ONE PIECE世界を旅する一般クソザコTSうっかり幼女商人 作:褐色幼女万歳
センゴクさんとガープさんと別れたボクはおっきなおっきな海軍本部内をえっちらおっちら進んでる。ちなみに緑のマントを上に羽織っている。これはロビンフッドこと緑茶さんの宝具
一応センゴクさんも見つかったら面倒っていうのは分かってくれてるのか隠してくれてるんだけどボク自身が見つかっちゃ世話ないので天竜人がいるところではこの宝具で姿を隠して移動しております。ふふんっ!ちゃんと考えてるボクかしこい!というわけでとあるドアの前にたどり着いたボクがノックをしていざ鎌倉!
「おんやぁ~?この気配は……ウルちゃんだねェ?わっしになにか用かい?」
「こんにちはボルサリーノさんっ!お願いされてた商品とお土産もってきたんだ!」
「おぉ~。そりゃご苦労様だねェ。怪我をして戻ってきたって聞いたけど、そういう様子ではないねェ」
「おお、さすがは光のボルサリーノさん!耳が早い!」
「うまくないよ~」
ひどい!ボクがノックして開けたのは海軍大将黄猿ことボルサリーノさんの部屋、彼に頼まれてた北の海で作られる味噌とシェリー酒を持ってきたのだ。あと、白ひげさんの縄張りだった夏島で仕入れたバナナ!ボルサリーノさんの好物だったはず、あとこれ!バナナマフィン!ボクが手作りしてラッピングした!ボルサリーノさんの机の上に味噌の小さな樽とバナナの房、あとラッピングされたバナナマフィンを置いた。
「マフィンはボクが作ったんだ!一応美味しくできてると思うけど、まずかったら捨ててもいいからね!あと夏島のバナナが入ったからサービスだよ!」
「これはこれは……嬉しいねェ。折角だ、わっしは休憩をとるよォ。ウルちゃん、付き合ってもらえるかい?」
「うんっ!お土産話沢山あるんだ!」
ボルサリーノさんが席を立って、来客用であろうソファと机にボクのマフィンを持っていってくれた。どうやら食べてくれるみたい!やった!ボルサリーノさんはあんまり感情を表に出さないけど、ふとした時に優しくしてくれる。天竜人に見つかりそうになった時とか、さりげなく大きな体でボクの事を隠してくれて
せっかくなのでボクがボルサリーノさんにコーヒーを淹れて、持っていく。出血サービスである!味は、どうなんだろ?ボクコーヒーブラックで飲めないし。苦すぎて涙が出てくるもん。子供舌だよ何が悪い!甘い物大好き!チョッパーとは話が合うかもね!ラッピングを解いたマフィンをボルサリーノさんは一口で食べちゃった!ボクの手のサイズだし、彼からしたらミニケーキなのかも。
「ん~、美味しいよォ。ウルちゃんは、確か新世界に行ってたんだってねェ。何か変わったことはあったかい?」
「むぅ~、色々あったんだけど……一番は白ひげさんに会ったこと!」
「四皇とかい?あ~、忠告しておくけど……カイドウとリンリンの所にはいくんじゃないよォ。わっしでも、助けるには骨だからねェ」
「……なんでボクが捕まる前提なの?」
「弱いからねェ」
「それ新世界基準だよね!?ねえ!?」
ボルサリーノさんにお土産話をしているとマフィンをぽいぽい口に放り込みながらも結構真面目なトーンで忠告してくれるのは嬉しいんだけど……ボクそんなに弱い?弱いか、覇気使えないし、一発当たれば落ちる紙装甲だし。たまに出そうとした宝具間違えるし。はい、弱いですごめんなさい。助けるには骨、と言われて助けてくれるんだ、とちょっと嬉しくなったのは内緒。
「そんな感じでボルサリーノさんったらひどいんだよクザンさん!……確かにボク弱いけど!」
「あらら……そりゃボルサリーノが言ってることが正しいぜウルちゃんよ」
「……そうかも。暫く新世界の方に行くのはやめるよ。気を取り直してはいっ!これご注文のシェリー酒!あとあと……コーヒー豆ね!こっちはお土産のバナナ!それとサービスのクッキー!ボクが焼いたんだ!」
「おお、ありがとさん。そこに置いといてくれ。あとで食う」
「は~い!」
ボルサリーノさんの休憩が終わったのでボクもボルサリーノさんと別れて今度は同じく海軍大将青キジことクザンさんの部屋にやってきた。いつも通りだらけてアイマスクを付けて眠っていて、ボクが入ってきても無反応だった。積みあがった未処理の書類のタワーが机を占領してたので商品を置けず、何とかしてクザンさんを起こしたのが現在です。
ボクの最終奥義、死者の目覚め(宝具ver)を受けても起きなかったクザンさんを結局ボクは何とかして体の上に上り揺らして起こそうとしたところクザンさんの口元がぷるぷる震えていてとっくに起きていたのにわざと無視してボクの反応を楽しんでいたことを悟ったボクが拗ねたら悪い悪いと頭を撫でてきたので寛大な心をもって許してあげたところだ!心の広いボクに感謝するといいよ!あと死者の目覚めはごめんなさい、まさか敵襲と勘違いされるとは思わなかったの。
結局ボクは馬乗りの体勢のままクザンさんの上で軽くポンポン跳ねながらボルサリーノさんに言われたことをクザンさんに告げ口して返り討ちを貰ったところだ。クザンさんはボクが来るたびにとある島のシェリー酒を注文してくれるので大将の中で一番のお得意様かもしれない。シェリー酒、ゼファー元大将の好きな酒だったよね、今はNEO海軍のことは全く情報がないのであるのかないのかもわかんないけど、クザンさんは思い出を大切にしているような気がして、なんかかっこよく思える。
「あ~、あれだ、あれ……なあ、ウルお前」
「知らないよ。ボクは見てない……ニコ・ロビンがどこにいるかなんてわかんない」
「そうか……」
聞かれる前にそう言って返す。悪魔の子、ニコ・ロビン。彼に初めて会って取引を続けてる時から彼に聞かれる賞金首の名前。ボクは彼女に会ったことないし、多分会わない。ルフィさんが彼女を救いだすまでは。親友の遺志を継いで彼女を見守ることを選択したクザンさんは、きっと彼女が今どこで何をしているかを知っている。知った上で敢えて、僕に尋ねてるのだ。
世界中を飛び回るボクの耳にオハラの生き残りである彼女の情報が届けばそれ即ちロビンさんが危ないということの証左なので、彼は情報収集を兼ねてボクに質問する。この賞金首の噂を聞いたか?と。ボクはそれについては嘘をつかずにきちんと答えるようにしている。真面目にボクに聞いてくれてるから、ボクも真面目に答える。それだけの話。
幸い、ボクはバロックワークスについては一切知らない。七武海としてのクロコダイルさんとは会ったことあるし、彼の葉巻を仕入れてるのはボクだからそれなりに交流はある。けどそれだけだ、彼は自分しか信用してないから、ボクも使いっぱしり程度の認識だと思う。実際ボクを通して犯罪に使いそうなものを仕入れたりはしてない。ダンスパウダーとかね、雨を降らせる宝具の方が手っ取り早いのは内緒。
「じゃ、質問は終わりだ。俺は寝る」
「お仕事、いいの?」
「いーんだよ、そろそろ眠いんじゃねーの?寝ちまいな」
「……うん」
朝から海賊を捕まえて、引き渡して動きまくったボク。実際この時間になると睡魔が襲ってくるのは事実だ。また眠るというクザンさんのお言葉に甘えてボクは
「んにゃ……ふわ」
「おきたか。クザンめ、わしに了解なく置いていきおって……」
「ぴゃっ!?サカズキさん!?」
「誰に見えるというんじゃァ」
「サカズキさん」
「ふん、口だけは達者じゃな」
カモメの鳴き声で目を覚ましたボクの耳に飛び込んできたのは、広島弁っぽい低い声。どうやらクザンさんに寝ている間に運ばれていたらしい。多分間抜け顔で大口開けていびきをかいていた女子力ゼロのボクを起こさず放っておいてくれたらしいこの人……海軍大将赤犬ことサカズキさんは目覚めたボクに威圧的な感じで当たってくる。
「おはよーございますサカズキさん!」
「今はもう夕方じゃァ。クザンから聞いとるが何かわしに用があるそうじゃな」
「あれ?ボククザンさんにサカズキさんのところ行くって言ってないよ?」
「やつはボルサリーノ、俺とくればわしの所にも行くでしょとぬかしておったわ。手短にすませぇ、時間は有限じゃ」
びしっ!と敬礼して挨拶を告げたらボクのふにょふにょ敬礼を手で直したサカズキさんにさっさと用件を言えと言われてしまったのでボクは
「えーと、これがお願いされてた銘柄の葉巻と、シェリー酒。それとおつまみのベーコンとサラミだよ。これお土産のバナナ!あと……おにぎり!」
「……受け取っとこう。ボルサリーノとクザンにも渡したのか」
「うん、バナナはみんな一緒で。ボルサリーノさんにはバナナマフィン、クザンさんにはクッキー!サカズキさん甘い物好きじゃなさそうだから鮭のおにぎりにしたんだぁ」
「よく人を見とるガキじゃわい。ああ、そうじゃ……白ひげと接触したと聞いた」
「あ、うん白ひげさん!凄い人だったよ!もう、大きいの!」
「貴様が自由でいられるのは貴様がまだ悪ではないからと自覚しろ。仮にわしが元帥だったらば……とっくのとうに貴様は軍属じゃァ。あまり海賊に関わるな。どんなことをしていようと悪は悪、海賊は敵。それを忘れるな」
ボクが白ひげさんのことを語ろうとする前に、そんなことはわしのほうが知っとるみたいな感じで遮られて釘を刺された。この人そういうこと言う割には七武海は肯定派なんだよね、必要悪ならコントロールできると思ってるのかな?ドレスローザの事を知識だけ知ってる身からしたらちょっとうーんってなるけど。ただ、悪の可能性でも摘み取る彼が、ボクを殺さないのはきっとまだボクに別の可能性があると思ってくれてるからなんだよね、信用してもらえてるって勝手に思ってるけどちょっと嬉しい。
「貴様のバッグも貴様が海軍の保護下にあることを証明するもの。常に見えるようにしておけ」
「やだ!そしたら商談のがしちゃう!」
「金より大事なことがあるじゃろうがァ!」
それは確かに。でもあのバッグはボクにとってこの世界で初めて人からもらった大事なものだ。でもさぁ?このバッグぱっと見で海軍のバッグなんてわかんないよ?まあボクの有用性を見出したのはサカズキさんが一番最初だから。だから、常に出しておくんじゃなくて大事にしまって必要な時に大切に長く使うって決めてるの!ビンビンに怒ったサカズキさんだけど耳タコのこの話を何度繰り返してもボクが頑固だと知っているのでこれ以上は言わないんだけど。
「全く、話は終わりじゃ……次は「サカズキ~~~!!買い物に行くから付き合うえ!」……ッチ」
ドカン!と超乱暴にドアが開けられた。サカズキさんはドアが動き出す一瞬前にボクに
「ん~?これはなんだえ?わちしが貰ってやるえ!感謝するえ!」
むぅぅ~~~!そのおにぎりはボクがサカズキさんのために握ったんであってお前に食わせるためじゃないんだぞっ!チャルロスはサカズキさんがすぐに食べようと思っていたのか机の上にそれだけ片さず置いてあったおにぎりを見つけ、手づかみで口に放り込んで食べてしまう。そして2,3回咀嚼した後盛大に米をまき散らしながら吐き出した。
「ぶぇ~~~!!!なんて安物だえ!わちしの高貴なる口を汚すなんて許さないえ!こうしてやるえ!サカズキ!あやまるえ!」
「…………申し訳ありません」
理不尽だ。チャルロスはボクが握ったおにぎりが口に合わなかったらしく、置いてあった残りのおにぎりを床に落として皿ごと踏んでぐちゃぐちゃにしだした。あ、折角サカズキさんに食べて欲しくて握ったのに……じわ、と目の端から滲んでいく。音を立てないように嗚咽はこらえて両手でぐしぐしと目を拭いた。
「シャボンディ諸島ですか……致し方ありません。お供いたしましょう、今から船を用意しますのでしばしお待ちを」
「はやくするえ!わちしの時間を無駄にすることは許さんえ!」
軍港を確認するためかサカズキさんが窓を開けて外を見る。その時見えた彼の手は、ボコボコとマグマになっていた。サッシが熱で溶けている。サカズキさんが外を確認し終えて……そうか、サカズキさん……ボクの逃げ道を作るためにわざと窓を開けてくれたんだ。窓の横に避けてくれたサカズキさんの前を通って、サンダルで浮いて窓の外に出る。去り際にサカズキさんの軍服のポッケの中に、クザンさんに渡したクッキー、ボクの分として取ってたやつを
サカズキさんの部屋から出る。また来たときは一番にサカズキさんの所に行こう。今度は邪魔されないように。
ウルちゃんくんは海軍の方たちから見ると、無防備、無力、無知の3拍子に次いでさらに無謀も追加されてるので結構心配されてます。お茶らけてる本人とはえらい違いだあ……
誰にでも懐く子犬みたいな感じですね。悪いやつにさらわれそう。
ではまた明日の更新にて。感想評価よろしくお願いいたします。