ONE PIECE世界を旅する一般クソザコTSうっかり幼女商人 作:褐色幼女万歳
「はい、今日の診察は終わりだ。本当に回復が早いよ、見たことない」
「んー、ボクの体質もあるけど……やっぱり宝具かな。そのゾロさんが後生大事に腰に付けてる布切れもそうだよ?」
「やっぱこいつがあると妙に傷の治りが早いと思ったらそういうことかよ」
「うん、それは所謂聖骸布って言われるもので、聖人って呼ばれる人の遺体を包んでた布なの。信仰が集まって、結果不思議な力を得たんだよ」
「……死体巻いてた包帯かよ」
「言い方。ありがたいものなんだよ?値段にするならそのサイズで……500万ベリーくらいかな。まあもうズタボロだからもうちょっと下がるけど。大事にしてよね?本来なら値段つかないくらい貴重なんだから」
「……なんでそんなもん、あの時使ったんだ」
「ミホークさんがわざとゾロさんを生かしたから、死なせるわけには行かないって思ったの」
元ドラム王国、未来ではサクラ王国に変わる島を出発して3日、進路をアラバスタにとった麦わらの一味の船、メリー号の甲板でボクはチョッパー先生の診察を受けていた。やっぱちょっと無茶やったのが悪くって、悪化したんだけどそこは龍の因子さんがカバーしてくれた。再生の宝具のおかげもあってか着々と骨がくっついて内臓も修復されている。
そんなボクを見ているのはゾロさんである。なんか麦わらの一味の中で話し合いが持たれたらしく、ボクを監視する役割ができたらしい。なんでや、理不尽な。あのねえ、やりたくてやったけどそんな爆弾みたいな扱いされたら泣きたくなるよ全く!
「チョッパー先生、ご飯食べられるようになるのいつ?」
「まだ早いよ!あと1週間は点滴だぞ!いくら治るのが早いからって何があるかわかんないんだからな!」
「は~い」
ちぇー、これじゃサンジさんのご飯食べられそうにないや。くれはさんの所を勝手に抜け出してきた手前これ以上好き勝手するのはやめるべきだと思うから、素直に従うとしよう。
「じゃ、今日もお願いしまーす」
「わかった。なあウル、お前色んなもん持ってるけど……」
「なに?ボクの宝物庫の中、気になる?覗いてみる?」
「いいのか!?」
「うん、いいよ~~。はいっ!」
「お、おおおおおお~~~~!すっげぇぇぇぇ!!!」
チョッパーさんへのお礼になればいいかなと思って部屋の中に大きく
「試しくらいなら握ってもいいよ?ボクの見てる前ならね」
「……いいのか?」
「売り物じゃないから譲れないことを念頭においてね」
「うおおおーーーっ!!ウル、なあ俺もなんか持ってみたい!」
「ん、いいよ~。じゃあ甲板に運んでほしいな。楽しいやつ出すから」
両手を広げて所謂抱っこ待ちの態勢になったボクをゾロさんが抱き上げて甲板に出してくれる。座れる場所にゆっくりおいてくれたゾロさんにお礼を言って、膝の上に3本の刀を出した。織田信長の刀、「へし切長谷部」、牛若丸の刀「薄緑」、源頼光の刀「童子切安綱」……神秘の濃さ的にこれが限界だと思う。刀や武器に関しては打ったものが原典扱いされるのかそのものが入ってたりする。流石にカルナの槍や騎士王の聖剣なんかは入ってないが、人の手によって作られたものは範疇らしい。
「……へえ、なんてもんもってやがる」
「見ただけでわかる?」
「ああ、全部……名刀だ。借りるぜ」
「相棒たちにへそを曲げられないようにね」
「あの刀たちを捨てる気はねえ」
3本ひっつかんで振ってみるゾロさん、あ、落としたりしないでねひどいことになるよ。そしてボクはキラキラした目でこっちを見るチョッパーさんに一本の剣を持たせてあげた。まあ見た目はちょっと豪華な普通の剣だけど性能が普通じゃない、魔力のパスをつないでっと。
「チョッパーさん、海に向かって振ってみて。面白いから」
「え!?お、おう!いくぞぉ!」
そう言ってボクは獣型になってゴリラのように大きくなったチョッパーさんが海に向かって剣を振るのに合わせて機能を解放した。この剣の名前は……
「
真名解放はできないけど、機能を使うことはできる。
「ビームが出る剣だよっ!」
「「「すっげぇぇぇぇ!!!!!!」」」
「なあ!俺にもやらせてくれビーム!」
「ばっかここは狙撃手の俺がだな……」
「すっげぇぇぇぇ!!!」
見ていたルフィさんとウソップさんも一緒になってこっちに来た。別に撃つのはいいんだけど遠くに撃ってね?ボクの魔力は無限じゃないけど無尽蔵だから、そこら辺は大丈夫。そうやってぎゃーすかわーすか遊んでいるとイライラした様子のサンジさんがメリー号の船室からやってきた。
「おい、野郎ども……俺が仕分けた9人分の食料……食ったやつは正直に名乗り出ろ」
「あ、俺だ!うまかった!」
「あ、俺も」
「俺もだ」
「くえー」
「剣振り回してる暇があったら魚の一つでもつれこのクソバカども!おろすぞ!」
あ、空腹に耐えきれなくてつまみ食いっていうか全部食べちゃったんだ3人とも。サンジさんに蹴り飛ばされて渋々魚釣りを始める3人、ボクは
「ご飯なくなっちゃった?みんな点滴する?なーんて」
「いや、大丈夫さ。魚釣ってくれりゃ万々歳だけどな」
「ふーん、食糧庫空っぽ?」
「ああ、数日分全部食っちまいやがった。もうちっと仕入れとくべきだったな……」
「しょうがないなあ、乗せてもらってる身だしサービスしてあげるよ。食糧庫に連れてってもらってもいいかな?」
「あ、ああ。何する気なんだ?」
「あのねえ、ボクは商人だよ?食料くらい取り扱ってるに決まってるじゃん、分けてあげる」
「いいのか!?」
「ん、いいよ~。ただ歩けないから運んでいってほしいな?」
本日2度目の抱っこのポーズ、縦抱きしてくれるかと思ったら紳士なサンジさんはなんとお姫様抱っこを選択、これにはちょっと恥ずかしくなっちゃった。ボク、確かに軽いけどそんな軽々抱っこされたらなんか悔しい気分だ。どうせ何しても肉体勝負じゃ勝てないからいいんだけどさ。そしてやってきた食糧庫、ホントに空っぽだ。一応ドアはあるね……
「サンジさん何欲しい?このリストから選んでね」
「こんなにあるのか!?これならかなりレパートリーが増やせるな……少し待ってくれ。ちゃんと選ぶ」
「わかった~」
「どうしたのサンジ君、ウル抱っこしちゃってこんなところで」
「ルフィさんたちがご飯全部食べちゃったらしいからボクの商品分けてあげようと思って」
「……もしかして、ただ?ダメよ!きちんとお金請求して!これ以上恩を貰ったら返しきれないわ!」
「ナミさん悪いものでも食べた?そんなこと言うなんていひゃいいひゃい~~~」
「流石のアタシでももらい過ぎには思うところがあるのよ……!しかも年下からなんて!」
ボクの言葉が気に障ったのかボクのほっぺをみょいんみょいんと伸ばしながらそう言ってくるナミさん。そうかなあ?乗船料みたいなもんだしそんな風に考えなくてもいいのに。真剣な顔で羊皮紙とスペースをにらめっこしてるサンジさん。これかなり真剣に選んでるやつだ~。そんでサンジさんが選んだものをボクはただで押し切って食糧庫いっぱいにしてあげた。またつまみ食いをされても困るので、施錠の概念を持つ鍵型礼装をサンジさんに貸すことにする。
「えっと、これ鍵のついてない扉に鍵を付けれる道具なの。扉に差し込んで、右にひねると閉まって、左にひねると開くよ!乗ってる間貸してあげるね!」
「お、おお!これであいつらの盗み食いを防げる!ありがとうウルちゃん!」
「どういたしまして~~」
そう言って鍵をかけられることに感動したサンジさんに連れられてボクは甲板に戻った。甲板の上ではゾロさんが、自分の刀をもって素振りしていた。ボクが出した刀は丁寧に置いてあったので使いはしたがやっぱり自分の刀がいいということだろう。うん、やっぱりその刀が似合ってるね。
「そういや……クロコダイルってのはどういう海賊なんだ?」
「クロコダイルさん?王下七武海っていう政府に認められた海賊だよ?王下七武海っていうのは海賊からの略奪行為が公に認められた海賊なんだ」
「そう……だからアラバスタにとってはクロコダイルは英雄なの。海軍が海賊を潰しても海賊が海賊を潰しても市民にとっては結局同じだもの」
甲板に出たボクとビビさんの口から麦わらの一味に向かってよくわかる七武海講座が開かれている。ボクはクロコダイルさんと面識あるけど、それは彼の本性ではなく作られた仮面だっただろうし、バロックワークスについても詳しくは知らない。下っ端とは何度か交戦してるけど、そこからクロコダイルさんにボクのことが伝わってるわけじゃないみたいだし。
「しゃらくせーなー。結局そのクロコダイルってのをぶっ飛ばせば全部うまくいくってことだろ!?」
ルフィさんのその言葉は真理であり、事実だ。頂点を崩せば組織は崩壊するのは自明の理、それが簡単じゃないってことを除けば一番の解決法だとボクは思う。
「おー、ホットスポットだ~」
「くえー」
「ウル、あんた意外と博識よね。アンタたち、そのまま突っ切って大丈夫よ」
元ドラム王国を出発してから5日、食料に恵まれた麦わらの一味は飢えることなくホットスポットを抜ける。ボクの身体は順調に治っており、お腹の部分に傷跡は残っちゃうけどそこ以外は普通に治るそうだ。いぇーい、まあ傷跡も治り切ったら宝具で消そうかな。というか消しておかないとセンゴクさん、あとサカズキさんにバレた時ボク死んじゃうよ。令呪さんで目立たないとはいえバレるだろうし。
カルーはすっかりボクの移動手段になった。ほんとならビビさんを乗せて移動する子なんだけど、ボクが動けないからと自分からボクを乗せて移動するとチョッパーさんに提案したらしく、ボクはもふもふの背中を堪能することができるのだ!まあボクのぶんのおやつを食べられるからかもしれないけどね~。ボクもサンジさんのおやつ食べたーい。
ホットスポットの湯気を通過する瞬間、なんか近くの海が騒がしい感じがしたので
「……」
「……へんたいさんだ」
「オカマが釣れたぁぁぁぁ!?」
びしょ濡れのへんたいさんがいた。正確にはMr2 ボン・クレー。オカマ道を極めた漢、漢である。異論は認めない。その風貌の割に情に厚く、受けた恩を忘れない凄いいい人だ。犯罪者だけど、というかバロックワークスのエージェントだけど。
「いやー、ホントにスワンスワン。湯気の中にちらっと見えたカルガモに飛びつこうと思ったら海に落ちたのよん。このご恩は一生忘れないわ」
え、船上でボクを乗せてたカルーが見えたの?何それ漢女センサー?すごい、そしてルフィさんを張り手で殴り飛ばしてマネマネの実の能力を発動し、ルフィさんに成りすましていた。うーん、悪魔の実ってやっぱ不思議だねえ、宝具よりよっぽど複雑なのに魔術より単純、奥が深いなあ。あ、ごめんなさいボクには触れないで、とカルーの羽毛に隠れて上を盾で封鎖して防御、ボク式亀の構えである。
かーわいー、というボン・クレーさんは本当に余興のつもりらしくボクに触ろうとするのをあっさりやめた。盾の上から漏れ聞こえてくる会話から察するにナミさんが殴ったところじゃないかな。まあ自分の身体を見せられたらね、ボクみたいな子供ボディじゃなくてしっかりと大人だし恥ずかしいよね、かわいそう。
暫く亀の状態で待ってるとボン・クレーさんが自分の船に去っていったのが分かったので盾をしまって復帰する。顔をコピーされるのは防げたし、ルフィさんたちに比べれば印象は薄いだろう。ボクの事をクロコダイルさんに報告されたら困るから、申し訳ないけど秘かにカルーの足元で焚いてた忘却のお香でボクの記憶だけ抜かせてもらう。彼の記憶ではカルーは盾を背負った不思議なカルガモになってることだろう。
「Mr2ボン・クレー、あの能力なら好き放題できるよね、王様になり替わるとかさ」
「俺らの顔も触られちまったからな……ま、今あったのは良かったな。対策が打てる」
にやりと笑ったゾロさんの手には、油性マジックが握られていた。ボクもボクで対策したいので
色々あって心が折れたのでゆっくり更新していきます
よろしくお願いします