ONE PIECE世界を旅する一般クソザコTSうっかり幼女商人   作:褐色幼女万歳

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本日の行先 アーロンパーク

 「お~~~バキバキだ。腐ってもウーツ鋼、滅茶苦茶堅いのに」

 

 ルフィさんがゴムゴムのバズーカでクリークのどてっぱらの鎧を粉砕した。なんかボクが知ってる流れと随分違うような?槍のマシンガンは使ったけど毒ガスは使ってないし。うーんよくわかんない、けど()()()()()()()()し、もうここら辺でお暇しよっかな。

 

 「てめえ、ガキ……なんだそれは!?」

 

 「え?ボクの船。もうここにいる理由ないし」

 

 黄金の波紋から姿を現した天翔る王の御座(ヴィマーナ)をみたクリークが尋ねてくるがボクはべーっ!と舌を出してお前なんか嫌いだと伝えてやる。天翔る王の御座(ヴィマーナ)に飛び乗ってそしてレストランのみんなにバイバイと大きく手を振り、発進させようとするとゼフさんが大声でボクに向かって叫んだ。

 

 「嬢ちゃん!腹が減ったら何時でも来い!たらふく食わせてやる!」

 

 「うんっ!また来るよ!じゃあね!」

 

 そう言ってボクはかっこよく天翔る王の御座(ヴィマーナ)を発進させてその場から高速でいなくなるのだった。やっば今の別れ方漫画的で超いいじゃん!今度もっかいやろ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「もーどーしてこうなるの~~~」

 

 かっこよくいけたと思ったら揺り戻しがあるもので、結局ボクは2日かかってもゴーイングメリー号を見つけることが出来なかった。あのバッグは海軍大将赤犬ことサカズキさんにもらった大事なものなんだけどなあ。だからあのバッグなくしたらすんごい怒られそうでこわいし、捨てたらボク怒っちゃうぞ。あのバッグはボクの商人として初めて得たものなんだもん。

 

 そもそもナミさんが置き引きすること自体がおかしいんだよ~。海賊専門の泥棒なんでしょ?ボク商人だよ?どういうこっちゃ?ボクの知らないナニかがあるのかな?ナミさんが……ポリシーを曲げてまでお金を必要とする何かが。

 

 もっとおかしいことといえばこの東の海の海軍のお偉いさんたちが次々悪いことしてたって理由で捕まってるんだよね。原作だとこんなのあったかなあ?モーガンのことがあったから海軍も本腰入れて浄化をし始めたのかな?ガープさんをモーガンのために派遣してるくらいだし。

 

 半分諦めたボクは捜索のついでに仕入れを済ませて海域をあっちへこっちへと回りココヤシ村を探している。というかアーロンパーク探してる。海図と方位磁石をにらめっこして、ここじゃないあそこじゃないともう散々だ。は~~~、とため息をついて今度こそは進路を変えること6回、ついに!ついに停泊したゴーイングメリー号を見つけた!ってことはアーロンパークも!よしいくぞう!

 

 「ん~~~、誰もいない?かな?」

 

 ゴーイングメリー号の甲板に飛び乗り、きょろきょろと見渡すが、誰もいなければ何もない。失せもの探しの宝具を使ってもここにはないことが分かる。お金だけとられてバッグは捨て置かれてるのが一番楽なんだけど……しょうがないか。村に行ってみよう。そう考えて天翔る王の御座(ヴィマーナ)で飛び上がり、ひっくり返った建物が沢山ある村を見つけてそこに飛びたった。

 

 「すっご……なにこれ……」

 

 「お嬢さん……見ない顔だね。ここに何の用だい?」

 

 ひっくり返った建物をボクは不思議に思って声に出す。この程度やれる人物はたくさん知ってるけど、それでも実際にやられたところを見るととても言葉で言い表せない雰囲気のようなものを感じる。その建物を見上げてたボクに壮年の男性が話しかけてきた。ボクはちょうどいいと彼に尋ねることにする。

 

 「あの、この島にオレンジ色の明るい髪をした手癖が悪いナイスバディな女の人いませんか?ボクの荷物置き引きされちゃって……」

 

 「……ナミか!またあの娘っ子は……!」

 

 おお、ここらじゃ有名なんだねやっぱり。苦虫を嚙み潰したような顔をする彼は知っていると前置きした後にその女はナミという名前で海賊専門の泥棒をしており、村を裏切ってアーロン一味についた裏切り者だと吐き捨てるように教えてくれた。ナミさんの真意が伝わってない以上、そういう評価になっちゃうのかあ。それでも村はずれのノジコを尋ねるといいという言葉を残して彼は去っていった。

 

 一応他の人にも確認したけどやっぱりみんないうこといっしょ。海賊専門の泥棒で、魔女だとかそんなのばっか。ボクが知りたいなんで子供からも盗むようになったのかが分かんないや。

 

 とりあえず、言われた通りに村を出て外れの方にサンダルでふわふわ移動すると、立派なみかん畑と一軒家が姿を現した。おー!あれがONE PIECE憧れのベルメールさんのみかん!美味しそう、仕入れられないかな?話を聞いてみよう。こんこん、とドアをノックすると返事があってドアが開いた。出てきた人物は俺を見下ろすと疑問顔で尋ねてきた。

 

 「あんた、誰?」

 

 「ナミさんという方についてお話があってきました。少しお時間いいですか?」

 

 「……入って」

 

 刺青とヘアバンドが特徴的な美女、ノジコさんはボクを不審そうにしながらもナミさんの話とあっては無下にできないのかボクを家の中へ招き入れてくれるのだった。そこに座りな、という彼女のお言葉に甘えてテーブルに座ると彼女はお茶を淹れてくれてボクの前に座り、尋ねてきた。

 

 「ナミの話ってなに?アンタ名前は?」

 

 「ボクはウルといいます。ナミさんとははっきり言って面識ありませんけど、レストランバラティエにて荷物を置き引きされまして、返して欲しいと彼女の足取りを追ってここに来た次第です」

 

 「……そう。ごめんね、義妹とはいえあたしの家族があなたのことを」

 

 「いえ、盗まれた中身についてはもういいんですが……盗まれたバッグが問題なんです。あのバッグ、大切な人からもらった大事なものなので……バッグだけでも返して欲しいんです」

 

 「……わかったわ。ナミがいつ帰ってくるかあたしにも分からないの。それでも良ければ暫くこの家にいてナミが帰ってくるのを待てばいい」

 

 「いえ、それはまあそうかもですけど。用事があるのでここにいらっしゃらないとわかったならいいです。アーロンパークを訪ねてみますから」

 

 「やめときな」

 

 ボクがそういうとノジコさんはきっぱりとそう言った。意志の強い瞳だ、彼女はボクの両肩を強くつかむと諭してくれる。

 

 「約束する、ナミが帰ってきたらそのバッグを何が何でもアンタの前に出してあげる。だから絶対に命を捨てるような真似はするんじゃないよ」

 

 「いえ、大丈夫です。生き残る自信があるからこう言ってるんです。魚人との交流は沢山してますから。それこそ、アーロンより強い人とも」

 

 「アーロンより?そんなやつ……」

 

 「()()()()()()()、ボクのお客様です」

 

 ジンベエさんとはミホークさんにくっついてたときに偶然知り合った。任侠気質の大きくて厳しくて、そして優しいいいひと。ボクは魚人を差別なんかしない。みんながみんなお客様だから。だから、人を見限りだしてるジンベエさんともそれなりの関係を築けてるんだと思う。

 

 呆気にとられているノジコさんを振り切って、ボクは彼女の家を後にする。ジンベエさんはここの人たちにとってはアーロンを解き放った仇敵だ。これ以上ここでボクが活動するのをよく思う人はいないだろう。そのままアーロンパークに行ってとんずらしよう。ごめんね、ノジコさん。

 

 目の前で呆気にとられたノジコさんの手を振り切り、玄関を開けて外に出る。天翔る王の御座(ヴィマーナ)を呼び出し、それに乗ってボクはココヤシ村のはずれを後にした。みかんの商談は、無理そうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なんだあれぇ!?」

 

 「不審な……船ぇ!?アーロンさんに報告しろ!」

 

 「必要ねえ。もうここにいるぜ」

 

 アーロンパークに白昼堂々、天翔る王の御座(ヴィマーナ)で乗り込んだボクを魚人が取り囲む。堂々とし過ぎたからかアーロンがそのまま出てくれた。ナミさんは、いない。とりあえずはそれでもいいか。スタッと降り立ったボクが彼を見上げる。にやにやと差別意識が透けて見える目だ。ジンベエさんと全然違う。

 

 「こんにちは、鋸のアーロン、貴方であってる?ごめんね白昼堂々と。ちょっとあなたの所のナミってひとに取られたものを返して欲しいんだ」

 

 「シャハハハ!こりゃあ随分とちっこいのから盗んできたんだなあナミ!?ええ!?帰れ、お前に話す事なんざねえ」

 

 ボクにとったら見上げるほどでかいアーロンはぐっとしゃがんで俺に鼻を押し付けるほど近くまで顔を近づけて凄んでくる。鋭い鼻がボクの頬に当たってすぱっと切れ、血がタラ、と流れ出た。ボクははあ、とため息をついてアーロンに向かって耳元でボソッと呟いた。

 

 「()()()()()()()()()()()()()、アーロン」

 

 「っ!?……ってめぇ!その名をなんで!」

 

 「手を出すのはやめた方がいいよ?ボクが2日以内に彼に電伝虫で連絡を入れないと、彼が直接ここに尋ねてくることになってる。まだ何も知らないけどね、親分は。ついでに言うと、海軍本部も気づく。伊達に御用商人じゃないからね。またボルサリーノさんに捕まりたい?」

 

 前半ははったりだけど、後半は本当だ。海軍本部はボクを自由にする代わりに、定期的に海軍本部で酒保をすることを条件にしている。その定期連絡とも言うべきそれが途絶えれば黙ってない。ボクが飛び回って酒保を行っているから、海軍の士気が上がってる事実がある。海軍にとってボクはいなくなったら困る便利屋という位置に食い込めているのだ。だからボクは海賊にはなれない。でもそれはいい、ボクの夢には関係ないから。

 

 ギシギシ、と歯が鳴るほど口を噛み締めたアーロンがボクから顔を離した。そして周りの魚人に「絶対に傷つけるな。ナミを呼べ、VIPルームへ案内してやるんだ」そう言ってアーロンは先にズカズカ歩いていった。去る前にこめかみに青筋と冷や汗が伝ってるのを見れたのでちょっとスカッとした。流れ的には明日か明後日にルフィさんたちが来るだろうから、その前にバッグだけ持って帰ろう。

 

 「にゅ~~!お前何もんなんだ!?あんなアーロンさんは見たことねえぞ!」

  

 「ただの商人だよ?ちょっとばかり大物と知り合いなだけなね」

 

 驚いた顔のはっちゃん、タコの魚人のハチがそう聞いてくるので誤魔化す。全部終わったらジンベエさんに説明しなきゃなあ。名前使ったこと、謝らないといけない。ボクは彼についてVIPルームだという部屋に案内された。するとそこには既に、おびえた顔のナミさんと怒り顔のアーロンが待ってた。

 

 「おう、こいつがナミだ。早いとこ済ませて帰ってくれ。そしたら……」

 

 「うん、そしたらボクは口をつぐもう。取引だ、約束じゃない。じゃ、アーロンさん……彼女と二人にしてもらうよ?いいよね?」

 

 「ちっ……シャハハハ……そこらの人間よりは分かってるガキだ。買収された海軍にも聞かせてやりたいねえ」

 

 交渉で喉元に特大の刃を突き付けられた状態のアーロンはせめてもの抵抗なのか盛大に舌打ちして嫌味を言った後出ていった。それが何だかおかしくってにやついた後ボクは王の財宝にバッグを突っ込んで音消しの結界を張る礼装を……あれ?どこやったっけ?ゴロゴロ出てくる宝剣や王冠に宝石金貨、をあれでもないこれでもないと投げ捨てながらもう波紋に上半身を突っ込んであれやこれやと探しやっと見つけたものをテーブルの上に置いて起動した。これで話は漏れない。

 

 「さて、貴方がナミさん、でいいよね?バラティエでボクからとってったバッグ、返してもらってもいい?中身はあげるよ」

 

 「……ねえ、普通逆じゃないの?中身はどうでもいいって……」

 

 「アハハ、そうかもね。でも、大事なものなんだ。ボクにとってはね」

 

 「そう、ごめんなさい。返すわ、中身もね。これでいいかしら?ほんと、どうかしてたわ。いくら大金とはいえ、子供のお金に目がくらむなんて」

 

 そう言ってナミさんはボクのバッグを返してくれる。中身も……まあ問題ない。壊れてもないし、これで取引成立だね。でもちょっと投資していこうかな?未来の海賊王の航海士なんて、唾つけて恩を売っても悪くないと思うんだ。

 

 「ねえ、どうしてボクからバッグをとっていったの?ナミさんのこと、村で聞いたけど……海賊専門だって皆言ってた」

 

 「……そうね、その通り。私は海賊専門の泥棒……だったわ。けどね、今どうしてもお金が必要になったの。アーロンが……村のみんなから奪っている税をあげようとしてるから……私が代わりに支払うって。だから……っ!」

 

 話が読めてきた。アーロンたちは集まるお金に満足できなくなって……住民たちからもっと搾り取ろうとしたのかな?だけど、村はこれ以上お金に余裕はない、そうするとアーロンは見せしめとして村人を殺す。それをさせないためにナミさんが代わりにお金を払うと言った。だけどゴーイングメリー号とルフィさんたちから泥棒したお金じゃ足りなくて……バラティエで大金見せびらかしたボクのバッグに目を付けた。

 

 僕の知ってる話とはかなり違うけどここは漫画の世界じゃない、なら何が起こったって不思議じゃないんだ。だって現実ってやつはなによりも理不尽で強欲なんだもん。

 

 だから、未来の海賊王が彼女をこのまま放っておくかもしれない。だけどそんなことはありえないと僕は思う。彼は、ルフィさんは必ずやってくる。だからボクがやることはボクのせいでアーロンに制裁を受けるかもしれないナミさんの安全を彼が来るまで担保することだ。

 

 というかま~~~たボクのうっかりじゃん!ボクがドヤ顔でバラティエの入り口でバッグの中に札束詰めておくからそうなるんだよ!それにナミさん結局罪悪感でバッグ盗んでも手付けてないし!もう!ボクのせいなんだからボクがしりぬぐいするしかないよね!理論武装完了!

 

 「ふーん、じゃ。いくら足りないの?」

 

 「あと……1000万ベリー。増やされたらもっと……」

 

 「おっけ~、ナミさん賭けをしようよ!」

 

 ドサドサドサ!とナミさんの目の前の机に2000万ベリーを積み上げる。これだけあれば、たとえ金額をあげられそうでも全く問題ないはずだ。ベリーは札なので、ナミさんが少々隠し持ったところでバレないだろう。これだけ収めれば、ナミさんにこの後行われるかもしれない制裁も回避できるかもしれないし。

 

 「この後きっとあなたを航海士にしたいって言ってた麦わらさんがここにやってくる。彼がこの村を救えるか、救えないか。この2000万ベリーで賭けようよ。貴方が勝ったら、その2000万ベリーは全どりだ!」

 

 「ルフィ……あいつ……!いいわ、乗ろうじゃない。私は自分で助かるの、だから……あいつがそもそも来ないし、救えないに2000万ベリー賭けるわ」

 

 「ふーん、じゃあボクは彼がこの島に来て、救うことに2000万ベリー賭けるよ。勝敗は、新聞でってことで!」

 

 「ちょっと!このお金どうするのよ!」

 

 「どうせボクが勝つもん。ボクのお金をどうしようが自由でしょ?だから、それはナミさんのだよ!この交渉上手!もってけ!」

 

 そう言ってボクはベリー以外を全部……いやアウイナイトという青い宝石が付いたブローチだけをナミさんの服につけてあげた。そのまま礼装も回収してVIPルームを出て、外で律儀に待ってたアーロンに別れを告げる。アウイナイトの石言葉は「過去との決別」……ナミさん、貴方を支配から解き放ってくれる人はすぐそこまでやってきてる。ボクは、のらりくらりとどっちつかずのコウモリ屋さん、あなたの絶対的な味方にはなれないけど……せめてそれまでできることはしたいかな。その石に込められた守護の魔力があなたを守らんことを。




 本日は2話投稿します。
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