ONE PIECE世界を旅する一般クソザコTSうっかり幼女商人   作:褐色幼女万歳

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本日の予定 防衛

 「ドルトンさんっ!やばいよまずいよとんでもないよ~~!!!」

 

 「ウル!?どうしたそんなに慌てて!こっちも今ワポルの船が来たと報告を受けたところで、あまり余裕はないんだ」

 

 「それなんだよ!ワポルともう一人ムッシュールがいたんだ!ボクは昔の新聞でしか知らないけど、ヤバい人なんでしょ!?」

 

 「ムッシュールだと!?まさか……!」

 

 異界の迷宮にワポルたちを閉じ込めたボクが真っ先に麓の村に降りてドルトンさんの家に文字通り転がり込むとびっくりしたドルトンさんがボクを立たせてくれてワポルのことはもう知ってるということを話してくれた。ボクの追加情報で20年前に惨劇を起こしたムッシュールがいることを知らせると事情を知らないビビさんとウソップさん、なぜかいる上半身裸のゾロさん以外が真っ青になった。

 

 「あの……ムッシュールとは、誰なの?」

 

 「逃げ出した王、ワポルの実の兄だ。悪魔の実の能力者で……20年前、この国の半数の国民を殺した悪魔の男だ……!」 

 

 「おいおい、そんなことどうやったって言うんだよ」

 

 「ウソップさん、悪魔の実には世界を滅ぼせる実だってあるんだよ?ムッシュールのノコノコの実……毒キノコの胞子を国中にまき散らして国民を無差別に毒殺したんだ。今回もきっと……」

 

 「イカれた野郎だな……」

 

 「そんな……王子が国民を……?」

 

 ボクは当時のことは知らないけど海軍の資料室で何があったのかは知っている。だが、ムッシュールは生死不明だった。映画では火山地帯の国に追放されてたみたいだけど、この世界じゃほとんど死んだ者扱いで気にしてはいなかった。それが、こんな風に帰ってくるなんて……!

 

 「とりあえず今はボクの宝具で迷宮に閉じ込めてます。1日は時間稼ぎできるけど……」

 

 「……宝具?」

 

 「不思議な力がある道具だって思っといて。ボクの船といっしょ」

 

 「とりあえずこの国がやべえってのは分かった。ナミは?」

 

 「治るよ、間違いないって。でも、入院する必要があると思う。数日か、あるいはそれ以上。でもやつらが居たら治療どころじゃないよ」

 

 「んな時間かけてはられねえ。この青髪女のこともある、しょうがねえ。斬るか、そいつら」

 

 流石に上半身裸はこたえているのか大きな縫い跡がある鍛え抜かれたからだを震わせながらゾロさんがまるで散歩にでも行くような軽い感じで言う。冗談じゃない、そんな簡単に行くならそもそもボクが迷宮に閉じ込める前に殺してる。フェイタル・ボムは能力者が殺されたら制御を離れて暴発するかもしれない、なにせ情報が少ないから何があるか分からない。

 

 「そんな簡単にいかないよ。そもそも、あのバカな王様たちは強いんだ。じゃなきゃ医者を20人だけ残して残りを追放するなんて暴挙がまかり通るもんか。とにかくルフィさんたちと合流したほうがいいと思う。迷宮を抜けたら……きっと城に来るはずだから……」

 

 「……武器庫か。ワポルの能力なら、武器を取り込んでムッシュールのフェイタル・ボムを発射するための土台になる……」

 

 「とにかく、城まで行こう。ドルトンさんは国のみんなとどうするか相談してて、ルフィさんたちがこのまま出ていっても、ボクは残って戦うから」

 

 「いえ、私たちも」

 

 「目的を見失わない!ビビさん、貴方がやらなきゃいけないのはなに!?道中全部の面倒事をしょい込んでちゃ潰れちゃうよ?最悪時間稼ぎして海軍に来てもらえばいいんだからさ」

 

 「そうだな、そこのチビの言う通りだ……うちの船長が素直にあぶねえから出てけって言われてもそれに頷くわけねぇってことを除けばな」

 

 ぶっちゃけ、出てってもらった方が楽だ。ここから1日あればマリンフォードと往復できるから、覇気が使える海兵さんを連れてこればなんとかなる。このあいだのへんたいさんとかなら一瞬で鎮圧してくれると思うの、くさっても少将らしいし、マジでこの世の終わりだぁ……。

 

 

 

 

 

 

 「おし、じゃあぶっ飛ばすかそいつ」

 

 やっぱりな、と言わんばかりの言葉を吐きだしたルフィさん、ウソップさんは頬に両手を当てて絶望の顔をし、ゾロさんサンジさんはまあ当然か、という顔をしている。一味の全員を天翔る王の御座(ヴィマーナ)で連れてくれはさんの所に戻った。ボキボキ、と拳で音を鳴らしたルフィさん、ビビさんもその言葉を聞いて一安心といった様子だ。

 

 「それに、少なくともナミさんはまだ動かせねえ。ナミさんが目を覚ました時にあのカバデブが目に入ったら毒だ。掃除しといてもバチはあたらねえだろ」

 

 「俺、村長のおっさん気に入ったんだ。あのトナカイも仲間にしてぇ!邪魔するやつはぶっ飛ばす!」

 

 トナカイ、というところでもうチョッパーさんとはある程度打ち解けたのか凄いなボクが離れて3時間くらいだぞ?くれはさんがルフィさんに何かを見たのかなあ?まあ、ワポルは原作より楽に終わると思う、問題はムッシュールなだけであって。ウソップさんの火薬星くらいじゃあフェイタル・ボムは燃えない。火炎放射レベルは必要だ。

 

 「……話は決まったな。おいウル、お前が閉じ込めてるって言ってたな。解放しろ」

 

 「わかった、けど誘導してまっすぐココに向かわせるよ。待ち構えた方が、都合がいいから」

 

 「なんでもいい、あいつらぶっ飛ばして俺はトナカイを仲間にする!」

 

 ボクは青銅の鍵を取り出して、結界の形状を変更する。まっすぐこちらに向かえるように、一本道にした。どう歩いてもまっすぐにしか進めなくなった。着くまでワポルたちなら1時間強ってところだ、ムッシュールをどうするかは言ってない、戦闘が始まる前に、ボクがあいつを仕留める。

 

 ボクは今最悪ムッシュールを殺すことを視野に入れている。問題はないのか、といえばないわけではないが問題にならないと言ったところだろうか。ムッシュールは、国民を大量虐殺した罪人だ。当時は王族であったために賞金首にこそならなかったものの廃嫡されてどこかに追いやられた。その後の経歴は不明なれど海軍からしたら罪人で、殺しても何も言われない。ボクが攻撃するのは20年前に殺戮を行い、逃げ延びた犯罪者なのだから。

 

 「ウルちゃん、君は城の中で待ってろ。俺らで何とかできる」

 

 「そう?それじゃ、お言葉に甘えるよ」

 

 そう言ってボクは、そのまま城の中に入っていった。好都合だ、城の上から俯瞰して……姿を現した瞬間に最高の一撃を叩き込んでやる。

 

 

 

 

 

 

 「まーっはっはっ!やっと着いたぜ!王の帰還だ!あんちゃん!久しぶりの帰還はどうだい!?」

 

 「ああ、悪くねえ。それよりもお兄たまと呼べこのカパめ!」

 

 「……お前だったのかワポルってのは。メリー号を食いやがって、ぶっ飛ばしてやる!」

 

 「ああ、なんだあの木っ端船の船長か!?俺は王様だぞ!?頭がたかぁい!」

 

 「そんなの知らねえ!」

 

 来た、ワポルたちだ。ボクは城の上階の窓から飛び降りて、空中で天翔る王の御座(ヴィマーナ)に乗り込む。ごちゃごちゃやってる傍を駆け抜けて、ムッシュールに向かって一直線に向かった。途中で目があったみんなの顔は、なぜボクがいきなり現れたのか、という疑問で満ちていたが、心の中で一言謝り、キノコ野郎に突撃する。

 

 「天翔る王の御座(ヴィマーナ)!!!」

 

 疑似真名解放、天翔る王の御座(ヴィマーナ)の持ち主であっても担い手じゃないボクは真の性能を引き出せない。だけど魔力で限界以上に速度を上げてぶつけることはできる!ボクはムッシュールに音を超えて突撃し、天翔る王の御座(ヴィマーナ)で彼を轢いて、先端に引っ掛け天空へ連れ去る。そして、城が立ってる山とは別の山に墜落と言っていい速度で天翔る王の御座(ヴィマーナ)を叩きつけた!

 

 「……流石に効いたろ」

 

 「ああ、効いた。あの中で一番つぇぇ俺様を選ぶとは……見る目があるガキだ!ええ!?だが……カパだったな!」

 

 「やっぱ、簡単にはいかないよね!」

 

 天翔る王の御座(ヴィマーナ)の舳先を、黒く硬化した手でへこませ、雪が剥げて亀裂の入った地面の上でクッション代わりのキノコで衝撃を和らげたムッシュールが、ぺっと口を切ったらしい血を吐き出し健在のままそこにいた。武装色の硬化まで使えるようになってるんだ……!20年もあれば、そうか。

 

 「一応自己紹介!ボクはウル!今から君をぶっとばす!」

 

 「ああ、そうか!俺様はムッシュール!今からお前をぶっ殺す!」

 

 即座に異界化の宝具を展開して万が一にもムッシュールが逃げられないようにする。解除条件はボクの意思かボクの死だ。即座に王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から200を超える宝剣を撃ちだした。狙いなんてほぼついてないが、これで近づけない。時間を稼いでいる間に脳内でヤツに特攻が入る宝具をピックアップする。

 

 「はっ!面白れぇ技だ!」

 

 「うそっ!」

 

 失念してた!こいつはキノコだった!地面に潜って回避したんだ!武装色の硬化した拳が迫ってくる。とっさに王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から引っ張り出した盾を間に入れるが、衝撃を殺しきれずボクは数m吹っ飛んで雪のクッションの上に落ちる。まずい……!バレた!

 

 「お前……強いのは能力だけか。覇気も纏ってねえときた……期待外れだな、さっさと殺して城に戻るとするか。雪胞子(スノウ・スポール)!!」

 

 「殺されるもんかっ!」

 

 放たれた毒の胞子の波を大盾の宝具を展開して防ぐ、毒は聖水を地面に一滴たらして浄化した。手段を選べなくなってきた!炎属性の魔杖を30展開して前面に火炎放射を行うが、地面に潜られて不発!くそっ!なんでこんなに強いんだよ!マシンガンのように絶え間なく毒の胞子の弾丸がボクに迫ってくる。自動防御の円盤がそれを防いでくれる。弾幕戦ならボクの十八番だぞっ!

 

 「これなら躱せる!?」

 

 「いいねえカパの割に面白いやつだ!もっと俺を楽しませろ!」

 

 山の上に隙間なく展開する王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)、宝剣の雨だ。ランクはピンキリだけど逃げ場はなくなる。数えてないけど1000はあるぞ!ムッシュールはそれを見てにやりと笑い、全身を黒く染めた。覇気に熟達してる!?どうして前半の海にこんな化け物がいるんだ!?くそっ、予めピックアップした宝具は打ち止めだ、考えながらじゃ間違いなくうっかりがでる!

 

 「このおおおおおおおっ!」

 

 「いい声で鳴くじゃねえかガキ!その声をもっと聞かせろ!」

 

 1000発の剣弾を見聞色で見極めたムッシュールが当たるものだけ拳や胞子で弾いていく。冗談じゃない、強すぎる。少なくとも海軍本部だと覇気が使える中将以上じゃないと太刀打ちできない。改めてボクが無理やり相手してよかった。今のルフィさんたちじゃ、無残に殺されて終わりだから。でも、ボクも絶対に勝てないのが分かった。だから……!

 

 「さあ、止めだ!スピンドリル!」

 

 「あっ、ぐうううううううっ!?」

 

 宝剣の雨を潜り抜けたムッシュールがドリル状に変形させた腕をボクに突き立てようとする。ボクは一瞬のそれに反応できなかった。自動防御の円盤を貫いたドリルがボクのどてっぱらに突き刺さる。腹に風穴があいたボクの口から悲鳴と血が噴き出た。意識が飛びそうになるほど痛い、けど痛みのおかげで保ってられる。でもこれで!

 

 「づ、かまえ……た!」

 

 「なにっ!?離せ!」

 

 「ボクと、一緒に、死んでっ!」

 

 天の鎖(エルキドゥ)でボクごとぐるぐる巻きにして拘束できた。そして周りに隙間なく展開する王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から発射された炎や太陽の逸話を持つ剣や槍がムッシュールに突き刺さる。そして、それは込められた魔力の通りに獄炎を発し、ムッシュールを焼き尽くしていく。ボクはダメ押しに、ある最終手段を切った。

 

 「ぎゃあああああああっ!?あっちい!?燃える!?消えねええええ!?!?」

 

 「……ボクの、お客様に……!手出しはさせない!!」

 

 宝具が輝いていく、魔力が臨界点を突破し宝具ごと爆発する。壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)、魔力の詰まった宝具を爆弾として使用する最終手段、ムッシュールに突き刺さったものだけじゃなく、ボクが山に撃ちはなった1000を超える宝具が全て爆発する。こいつを、絶対に止める為に!ボクを巻き込んだ大爆発が天の鎖(エルキドゥ)を千切り飛ばしてボクを天高くに打ち上げる。内部で刺さった剣や槍が爆発したムッシュールは、バラバラになって燃え尽きた。これなら確実に死んだはず。

 

 衝撃で異界化が解けたらしく、山の上部を全て削り取って標高を変えた山にボクは墜落する。何とか残った意識で魔法の絨毯を取り出して浮かべクッションにできた。全身が痛い、お腹も、変な方向に曲がっちゃった手も、感覚のない脚も。痛い、けど……やっぱり死ななかった。計算通りじゃないけど、生き残れた。

 

 ボクの心臓の魔力炉心は、龍のもの。ボクの身体は龍の因子が入ってる。肉体強度や力やスタミナは弱くても……生命力はある。お腹に風穴空いた程度じゃ、しなない。ボクを殺すなら、心臓を抉るか頭を壊すくらいだ。だから、捨て身の策だって取りやすい。でも、ここまでやったのは初めてだなあ。

 

 霞む目で、城の方を見る。ボクがてこずってる間に全部終わったみたい。ワポルが突き刺さった城の屋根がぶっ壊されてて健在の髑髏と桜の海賊旗がはためいていた。良かった、勝てたんだね。あ、やばい意識が落ちる。エリクサー飲まないと……意識を失うボクが最後に見たのは、蹄を血まみれにした青い鼻のトナカイだった。




 超強化ムッシュールvsウルちゃんくんでした。前の後書きで書いたと思いますが主人公は王の財宝が通用しないと基本戦いになりません。そして近づかれると対処できないので防御宝具でアルマジロになって自爆テロをします。

 今回の場合は防御宝具が間に合わなかったけど!無茶と無謀を兼ね備えてるので王の財宝が効かないと第二の選択肢として普通に自爆が視野に入ってきます。何だったら一番効果的とすら思ってるのがこの主人公ちゃんくんなわけです。

 まさに肉を切らせて骨を断つ、そんな感じを書けてたらいいなあ。

 ではまた明日の更新にて。感想評価よろしくお願いいたします。
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