ONE PIECE世界を旅する一般クソザコTSうっかり幼女商人   作:褐色幼女万歳

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本日の行先 アルバーナ

 「貴方がウルね。社長がよく話してたわ、こっち側に引き入れたいって」

 

 「わー、モテモテだね。クロコダイルさんがそっちでそう言ってたってことはボクも捨てたもんじゃないのかも」

 

 「暢気なものね、知られた以上彼……あなたを殺すわよ」

 

 「出来るもんならね。ルフィさんに勝てたら、ボクも被害を考えず本気で相手するよ。ちょっと前も山の標高変えてきたところだし」

 

 「……ほんとかしら」

 

 「ご想像に任せるよ。で、手伝ってくれるの?」

 

 「ええ、もう終わったわ」

 

 ボクの基本は王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から宝物を絨毯爆撃する攻撃だけだ。それ以外は貧弱な固定砲台でしかないけど。クロコダイルさんについては話が別だ。彼の弱点をボクは知っている。そして王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の中には水に関する宝具なんかそれこそ数えきれないほどあるんだ。あとは本当に被害を気にしなければ仕留められる。ただ、その役目はボクじゃないけど。

 

 ルフィさんを引っ張って出そうかなって思って適当に会話をしてたらハナハナの実の能力でロビンさんがルフィさんを引っ張り出してくれた。そのまま彼女は踵を返してどこかへ行ってしまう。ま、ボクはこれからルフィさんにたらふくお肉あげてアルバーナまで送り届けるだけだから、彼女と戦う理由はないけど。

 

 「あ、あ゛りがどう……ウル、どうしてお前ここに……」

 

 「あのね、ルフィさん。例えばルフィさん……怪我したからって言われてさ、クロコダイルさんに戦い挑むのやめる?ビビさんを助けるのやめる?」

 

 「そんなわけねェ!クロコダイルは俺がぶっ飛ばすし!ビビは俺たちが守るんだ!」

 

 「そういうこと。ボクは一味の仲間じゃないけどさ……友達なんでしょ?ボクの命も勘定に入れて欲しいな」

 

 ボクのうっかり操縦で横転して逆さまになった車を王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)に入れて出しなおしながら、ルフィさんのお腹の傷を見る。うん、筋肉で阻まれて内臓までは行ってないね。少しでも回復して欲しいから宝具は惜しみなく使って行こう、ボクの魔力なら心配ないから。

 

 「うん、分かった……!ウル、手伝ってくれ」

 

 「まっかせて!さールフィさん!ボクは商人だ!入り用の物は何かな!?」

 

 「肉~~~!!!!」

 

 「かしこまりました!お肉入りまーす!」

 

 ルフィさんの許可も出たことだし、ボクも本格的に参加しよう。後ろでずるずるとこちらにやってくるペルさんもボクがまとめて面倒見てしんぜよう!出血大サービスだよ、こんなこと中々な……あれ?結構な頻度で似たようなことしてる気がする。ぶっちゃけお金は稼ごうと思ったら稼げるけど人の命は稼げないもんなあ。優先度が違うや。

 

 ルフィさんが自分ほどの大きさのお肉をがつがつと食らってるのを見ながら今にも倒れそうなペルさんを診察する。うーん鮮やかな骨の外し方と折り方だ。行動に支障が出ないように選んだところだけきれいに外れたり折れたりしてる。骨折はともかく脱臼はボクの力じゃ元に戻せない。

 

 「き、君は……」

 

 「ん、ペルさんだよね?武勇はかねがね、今からビビさんを助けにアルバーナまで行くけど一緒に来てくれないかな?」

 

 「無論だ……!私が飛んでいく、君たちは私の背に!」

 

 「いーや、その体力はアルバーナまで取っておいて。首都まではボクが送り届けるよ。乗って!」

 

 車を指さす。ルフィさんは意気揚々と、ペルさんは半信半疑と言った感じだったが後ろに乗り込んでくれた。ボクは車を発進させながらルフィさんに水と食料をたらふく提供する。一瞬でユバを後にして川も横切りアルバーナヘボクらは進んでいった。そして、見えてくる。黒煙と砂煙、悲鳴と怒号が響くアラバスタの首都、アルバーナが。

 

 「ボクは真正面からいくから、ルフィさんたちは直接クロコダイルさんを止めに行って!ペルさん、お願いします!」

 

 「ああ、わかった!鳥のおっさん!乗せてくれ」

 

 「勿論だ、ウルくんといったね?ここまで送り届けてくれたこと、感謝する」

 

 「うん、ビビさんによろしくっ!」

 

 水が満杯に入った樽を背負ったルフィさんがペルさんに乗って車上から飛び立って絶壁の上にあるアルバーナへ入っていく。さて、ボクもボクで反乱軍と王国軍の戦いを仲裁しつつ……砲弾という名の爆弾を処理しちゃおう!ボクは車を乗り捨てて、アルバーナに真正面から浮かんで入っていった。

 

 「はいは~い、ウルちゃん給水車の登場だよ~。みんな頭を冷やして頂戴な!」

 

 アルバーナに入った瞬間戦闘してたので水の魔杖を出して濁流を発生させて王国軍反乱軍関係なく押し流した。水浸しになってぱちくりしてる人たちを雷属性の魔杖で気絶させてサンダルで浮いて主な戦場になってる広場に向かう。途中で同じことを繰り返しながら、ボクは麦わらの一味を探す。このタイミングならエージェントとの戦闘はもう終わってるはずだ。なら、既に爆弾を探す段階かその前、まだ爆発まで30分余裕があると思う。

 

 「結構遠い……!」

 

 アルバーナはそれなりに広い都市だ。サンダルで浮いてるとは言えボクの移動速度じゃ時間がかかる!というかまず麦わらの一味の誰かと合流しないと……!あっ!海軍の人たち……!ってことはたしぎさん!いた!

 

 「たしぎさん!ちょっといい!?」

 

 「ウルちゃん!?どうしてこんなところに!?」

 

 「まあそこらへんはどうでもいいんだけど!麦わらの一味見なかった!?ちょっと用事があるの!」

 

 「先ほど麦わらのルフィを見ましたけど……それよりもウルちゃん!ココは危ないから、私たちが保護します!こっちへ!」

 

 「うん、ごめん!ボクやることがあるから!広場には近づいちゃだめだよ!」

 

 「あっ!ウルちゃん!だめ!まって!!!」

 

 道中で海兵さんを従えたたしぎさんに会った。どうやらルフィさんとはもう会ってきたみたいだから……時間にして残り15分あるかないか!ちょっと余裕消えてきた、たしぎさんがボクの腕を引いて保護しようとしてくれるけどボクはそれを振り切って魔力放出で一気にかっとんだ。制御できないけどどっかに吹っ飛ぶならこれほど頼もしいものもないや!

 

 そして……広場が見えてきた。王国軍と反乱軍が入り混じりお互いを殺し合っている。意味なんてないのに、クロコダイルさんの思う通りになってる。一刻も早く止めないとだめだ。ルフィさんならクロコダイルさんに勝てるはずだ、ボクが何も言うまでもなく彼の弱点を把握してボクに水を要求したルフィさんなら。

 

 空中で体勢を立て直そうとするが勢いが強すぎて失敗する。布の屋根に不時着したボクは、何とか立ち上がって銃弾の流れ弾が飛び交う広場を突っ切る。向かうは、時計塔だ。そして、その途中で見つけた。必死に周りをきょろきょろとしながら何かを探してるビビさんを。ちょうどいい、一緒に行こう!ジャラララ、と天の鎖(エルキドゥ)でビビさんを引っ張り上げて此方に持ってくる。

 

 「きゃっ!?ウルちゃん!?どうして!?すぐに戻って!このままじゃ貴方……!」

 

 「だいじょーぶ!治してきたから!ちょっと強引にね!それよりも、砲撃の話聞いたよ!心当たりあるから手伝って!」

 

 「えっ!わかった!どこ!?」

 

 「あの時計塔っ!跳ぶよ!掴まって!」

 

 ボクは王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から白い蠟でできた羽根を出して自分の背中にくっつける。空を飛んだが太陽に近づきすぎて羽根が溶けてしまったイカロスの翼だ。これは姿勢制御用、天の鎖(エルキドゥ)でビビさんをしっかりと捕まえたままボクは魔力放出で思いっきり時計塔に向かってぶっ飛んだ。

 

 「そうか、あそこなら広場を一望できる……!」

 

 「そういうこと!いけっ!天の鎖(エルキドゥ)!」

 

 天の鎖(エルキドゥ)を時計に10本ほど突き刺して無理やり引き剥がした。そこにはまさか時計ごと外されるとは思ってなかったのかあんぐりと口を開けたMr.7とMs.ファーザーズデーが導火線にマッチを近づけようとした状態で固まっていた。

 

 「ビビさんっ!火をつける前にいって!」

 

 「うんっ!クジャッキーストリングッ!」

 

 ボクはビビさんを敵二人に向かって投げつける。そのままクジャッキーストリングで二人を行動不能にしたビビさん、これでよし!後はボクがこの砲弾を何とかするだけ……!カチ、カチと時限式の音に気付いたビビさんが顔を青ざめさせる。そしてボクが派手にやったせいか気づいたらしいハヤブサの影が時計塔に飛び込んできた。

 

 「ペルッ!砲弾が時限式なの!このままじゃ爆発しちゃうわ!」

 

 焦ったビビさんの言葉にすべてを察したペルさんがハヤブサに変身しなおして砲弾を掴もうとするので時計塔の縁に着地したボクが天の鎖(エルキドゥ)で妨害する。二人が目を見開いてボクを見てくるのでボクは茶目っ気を出して極めて明るく言葉を発した。

 

 「自己犠牲なんて今時流行らないよ~!時代はみんな元気でハッピーエンド!でしょ?ボクならそれ、何とかできるもん!じゃあビビさん、終わったら美味しいご飯食べさせてね!天翔る王の御座(ヴィマーナ)!」

 

 「ダメ!そんなことしたらウルちゃんが……!」

 

 どうやらビビさんはボクが爆弾を持っていって自爆すると思ってるらしいけど残念ながら違うんだ。ムッシュールの時とは違って今回はちゃんと算段があるもんね!砲台ごと天の鎖(エルキドゥ)で引っ張って引っぺがして持ち上げる。そのまま飛べるだけの状態にまで戻した天翔る王の御座(ヴィマーナ)で引っ張って空へ舞い上がる。

 

 ミシミシと床に固定された砲台が音を立てて持ち上げられる。ペルさんがビビさんを庇うのを見たボクはにんまりと笑って大空に飛び出した。残り時間は5分くらい、超余裕!上空10㎞まで飛び上がり、そこから天翔る王の御座(ヴィマーナ)から飛び降りる。天翔る王の御座(ヴィマーナ)が500mくらいボクに差をつけたのを確認して全部仕舞う。

 

 「起きて!エア!いくよっ!」

 

 自由落下で落ちるボクの手には身体強化の腕輪と大きな鍵が握られていた。王律鍵バヴ=イル、王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の鍵だ。ボクがそれを捻ると空へ無数の赤黒い線が立ち上る。砂嵐を超えて下にも見えているだろう。その光が収まるとボクの両手には赤と黒の文様を付けた円筒が3つ垂直に並んだ黄金の柄を持つ剣のような何か……乖離剣エアがあった。

 

 ボクはエアを両手で構える。初めて持ち上げて使うエアは、ボクの魔力を認識した途端に円筒が互い違いにすさまじい勢いで回転し始める。空中なら反動とか関係ないもんね、エアなら爆発なんか関係なくあれを消し飛ばすことが出来る!空間を歪ませる赤黒い風をため込んだエア、それが最高潮に高まったとき、ボクは思いっきりエアを解放した。

 

 「エア!謳って!」

 

 ボクの号令でため込まれた空間をズタズタに斬り裂く赤黒い嵐が発射される。天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)じゃない、それでも規格外な原初を謳う空間切断の嵐は砲台ごと時限式の砲弾を飲み込み、爆発すらさせることなくそれを消し飛ばした。反動で下に思いっきり弾き飛ばされるボク、よし!これで天翔る王の御座(ヴィマーナ)を呼び出して……無理させたせいでまた壊れてるじゃん!えっ!?まずい!

 

 「着地考えてなかった~~~!!!!」

 

 エアを両手で抱っこしながら落ちるボク、エアの余剰エネルギーで両手に思いっきり火傷した挙句熱に弱いイカロスの翼は溶けちゃったし!サンダルも巻き込まれてズタズタだ!直さないと飛べないよ~~~!!!!!町に墜落しちゃう!このままじゃボク死んじゃう!?どうしよ~~!?ボクがパニックになっていると大きなハヤブサがボクの落下にスピードを合わせて背中で優しくボクをキャッチしてくれた。

 

 「まったく……危ない御仁ですな」

 

 「ペルさん!ありがとう着地の手段がおじゃんになってめっちゃ困ってたの!」

 

 「ええ、ビビ様が同じことを申しておりました。あの子絶対どこかで何かやらかすから迎えに行ってあげて!と」

 

 「……ご指摘の通りだから何も言えない……!ペルさん、ビビさんの所へお願い!」

 

 「ええ、勿論です」

 

 エアの一撃は余波だけで上空を覆っていた砂嵐を消し飛ばしている。が、原作であった恵みの雨は砲弾の爆発で大気が急激に熱せられて雲が発生したからじゃないかとボクは思ってる。だけど雲の発生源も湿った空気もボクが消し飛ばしちゃったので戦いは終わってない。故に次善の策だ!ボクはペルさんがビビさんの下へいってくれてる間に王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から一つものを取り出す。黄金の杯、聖杯だ。

 

 ボクは魔力を励起させて聖杯を使う。願うのは雨、ただの雨じゃない。傷を癒し、病を治す恵みの雨だ。魔力回路が励起する痛みを感じながら聖杯が完全に起動するのを確認する。ボクしか感じられないけど膨大な魔力が解放され、空を雨雲が覆う。そしてすぐさまぽつぽつと、ついで本降りになった雨に両軍が正気に戻る。傷を治す癒しの雨だ、敵も味方も関係なく、全てを洗い流していく。これで、ビビさんの声が通る!

 

 「戦いを!止めてください!」

 

 広場に響く王女の声と癒しの雨が戦いを止めた。ぽつり、ぽつりと武器を落とし、膝をつく両軍たち。そして、それを後押しするように地下から上空へ打ち上げられた人……殴り飛ばされたクロコダイルさんが地面に落ちると同時に、広場に響いていた戦いの音は全て止んでいた。

 

 




 本日のウルちゃんうっかりポイント「他の宝具でも何とかなるどころか王の財宝に仕舞うだけでもよかったのにエアを使ってしまったこと」

 これが後に響いてきます。いやー、うっかりですねえ。どうしてもここでやっておかなきゃならなかったので原作沿いにしました。アラバスタが鍵だったんです。

 ではでは次回にお会いしましょう。次回は五日後を予定しております
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