ONE PIECE世界を旅する一般クソザコTSうっかり幼女商人   作:褐色幼女万歳

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本日の行き先 マリンフォード

 「おろせこのクソガキ~~!俺たちがグレイヴ海賊団だって知ってやってんのか~~!!」

 

 「早くおろせ!!痛い目みせてやる!」

 

 「くっそこの鎖きれねえ!」

 

 「はいはい暴れないでね、ぎゅ~~っと」

 

 「「「「ぎゃあああああああっ!?」」」」

 

 アーロンパークを離れて5日たった。今ボクは海軍本部マリンフォードへ天翔る王の御座(ヴィマーナ)を走らせていた。100人ほどの海賊をジャラジャラと天の鎖(エルキドゥ)で吊るした状態で。この海賊たちはその辺にポップしてたので王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)で絨毯爆撃して船を全壊させて天の鎖(エルキドゥ)で縛り上げて吊るしただけである。生きた状態で渡すと喜ばれるしこんだけあれば上等でしょ。

 

 それで、結局賭けはボクの勝ちで終わったみたいでアーロン逮捕の報とルフィさんの3000万ベリーの生死問わずの手配書が出回っている。ナミさんが勝ち取った2000万ベリーはどうなってるんだろうな。村のために使ったのかな?それとも冒険資金にしたのかな?はたまたへそくり?もう彼女のお金だし、ボクがとやかく言うことじゃない。

 

 彼女にあげた守護の礼装も壊れた気配はないし、蔵の中に戻ってきてもいない。売らず、捨てずに持っててくれてるんだろう。出会いは最悪だったけど、ちょっと嬉しいな。天の鎖(エルキドゥ)を操って天翔る王の御座(ヴィマーナ)の下の海賊たちを締め上げて黙らせながら、ボクは電伝虫でとある人に連絡を入れた。もうニュースを見てたんだろうその人は、すぐに出てくれた。

 

 「あ、ジンベエさん?ボクです、ウル!」

 

 『なんじゃ、ウルか。スマンがわしは今忙しいんじゃ。商品の勧めならちっとばかし待ってもらえんかのお』

 

 「今回はそうじゃなくて、アーロンのことでちょっとね。ちょうど東の海にいて、会ってきたの」

 

 『―――なんだと?ウル、どういうことじゃ』

 

 電話口で優しい声でやんわりと切ろうとしていたジンベエさんの声が変わる。その声はなぜいの一番に自分に連絡しなかったのかという棘が含まれているように聞こえた。当然ながらそこはボクの落ち度だけど、今偉大なる航路にいる彼がこちらに来るまでには軽く10日はかかる。それよりもルフィさんの到着が早かった。それだけの話だ。

 

 「まあちょっとごたついててアーロンパークに行くことになって、それで色々アーロンがやらかしてたからジンベエさんの名前出して釘刺しちゃった。すぐ海軍本部に戻って連絡入れようとしたんだけどそれより先に……」

 

 『あのルーキーが倒した、ちゅうわけか。ウル、お前さんの判断は間違っとらん。いくらわしが魚人とはいえそっちに行くには時間がかかる、足止めを選んだのは正解じゃ。お前さんが謝るいわれはない』

 

 「ん、ありがとジンベエさん。お仲間は元気?」

 

 『当然じゃ。偉大なる航路をふらついてるくらいでどうにかなるわしらじゃないわい。それよりもお前さん何しとるんだ?妙に騒がしいようじゃが」

 

 「あ~、下のは海賊さんたち。お土産だよ~」

 

 『物騒な土産もあったもんじゃのお。お前さんが無事で何よりじゃわい。このまま海軍本部か、気を付けるんじゃな』

 

 「うんっ!ありがとジンベエさん!こんど美味しい果物持ってくね!後お酒も!」

 

 『おお!それは楽しみじゃ!お前さんが選ぶもんはうまいからのお!仲間にも伝えとこう、ではな!』

 

 がちゃ、と電伝虫が声で切れたことを知らせる。ボクは感謝の意を込めて電伝虫を撫でて、王の財宝の専用スペースに彼を安置した。時間が止まってるのか止まってないのかよくわかんないけどどうやら電伝虫をしまっておいても害はないらしい王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)、でも持ち主がいたらカタツムリ入れるとか絶対ブチギレ案件だよね。ボクは好きなんだけどな、ぬいぐるみみたいに抱っこできる大きさだし、野菜をあげると食べてくれたりしてペット感覚だ。糞の世話はあるけど。

 

 「あ、海賊さんたち~!今からスピードあげるから……死なないでね♡」

 

 「え!?まだ上がるのか!?」

 

 「やめろ!これ以上はしゃれにならねえ!」

 

 「せめて逆さまに吊るのやめてくれ!頭に血が上る!」

 

 「ではあてんしょんぷり~ず!当機はこれより超音速飛行にはいりま~す!5分ほどの空の旅をお楽しみください!」

 

 「「「「「うわあああああああああ!?!?!?」」」」」

 

 「あはははははは!!!」

 

 ボクの高笑いと一緒に天翔る王の御座(ヴィマーナ)は物理法則を無視した速度でマリンフォードに向けて進んでいった。あ、死なないように宝具で加護はかけてるよ?死なないだけだけどね!ボクに出会ったのが運の尽きさ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけでやってきましたマリンフォード!ぐったりと全員残らず気絶した海賊たちをぶら下げた天翔る王の御座(ヴィマーナ)が軍艦がずらりと並ぶ軍港にスピードを落として入港する。ざわざわとボクの事を知らない新兵が銃を構えたりしているが「正義」の文字が入ったコートを着用した上官にゲンコツで怒られてるや。ごめんね騒がせて!

 

 「あ!ウルちゃんだ!」

 

 「ほんとだっ!おーいウルちゃ~~ん!」

 

 「ウルちゃん!俺だっ!手を振ってくれ!」

 

 海軍って変な人が多いのかな?それとも子供が好きなだけ?明らかに変なテンションの人がいるからあれだけど、天の鎖(エルキドゥ)でぐるぐる巻きになった海賊がぽつぽつ目を覚まして周りに海軍が雁首揃えてるのを目にしてうなだれている。ボクは手を振ってくれる海兵たちに両手で大きく手を振り返して愛想を振りまいておく。愛想は大事だ、これで商談のチャンスが増えるのならば笑顔で手を振ることくらいなんてことない!

 

 「せいが出ますな、ウルさん」

 

 「あっTボーン大佐!」

 

 「はい。海賊たちは私たちが連行しましょう。しばし鎖を解くのはお待ちください」

 

 「うん!ありがと!じゃあお礼にこれ、あげるね!」

 

 「おお、これはかたじけない。部下の皆も喜ぶでしょう」

 

 ボクに優しく声を掛けてくれたのは船斬りTボーンことTボーン大佐。エニエスロビー編のゾロをして「強い」と言わせしめた剣豪だ。骸骨のようないで立ちで部下からも怖がられることもあるそうだけど、善人オブ善人という言葉が最も似合う人。当然ボクは怖がったりしない、むしろ大好きだ!この人に褒められるとあったかな気持ちになるから。ボクはTボーンさんと部下さんたち用のお土産のお菓子を王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から出して手渡す。それを受け取ってくれたTボーンさんはボクの頬にある大きな切り傷に気づいたらしい。心配そうにほっぺに触れてきた。

 

 「ウルさん、これは……」

 

 「あっこれ?これはアーロンの鼻ですぱっ!って!えへへ、魚人ってすごいね!鼻が刃物になるんだもん!」

 

 「えへへ、ではありません!すぐ医務室に行って手当を!」

 

 「えっ!?大袈裟ぁ~~~~!?」

 

 すぐさまボクを抱え上げたTボーンさんに医務室に転がり込むようにぶち込まれたボクは、結局大きなガーゼをほっぺに追加装備することになった。別にこんくらいなんてことないんだけどなあ。宝具や薬を使うレベルの怪我ってわけじゃないし、見た目多少痛々しいかもしれないけど海兵さんたちの方が大変そうじゃん?むぅ、なんか理不尽。

 

 医務室から戻る頃には海賊の連行はすっかり終わっていて、生きて届けたボクには懸賞金が丸々支払われた。ふふん、トータルで1000万行かなかったけどなんだかいいことした気分!さてさて、そろそろ開店しないとね!とボクは海軍の売店に顔を出した。ボクは海軍基地に行くたびに売店を借りて酒保の真似事のようなことをしているので分かってる人たちはもうすでに行列を作って待ってる。じゃ、出すもの出して、とシートのうえにどさどさどさ!といろんな海の商品を並べて営業スマイル!いらっしゃいませ~!

 

 「ウルちゃん!これくれ!」

 

 「はいはい500ベリー!」

 

 「俺はそれとこの酒とそのソーセージ!」

 

 「はい2000ベリー!」

 

 「ウルちゃん君をくれ!」

 

 「へんたいさんだ!」

 

 「「「てめえ何やってんだ!」」」

 

 いるところにはいるんだなあ、ボクの身体で興奮できちゃう人。こんなのが海軍にいて大丈夫なんだろうか?海賊にもいなかったぞボクをそういう目で見る人!うわっ!武装色の硬化で殴られてる!あれは痛い……へんたいさんも武装色使えるの!?うそぉ……世も末だあ……。むむ、いいなあ武装色、ワンチャン才能がないだけで使えたり……しないよねえ。とほほ……。へんたいさんが簀巻きにされて海に蹴り飛ばされるのを見ながらみんなが欲しいっていう商品を補充して売ってを繰り返してるとなんか騒がしい声がこっちに来た。

 

 「ガープ中将!センゴク元帥への報告が先です!」

 

 「ええい離さんか!孫に会いに行くだけじゃ!」

 

 「ウルちゃんはアンタの孫じゃないでしょ!」

 

 「孫みたいなもんじゃ!」

 

 あ、ガープさんだ!部下数十人に抱き着かれて引き留められてもなお部下を引っ張ってこちらにズカズカやってくる。なんでか知らないけどガープさんはボクの事を気に入ってくれたみたいで、確かに本当に孫のようにかわいがってはくれている。その愛情(と愛にまみれたゲンコツ)はこの今のボクにとっては温かいもので、まあ恥ずかしい話……ボクも彼が大好きなんだ。ここだけの話、ね。

 

 「ガープさん!」

 

 「じいちゃんと呼べ!ウルよ!元気にしてるようで何よりじゃ!ほれ再会のハグ!」

 

 「やだ!じーちゃんがハグしたらボク潰れちゃうよ!」

 

 「なぁにぃ!?まあ、そうじゃな!ぶわっはっはっは!」

 

 「「「「認めるんだ!?」」」」

 

 この人いろいろオーバーでホントに見てても話してても楽しい。いくつもの海賊団を潰してきたそのゲンコツを開いてニコニコとボクの頭を撫でてくれるガープさんに、ボクは彼だけのために見繕ったお土産を渡す。色んな島で見つけた特産おせんべいやあられのセットだ。それを渡すと彼は嬉しそうに袋をもって笑ってくれた。つられてボクも笑顔になる。

 

 「あ!そう言えばじーちゃん、ルフィさんとエースさんに会ったよ!二人ともとっても元気だった!」

 

 「ほんとか!?流石はわしの孫たちじゃ!」

 

 「「「「いやいやいやいやいや!!」」」」

 

 別にボクは海賊に接触して商売しようが怒られないし、ガープさんなんかはそんなことは気にしない質だ。だから堂々と身内である海賊、しかも一方は白ひげ海賊団の幹部の話をすることが出来るのだ!まあ普通に怒られたりはするんだけど、士気にかかわるとかなんとかで。

 

 でもやっぱりガープさんは自分の本当の孫たちのことはやっぱり気にしてたみたいでニュースによる伝聞じゃなくてボクからの話をとても聞きたがった。そうするとガープさんの副官さんがしびれを切らしたらしく

 

 「もういいでしょう!ガープ中将!センゴク元帥はカンカンですよ!」

 

 「別にいいじゃろう待たしておけば!あいつもわしのことは分かっとるわい!」

 

 「よくありません!」

 

 「あ!ボクセンゴクさんにもお土産持ってきたんだ!ねえじーちゃん、センゴクさんの所に行くならボクも行っていい?」

 

 「勿論じゃ!じゃ、いこうか!」

 

 このままじゃ梃子でも動かなさそうなので実際センゴクさんにお土産を持参してきたボクがガープさんを説得にかかると彼はコロッと態度を変えてボクを抱き上げて右肩に乗せてくれた。天翔る王の御座(ヴィマーナ)で高いところは体験してるけど、肩車も悪くないね。ごめんね今日は店じまい!お、へんたいさんがまるでトビウオのように海からジャンプして……顔面から地面に突き刺さった。武装色ってやっぱすごい!

 

 

 

 

 

 「で?モーガンに逃げられたと?お前がいながら?」

 

 「ぶわっはっはっは!!いやあ、東の海の海兵にしてはやるのお!一本取られたわい!」

 

 「モーガン元少佐は実の息子を人質にとり、逃走しました。現在の行方は不明です」

 

 「……そうか、報告ご苦労。ガープ!笑い事ではないのだぞ!」

 

 ……報告ってこんな適当でいいの?ガープさんが報告してるのは斧手のモーガンを取り逃がしてしまった話だ。そういえばモーガンってヘルメッポさんを人質にとってガープさんから逃げ切ったんだっけ?凄いなある意味、でガープさんのまじメンゴ☆とでも言わんばかりの態度にプルプル震えるモジャヘアーに丸眼鏡、三つ編み顎髭が特徴のセンゴク元帥ことセンゴクさん、この人胃が荒れてそうだよね。胃薬なんて一生味覚がなくなるやつくらいしか思いつかないなあ。流石にそれ渡すわけにはいかないし。

 

 「で、ウルは私に何か用なのか?」

 

 「あ、うん!ボクお土産持ってきたんだ!お茶とおかきのセットだよっ!センゴクさんおかき好きだったよね?それに合うお茶、選んでみたんだあ。えへへ……」

 

 「……ああ、有難く食べるよ。それと、頬はどうしたんだ?随分と大きなガーゼじゃないか」

 

 「みんなこれ気にするよね?海兵さんなら怪我なんてお隣さんでしょ?アーロンに鼻ですぱっ!ってされたの」

 

 ボクが両手いっぱいに抱えたおかきとお茶のセットをしわの寄った眉間をもみほぐした後にわざわざ立ってボクから直接受け取ってくれたセンゴクさん。ボクがほっぺに怪我をした経緯を話すとまた思いっきり眉間にしわができた。およ?とボクが考えているとセンゴクさんはボクのほっぺに手を当てる。すると、金色の優しい光がでて、ボクのガーゼの下にある傷を癒していく。センゴクさんの能力だ。

 

 「私たちが君に自由を与えているのは君が各支部に与える士気向上効果が大きいうえに君の力があまりにも有用だからだ。だが、君が自分から危険な場所に行くなら話が変わるぞ。新世界から最弱の海まであらゆる海を越えて商品をかき集められる商人など、希少すぎる。君は自分の希少さを自覚するべきだ」

 

 センゴクさんはため息をついてボクに訥々と諭してくれる。ボクは本来なら強制的に徴兵されてもおかしくはないらしい、懸賞金だってつくかもしれない。政府にとって、ボクの存在は都合が悪くなるかもしれないからだ。今現在ボクが自由なのはミホークさんとドフラミンゴさんのアドバイス通りに海軍に取り入ったから。

 

 末端の支部から徐々に、徐々に顔を売っていく。海軍のいろんなところでボクをアピールして、商人として有用だと証明した。海軍がボクを飼い殺しにしてただの倉庫と運搬役にするよりも自由に動かして士気向上に役立てたほうがいいと判断するように誘導……できたのかな?そこら辺はミホークさんとドフラミンゴさんとか七武海の人たちがやったから分かんない。でも七武海はボクが便利だって知ってるもんね、ばんざい!

 

 新世界に入りだしたのは結構最近だし、多分四皇とかには情報は行ってないんだろうけど、なんか海軍ではボクの知名度は高い。アイドルみたいな扱いされたりもする。ボクよりナイスバディなおねえさまが沢山いるじゃん?ちんちくりんはマスコット枠かな?とほり。

 

 釘を刺されてしゅん、となったボクだがセンゴクさんの言葉は正論だし返す言葉はないや。しょんぼりしたボクが帰ろうとするとセンゴクさんはボクを抱き上げて優しく言ってくれた

 

 「君が大きな怪我無くここに戻ってくれれば私は満足だ。無辜の市民を君臨し守る正義の砦、それがマリンフォードと海軍。君は自由に商売に励みなさい、君のことは私たちが守る」

 

 「うんっ!」

 

 センゴクさんの優しい言葉に元気を取り戻したボクは、彼に思いっきりハグしてお礼を言うのだった。




 今日の投稿はこれで終わりです。思ったんですけどガープさんを東の海に派遣してるってことは海軍本部もうちょっと本腰入れて東の海の海兵の実態調査してもおかしくない気がするんですよね。モーガンの件もありますし。

 まあそれでアーロンパークの建設を急ぐためにこうなったわけですが。端的に言えば主人公と麦わらの一味との接点が一つ欲しかったからの改編というわけです。

 ではでは次回もお楽しみに。感想評価よろしくお願いいたします。
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