ONE PIECE世界を旅する一般クソザコTSうっかり幼女商人 作:褐色幼女万歳
「グラララララ、なるほどな。この偉大なる航路で海賊相手に商売する、肝の据わったハナッタレだ。マルコに抱かれても顔色一つ変えねえ、ただのガキじゃねえな?」
「え、マルコさん優しいですよね?」
「グラララララ!ああ、そうだ。俺の自慢の息子の一人だからな!」
白ひげ、エドワード・ニューゲートさんはどうやらいまだにボクがマルコさんに抱っこされた状態だっていうのがおかしいらしい。だって飛び立とうとしたらこの人が出てきたせいで込めた魔力が不発に終わったんだぞ。……ん?このままこの服装で飛び立ってたら下の人たちにぱんつ見せてたのでは……?せ、せーふ!まだ見せてない!女なのはもうしょうがないけどボクは痴女じゃない!
あとマルコさんは優しいでしょ。なんでみんなボクが優しいって言った瞬間に顔を背けて口元に手を当ててちょっとプルプルしてるの?何で笑いをこらえてるの?え?変なこと言った?!ねえ!?ボクが混乱顔を披露しているとサッチさんがちょっと吹き出しながら補足してくれた。
「ぶっふ……いやマルコはまあ優しいぜ?怒るときはそりゃー怖えけどな、食料ダメにしたアホを叱った時なんか覇王色もびっくり」
「サッチ……」
「おっと藪蛇!サッチさんは仕込みしてくるからここでサイナラ~。ウルちゃん、よかったら飯食いに来いよ!それじゃな!」
メラ、とこめかみに血管を浮かべたマルコさんの体から蒼炎が漏れ出した。ボクも燃えるかと思ってビビり散らかしてたら熱くない、おお、火なのに熱くない!すげー不思議!面白くなったボクが蒼炎に手を突っ込んで出し入れを繰り返してると今度はマルコさんがぶふっと噴き出した。あれなんかまた面白いことあった?
「おい、ハナッタレ。手前ェ次はどこに行く?」
「あ、このログの先に行きます。まだ行ったことないので楽しみです!」
「この進路ってこたぁ、夏島から来たのか。ならちょうどいい、次の島まで乗ってけ。ガキ放り出しておっ死なれたら寝覚めが悪ぃ。マルコ、いいな?」
「了解だよい。ってことでウル、うちのオヤジの命令だ。このまま次の島まで送ってやるよい」
「いいんですか?」
「ハナッタレがいっちょ前に遠慮してんじゃねえ。俺がいいっていったらいい、息子たちよ!客人に粗相するなよ!今夜は宴だぁ!」
「「「「アイアイ!」」」」
「もしかして、宴のだしに使われただけですか?」
「オヤジ、酒が飲みてーだけだろーよい……」
憮然とした顔をしてるであろうボクと実際憮然とした顔をしているマルコさん。ははん?きっと白ひげさん食糧難のせいで若干の禁酒してたんじゃないか?それで、ボクが食料を補充したからこれ幸いと盛大に呑み明かすつもりなんだろう。いいのかそれで、四皇なのに。いやむしろ圧倒的な実力に裏打ちされた自信だという説も……いや絶対呑みたいだけだ、船員たちの盛り上がり方をみると結構節制してたんじゃないかな?
「は~~~食った食った……あ?あ~……オヤジ、マルコって子供いたっけ?」
「グラララララ……そうなりゃおれの孫だなあ」
「……!お父さん!」
「シャレにならねー冗談はやめるよいウル。エース、こいつは商人のウルだ。さっき食料を満タンにしてくれた恩人だぞ」
「はー、そうなのか!そりゃ失礼だったな!俺はポートガス・D・エース!エースでいいぜ。よろしくなウル!」
腹をポンポンと撫でながら顔面いっぱいにご飯粒を付けたテンガロンハットを被った人、2番隊隊長のエースさんがやってきてマルコさんとボクを3往復くらい見た後、お前マルコの子供か!?と白ひげさんに尋ねてる。白ひげさん、滅茶苦茶ノリよく孫扱いしてきた挙句にボクに目配せをしたので乗ったらマルコさんに怒られた。地面におろされてずびしと頭にチョップされて涙目になるボクである。うっかり調子に乗ったせいか、ぐすん。この世界じゃ両親なんていないからちょっと憧れてるんだけどな、残念。
「ウルです!こんななりですけど16才!立派な大人です!」
「にしては小っちゃくねえか?俺がそんくらい時っつったら……こんくらいはあったぜ?」
「ほっといてください!伸びないのは仕様なんです!」
ボクの幼女ボディに思うところあるのかエースさんが俺が16の時はこんくらい身長あったんだけどなあって手で示してくれているがボクの体はもうストップかかって固定されてるの!不便だよ!重い物持てないしすぐ体力なくなって眠くなるし、うっかりで沢山ミスするし令呪入れる場所ミスるし、仕入れの桁数間違えたりするし!ボクだって苦労してるんだぞ!この前なんて
がおー!とポカポカ殴ってみるがおでこを手で押されて止められただけだった。ぐすん、リーチがないよお。どうせ殴ってもすり抜けるだけだろうけど。自然系にはボク無力、弱点突けたらワンチャンもない。なんかする前に燃やされる勝てない。おのれこのクソザコボディめ……!せめてうっかりがなければ……!
「海王類だぁ!!!」
「あぁ?」
「ぴっ!?」
見張り台からした大声に白ひげさんがぎろりと見聞色で見たらしい方向に視線を向けるとそこの海が持ち上がり、超巨大なクジラのような海王類が姿を現した。は、覇王色で追い払ってと白ひげさんを見ると……面白そうに笑ってらっしゃる!?何で!?
「グラララララ……食料が追加されたな」
「おっし、俺がやるぜ!」
「バカエース、お前がやると黒焦げになるよい」
「な、なななんでこの状況でそんな余裕そうなんですかぁ!倒れてきますよ!もう!天の鎖よ!」
ジャンプした海王類がモビー・ディック号を押しつぶすように倒れてくるのを面白そうに笑っている3人とそこら辺でポーカーするくらい余裕の船員たち。完全に絶体絶命なのに何その余裕!と大慌てのボクが全開で
「あーあ。いいとことられちまったなマルコ」
「うっせえよいっ!」
雁字搦めの海王類を前にしてぼやいたエースさんに言い返して飛び立ったマルコさんの蹴りが海王類に突き刺さり、その息の根を止めた。くたりと力が抜けた海王類を海の上にぽいっと捨てる。ざぱんと、大きな波が発生して、モビー・ディック号を叩く、そして甲板の上にも波がやってきて、船員たちは笑いながらそれを避けるが、歩幅の狭いボクは避けることが出来ずそのまま全身ずぶ濡れの濡れ鼠になりましたとさ。うわぁんみんなが大笑いする!ひどい!確かに捨てなきゃよかったけど!ゆっくり下ろせば解決だったけど!
「ククッ、あーエース。風呂に案内してやれよい。能力者用のな。ついでにお前も風呂入れ、なんで上半身までソースにまみれてんだよ」
「ああ、わかった」
「あ、エースさんのこの状況やっぱ変だったんですね。デフォルトだと思ってました。っくし!」
「こいつは飯食ってるとき急に寝る癖があるんだよい。風邪ひくまえにさっさと風呂入れ」
「おしっ!ウル、風呂行くぞ!」
こうしてボクはエースさんに両脇に手を入れられて空輸され、一緒にお風呂に入るハメになったとさ。能力者用のお風呂は男用しかないんだって。だって白ひげさん戦闘員は息子だけだって決めてるみたいで……ナースさんたちはみんな普通の人だから、女湯があるらしい。能力者じゃないってばれても困るしどーせボクのつるペタスットン共和国見て興奮する奴なんかいないから構わんのだけどね。あ、でも令呪なんて言い訳しよう、テキトーでいっか。それよりもお風呂~。
なおエースさんはお風呂の最中に突然眠り、慌てたボクも溺れかけ、ちょうど近くを通ったらしいダイアモンド・ジョズさんに救出されることになった。ボクは結局全裸を見られた。タオル君仕事して、役目でしょ。令呪は親がいれた入れ墨だって言い訳した。ごめんよいないパパンママン、言い訳に使って。
「客人にぃ!カンパァイ!!!」
「「「「「「乾杯!!!!」」」」」
ゴン!とそこかしこで大きなジョッキがぶつかる音がする。エースさんお風呂で爆睡事件の後、サッチさんが火種が足りねえとエースさんを連れて行ってしまい、ぽつんと甲板で空を見上げてたらいろんな人がボクのことに構ってくれて楽しかった。あ、でもポーカーでイカサマしたのは許してないから。いくらボクの手札がブタだったとはいえ!
そして現在、甲板にみっしりと人が集まって中央には酒樽と色とりどりの大きな料理たち、漫画肉タワーもある!凄い美味しそう、上座にいる白ひげさんの隣に座るマルコさんの音頭で乾杯し、みんな一気にジョッキの中身を飲み干してる。あっやばい酒の匂いだけで酔いそう……
「っかー!やっぱ宴はいいなあ!おう、ウル呑んでるか!?」
「ボク呑んだら一瞬で回っちゃうので、吞ませないでくださいね?最悪死にます」
8才で固定されたこの体でラム酒とか吞んだらまず間違いなくアルコール中毒でえらいことになる。エースさんがボクをなぜか胡坐の中に置いて色々世話してくれるが別に一人で食えるぞ!そういうのは今東の海で暴れてるであろう弟さんにやってあげて欲しい。いやまあそういう年ではないかもしれんが。
「酒ジャンジャンもってこい!」
「うるせー自分でとってこいや!」
「これうめえなおい!」
どんちゃん騒ぎだ、でも凄い楽しそう。んー、そうだよね。折角参加させてもらってるんだしボクも何か出すべきだろう。うん、みんなに喜んでほしい!というわけでエースさんのあったかくて眠りそうな胡坐の中から脱出し、中央の空いてる所に
「なんだよい、それ」
「東西南北の海の名酒と幻といわれる酒をいくつかピックアップして出しました!ボクのおごりです!」
「「「「「うおおおおおお!!!」」」」」
「グラララララ……おい、あの瓶よこしな」
すげえ、一番希少な東の海の端にある島でしか作られてない酒を一発で見分けるなんて!さすが四皇……ただの酒好きでは?ボクは同じものを5本
すっと出された大きな大きな杯、彼にとってはコップレベルだろうが、ボクが中に入れるくらいだ。一献どうぞ、と持ってきた酒を5本全部その杯の中に開けて瓶のごみは
念のためエリクサーをいつでも出せるようにしながらハラハラとしながらグイッと杯を空ける白ひげさんをみるが……問題、なさそうだ。むしろにやりと笑って調子がよさそうまである。なんかあったら殺されかねない綱渡りをした……白ひげさんはボクを見て……あ、これバレてますね。あとで殺されるパターンだ、ちびりそう。というか毒かもしれないのに空けるとか豪胆すぎるよ……
「ああ、いい気分だ。マルコ、それよこしな」
「オヤジ、胃もたれに気を付けるよい」
「グラララララ……おれを心配するなんて50年ははええぞ」
「ウルちゃ~ん、はいこれ。サッチさん特製プレートだよ!」
「あ、サッチさんありがとうございます。あの、お礼と言っては何ですけどこれ、受け取ってもらえませんか?」
「いいのかい?別に気にする必要ないのにな~」
「ボクはご飯のお礼はきっちりすることに決めてるんです」
そう言ってボクはサッチさんに身代わりのアミュレットを渡す。ランクBの宝具だ、効果は所有者が殺された場合因果を逆転して攻撃された事実を逸らしこの宝具が壊されたことにする因果逆転系の守護宝具だ。サッチさんの死は白ひげ海賊団の崩壊につながるターニングポイント。もし、もしこれで死ななかった場合……エースさんも白ひげさんも死ななくて済むかもしれない。けど、そうしたら世界がどうなるかは分からなくなる。ボクが全身全霊で魔力を込めたので向こう1年は効果を発揮するだろう。
「いいもん貰ったな、サッチ。金で買える類のものじゃねえ、大事にしな」
「わかったぜ、オヤジ。いいのか、そんないいものを」
「古い物には自分で持ち主を選ぶものがあります。その腕輪はサッチさんを選んだんです」
古い意匠の銀の腕輪、ちらりと一目見ただけで財宝に等しいと看破した白ひげさんの言葉とボクの方便が後押しになってサッチさんは右腕にアミュレットを付ける。折角出会えて仲良く話せた人、これから先死ぬとわかってるなら死んでほしくないと思うのは当然だと思う。たとえそれが、世界の流れを変えてしまうとしても。
なお、この後ボクの能力に興味を持たれたので話題を逸らすために宝具展覧会と化してしまった。あ!ティーチ!その短剣くすねるつもりだっただろ!かえせ~~!
本日最後の投稿です。次話は明日の夜8時ごろの予定、主人公ちゃんくんは孤児です。両親は顔も知りません。
では次回をお待ちください。感想評価よろしくお願いいたします。