鉄血のオルフェンズ 次元を超えし出会い   作:五月雨☆。.:*・゜

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地球編
地球へ


 

 

 

先程の敵を倒したらアラートが鳴り響いた。前方から何かがかなりのスピードで迫って来ていたのだ。

カエデは軽くナイトメアを動かしてそれの進行上から動くがそれは弾丸のように宇宙を駆けて行くMSだったのだ。

それは真っ直ぐとバルバトスへと向かっていた。

 

 

「三日月!MSがそっちに向かったぞ!昭弘にシノ、私は三日月の援護に向かう!」

 

 

「わかった!残りは任せてくれ!」

 

 

グレイズを任せるとナイトメアの機動力の出力を上げ先程のMSを追いかけた。

追いかけながらカエデは「SS」の認証システムにペンダントを入れて先程のが何なのか解析させるが先程僅かに拾えたリアクターの反応を調べて見るとそれはガンダム・フレーム特有のツインリアクターであった事が明らかになったのだ。

 

 

「なるほど、ソロモンの72柱の1つか。」

 

 

バルバトスの元へと向かうが流石に時間の為かあれは既に三日月と交戦状態へと入っていた。

凄まじいスピードでバルバトスへと突進してはリアクターの慣性制御と複数のバーニアによる方向転換によって縦横無尽に飛び回りながらバルバトスへと槍を構えた突撃を繰り返していた。

 

 

「三日月、無事か!?」

 

 

「カエデ兄さん大丈夫だよ、でもこいつ速い……!!!」

 

 

三日月はなんとか滑空砲で狙ってみようとして見る余りにも早すぎるためにそれが出来ずにいた。

それどころか狙おうと足を止めればそこを狙われ巨大な槍を構えて突撃して初めての相手に三日月も手間取っていた。

 

 

「三日月、下がれ。久しぶりのアレの出番だな。行くぞ、ナイトメア!!」

 

 

ならば速度には速度で対抗しよう。

ナイトメアの「SS」を最大限に発揮しナイトメアのフルスピードを発動するカエデ。

カエデはフルスピードを維持しながらナイトメアは3機に分身してガンダム・フレーム、キマリスを追いかけていた。

圧倒的な速度だがナイトメアは3機は同等の速度に達するとキマリスの背後を取った。

 

 

「このガンダムフレーム キマリスの背後を取っただと!?それに1機だった筈なのに3機!?しかも3機共なんて速度だ!!」

 

 

「ナイトメアの特徴は高い攻撃力も魅力だが高い機動力も捨て難いからな。さぁ、分身イリュージョンの始まりだ。」

 

 

しかもその速度は加速していき3機の行動は同一ではなく、1機が正面から切り上げ、他の1機が横から杖型のハンマーを振り下ろし、もう1機が背後から杖型のハンマーをキマリスに目掛けて薙ぎ払った。

 

 

ナイトメアの3機分身でスピードが落ちてしまうキマリスは槍の矛先をナイトメアに向けようとしたがそこへバルバトスの滑空砲の弾丸が飛来し胸部を捉えられた。

 

 

「ぐぅ!!くそ汚らしい宇宙ネズミが!!」

 

 

「そのネズミに殺られるのはどんな気持ちだ?」

 

 

カエデは嫌味な言動を話しながらキマリスの各部へと杖型のハンマーを殴り込んで行く。

ナイトメアの3機分身を受け続けた事でナノラミネートアーマーが弱まってきているのを感じたのか離脱しようとするキマリスだが…。

 

 

カエデは懐のポケットから十字架のペンダントを取り出して認証システムの中に入れ必殺ファンクションを発動した。

 

 

「逃がさん!必殺ファンクション!! Ω エクスプローション!!」

 

 

ナイトメアは右手に杖型のハンマーを構え逃げようとするキマリスより高く飛び上がり杖型のハンマーにオレンジ色の光が集まりそのまま回転してキマリスに当たったが槍に防御され武器を落としたがキマリスはかなりのダメージが蓄積されていた。

 

 

だが武器である槍には目もくれずキマリスは一気に加速して後退して行くと同時に信号弾を放ち残った1機のグレイズと共に撤退していた。如何やらそれ以外のグレイズは昭弘とシノが仕留めたようだ。

 

 

「槍は使わんが戦利品として貰って置こうか。」

 

 

ギャラルホルンからの追撃を振り払った鉄華団、キマリスのスピードと攻撃には驚かされたがそのキマリス以上の速度で戦場を移動するナイトメアの影響からか三日月もそこまで驚かずに対応出来ていたらしい。

 

 

キマリスから奪取した大型の槍、グングニルは一応バルバトスの予備兵装とされる事になったが三日月本人曰く使い難いということでそのままタービンズの方で売却する事になった。

 

 

そもそもが加速による運動エネルギーと機体の質量を上乗せした突撃が本来の使用法らしく鉄華団ではそれを発揮出来る機体がいないというのが理由でもある。

 

 

「少しでも金になるのなら良いだろう。」

 

 

というキマリスから武器を奪ったカエデの言葉でこの件は終了となったのだ。

そしていよいよ鉄華団は地球へと降りる段階にまでやってきた。

 

 

このまま地球軌道上にある共同宇宙港にて降下船を借りてそれで地球へと降りる手筈になっていたのだがギャラルホルンに手を打たれてしまったのか借りるのを断れたと名瀬が困ったように呟いた。

恐らく先程の船が手を打ったのだろうが厄介な事をしてくれた物だ。

 

 

「何とかならないのでしょうか?名瀬さん」

 

 

「そういうなイシガシ。俺達も案内役として兄弟分として手を尽くしてるんだがな……。圏外圏じゃ天下なテイワズも地球圏では一企業に過ぎないからな……現在交渉中としか言えねぇなんだよ。」

 

 

名瀬も手を尽くしてくれているようだが状況は芳しくはないようだ。

自分達も何か手筈を考えた方が良いかもしれないと皆が考え込んでいる時にイシガシの代わりに臨時オペレーターのフミタンが声を上げた。

 

 

此方に接近してくれるエイハブウェーブを感知したとのこと。

再びギャラルホルンかと全員、身体を硬くするが接近してくる反応は一つだけとのこと。

あのギャラルホルンが1隻で来る事は考えにくいがそれなら何だと警戒を抱いているとその船から通信が来ていた。

 

 

「どうしますか…団長さん。受けますか?」

 

 

「カエデの兄貴、名瀬さん。良いっすか?」

 

 

「一応、話をする価値はあるかもな。」

 

 

「あぁ、受けてみろ」

 

 

「フミタンさん、正面に出してくれ!」

 

 

正面に投影されるモニターに全員が釘付けになる。

この状況で一体何が来るのかと身構えていると驚きの声が漏れてしまった。

映し出された先にあったのはくすんだ灰色の長髪と顔の上半分を金属の仮面のようなもので覆っている恐らく声からして男であった。

 

 

「いきなりの事で驚かせてしまって申し訳ありません。私はモンターク商会と申します。代表者とお話をしたいのですが…」

 

 

「鉄華団団長のオルガ・イツカだ、話ってのは何だ?」

 

 

「えぇ。実は一つ、鉄華団の皆様に商談がございまして…」

 

 

「モンターク商会?」

 

 

「えぇ、クランクさんとアインさんはご存知なのですか?」

 

 

「幾らか聞いた事があるな。確か100年続く地球の老舗という事ぐらいしか知らないが…」

 

 

格納ドックにてイシガシはナイトメアの整備を手伝いながら元ギャラルホルンの2人にモンターク商会について尋ねて見た。

 

 

だが得られる情報は大した事は無く老舗で貿易を主とした商会だという事ぐらいしか分からなかった。

それはカエデも名瀬も同様で怪しむところがない所が余計に怪しく思えていたのだ。

 

 

「カエデ様、モンターク商会はなんて言ってきたんですか?」

 

 

カエデはブリッジから格納ドックにいたイシガシ、クランク、アインの3人に先程の話をしていた。

 

 

「地球への降下船を使わせてやると…あとはクーデリア嬢の目的が達成された時にハーフメタルの利権に混ぜろだと…」

 

 

「成程……確かにあそこの利権を得たいと思っている連中は大量にいる。そこへ今の話で上手く滑り込もうという訳か。」

 

 

「しかしこれで地球に下りる算段は付いたという訳ですね」

 

 

「まぁな…(… あの男、モンタークという仮面の男からは何やら不愉快な物を感じたな…。)」

 

 

見えてきたのは前世でも来た美しい青の星地球、そして火星とは比べ者にならないほど美しく青い星。

 

 

豊富な命と自然に溢れている星を目指す鉄華団、それらを待ちうけるかのようにギャラルホルンは動いていた。

 

 

進路を阻むかのように展開している艦隊"地球外縁軌道統制統合艦隊"がその剣を掲げながら鉄華団へと瞳を向けていた。

その艦隊司令官はイシュー家の娘、カルタ・イシューは声を張り上げながら親衛隊に檄を飛ばした。

 

 

「我ら!!地球外縁軌道統制統合艦隊!!」

 

 

「面壁九年!!堅牢堅固!!」

 

 

長ったらしい上に超が付くほどの硬い言葉の連続だが言葉と共に発せられる親衛隊の覇気と士気は非常に高い。

何度も何度も訓練を積み重ね美しいとまでいえるほどの完璧な同一タイミングでの宣言にカルタは気分がよさそうに言葉を漏らしながら席に着いた。

 

 

「確認しました、奴らです!」

 

 

「停船信号、発信!」

 

 

鉄華団の存在を確認するとまずマニュアル通りに停戦信号を投げ掛ける。

これで止まってくれれば1番楽な事だがどうせ止まる事などのないとカルタは確信していた。

だからさっさと来い!撃沈してやるとやる気が十分だった。その思いに答えるかのように返答は無くカルタは改めて大声で命じた。

 

 

「鉄槌を下してやりなさい!!砲撃開始!!」

 

 

合計七隻の同時砲撃が開始される。

たった一隻も十分な火力があるというのにそれが七隻も揃っての砲撃、最早虐めや嬲り殺しにも等しい攻撃だが下賎な火星の人間が地球に下りようとしているのだから当たり前の報いだと内心で思いながら降り注いでいく砲撃の雨に撃たれていく船を見つめるカルタの瞳に爆散するような爆炎が見えたのだ。

 

 

「手応えのない事ね。」

 

 

「エイハブの反応増大!こ、これは反応が増えた!?」

 

 

「なに!?まさか……あいつら!?」

 

 

爆炎を突っ切るように飛び出したのは確かにイサリビであったがただのイサリビではない。

 

 

その前方にブルワーズの船を盾にするように設置し猛進し続けていた。砲撃の殆どはブルワーズの船で受け続けイサリビには殆ど損傷は無かった。

 

 

余りにも無茶苦茶で常識はずれな戦法に大声を張り上げて野蛮な事だとカルタは叫ぶがそれでも鉄華団は止まらない。

 

 

「くっそ!なんつう砲撃の雨だよ!」

 

 

「ブルワーズの船の装甲補強しといて正解だったなユージン!!」

 

 

「あたぼうよ!この鉄華団副団長のユージン様とカエデ兄さんの考えだぜ!!もっと深く突っ込むぞ!!!」

 

 

「「おおおおお!!!!」」

 

 

阿頼耶識によってイサリビとブルワーズの船を制御するユージンは常に多量の情報量の圧迫による苦痛を受けているのにも拘らずそれに耐えながら必死に操舵をしながら艦隊との距離をどんどん詰めた。

 

 

そしてもう艦隊が目と鼻の先という直前にまで来た時イサリビはブルワーズの船との連結を解除し進路を変更してブルワーズの船はそのまま真っ直ぐ艦隊へと真正面から突撃していた。

 

 

「カ、カルタ様!?ど、どちらに砲撃を!?」

 

 

「撃沈撃沈撃沈!!真正面から迫ってくる船から先に沈めなさい!!」

 

 

進路を変えた船も気になるが真っ直ぐと迫ってくる船の方が問題だと判断したカルタはそちらを優先するように指示した。

 

 

こちらとの距離がかなり迫った時に爆弾で自爆でもして道連にれされたらたまらないという判断から砲撃が集中していく船の装甲はどんどん抉れ穴が開けられた。

 

 

そして遂に最早スクラップと変わらなくなった時船が爆発炎上を起こしながら細かな金属片と共にナノラミネートアーマーにも使われる塗料が周囲一帯にばら撒かれた。

それが一帯を包んだ時地球外縁軌道統制統合艦隊の光学モニター、僚艦とのリンクが消失した。

 

 

「何事よ!!」

 

 

「これは……ナノミラーチャフです!!これでは目も耳も塞がれたも同然です!」

 

 

「そんなあれは実戦では通用しない物だろ!?」

 

 

「今使われているでしょうが!この程度で我らがうろたえるな!全艦に光信号で伝達、周囲にミサイルを自動信管で発射。

古臭いチャフを焼き払いなさい!」

 

 

一時はうろたえていたクルーもカルタの言葉を受け落ち着きを取り戻し的確な指示の元命令を実行して行く。

信号にて艦との連携を取りつつ周囲にミサイルをばら撒きチャフを焼いていく。

それによってセンサー類が回復し再びイサリビの位置の特定を急ごうとするが……

 

 

 

「行くぞお前ら!!」

 

 

「総員対ショック防御を!!」

 

 

カルタは対処に追われている間にイサリビは衛星軌道にあるグラズヘイムⅠへと特攻まがいの突撃を敢行した。

最大速度で突っ込んでいくイサリビはグラズヘイムⅠの外壁をガリガリと奥深く削りながらそのまま宇宙の彼方に逃げ出すかのように移動していくが特攻を受けたグラズヘイムⅠは炎を吹き出しながら地球へと落下しようとしていた。

 

 

「総員MS隊の発進!!その後グラズヘイムⅠの救助へと向かうのよ!!急ぎなさいよ!!鉄華団なんて手を使うの…!!」

 

 

その作戦を立てたのはカエデとイシガシの2人だった。

勿論作戦は成功、ユージン達がイサリビとブルワーズの船を囮にしその隙にモンターク商会が準備した降下船へと乗り込み一気に降下するという物だった。

 

 

極めて順調な物だっただがそれでもMS隊が此方を狙って向かってきた。

それを周囲で待機していたイサリビのMS部隊、ナイトメア達はその対応に向かう。

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