ジョジョの奇妙な冒険RTAお嬢様ですわよ〜!!   作:ファニファニですわ〜!

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プロローグってやつですわ〜!
「某嬢の奇妙な冒険RTA開始ですわよ!!」


 オレが【目覚めた】ときのお話を聞いてくれ。いや、スピリチュアルなやつじゃなく。この世の真理を理解したというか、悟ったというか…。だからスピリチュアルなやつじゃございませんわ!

 あ、やべ。……オホン。油断するとすぐ出てくるんだよな…。

 前置きはいいって?まあ最近の若い奴ってのはそういうの嫌がるよな…。年寄り臭いって?悪かったな。

 えっと…でなんだっけ?

 あ、そうそう。

 

 


 

 

 あれは霧がかった月の晩だった。

 

 


 

モハメド・アヴドゥル?」

「ええ」

()()()()()()()()()()って言った?」

「珍しい名前でもないでしょうに。そうです。わたしはモハメド・アヴドゥルです。それで…占いの続きをしても?」

「ごめんあそばせ。少々お待ちいただける?」

 

 カイロの夜、美しい星空のもとに広がる雑多な街の片隅。ハンハリーリ市場。霧のせいで灯りはぼんやりと曇り、どこもかしこもいかがわし気な雰囲気が広がっていましたわ。

 わたくしはホテルを抜け出して、ふとした思いつきで占い師に占いを頼みましたの。そこで、占い師の名前を聞いた途端に急に強烈な違和感に襲われましたの。そう。

 っていうかなんなんだこの口調は。え?わたくし?私?オレ?あれ?

 

 アレ?あれだよね。モハメド・アヴドゥルってジョジョにでてくるキャラだよね?

 

「………わたくしの名前ってなんですの?」

「さっきご自分で名乗ったでしょうに」

 アヴドゥルは不審そうな目でわたくしを……わたくしって。いやなんだよこの一人称。オレ?オレを見つめ、さっきオレの口から名乗った名前を言った。しかし、不思議と自分の名前とは思えない。

 

「……ふーーーーむ。なるほどですわ……」

「調子が悪いようなら、お代はよろしいのでホテルまでお送りしましょう。大通りのそばとはいえ一人ではやはり危険ですからな」

「いえ、結構ですの」

 

 オレは立ち上がろうとするアヴドゥルに手をかざし制した。

 

 そう。オレはなんでこんなフリッフリの服を着て、さらにはふわふわいい匂いを漂わせる髪の毛を結って、こんなふざけた口調でカイロの路地にいるんだよ?!

 オレは…オレは確か…何をしてたんだっけ?オレの本当の名前はなんだ?

 断片的に脳裏に浮かぶのは、漫画を読む手。それくらいだ。

 

 これをオタク的に解釈するならば…

 

「転生…」

「は?」

 

 いよいよオレと関わりたくなさそうなアヴドゥルが商売道具をかたそうとしている。このチャンスを逃してたまるか!突然のことでオレは混乱してるんだよ!

「ちょっとお待ちを!お待ちを!わたくしあなたにどうしてもお願いしたいことがありますのよ!」

「わたしは占い師ですよ?占い以外でお役に立てるとは思えませんな」

「違いますの!ええーっと…そのーー」

 アレ?アヴドゥルっていつ承太郎と会うんだっけ?今って何年ですの?!ど忘れしましたわ。

 でも少なくとも店を出してるってことはまだDIOがエジプトでアヴドゥルを勧誘してはいないはずだから…。

 

「アヴドゥルさん、わたくしを弟子にしてくださいませんか?!」

 

「弟子?」

 

「そーですのよ!えーと、占いのみならず。わたくしなんていうか特別な能力みたいなのがありますの!そばになんかいるっていうか念能力っていうか…サイキック。そうですの!そういったたぐいのものをあなたにも感じるんですのよ!!」

「サイキックですか。やれやれ、突然言われても…困りましたな」

「もちろん報酬はお支払いしますわ!ええ。そうだ!わたくしってお金持ちなんですのよ」

 

 そう。とっさのことでど忘れていたがオレはこの世界ではなんかすげーお金持ちだ!だからなのか?!このお嬢様口調は!!オレは家族とバカンス真っ最中だ。弟子入りなんてするタイミングじゃない、が今この場で好きな漫画の世界に関わるチャンスをふいにするわけには行かないだろ!

 

「お金の問題ではありません」

 

 アヴドゥルは冷静に言った。

 

「あなた、さきほど特別な能力と言いましたな。それでは今その力を使ってみてはくれませんか」

「え……えーと……」

 

 さっきはとっさの思いつきで口からでまかせを言ったが、よくよく考えるとオレ、スタンドなんてこれまでのお嬢様人生で使ったことなくない?

 

「ん……んーーっ!!……おかしいですわね。今日はちょっと調子悪いかもしれませんわね」

「……なるほど。では今、なにか変わったものは見えませんか?」

 アヴドゥルはじっとオレを観察する。その眼光の鋭さに思わずたじろぎそうになる。変わったものなんて見えない。だがこの感じ、ハンターハンターのあれと同じ感じがする。仕事紹介所のアレだよアレ。

 

「えっと…か、感じますわー!めっちゃ……炎のように熱い何かを!」

「なるほど………もういいですよ」

「えっ。いやもうちょっと待てば多分いけますわ!」

「いえ、残念ながら私では力にはなれません。特別な能力というのも…まあそういうのを感じる時期なのかもしれませんな。若いときはよくあるもんです」

「そ……そんな………!」

 

 嘘。そんなことある?普通こういうのって見えるよね…?

 

「お引き取りください」

 

 こんなところで…転生特典とかなにもなく無能力者として退場なんてことある?

 物語も始まってないのに?

 

「あ……あ…ありえませんわ」

 

「なんて?」

 

「あ……諦めませんわよーーー!!」

 

 オレは叫んだ。

 そして夜の市場へ駆け出した。

 

 そしてオレはその日からジョジョの登場人物たる人間になるべく、お嬢様としての…この世界での自分を捨てエジプトにとどまることにした。

 そう、まだ希望は捨てていない!

 ここにいれば必ず好機は訪れる!

 そう、あのスタンドの矢をぶっ刺して生き残ればオレは舞台に上がれるはずですの!

 そして仲間ノーデス&最速でDIOをぶっ倒してやりますわ!!

「わたくしは……ッ!しぶといんですのォ〜〜!!」

 

 今世の名前は捨てた。前世の名前ももう思い出せない。

 

 今日からはいわば

 

 

 

 

某嬢の奇妙な冒険RTA開始ですわよ!!」

 

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