないけど。

 

 道中でハイキングベアと挨拶したりしながらドルトンさんの家についた。そこでドルトンさんはこの国にはもう医者が一人しかいないことを教えてくれる。ドクトリーヌ、Drくれはのことだ。彼女がいる山の上の城に行けばいいという話を聞いたルフィさんとサンジさんは二つ返事で。

 

 「よし、いくか」

 

 「クソゴム、お前がナミさん引っ張っていけ。道中は俺が守る」

 

 「わかった」

 

 「はい!そこまで!」

 

 「「いって~~~!!」」

 

 話を聞いた二人はすぐさま魔法の絨毯を引っ張って走りだそうとするので洗濯用金ダライを二人の頭に落として止める。ちなみにこれ、宝具。お笑いでよくある突っ込み&オチ用金ダライの原典である。何でもあるな王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の中って。ボクじゃ把握しきれないし見つけても忘れるくらいには量が多い。

 

 涙目になった二人を前にボクはふふんと胸を張り、ボクの後ろに天翔る王の御座(ヴィマーナ)を引っ張り出した。ボクの意図を察した二人がニヤッと笑う。

 

 「こっちのほうが早いよ!乗って!」

 

 「「よしきた!」」

 

 こちらに残るというビビさんとウソップさんを置いてボクは一直線に天翔る王の御座(ヴィマーナ)を山の上の城まで飛ばすのだった。原作だとここでルフィさんは凍傷寸前まで行って、サンジさんは手術が必要なほどの大けがをした。だけど今は違う、ボクが安心安全最速で!みんなをお医者さんと青っ鼻のトナカイの所まで一直線さ!

 

 

 

 

 「お~~~~い!医者はいないか~~~!!!」

 

 「おい、誰もいないじゃねえかよ!あのクソ騎士だましたな!?」

 

 「……いや、いるよ。ドルトンさんはそんなくだらない嘘はつかない。出かけてるんだと思う、だからちょっと待ってみようよ」

 

 失念してた、この時Drくれはさんたちは……町に降りてるんだった。ボクたちが早くついても彼女たちが帰ってきてないんじゃしょうがない。ボクはささっとテントを出してその中に全員を入れて暖を取るように促す。すぐ帰ってくるはずだし、少し待つだけなら大丈夫。

 

 「しかしまー……いろんなもの持ってるなウルちゃんは。どんな能力なんだ?」

 

 「倉庫だよ、ボクの能力は空間を倉庫にする能力。中身についてはないしょ。それよりも凍傷にならないでよ?そこまで面倒見切れないもん」

 

 「おい見ろ!海の戦士Zだ!」

 

 「あのクソゴムだけ心配しといてくれ」

 

 暇なのに耐えられないのかルフィさんは雪だるまでどっかで見たことあるような像を作っていた。ボクはナミさんの手を握ったり汗を拭いたりして少しでも進行を遅らせようと努力する。暫くするとドカッドカッと蹄が雪を抉る音が聞こえてきた。きたっ!

 

 「ヒーッヒッヒッヒ!なんだいあんたらアタシになにか用かい?」

 

 「Drくれはさんですね!?よかった!お願いがあってきたんです!」

 

 「若さの秘訣かい!?」

 

 「まだ何も言ってません!急患なんです!すぐ診てください!」

 

 「すぐ運びな!10秒以内だよ!」

 

 テントから飛び出したボクがくれはさんに頼み込む。子供が飛び出て来た事に一瞬不可思議そうにしたくれはさんだったけど急患と聞いてすぐに顔つきを医者の顔に変えて処置室を指さした。サンジさんとルフィさんがナミさんを担ぎ上げるとそこに転がり込むように入って処置室のベッドにナミさんを寝かせた。

 

 「医者じゃないアンタらは邪魔だよ!チョッパー!手伝いな!」

 

 そう言ってサンジさんとルフィさんは処置室から蹴りだされる。ボクは最後に彼女に伝えなきゃいけないものがあるので何とか処置室に体をねじ込んで王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の中からナミさんの症状の変化を記録した羊皮紙と飲ませた解熱剤と痛み止めを取り出してくれはさんに差し出す。

 

 「これ、彼女に飲ませた薬と症状の記録です!何とか救ってください!お願いします!」

 

 「ナイスだよ!これがありゃ病気の特定が早まる!チョッパー受け取っときな!」

 

 すでにナミさんの治療を開始していて手が離せないくれはさんの代わりに人獣型に変身したチョッパーさんが受け取りに来る。ボクより小さいその体、ボクより強いその肉体で彼はボクにおびえていた。それでもボクは彼の蹄のような手を思いっきり握って羊皮紙と薬を渡す。ボクの手が触れた瞬間ビクッとしたチョッパーさんだけど、ボクは知っている。彼が誰よりも優しい手をしているってことを。彼の目を見てボクはもう一回お願いした。

 

 「お願いします!お医者さん!」

 

 「……うん」

 

 何とも言えないみたいな顔をしたチョッパーの答えを聞いて、ボクは踵を返して処置室の扉を閉めて、雪で滑って思いっきり顔面からコケるのであった。もう!しまらないなあ!

 

 

 

 

 

 数時間後、くれはさんがチョッパーさんを伴って処置室から出てきた。ルフィさんがチョッパーさんに興味を示して追いかけ始めるのをくれはさんは軽くスルーしてボクとサンジさんに説明をしてくれた。

 

 「あのお嬢ちゃんの病気だけどね、ケスチアっていうダニから感染した質の悪い病気だ。アンタら古代の密林でも行ったのかい?もう3日で死んでたよ、あの子」

 

 「……行った。ちょうど、7日前くらいだ。バアさん、ナミさんは助かるのか?」

 

 「アタシはまだピチピチの130代だよ!ちょうど特効薬を念のため持ってたのが良かったね。助かるさ、間違いなくね」

 

 「そうか……!よかった……!」

 

 やっぱり、ケスチアだったのか。生息域が古代の密林ってことが……ボクが彼女に託したブローチの神秘を上回る神秘が蓄積されてた島だったのかな?じゃあつまり……ケスチアのウイルスって神代の病気?うっそマジで?こっわこの世界、どんなテクスチャしてるんだよ。

 

 「あの、サンジさん。ボクはいったん麓におりようとおもうんだ。ビビさんたちにナミさんの無事を伝えてくるから、ここで彼女のことをお願いしていい?」

 

 「ああ、勿論。こっちのことは任せとけ。ビビちゃんを安心させてやってくれ」

 

 「えーと、くれはさん。よろしくお願いいたします」

 

 「ドクトリーヌとお呼び。アタシの前から患者がいなくなるのは治った時か、死んだ時だけさ。今回は絶対治るから、安心してお行き」

 

 チョッパーさんの悲鳴とルフィさんの追う声を聞きながらボクは天翔る王の御座(ヴィマーナ)を操ってふもとまで下りようといったん高度を上げる。すると、メリー号を泊めた方とは別の場所に、大きな海賊船が泊まってるのが見えた。ワポルの海賊船だ、このままじゃまずい。

 

 ボクは進行方向を変えて天翔る王の御座(ヴィマーナ)に宝具で迷彩を施す。そして遠見の水晶玉を取り出して魔力を込めて、ワポルたちの様子を偵察することにした。そして、映った光景に戦慄した。なんで、どうしてお前がそこにいる?なんでだ……っ!?

 

 「ムッ、シュールっ……!」

 

 水晶玉に移ったそいつ、ピンクのおかっぱ頭に細身の体、間違いない。チョッパーの映画に出てきた敵、ムッシュールだ。まずい、まずいなんてもんじゃない。今のルフィさんたちじゃムッシュールには勝てない。あの映画ではすでにルフィさんはギア2や3まで能力を強化していた。だけど今は、そんなの影も形もない。それに加えてムッシュールはゴムのルフィさんに打撃を当ててた。武装色の硬化はできないにしろ覇気が使えるんだ。そして、フランキーさんがいない以上、ノコノコの実の最終攻撃である「フェイタル・ボム」をどうにかすることが出来ない。

 

 だめだ、だめだだめだだめだ!今彼らをドラム王国に入れるわけにはいかない!時間を稼がないと、危険を知らせないと!なら、今ボクがやるのは足止めだ!王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から一つの概念の塊を取り出す。それは鍵、古びた青銅の鍵だ。だが、これはとある迷宮の鍵、雷光の宝具の原典だ。

 

 「万古不易の迷宮よ!」

 

 ボクが魔力を込めてそのカギを解放すると、ワポルたちの周りに透明の結界が展開される。ボクが使える機能は迷宮そのものの展開ではなく、迷宮という概念、つまり迷うという概念そのものを結界として展開する宝具だ。ボクが込めた魔力が尽きる一日までは、ワポルとムッシュールたちはその場から絶対に動くことはできない。中から出ることも外から入ることもできない異界の中で、暫く迷っててほしい。

 

 ボクは急いで天翔る王の御座(ヴィマーナ)を走らせドルトンさんの所に行く。だけど確信があった、ムッシュールだけは……ボクが何とかしないといけないと。死力を尽くして、あの猛毒の爆弾を止める必要がある。今回だけは自重はなしだ、最初から殺す気で対応しないと。




 原作との変更点、ムッシュールおにいたま追加(強化済み)ウルちゃんくんが格上相手にどうするかを次の話で書いていこうと思います

 ではまた明日、感想評価よろしくお願いします
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