ONE PIECE世界を旅する一般クソザコTSうっかり幼女商人   作:褐色幼女万歳

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本日のお客様 白ひげ海賊団

 「おいし~。暑かったけどいい島だったなあ」

 

 白ひげ海賊団の縄張りだった夏島を出発してはや一日、ログがたまるのが案外早かったけどたっぷりと仕入れは出来たしベリーをたくさん落としてきた!みんな笑顔、いいことだ!どうやら聞き込みの結果次の島は普通の船で1か月はかかるほど遠いらしいのでちょっと急ごうかな、と天翔る王の御座(ヴィマーナ)を何時もの船と同じくらいの速度からぎゅぎゅんっと速くする。席は風の影響受けないのでボクは優雅にランチタイム!夏島名産のシーフードチャーハンだ!なんでお子様ランチみたいに旗が立ってるのか分かんないけど。しかも白ひげ海賊団のやつ。

 

 いーもんどーせボクは幼児体形スットン共和国イカ腹だもん!この世界の人たちみんなプロポーションいいから逆説的にボクに希少価値が出てくるんじゃないかな?おお、そう考えるとなんか元気になってきたぞ!どっかの青い髪のお仲間が言ったように貧乳はステータスで希少価値なのだ、うん。

 

 「おー、おっきな船……あえ?」

 

 そう考えていると眼下に大きな大きな船が見えた。その見事な船体をよく見たくって天翔る王の御座(ヴィマーナ)を止めて遠見のレンズを取り出して覗き込む、おー、と思ってると船首のクジラに見覚えが。あれモビー・ディック号じゃん!ってことは白ひげ海賊団の本船!?やっば、初めて見た!四皇の船を見れるなんてなんかついてるな。いいことありそう~。

 

 「おい」

 

 「あびゃあああああっ!?!?」

 

 「あぶねえよい!何してんだ!?」

 

 モビー・ディック号に夢中になってたボクの真横から声がしてボクは心臓が口から出そうなほど驚いて飛び上がった。飛び上がったボクは天翔る王の御座(ヴィマーナ)の玉座から転落、玉座の加護の外に出たせいで上空の風にさらわれて天翔る王の御座(ヴィマーナ)から落っこちかける。声の主は大慌てでボクを大きな足でひっつかんで天翔る王の御座(ヴィマーナ)に戻した。……よい?どっかで聞いたような。

 

 「……食べないでください」

 

 「別にとって食ったりしないよい」

 

 ボクの目の前にいたのは燃え盛る蒼い炎に包まれた大きな大きな鳥だった。誰なのかは分かる、白ひげ海賊団一番隊隊長、不死鳥のマルコだ。滅茶苦茶距離あったはずなのにどうして……ちゃんと見えなくなる宝具も使ってたのに……見聞色かな?いやそれしかないか。そっかー四皇幹部になると宝具のステルスも突破してくるのかぁ……笑えねえ。

 

 何をどう足掻こうが戦闘になれば絶対負けてわからせられるのでふるふると震えながらボクは美味しくないですと主張してみるが当たり前のように食わないと返されたのでじゃあ何の用だろう。目障りだっただけ?じゃあすぐどっか行くので見逃して欲しい。彼らも海賊だし略奪するのかな?キャラクターとしては知ってても人として知らないのでわかんない、こわいよ。

 

 「あー……お前何もんだよい。俺らの船を見てたってことは海賊のパシリか?こんな小さなガキに鉄砲玉させるたぁ腐った野郎だな」

 

 オヤジが知ったら激怒するだろうよい、といいながら天翔る王の御座(ヴィマーナ)に着地した不死鳥は蒼炎に包まれて人の姿に戻る。ボクも玉座に手をかけて立ち上がった。彼はボクを不思議なものでも見るようにしながらボクの目の前まで歩いてどっかり胡坐で座り込んだ。目線がボクと合う、その瞳に優しさがあることに気づいてボクの体の震えがちょっとだけ収まった。

 

 「ボ、ボクはウル。ただのウル……商人です。次の島を目指してた時たまたま貴方たちの船が目に入って……四皇の船を見られるなんてないからつい見てました。気に障ったなら謝ります、ごめんなさい」

 

 「あー……いや、いい。驚かせて悪かったよい。空を飛んでるやつなんて大抵は能力者で襲ってきたら面倒なんでな、確認に来ただけだよい。そんな震えるな、何もしねえ。ガキを泣かせたなんて言ったらサッチのやつが何ていうか……それよりもお前、商人だっつったな?」

 

 「あ、はい。こうして飛べるので主に食料なんかを航海中の船と取引してます」

 

 「商品は?」

 

 「ここに」

 

 ボクはそう言って隣に王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)からラム酒の酒樽を一個出す。マルコさんはそれを目を見開いて見た後、樽の香りを嗅いで中身が酒であることを確認したらしい。ふーっと息を吐いてボクに尋ねてきた。

 

 「食料はどんくらいある?実は新入りの大馬鹿野郎が食料をほとんどダメにしちまってな。不足してるんだよい」

 

 「あの船の倉庫一杯には確保してます。昨日夏島で仕入れてきたので」

 

 「夏島ってお前、ここから10日はかかるよい。この乗り物か。まあちょうどいい、モビーに降りて来てくれ。商談をしたい」

 

 「いいんですか?」

 

 「お前が暴れようとしても暴れる前に止められるよい」

 

 「むっ、こう見えてもボクは強いんですよ?賞金首だって捕まえられるんですから!」

 

 「ほー、そうかよい」

 

 「完全に馬鹿にしてる!?」

 

 「いやいや、すごいよい。すごいすごい」

 

 むむ、完全に背伸びした子供に対する反応だ。まあモビー・ディック号に行けるならいっか。マルコさん、ボクの広い心に感謝するんだね!どうしよう、本気で戦うことになったら不死殺しの宝具で絨毯爆撃するしか思いつかないし言われた通り王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)を出す前に叩き伏せられそうだ。

 

 商談といわれたらホイホイついてくのが商人、というわけで普段履きのサンダルに魔力を込める。すると足首横についている白い羽がパタパタと動き出してボクの体がふわりと宙に浮いた。これは神話のヘルメス神が使っていた有翼のサンダル、の原典と思われるナニカである。とっさの時に逃げられるのでずっと履いてるのだ。マルコさんはふーん、という顔で人獣型になって飛び立つ、ボクも天翔る王の御座(ヴィマーナ)とラム酒をしまってマルコさんについてモビー・ディック号に降り立った。

 

 「お、マルコお帰り……なんだそのガキ?」

 

 「商人だそうだよい。商品も確認した、モビーの倉庫パンパンになるくらいはあるそうだ。新人のバカにはトイレ掃除2か月って言っておけよい。サッチ!」

 

 「おう、マルコ。あの船みてーなのに乗ってたのがコイツか?」

 

 マルコさんに呼ばれて出てきたのはフランスパンみたいな見事なリーゼントをした人、四番隊隊長のサッチさんがやってきた。まだ、死んでないんだ。ということは黒ひげもここにいるハズ。注意しないと。サッチさんはボクの頭に手を当ててぐしゃぐしゃと撫でまわしてニカッと笑った。それなりに頑張って整えてる銀髪がぐしゃぐしゃにされたボクがむーっと唸ると悪い悪いとカラカラ笑っている。

 

 「んで、嬢ちゃんよ。今うちは食糧不足でな。ちっとでも補充できるならしてーんだ、何がある?」

 

 「あ、はい。それじゃこちらをどうぞ。今の在庫です」

 

 「お、悪いな。マルコ、予算組んでくれ」

 

 「わかったよい」

 

 ぼさぼさにされた髪を手櫛で整えながらボクが王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)に手を突っ込んで在庫を書いてある羊皮紙を取り出して渡す。肉に魚に野菜、何でもござれ。ちょっと珍しいお酒も東の海から西の海、北の海、南の海を網羅している。島に降り立つたびに永久指針を買ってそこで仕入れたものがなくなれば天翔る王の御座(ヴィマーナ)でひとっとび!すぐに仕入れているわけさ!羊皮紙を受け取ったサッチさんがマルコさんと顔を突き合わせながらこれをどれだけあれをどれだけと話し合っている。するとどかどかと大きな足音がして誰かがボクの後ろに立った。

 

 「ゼハハハハ、マルコ隊長、サッチ隊長。新入りにはトイレ掃除の件、話しておいたぜぇ。今後はもう絶対しねえ、とよ」

 

 「わかったよい、ティーチ。エースは?」

 

 「食堂で寝ながら飯食ってる。相変わらず器用なんだかわかんねえ奴だ」

 

 「あいつ、食料がねえっつうのに暢気に何食ってやがんだ。海でも沸騰させて煮魚でも作ってくれりゃ助かるんだがな」

 

 「ゼハハハハ!!!能力者にそれはスパルタすぎるぜサッチ隊長!」

 

 うぇっでっか……!ボクの身長だと彼の太ももくらいしかない、見上げすぎてひっくり返りそうなボクをうおっと、と支えてくれたのはというか噂をすれば何とやら、マーシャル・D・ティーチ、いずれこの船を裏切り、世界に波乱をもたらすやべーやつだ。歯の抜けた顔でゼハハハハと笑う彼を見てるととてもそう思えない。かなり悪ぶってるけど気のいいおじちゃんだ。

 

 「この坊主がさっき浮いてた船に乗ってたのか。ゼハハ……坊主、お前名前なんだ」

 

 「おいティーチ、こいつは女の子だ。坊主だなんて呼んでやるな。全く失礼なやつだな」

 

 「ゼハハハハ!!海賊に仁義はあっても礼儀はあるめえ!ちんちくりんなら坊主で十分よ!」

 

 ボクの襟首をつまんで持ち上げてくるティーチにボクはワンピースが脱げてすっぽんぽんになったりしないようにスカートを押さえて必死で抵抗する。というか服伸びる!パンツ見える!別に恥ずかしいわけじゃないけど見られたいわけでもないよ!抵抗を続けてると呆れた顔をしたマルコさんがティーチからボクをひったくって助けてくれた。片腕でボクを抱き上げるマルコさんに掴まって、ティーチに向かってべー、と舌を出してやると彼はゼハハハハ!!と大笑いして去っていった。もう!なんなんだよ!

 

 「さて、とりあえずはこんくらいか、どうだマルコ?」

 

 「ああ、それでいいよい。見えるか?」

 

 「あ、はい。えーとそれだと……締めて1500万ベリーになります。商品はどちらに?」

 

 「お、意外と安いよい。じゃ、倉庫まで案内する、商品と金はその時交換だ」

 

 「わかりました!あわわわっ!?」

 

 「お前じゃ足が遅いからこのままいくよい。掴まってな」

 

 抱っこされた状態で希望の物が書かれた羊皮紙を見せてもらって金額を計算し伝える。倉庫まで行くということなので降りようとしたら歩幅が違い過ぎて遅いからこのままなといわれて抱っこ状態で空輸されることになってしまった。抱っこだなんてちょっと恥ずかしい、顔に熱が集まる。サッチさんはそれを見て

 

 「いっちょ前に恥ずかしがってんのか。かわいいねえ」

 

 「むぅ!おろしてください自分で歩きますぅ~!」

 

 「おいサッチ、余計なこと言うな。へそを曲げられて商談がおじゃんになったら困るだろうが」

 

 「そもそもボクは16才です!ちんちくりんは認めますがガキじゃありません!」

 

 「俺らからしたら十分ガキだよい」

 

 「たくさん食ってでかくなれよ~」

 

 そんなことを騒ぎながら結局おろしてもらえるわけもなく、意外なほどに抱かれ心地がいいマルコさんの腕に体を預けること少し、何回か梯子を飛び降りて船の下層にある大きな倉庫にやってきた。倉庫の片隅にはまだ片付けられてないのか変な臭いを放つナニカがあり、くっせえくっせえ言いながら船員が布袋に詰めて運び出してる所で、見たところ無事なのは酒樽と乾物くらいかな?そりゃあ食糧が不足するわけだ。

 

 「じゃあ、商品を出しますね。えー、豚が30頭牛が30頭、骨付き肉が1000本に玉ねぎ、にんじん、ジャガイモが80ケースずつ、ラム酒が50樽、その他もろもろ……」

 

 商品を口頭で確認しつつ王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)を開けて目的のものを倉庫に落としていく。たまに間違えて宝石やらがポロっと出てくるけどすぐに回収用宝具で回収する。これ中身整理しろってことかな?ごろごろ出てくる食糧を見た船員が歓喜の声をあげて次々とボクじゃ持てないほど大きい食料のケースをひっつかんで冷蔵庫やら何やらに詰め込んだり整理したりしてる。最後に酒樽を出し終えたボクがマルコさんに確認をとる。

 

 「以上になります。不足はないですか?」

 

 「ああ、大丈夫だよい。助かった、ありがとな。代金は今取りに行かせてる。もう少し待ってほしいよい」

 

 「はい!四皇のクルーのお役に立てるなんて光栄です!」

 

 「大袈裟だねえ。むしろ助かったのは俺たちだってのに」

 

 ボクの王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)を間近で見たにもかかわらず二人はボクに能力の詳細を訪ねてきたりしない。多分そういうのは答えないと踏んでるのかどうなのかは分かんないけど聞かれたら困るのボクだし聞かれないなら聞かれないでそれでいいや。何やっても勝てないからどうやって逃げるかくらいの算段はつけておかないと。上に行くかよい、といわれてまたそのままモビー・ディック号の甲板まで向かうことになった。飛び降りた梯子を今度はジャンプで乗り越える二人、それもう梯子の意味ある?

 

 晴天が眩しい甲板に出ると船員の一人が大きな袋を抱えてやってきた。マルコさんがご苦労、といってそのまま地面にその袋をおろした。代金だよい、といわれたのでそのまま王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)に仕舞う。

 

 「確認しなくていいのか?」

 

 「四皇がお金をケチるとかメンツの潰れるようなことはしないと思いましたので」

 

 「そうかい」

 

 「では、ボクはこれにて。またどこかの海で会えたら嬉しいです!」

 

 そう言ってサンダルに魔力を込めて空へ飛び上がろうとすると、甲板上にある大きなドアが勢いよく開いた。思わず目を向けるとそこに立ってたのはとてつもなく大きい筋肉質なおじいちゃん……白ひげ、エドワード・ニューゲートだった。彼はボクを片眉をあげて見るとついで大声で笑いだした。

 

 「グラララララ……!息子どもが面白い商人が来てるって騒がしいから来てみれば、随分と若いハナッタレがいるじゃねえか……!マルコ、食料はどうなってる?」

 

 「オヤジ、こいつ……ウルのおかげで満タンだよい。次の島までは余裕で持つってよ」

 

 「そうか……ウルっていったな?感謝するぜ。息子たちを助けてくれたこと、礼を言わせてくれ」

 

 とんでもない威圧感を放つ白ひげを相手に固まってしまったぼくをハナッタレと笑いながら、四皇は礼を告げてくるのだった。

 




 ストックが尽きるまでは毎日投稿していきます

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