ONE PIECE世界を旅する一般クソザコTSうっかり幼女商人   作:褐色幼女万歳

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本日の予定 療養

 「んん……うぅ、ん……いったぁ……」

 

 鈍いお腹の痛みでボクは目を覚ました。じくじくと鈍く痛みが広がったお陰でぱっちりと目が覚める。で、動こうとして……動けないや。頭を動かして状況を確認……隣の椅子には、あ!ナミさんが座ってる!おお!ちゃんと治ってる良かった~~!で、ボクの状態は……爆発から盾を持って庇った右手と右足にギプスが巻き付いてガッチガチに固定されて、なんか体をめっちゃ固定されてる。足首に点滴されてるし、知らないうちに暴れたか?お腹は……縫われてるのかなあ?痛みはあるけど感覚ないや。

 

 「ナミさん、ナミさん。おきて~」

 

 「……んぅ……えっ?あっ!?ウル!?起きた!?起きたのね!?よかったぁぁぁ!!!!」

 

 「うん、起きたよ?ワポルどうなった?ボクムッシュールには勝ったと思うんだけど……?」

 

 「ばかっ!そんな体で勝ちも何もないでしょ!ちょっと待ってなさい!くれはさん呼んでくるから!」

 

 「えぇっとその前にこの薬をボクに……行っちゃった」

 

 ナミさんはボクを優しく抱きしめると、慌てた様子で外に走っていった。とりあえず反省会しよう、今回の怪我の原因はボクがムッシュールをなめてかかったことにある。いや、正確には違うか。できるだけ生かした状態で決着を付けようとボクが欲張ったせいだ。

 

 というのも殺した場合、殺した相手が誰なのか判別できないと非常に困ったことになるのだ。ボクの場合もう遅いけどムッシュールを殺したと証明できないと……ボクただの殺人者になっちゃう。海軍から犯罪者の烙印押されて追いかけまわされて最終的にサカズキさんに殺されるのが確定しちゃうのだ。

 

 ムッシュールが覇気を習得しているであろうことを勘案してはいたが、まさか武装色の全身硬化と見聞色を同時に使いこなすとは思ってなかった。だから、多少この国に配慮して地形なんかに気を使って戦えるって思ってた。やりすぎると容易く雪崩れとか起こって下の人たちが大変なことになるし。だから、宝具のランクも制限してた、約1300発の剣弾のランクは全部EかD、高くてもCだ。それがボクの命取りになった。うっかり、原作の情報を信じ込んでこれ以上強いなんて思わなかったんだ。

 

 それらを全て防がれてさらにお腹に穴を空けられたボクは慌てて高ランクの宝具を解禁した。Bランクになってようやくあの武装色を突き破って王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の宝剣が刺さったのだ。それだけじゃ勝てないとわかったから壊れた幻想まで使った、もう地形に配慮とか言ってられなかったから。ぶっちゃけ言おう。なめてかからず山を潰すつもりでAランク宝具で爆撃してたら多分もっと楽に勝ててた。ボクの今生最大レベルのうっかりである。いくら悪魔の実や武装色に神秘があって宝具を防げるとはいえ、硬化できないであろう相手に高ランクの宝具は威力過剰すぎるし……余波でミンチですぜ?

 

 何とかギリギリ生き残らせて海軍に渡すつもりだったから低ランクを使ってたけど結果的には初手で殺した方が安全だった。あーあ、どうやって海軍の人たちに言い訳しよう。というかボクの本分は商売であって戦闘ではないわけですが?おかしいねえ不思議だねえ。もう戦いたくない、こんな痛いのもうやだ。

 

 

 外がにわかに騒がしくなる、え?そういえばボク何日寝てたんだ!?場合によってはアラバスタ行きが遅れた可能性があるぞ!?なんてやらかしだ、間に合うように責任とらなきゃいけないや!そうと決まればすぐ治さないと!とボクは王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から神代の神薬、つまり高ランクのエリクサーを取り出した。

 

 常人が飲むと確実に人から外れたナニカになる代わりに体の損傷を修復してくれる薬、でもボクには関係ない、龍の魔力炉心を持つボクはもう半分人から外れたナニカだから。このエリクサーを飲んでも関係ないもんね、でも片手だと栓が開けづらいよ~~~!

 

 暫く格闘したボクが何とか瓶から栓を抜くことに成功する。よしこれで治るぞ~~!いただきま~~す!!

 

 「アタシの前で重症患者が勝手に薬をのむたぁいい度胸だねクソガキ……!」

 

 「あっ!ボクのエリクサー!かえしてっ!それ飲めば治るから!」

 

 「そういう問題じゃないよ!大体なんだいこれは?治る?バカ言ってんじゃないよ、あんた暫く飲食は禁止だ!内臓が破れたんだよ?よくもまあそれで生きてるもんだ!頑丈で羨ましいさね!」

 

 ナミさんに呼ばれたくれはさんが捲し立ててくる。まあぐっさり背中に突き抜けるぐらいお腹にドリル刺さったし、多分内臓いくつか潰れたとは思ったけど。龍の因子のおかげで戦闘中でも魔力を回せば止血程度はできるから普通の重症くらいまでに収まったんじゃないかな?暫く寝たままエリクサーに手を伸ばしてみるが結局届かずに諦める。ボクの力じゃこの拘束から逃れらないし。しょうがない、時間はかかるけど再生の宝具を使おう。でもこの状態じゃ探せないよ~。

 

 「わかったよ~、飲まないから縛ってるの解いて」

 

 「ダメだ、アンタを自由にしてアタシの家を更地にされても困る」

 

 「あれは緊急事態だからやったの!ボクは商人であって海賊じゃないんだから!」

 

 「ふん、商人だっていうなら治療費も払いなよ。全財産の半分!いいね?」

 

 「いいけどこの島財宝で埋まるよ?」

 

 「…………2000万ベリーだよ」

 

 割とマジでそうだ。王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)には底がない、人類が到達するありとあらゆる可能性が今も追加され続けてる。半分も出したら島が財宝で潰れちゃう、くれはさんの金額指定とかいう珍しいものをみれてちょっと満足した。で、くれはさん。ボクの身体どーなってるの~?

 

 「これで足りる?」

 

 「即決で払うとはね。大抵の人間は渋る金額だろうに。アンタは腕と足を複雑骨折、胃と大腸が破れて肝臓を抉られてるんだ。向こう半年はここにいてもらうよ。というかなんで生きてるんだい」

 

 「ボクの命の金額だからね。生きてたら自分で治せるけど治してもらったんなら対価は払うよ。商人としてのプライドってやつだ!」

 

 龍の魔力炉心の副作用ですなんて言えないのでまあルフィさんみたいに特別生き汚いだけってことにしておいて。にしても意外と軽いなあ、もっと全身ボロボロだと思ってたけど最後に盾が間に合ったのがでかかったかな?

 

 「フン、半日で目を覚ますあたり生き汚いのはそうだろうねぇ。チョッパーに感謝するんだね、アンタがムッシュールをさらった途端にあいつは城を離れてアンタの所に一直線に向かったんだ、あいつが居なけりゃホントに死んでたよ」

 

 「おお、もっと寝てるかと思った。ナミさんもまだ入院ですか?」

 

 「そうだね、ケスチアの菌はまだ残ってるから2日はいてもらう予定さ。とにかくアンタは眠ること!動かないこと!いいね!?」

 

 「はぁい」

 

 「あとそうさね……言いたいことが沢山あるやつがいるから……しばらくお説教は覚悟するんだよ。入ってきなよ!」

 

 「え~~」

 

 「「「「「ウル(ちゃん)!!!」」」」

 

 「お~おはよ、みんな元気?」

 

 くれはさんが声を掛けた瞬間にドアが壊れるような勢いで開いて麦わらの一味のみんなが倒れ込むような感じで部屋に入ってきた。何だよ騒々しいなあ、ゾロさんまでそんなに慌ててどうしたの。なんだかんだ言うけど普通に君たちの方がよく死にかけるんだぞ。ボクの怪我なんて目じゃないくらい。

 

 まあ、結局ボクは勝手したことをみんなに滅茶苦茶怒られた。それについてはごめん、悪いと思ってるけど……絶対にああしたほうが良かったってのは譲れないかな。ムッシュールは、この大いなる航路前半の海にしては、強すぎるくらいだ。最低限覇気が使えないとどうにもならない。ボクと戦った時だって、映画のような傲慢な面はなくて鍛えた自分の力を信じているような感じだったし、手強かった。まあ、覇気使いとしては結構な領域っていうのが評価だけど2年後ルフィさんには負けるだろうから手練れっちゃ手練れかな。それにしてもやはりボクは偉大なる航路に入るとどうも弱い感じが拭えないなあ。

 

 あ、サンジさんご飯沢山作ってもらって悪いんだけど食べちゃダメなんだって、ルフィさんにあげちゃっていいよ?ルフィさんもウソップさんも泣かない泣かない、ほらボク元気元気……こふっ!?うん、ちょっと血が出たけど元気元気。泣きながらご飯食べてら、説教と心配の言葉をたくさんもらってお腹いっぱいだよ。あ、いたいた。なんでそんなところに隠れてるんだろ、ねね。ちゃんとお礼言わせてよ。

 

 「チョッパーさん」

 

 「あ、動いちゃだめだ!本当に危ないんだぞお前!?」

 

 「ん、だいじょうぶ。手だけだから、ね。こっち来てよ。助けてくれたお礼くらい言わせて?」

 

 やっと目的の人物、チョッパーさんが、顔だけ半分ドアに隠した状態で部屋に入らずボクを見ていた。ナミさんも言ってたけどそれは頭隠して尻隠さずだよ~?左手を彼に伸ばそうとすると慌てたチョッパーさんは部屋に走って入ってボクに注意してくれた。ちぇー、くれはさんの暴力式ドクターストップがないってことはホントに危ないのかな?

 

 そっと手を伸ばす。チョッパーさんはボクが何をしようとしているのかは分かってるみたいだけど、それでもちょっと躊躇ってるみたいだ。でも、ルフィさんがそっと背中を押した。チョッパーさんはそれで周りの人を見る、ルフィさんも、ゾロさんも、サンジさんも、ウソップさんビビさんナミさん、それにくれはさんも、後押しするように頷いた。

 

 彼はそっとボクの手に自分の手を触れさせてくれた。ボクが無理やり握った時じゃなくて、自分から。人のような温かさと蹄の硬い感触。ボク、実はちょっと寂しかったんだ。死なないとは思ってたけど、死ぬかもっていうのはよぎってたから。朦朧とする意識のなか、このまま誰にも見守られずに意識が浮上しなかったらと思うと怖かった。

 

 その時、蹄を血まみれにしてでもボクのところに駆けつけてくれたキミの存在にどれだけ救われたか。勝手なことをしたボクを心配して駆けつけてくれてどれだけ嬉しかったか。彼の瞳をまっすぐ見つめてボクは言う。

 

 「ありがと、お医者さん。助かりました」

 

 「ヴっ……うぁぁぁんっ……」

 

 「もう、なんで君が泣いてるの。泣き虫なんだね、トナカイさん」

 

 自分が救った相手に心から礼を言われたのはきっと、ヒルルクさん以来なのかな?大泣きしちゃったチョッパーさんを前に、ボクは苦笑いするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 「あんた……本当にどんな体してるんだい?」

 

 「半分人間じゃないんですよーっ!なんちゃって」

 

 そんなことがあって夜、あの後ゾロさんに使った治癒促進の布を始めとする様々な宝具をフル活用したボクは松葉杖を使って自分の足で歩けるレベルまで回復してた。というかボクのお腹の中見たんでしょ?心臓がおかしいってのは分かると思うんだけど……あ、心臓診てないのか納得。それはともかく、ムッシュールの件に関してはくれはさんが写真を撮っていたおかげで言い訳が立ちそうだ。よかった~。

 

 「いい加減辛いからエリクサー飲ませてよ~」

 

 「ダメだよ、あんな成分の分析ができない得体のしれない薬なんぞアタシの前で飲ませるわけには行かないね」

 

 「まさかと思うけど飲んでないよね?飲んだら本当に人間じゃなくなりますから絶対に飲まないでくださいよ?」

 

 「なんであんたはそんなもん飲もうとしてるの!」

 

 ぶーぶーと抗議をしたらナミさんにめっちゃ怒られた。えーだからボクは半分人間じゃないから大丈夫だって~もー信用ないなー。ほらそんな風に怒ってないでスマイルスマーイル。エリクサーをいつまでたっても返してくれないくれはさん、ルフィさんたちは仲良く雪合戦をしている、チョッパーさんも一緒に。ルフィさんの海賊としての姿を見たのかどうかはボクは知らないけど、すっかり打ち解けて仲間みたいになってるよ。

 

 「で、いつまでボクに付き添ってる気さ?アラバスタ行くんでしょ?さっさとあのトナカイさん連れて行ってきなよ」

 

 「……でも」

 

 「あーのーねー!ボクの怪我はボクが勝手にやった結果であって心配してくれるのは嬉しくてもそれで目的を果たせなかったら困るのはビビさんでしょ!?いいからさっさとチョッパーさん連れていくの!」

 

 「アタシの目の前でアタシの助手を奪おうと話すなんていい度胸だね」

 

 「しばらくボクの治療費で生活には困らないでしょ」

 

 「そういう問題じゃないんだよ全く、いいかい。アタシは用事があるから絶対逃げるんじゃないよ!」

 

 そう言ってくれはさんはやれやれと言った感じで出ていった。ナミさんが急いで準備を済ませて逃げようとするのを黙って見守る。ま、どうせ追いかけるけどねすぐっていうかこの後に!一緒に行くのは拒否られるだろうから出港後にメリー号にしれっと乗っておけばダイジョブさ!これがボク式密航術!ボクがいる間はご飯に困らないしお得だよ~。

 

 「ウル、アンタが何で無茶してまでアタシたちやこの国を助けたのかは分からないけど……いつか絶対に恩は返すわ。また会いましょ?」

 

 「ウルちゃん、ありがとう。アラバスタに来たら、きっと会いに来てほしいわ」

 

 「うん、すぐ行くよ!ばいばい!」

 

 そう言ってナミさんたちはドタバタと出ていった。階下からくれはさんがチョッパーさんを追いかける音がする。ボクも今のうちにっと、ばれないように窓を開けて苦労しながら魔法の絨毯に飛び乗って浮かび上がる。そして、桜色の奇跡が降り注ぐ中ボクはサクラ王国の城を出発した。ごめんねくれはさん、悪いけどエリクサーも回収するよ。

 

 今回、ボクの予想の斜め上を行く原作の変化が起きた。仮にアラバスタで似たようなことが起きれば不安だ。特にクロコダイルさんは新世界への航海の経験があるし、原作通りに行ったらいったでいいけど行かなかった場合困るし、出来るだけボクがサポートしたほうがいい気がする。拒否られても天翔る王の御座(ヴィマーナ)が壊れてるので自動修復が終わるまではボクどこへも行けないし。あ、天翔る王の御座(ヴィマーナ)と言えばなんだけど使った宝具は回収しました。

 

 折れたりした宝具たちだけど流石に修復は不可なのでどこかで供養出来たらいいんだけど1000本超えるからなあ……柄とかであふれるししばらくはないかも。そして、凍える寒さに宝具で対抗すること3時間、麦わらの一味が甲板に集まりだしたので顔のない王(ノーフェイスメイキング)を羽織ってステルス状態の絨毯を船尾につける。まだ歩けないのでボクの移動手段はこの絨毯君に頑張ってもらおうと思う。

 

 エリクサー飲んじゃおうかな、って思ったけど密航がバレた時治ってたらエリクサー飲んだのがバレるし、飲むなって約束もしたからやめとこう。約束を守る!それがボクのいいところ!そんなわけで乾杯しようとしている甲板に移る。みんな楽しそ、料理もおいしそー、食べられないのが残念。

 

 「えー、新しい仲間!船医のトニートニー・チョッパーの乗船を祝して!」

 

 「「「「「「カンパァイ!!!」」」」」

 

 「かんぱ~い」

 

 「「「「「「え?」」」」」」

 

 「やっほーみんな、さっきぶり~」

 

 この後めちゃくちゃ怒られたのは言うまでもない。ごめんね~、ちょっとやりたいこともあるんだ~。とりあえずチョッパーさん、よろしく~。




 アラバスタまでは麦わらの一味と同行してそれ以降は別ルート行こうと思います。感想欄でいろいろ言われてますがこの小説にギル様は一切関与していませんし登場の予定もないです。そもそもいたらウルちゃんは転生時点で串刺しになって物語始まってないので。作者の悪ノリが過ぎた結果と思ってください。

 そんなわけで明日の更新までお待ちください。感想評価よろしくお願いいたします。
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