ONE PIECE世界を旅する一般クソザコTSうっかり幼女商人 作:褐色幼女万歳
「おいし~。暑かったけどいい島だったなあ」
白ひげ海賊団の縄張りだった夏島を出発してはや一日、ログがたまるのが案外早かったけどたっぷりと仕入れは出来たしベリーをたくさん落としてきた!みんな笑顔、いいことだ!どうやら聞き込みの結果次の島は普通の船で1か月はかかるほど遠いらしいのでちょっと急ごうかな、と
いーもんどーせボクは幼児体形スットン共和国イカ腹だもん!この世界の人たちみんなプロポーションいいから逆説的にボクに希少価値が出てくるんじゃないかな?おお、そう考えるとなんか元気になってきたぞ!どっかの青い髪のお仲間が言ったように貧乳はステータスで希少価値なのだ、うん。
「おー、おっきな船……あえ?」
そう考えていると眼下に大きな大きな船が見えた。その見事な船体をよく見たくって
「おい」
「あびゃあああああっ!?!?」
「あぶねえよい!何してんだ!?」
モビー・ディック号に夢中になってたボクの真横から声がしてボクは心臓が口から出そうなほど驚いて飛び上がった。飛び上がったボクは
「……食べないでください」
「別にとって食ったりしないよい」
ボクの目の前にいたのは燃え盛る蒼い炎に包まれた大きな大きな鳥だった。誰なのかは分かる、白ひげ海賊団一番隊隊長、不死鳥のマルコだ。滅茶苦茶距離あったはずなのにどうして……ちゃんと見えなくなる宝具も使ってたのに……見聞色かな?いやそれしかないか。そっかー四皇幹部になると宝具のステルスも突破してくるのかぁ……笑えねえ。
何をどう足掻こうが戦闘になれば絶対負けてわからせられるのでふるふると震えながらボクは美味しくないですと主張してみるが当たり前のように食わないと返されたのでじゃあ何の用だろう。目障りだっただけ?じゃあすぐどっか行くので見逃して欲しい。彼らも海賊だし略奪するのかな?キャラクターとしては知ってても人として知らないのでわかんない、こわいよ。
「あー……お前何もんだよい。俺らの船を見てたってことは海賊のパシリか?こんな小さなガキに鉄砲玉させるたぁ腐った野郎だな」
オヤジが知ったら激怒するだろうよい、といいながら
「ボ、ボクはウル。ただのウル……商人です。次の島を目指してた時たまたま貴方たちの船が目に入って……四皇の船を見られるなんてないからつい見てました。気に障ったなら謝ります、ごめんなさい」
「あー……いや、いい。驚かせて悪かったよい。空を飛んでるやつなんて大抵は能力者で襲ってきたら面倒なんでな、確認に来ただけだよい。そんな震えるな、何もしねえ。ガキを泣かせたなんて言ったらサッチのやつが何ていうか……それよりもお前、商人だっつったな?」
「あ、はい。こうして飛べるので主に食料なんかを航海中の船と取引してます」
「商品は?」
「ここに」
ボクはそう言って隣に
「食料はどんくらいある?実は新入りの大馬鹿野郎が食料をほとんどダメにしちまってな。不足してるんだよい」
「あの船の倉庫一杯には確保してます。昨日夏島で仕入れてきたので」
「夏島ってお前、ここから10日はかかるよい。この乗り物か。まあちょうどいい、モビーに降りて来てくれ。商談をしたい」
「いいんですか?」
「お前が暴れようとしても暴れる前に止められるよい」
「むっ、こう見えてもボクは強いんですよ?賞金首だって捕まえられるんですから!」
「ほー、そうかよい」
「完全に馬鹿にしてる!?」
「いやいや、すごいよい。すごいすごい」
むむ、完全に背伸びした子供に対する反応だ。まあモビー・ディック号に行けるならいっか。マルコさん、ボクの広い心に感謝するんだね!どうしよう、本気で戦うことになったら不死殺しの宝具で絨毯爆撃するしか思いつかないし言われた通り
商談といわれたらホイホイついてくのが商人、というわけで普段履きのサンダルに魔力を込める。すると足首横についている白い羽がパタパタと動き出してボクの体がふわりと宙に浮いた。これは神話のヘルメス神が使っていた有翼のサンダル、の原典と思われるナニカである。とっさの時に逃げられるのでずっと履いてるのだ。マルコさんはふーん、という顔で人獣型になって飛び立つ、ボクも
「お、マルコお帰り……なんだそのガキ?」
「商人だそうだよい。商品も確認した、モビーの倉庫パンパンになるくらいはあるそうだ。新人のバカにはトイレ掃除2か月って言っておけよい。サッチ!」
「おう、マルコ。あの船みてーなのに乗ってたのがコイツか?」
マルコさんに呼ばれて出てきたのはフランスパンみたいな見事なリーゼントをした人、四番隊隊長のサッチさんがやってきた。まだ、死んでないんだ。ということは黒ひげもここにいるハズ。注意しないと。サッチさんはボクの頭に手を当ててぐしゃぐしゃと撫でまわしてニカッと笑った。それなりに頑張って整えてる銀髪がぐしゃぐしゃにされたボクがむーっと唸ると悪い悪いとカラカラ笑っている。
「んで、嬢ちゃんよ。今うちは食糧不足でな。ちっとでも補充できるならしてーんだ、何がある?」
「あ、はい。それじゃこちらをどうぞ。今の在庫です」
「お、悪いな。マルコ、予算組んでくれ」
「わかったよい」
ぼさぼさにされた髪を手櫛で整えながらボクが
「ゼハハハハ、マルコ隊長、サッチ隊長。新入りにはトイレ掃除の件、話しておいたぜぇ。今後はもう絶対しねえ、とよ」
「わかったよい、ティーチ。エースは?」
「食堂で寝ながら飯食ってる。相変わらず器用なんだかわかんねえ奴だ」
「あいつ、食料がねえっつうのに暢気に何食ってやがんだ。海でも沸騰させて煮魚でも作ってくれりゃ助かるんだがな」
「ゼハハハハ!!!能力者にそれはスパルタすぎるぜサッチ隊長!」
うぇっでっか……!ボクの身長だと彼の太ももくらいしかない、見上げすぎてひっくり返りそうなボクをうおっと、と支えてくれたのはというか噂をすれば何とやら、マーシャル・D・ティーチ、いずれこの船を裏切り、世界に波乱をもたらすやべーやつだ。歯の抜けた顔でゼハハハハと笑う彼を見てるととてもそう思えない。かなり悪ぶってるけど気のいいおじちゃんだ。
「この坊主がさっき浮いてた船に乗ってたのか。ゼハハ……坊主、お前名前なんだ」
「おいティーチ、こいつは女の子だ。坊主だなんて呼んでやるな。全く失礼なやつだな」
「ゼハハハハ!!海賊に仁義はあっても礼儀はあるめえ!ちんちくりんなら坊主で十分よ!」
ボクの襟首をつまんで持ち上げてくるティーチにボクはワンピースが脱げてすっぽんぽんになったりしないようにスカートを押さえて必死で抵抗する。というか服伸びる!パンツ見える!別に恥ずかしいわけじゃないけど見られたいわけでもないよ!抵抗を続けてると呆れた顔をしたマルコさんがティーチからボクをひったくって助けてくれた。片腕でボクを抱き上げるマルコさんに掴まって、ティーチに向かってべー、と舌を出してやると彼はゼハハハハ!!と大笑いして去っていった。もう!なんなんだよ!
「さて、とりあえずはこんくらいか、どうだマルコ?」
「ああ、それでいいよい。見えるか?」
「あ、はい。えーとそれだと……締めて1500万ベリーになります。商品はどちらに?」
「お、意外と安いよい。じゃ、倉庫まで案内する、商品と金はその時交換だ」
「わかりました!あわわわっ!?」
「お前じゃ足が遅いからこのままいくよい。掴まってな」
抱っこされた状態で希望の物が書かれた羊皮紙を見せてもらって金額を計算し伝える。倉庫まで行くということなので降りようとしたら歩幅が違い過ぎて遅いからこのままなといわれて抱っこ状態で空輸されることになってしまった。抱っこだなんてちょっと恥ずかしい、顔に熱が集まる。サッチさんはそれを見て
「いっちょ前に恥ずかしがってんのか。かわいいねえ」
「むぅ!おろしてください自分で歩きますぅ~!」
「おいサッチ、余計なこと言うな。へそを曲げられて商談がおじゃんになったら困るだろうが」
「そもそもボクは16才です!ちんちくりんは認めますがガキじゃありません!」
「俺らからしたら十分ガキだよい」
「たくさん食ってでかくなれよ~」
そんなことを騒ぎながら結局おろしてもらえるわけもなく、意外なほどに抱かれ心地がいいマルコさんの腕に体を預けること少し、何回か梯子を飛び降りて船の下層にある大きな倉庫にやってきた。倉庫の片隅にはまだ片付けられてないのか変な臭いを放つナニカがあり、くっせえくっせえ言いながら船員が布袋に詰めて運び出してる所で、見たところ無事なのは酒樽と乾物くらいかな?そりゃあ食糧が不足するわけだ。
「じゃあ、商品を出しますね。えー、豚が30頭牛が30頭、骨付き肉が1000本に玉ねぎ、にんじん、ジャガイモが80ケースずつ、ラム酒が50樽、その他もろもろ……」
商品を口頭で確認しつつ
「以上になります。不足はないですか?」
「ああ、大丈夫だよい。助かった、ありがとな。代金は今取りに行かせてる。もう少し待ってほしいよい」
「はい!四皇のクルーのお役に立てるなんて光栄です!」
「大袈裟だねえ。むしろ助かったのは俺たちだってのに」
ボクの
晴天が眩しい甲板に出ると船員の一人が大きな袋を抱えてやってきた。マルコさんがご苦労、といってそのまま地面にその袋をおろした。代金だよい、といわれたのでそのまま
「確認しなくていいのか?」
「四皇がお金をケチるとかメンツの潰れるようなことはしないと思いましたので」
「そうかい」
「では、ボクはこれにて。またどこかの海で会えたら嬉しいです!」
そう言ってサンダルに魔力を込めて空へ飛び上がろうとすると、甲板上にある大きなドアが勢いよく開いた。思わず目を向けるとそこに立ってたのはとてつもなく大きい筋肉質なおじいちゃん……白ひげ、エドワード・ニューゲートだった。彼はボクを片眉をあげて見るとついで大声で笑いだした。
「グラララララ……!息子どもが面白い商人が来てるって騒がしいから来てみれば、随分と若いハナッタレがいるじゃねえか……!マルコ、食料はどうなってる?」
「オヤジ、こいつ……ウルのおかげで満タンだよい。次の島までは余裕で持つってよ」
「そうか……ウルっていったな?感謝するぜ。息子たちを助けてくれたこと、礼を言わせてくれ」
とんでもない威圧感を放つ白ひげを相手に固まってしまったぼくをハナッタレと笑いながら、四皇は礼を告げてくるのだった。
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