ONE PIECE世界を旅する一般クソザコTSうっかり幼女商人 作:褐色幼女万歳
「あ゛~~……頭いてぇ……」
「お頭、あんま怖ぇ顔してるとウルのやつが寄り付かなくなるぞ」
「ヤソップさーん、狙撃の方法教えて~」
「いいぜ、まずはだな……」
はろーえぶりわん、ボクウル。結局ミホークさんに置いていかれちゃったボクは赤髪海賊団に一時身を寄せることにしました。
エアを使ったことはどうやら結構な大ニュースになってるみたいで、ニュース・クーが運んできてくれる新聞によると癒しの雨は王女の奇跡で、ボクが放ったエアは地獄の扉が開いたとか、ボクの背中にイカロスの翼があったことで天使が罰しに来たんじゃないかとか言われてるみたい。両方ともボクだぞ!まあどうでもいいけど!というかよく見えてたな!?
あのあと結局宴会が再開してしこたまお酒を飲んだシャンクスさんにボクは盛大に絡まれた。というかルフィさんとちょっと一緒に旅したって言ったらルフィさんの事をめっちゃ聞かれたんだ。シャンクスさん、自分の左腕を彼に賭けてきただけあって気になることは沢山あるんだと思う。
まあそれで話したのが悪かったんだけど、ルフィさんと関わりがあった古株の船員さんたちがこぞって話を聞きに来て、濃ゆいお酒の匂いと揮発したアルコールに囲まれたボクも酔っ払っちゃった。気づいたらシャンクスさんの肩に座って一緒に笑い転げてたよ。正気に戻って青ざめたね、これ普通の海賊だったらボク殺されてたんじゃないかな?
どうやら新入りのロックスターさんの電伝虫での連絡を待ってたみたいで、手紙を破られたことを受けて白ひげさんの所に向かうつもりだったみたい。まあその前に一杯ひっかけようぜ!からの宴会だ~~~!!!っていう中にボクは放り込まれたみたい。白ひげさんの所にも既婚者はいたけどシャンクスさんのところにもいるんだね既婚者。ヤソップさんは子持ちなせいか結構ボクの事構ってくれたし。
そういえば話だけ聞いたシャンクスさんの娘さんの話は結局あの後酒で口が滑ったとか何とかで教えてもらえなかった。ちぇー、結構気になってたのになあ。あの赤髪に家族が!?ってニュースになると思ったのに教えてくれないんじゃわかんないや。
そんなわけでボクは白ひげさんの所に行くために航海するレッドフォース号に乗り込んだ。それでなんだけど、多分原作より早く白ひげさんとシャンクスさんは会うことが出来る。それは何故かと言えば、ボクが白ひげさんのビブルカードを持ってるからだ。ついでにボクがいるから補給に島による必要が消える。一直線にモビー・ディック号に行けるのだ!わーい!
多分バナロ島での決闘は白ひげさんとシャンクスさんの話し合いとほぼ同時に始まったはず、なんだけどボクが七武海になったから色々ズレてる。ティーチが当初の予定通りにボクを蹴落として七武海になろうとするのかそれとも戦闘を避けてどうにかするのか不明なんだよね……。それにボク、ティーチと戦って勝てるかわかんないもん。
闇っていう意味不明な現象に宝具通じるのかなって。いやまあ恥も外聞もかなぐり捨てて
エースさんに関しては捕まるのを阻止したいけど捕まった後どうにかしたほうがいい気がするな。身代わりで死体人形置いてこっそり白ひげさんの所に戻すとか。七武海の権力がどこまでボクに許されるのか分かんないけどこんなボクでも考えるのは無駄じゃないと思うの。うーん、でも海軍の人たちも裏切りたくないし、でもエースさんは死んでほしくないし……どうしたらいいんだぁ……?
そして現在船の上、ボクのビブルカードを頼りに船は一気に白髭さんの所に向かってる。マリージョアから見てすぐの新世界側からスタートしてるので割と会えるのはすぐな気がする。麦わらの一味の冒険を見てるとあれなんだけど原作ってすげえハイペースで物語が進んでるんだよね。だから今ルフィさんたちは空島に行ってる頃じゃないかな?
で、現在ボクが何をしているかというとヤソップ先生の狙撃講座を受けている。だってさ?ボクの
ちなみにシャンクスさんは二日酔いで凄い怖い顔してる。余りに怖くてボクが近づかないようにしてるとラッキールウさんにそれを指摘されてちょっとしょげてる。なんか可愛いな、でもごめんあなたの顔で凄まれるとボクマジで漏らしかねないのでお酒抜けるまでは近づかないでおくよ。
「どうですか先生!」
「あー、才能ねーな。諦めな」
「……ふぇ……」
「……ヤソップお前……」
「いやこれどうやってもフォローは無理だぜ……?」
分かってたけど!ボクにそう言うのは無理だって分かってたけど!そんなストレートに言わなくてもいいじゃない!ヤソップさんの講座を受けて放たれたボクの宝剣は狙いにしてた岩をことごとく外して水柱をあげていた。躍起になったボクが撃ちまくって当てたらそれはもう狙撃じゃないって言われたよ……。だってむずかしいんだもん……でも当てたいんだよ……!戦う時だって外しまくってるけどマジで数に助けられてるところあるからさー!
あんまり直球に言われたもんだから傷ついたけど大丈夫!分かってたことだしボク元気だもん!ヤソップさんは優しさでそう言ってくれてるの分かってるから!うんうん!だからボク大丈夫!どうしたら上がるかな命中率……?もう打ち出すの全部必中の概念が込められたヤツにしたいところだけど流石に数がないもんなあ……。
「ルウさんルウさん、今日のご飯何~?」
「今日はビーフシチューだぞ~!お前が補給させてくれるから陸と同じメシが食える!いいことだ!」
「わーい!ボクお肉好き!」
「お、いいな。酒飲もうぜ!宴会だ宴会!」
「お頭、なくなっても補充できるからって飲みすぎだぜ?出費がかさんじまう」
「じゃ、奪うか」
「海賊らしいがな、ターゲットがいねえ」
あんなに二日酔いに苦しんで悪魔でも逃げそうな表情してるのにまだ酒が飲みたいのかシャンクスさんは……これ以上怖い顔になったらボク船室に引っ込んで震えてるしかなくなっちゃうぞ。ルウさんは凄いよね、ずっとお肉食べてるのにそれでもご飯がお腹に入っちゃうんだもん。あとシャンクスさんってもしかして白ひげさんと同じアル中に片足突っ込んでたりしない?いやこの世界にその概念はないんだけどさ。
「あえ?えーっと……うわ~~っ!?落ちちゃった!?」
「おいおい、何してるんだよ……自分の能力だろ」
ぷるぷるぷる……と着信している電伝虫の受話器を取って、と。
「はーいこちらウルちゃんです」
『どこをほっつき歩いとるかぁ!!!』
「うわあっ!?せせせ……センゴクさん!?」
『そうだ!会議が終わったと思ったら忽然と姿を消しおってからに……!今どこにいる!?』
「えーっとどこってそれはそのぉ……!!」
うぇー!?センゴクさん!?自由だって言ってたじゃん!?それともなにか!?もう招集がかかったの!?早すぎない!?どんだけエア撃って欲しいんだよ!?ボクが凄い形相の電伝虫を前にあたふたしてるとつかつかやってきたシャンクスさんがボクから受話器をバシッととった。
「センゴク、俺だ」
『赤髪!?貴様、なぜウルと一緒にいる!?』
「鷹の目がコイツを持ってきて置いていってくれたからな。暫く俺らが攫わせてもらおう。こんな便利な奴囲ってるなんてなあ、海軍も隅に置けないってやつだ」
『…………』
「沈黙は肯定だ。まあ拒否しようが海賊らしく奪っていくがな。暫くは、こいつに連絡するのは控えるこった。愉快なおもちゃにされたくないんだろ?」
『……無事に戻せ』
「おいおい、海賊にそれ言うのか?って言いてえとこだがな。傷はつけん、だが……こんな子供を大量虐殺の道具にするなよ」
シャンクスさんがそういうと何も言わず電伝虫が切れる。そうなんだよね、ボクの役割は政府に仇為す不穏分子をその場所ごと抹消することなんだ。だからバスターコールよりも安上がりで、ちょうどよく弱くて、それでいてそんじょそこらの兵器よりも破壊力のある都合のいい存在、それが今のボクだ。
……センゴクさんたちもボクへの見方が変わったのかな。それとも海軍に縛り付けておくために今まで甘い態度をとってくれてたのかな?そうだとしたらちょっと悲しいな、アラバスタでエアを使ったことに後悔なんて全くないけど、面倒なことになったとは思う。エアはボクの持ってる宝具の中でも、数少ないこの世界において本来の威力を発揮できる宝具だ。権能と紙一重なその存在は、格落ちなんかせずに、低出力でもアラバスタ上空を滅茶苦茶にできた。型月の抑止力が存在しないこの世界では、エアの全力を放てる。世界ごとぶっ壊すことだってできるんだから。
「……ベガッさんに言ったらエアをコピーしたりできないかな?そしたらボクお役御免だよね?」
「とりあえず聞くが……ベガッさんって誰だ?」
「ベガパンクさん!」
「知り合いなのか」
「知り合いというか……スポンサーしてる?」
ベガッさん……というかDr.ベガパンクとボクは出資される側と出資者の関係なんだよね。ボクが彼に研究費を払う代わりにボクに便利アイテムを提供してくれてるんだ。ナミさんに使ったお薬とか、ボクがお世話になった万能栄養点滴とか。まあエアをコピーなんざ不可能だと思うけどね。というかエアどころか宝具ですら解析不能だよ、多分。
なんでかって言われたらまあ魔術関連は過去に向かっていくのに対し科学は未来に向かうもので、500年先の技術を先取りしてるベガッさんであっても科学的アプローチに頼ってる以上神秘の結晶である宝具の解析は不可能なのだ。というか宝具研究したいからよこせって言われたし、あげなかったけど。ボクが払ってる研究費を返してからやってほしいなあ。人間兵器よりも楽しい研究しようよ、ピザが生える畑とか作ろ?
仮に、仮にボクが召集されるとしたら確実にエニエスロビーだ。バスターコールが行われるのがあそこら辺なら、それまでは白ひげさんの所かシャンクスさんの所に攫われて召集を回避したい。そうすれば、ルフィさんたちに向かってエアを解放しなくても済む、んだけどそうすると間違いなくエースさんの行方が分かんなくなる。
バナロ島の決闘の時期はエニエスロビーとほぼ同時だ。面倒くさいことにエースさんが捕まること自体を回避しようと思ったらボクは今いる新世界側の海から偉大なる航路前半に戻らないといけない、つまり召集に集まらないといけないのだ。いやなジレンマだね全く。
どーしたもんかな~~~。確かにボクはエースさんに捕まってほしくないし死んでほしくないんだけどそれは原作ファンとしての感情が生み出してるものだ。エースさん自体との付き合いは短いし、何だったら海軍の方がボクは好きまである。こうして七武海になってしまったのはボクが調子に乗ってたせいだからよしとしても、海賊であるエースさんを救うことはボクの夢にとってはマイナスなんだ。
だめだ、考えすぎて知恵熱でそう。魔力も詰まっちゃうや。ん~~……と考え込むボクをシャンクスさんが大きな手を頭に置いて撫でてくれる。さっきまでセンゴクさん相手に底冷えするような声で釘を刺していたとは思えないくらいの優しい手つき。何となく安心できて、ボクはふにゃりと彼に笑いかけるのだった。
申し訳ないですがこれ以降休載させていただきます。今までありがとうございました。