鉄血のオルフェンズ 次元を超えし出会い   作:五月雨☆。.:*・゜

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鉄華団の戦い

 

 

地上では巨人が軽い身のこなしで弾頭を避け一閃を受け流しカウンターの一撃を振りかざすがそれを焼き直しという名を持った家族の為に戦う悪魔が受け止めた。

鈍くも甲高い金属音が響く中に巨人の力に思わず驚いても必死に食らいつくがそれでも巨人の想像以上の力に舌打ちと怖気が止まらない。

 

 

「こいつなんて馬鹿力だっ……!!」

 

 

昭弘の駆るガンダム・グシオンリベイクは現行の他のフレームタイプMSとは違ったエイハブ・リアクターを2基並列稼働によって他とは一線を画した出力によるパワーを発揮出来るのにそれでも互角並の馬鹿力に驚愕を禁じえなかった。

 

 

「昭弘どけっ!!」

 

 

「シノッ!!」

 

 

リベイクの背後から飛び出した流星号はボディプレスを仕掛けるように飛びかかった。

横っ飛びをするような体勢のまま通常のグレイズリッターよりも二回りは巨大な機体。

グレイズリッターベルセルクの頭部を捉えるかのような斧が振るわれたがその頭部の一部が上下に開閉するとそのまま斧を受け止めるかのように閉ざされた。まるで生物の口のように…。

 

 

「なっ!?」

 

 

「無駄だ。私はカルタ様の為にこの身を悪魔に捧げ狂戦士となる事を誓ったのだ!!例え野蛮だと蔑まされようと私はお前達を倒しカルタ様の栄誉を守り続けるのだぁ!!」

 

 

「くそっ!!」

 

 

斧から手を離して頭部を足蹴りして離れる流星号を援護するようにリベイクはサブアームを展開し4本の腕でベルセルクの両腕両足を拘束した。

 

 

出力を最大にしながら全力の力で持って動きを封じようとするがそれを好機と見てキャプテン・トリトーン、トリトーン、漏影が近接戦闘を仕掛けようと一斉に武器を持って襲い掛かる。

幾らあの巨体でもリベイクの馬鹿力で抑え込まれては動けまいという判断からだったが甘かった。

 

 

「舐めるなぁぁぁぁっっっ!!!」

 

 

ベルセルクの背中のユニットから異形の物が姿を現した。それは機械の腕、新たな腕であった。4本の腕が展開してクランク達を同時に殴りつけたのだ。

 

 

それを見た昭弘は此方に超反応して殴りかかろうとするベルセルクから離れるためにサブアーム一本を犠牲にしながら後退したが今のあの姿は完全に異形の物。

ベルセルクの奥の手とも言えるサブアームを搭載したユニット。それを展開した姿は正しく阿修羅。

 

 

「クランクのおっさんたちは射撃重視で頼む!!ありゃ阿頼耶識じゃねえと捌き切れねぇ!!昭弘まだいけるか!?」

 

 

「あぁ、まだサブアームが一本逝っただけだ!まだ行ける!!」

 

 

それを聞いてシノは少し安心した。あの六本腕に対抗するのは間違いなく自分と昭弘だけなのだから。

三日月はキマリスを抑えてくれているがカエデとイシガシの話ではあれもバルバトスやグシオンと同じガンダムらしい。

 

 

なら今はそれに集中していて貰おうそれが一番だ。あれまで混ざっての乱戦なんて勘弁。そして今頭上では自分達以上に辛い戦いを強いられている兄達がいる。そんな兄達に負けないように自分達も気張られけばならない。

 

 

「おい昭弘、カエデ兄さんとイシガシ兄さんに良い所見せてやろうぜ!!俺達はカエデ兄さんとイシガシ兄さんの扱かれた鉄華団、こんな奴なんか負ける訳がねえ!!」

 

 

「当たり前だ!誰に行ってやがる!!」

 

 

「へへっ!だよな!んじゃ!」

 

 

「「行くぜ!!オラアァァァァァアアアアア!!!!」」

 

 

「くっ!こいつ!!!」

 

 

「今度こそ、お前が俺が倒す!!宇宙ネズミ!!!」

 

 

短い距離でも上手く加速してスピードを生み出して槍の威力に上乗せしてくるキマリスにバルバトスはやや苦戦を強いられていた。

 

 

今までの時よりもガンガン攻めてくるようになった上に今までとは全く違ったキマリスに三日月は戦いづらさを覚えていた。

脚部が変形し騎馬のような形に変化しキマリスは常にホバーしながら襲ってくる。

常に浮遊しているため受けた攻撃の衝撃を受け流しバルバトスのメイスの一撃を上手く殺していた。

 

 

「貴様らのような紛い物の阿頼耶識とは違った真の阿頼耶識となったカルタの部下達!俺もお前を討ちカルタの仇を討たせてもらう!!」

 

 

「知らないな。そんな事。」

 

 

嘗て奪われた槍の代わりに携えた巨大な槍、デストロイヤーランスを構えて突撃するキマリスに対抗するように同じく超重量級のメイスを構えたバルバトスは「SS」によって完璧な飛行を可能とした事を活かして機体を浮き上がらせてメイスを持ったままハンマー投げを行うかのように勢いよく回転し始めた時三日月は「SS」で出来た十字架と月のペンダントをバルバトスの認証システムにセットして必殺ファンクションを発動した。

 

 

「必殺ファンクション!!インパクトカイザー!!!」

 

 

バルバトスは回転しながらメイスを地面に叩きつけると底から火柱が上がり最高速に達したキマリスにクリンヒットすれば例えガンダム・フレームだろうと一溜まりも無い一撃をギリギリの所で回避しながら回転の勢いが乗った必殺ファンクションの一撃をキマリスに目掛けて全力で振りぬいた。

 

 

それをシールドで防御しようとするキマリスだが「SS」によって生まれた必殺ファンクションの一撃はシールドを一撃で粉砕しながらキマリスを吹き飛ばした。

 

 

必死に機体を制御して倒れこむのを防ぐガエリオ。騎兵形態だったのが功を奏したようだ。

だがさらに追い討ちをかけるかのように投擲されたメイスが機体を後ろ倒しにしてしまった。

流石の騎兵形態でもそれなりの質量が勢いよく飛んできてぶつかった場合受け止めきれない。

 

 

「今っ……!!」

 

 

三日月は倒れ込んだキマリスに構う事無くリベイクや流星号に襲い掛かっているベルセルクへと向かって行く。

キマリスに相手をしている暇など無いと言わんばかりの行動。それを支援するかのように一機のMSがバルバトスと後退するかのようにキマリスの前に立ち塞がりそのままその動きを拘束した。

 

 

「昭弘、シノ!!」

 

 

「三日月!?」

 

 

背後から迫ったバルバトスは最大出力で突入しながら太刀を構えてベルセルクの阿修羅の如き腕の2本を串刺しにしながら突進をかました。

 

 

「ぐぅぅぅぅ!!貴様、カルタ様を討った憎き悪魔か!!!!」

 

 

「誰?そいつ」

 

 

「貴様ぁぁぁぁカルタ様を!!カルタ様を侮辱するなぁぁぁぁっっ!!!!」

 

 

背中越しに刺さった太刀など気にも止めずにバルバトスを引き剥がそうと跳躍するとそのまま背中を地面に叩きつけようとしたが太刀を素早く引き抜いたバルバトスは脱出してベルセルクは一人で背中を強打しながら再び立ち上がった。

 

 

「昭弘にシノ、行ける?」

 

 

「あぁ、だいぶあいつの動きには慣れてきたぜ!あいつは動きが硬いから行けるぜ!」

 

 

「あぁ、今度こそあいつを仕留める!!」

 

 

「だが今度は俺達も接近戦を仕掛けさせてもらうぞ」

 

 

バルバトス、リベイク、流星号と並び立つようにジョーカー、キャプテン・トリトーン、トリトーン、漏影が立った。ジョーカーは赤い鎌で他は機体の手には近接武器を手にして三日月達と同じ立場で戦うという覚悟を示した。

 

 

「あんた達だけに美味しい所なんで上げないからね!」

 

 

「他のグレイズも片付けた。後はこいつらだけ…連携してやるよ!」

 

 

「アイン覚悟はいいな。阿頼耶識だとしても負けないところを見せてやるんだ!」

 

 

「はい!!アイン・ダルトンとして鉄華団の剣の一本として輝きを見せてやります!」

 

 

「カエデ様から此処を任されました…だからこそこの場は必ずや死守致します。 」

 

 

「へっ!おい昭弘に三日月、俺達ってカエデ兄さん、イシガシ兄さんにクランクのおっさんにアインさん、ラフタさんにアジーさん、良い大人ばっかりに恵まれてるな!」

 

 

「だな、さあ終わらせようぜ!!」

 

 

「うん、皆行こう!」

 

 

ベルセルクへと一斉に襲い掛かる鉄華団とタービンズのMS隊、連携し異形のグレイズへと一斉に向かっていた。

 

 

その上空では同じように激しい戦いが繰り広げられていた。それも同系の機体とたった一人…孤独な戦いを強いられているモノがいた。

 

 

「あんなに巨大なのに何でなんてスピードだ!!」

 

 

「魔術師、貴様は私がこの手で裁いてやる!!!」

 

 

ベルセルクと同型の機体、グレイズリッターJ。

両腕や肩に搭載されている多数の火砲による圧倒的な火力とその巨大でありながらナイトメアに迫るような速度を発揮する異常な敵に相手にカエデは立った一人でそれを抑えこんでいた。

 

 

こんな力を秘めている敵を既に1機相手取っている三日月達に向かわせれば確実に大きな被害出る。

弟分達にはこれ以上負担をかけられないからイシガシを三日月達の元に向かわせた。

ならば自分がその負担を追うしかないとナイトメアでタイマンを張っていた。

 

 

「魔術師ぃぃぃぃ!!!!」

 

 

「そんな激しいコールは要らん!!」

 

 

圧倒的な加速を見せながら突撃してくるグレイズリッターJに対して小回りを利かせながら背後を取って杖型のハンマーで殴るナイトメア。

 

 

普段の精密射撃をしている暇が無い。

兎に角相手の気を引き相手を仕留める気でやらなければならない。

 

 

「SS」モードを扱いながら相手の火砲に狙いを絞って行くが阿頼耶識特有の人間のような動きで回避していた。

本来人間には無い火砲すら自分の一部として感じているかのような動きに気持ち悪さすら覚えた。

 

 

「それならこれはどうだ!必殺ファンクション!!レインバレット!!!!」

 

 

直線的な機動に限定すればナイトメアとジョーカーすら凌駕する速度で迫ってくるグレイズリッターJ。

 

 

ただ直線的な動きに加えて阿頼耶識の人間的な動きがリズムを狂わせ予想外な運動性能を生み出していたのだ。

やり難そうにしながらカエデは「SS」の必殺ファンクションを発動した。

 

 

迫ってくるグレイズリッターJへと向けた銃。

必殺ファンクションを発動して銃の引き金を引くとレインバレットが発射されグレイズリッターJを狙うがそれをアクロバティックな動きで回避していた。

しかし必殺ファンクションは発動されたままビームが放たれ続けていた。

 

 

「まだだ!!」

 

 

コンクピットには銃内の温度が急上昇している事を知らせるアラームが鳴り響くがそれを強引に機体ごと動かすように銃身を動かすとビームが撓るように動き回避したはずのグレイズリッターJを飲み込んだのだ。

 

 

ナノラミネートアーマーが施されているグレイズリッターJにはダメージらしいダメージは無いなんて事は無い。

ビームの干渉を受けて爆発を起こして破壊されてカエデは圧倒的なグレイズリッターJの火力を激減させる事に成功した。

 

 

「貴様!!!!」

 

 

「まだ、足りないのか!?」

 

 

グレイズリッターJは怨嗟の叫びを撒き散らしながら狂ったかのように超スピードを発揮しながら接近して来た。

先程とは比べ物にならない速度、鬼神のような動きをするグレイズリッターJがナイトメアに迫る。

 

 

だがナイトメアは「SS」の必殺ファンクションのゲージが減った為にいつもの機動力が減少して分身なども不可能に近く動きが鈍った。そこを付け狙われ杖型のハンマーでガードするがナイトメアの胸部へとグレイズリッターJの拳が炸裂した。

 

 

「クッソが!!」

 

 

ナイトメアの胸部は一瞬で剥ぎとられてしまった。コンクピットにまで達した一撃は正面のモニターを割りコンクピットハッチを抉った。

 

 

それでバランスを崩して落下して行くナイトメア、カエデは必死にナイトメアを制御しなんとか墜落だけは避けるが抉られた装甲の隙間からは映像ではなく実際の景色が見えていた。

そしてあのグレイズリッターJもいた。

 

 

ギャラルホルンに付けられた二つ名…悪夢を魅せし幽霊の魔術師と呼ばれるナイトメアも自分もまだ戦えのだ。

 

 

「行くぞ!ナイトメア!私達の全力全開をあのギャラルホルンに見せ付けるのだ!!」

 

 

この世界に転生してからの付き合いで僅か10年連れ添った相棒に声を掛けた。

同時にその瞳が紅く輝くと出力を上げて悪夢を魅せし幽霊の魔術師、ナイトメアはグレイズリッターJに突撃して行く。

 

 

切れ目から入り込んでくる風の重圧が操作を鈍らせるがそんなカエデを気遣うように緊急用ハッチが作動し風を遮りつつ予備のモニターが灯った。まだまだナイトメアも死んではいない行けると確信した。

 

 

「まだ足掻くか!!ならこれで終わりだぁぁ!!」

 

 

まだ向かってくる魔術師に腹を立てたのかグレイズリッターJが肩と胸部装甲を開放した。

そこからは無数の弾丸が射出されていく。グレイズリッターJの最大の火力を誇る前面集中射撃形態、鉛弾の雨、それでもナイトメアは高い機動力は使えないが進み続けている。

ナイトメアの肩、脚部に被弾しても止まる事は無い。そして頭部の半分を吹き飛ばし瞳の光が露出するように見えても"悪夢を魅せし幽霊の魔術師"は止まらない。

 

 

「そこだ!!」

 

 

此方を仕留めようと最大限の武装を展開したのが誤りだった。握り締めたレバーに力を込めると杖型のハンマーで胸部の発射口を潰した。装甲を展開した事でナノラミネートアーマーが機能しない内側を晒す事になっているそこを狙ったのだ。

 

 

そして杖型のハンマーでそのまま同じポイントを幽霊のように出たり消えたりしながら殴り続けた。杖型のハンマーで殴り続けたことでグレイズリッターJは内部から焼かれていき苦悶の声が周囲から響いていた。

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