鉄血のオルフェンズ 次元を超えし出会い 作:五月雨☆。.:*・゜
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「一番隊聞こえるか?発進後リアクターと「SS」と出力は全開で採掘場まで行くぞ!飛ばせば直ぐに着ける筈だ!!」
「はい、カエデ様!」
「了解!それとカエデの兄貴、一番隊じゃなくて流星隊だぜ!!」
「流星隊って……」
「俺達そんな名前なのかよ……」
シノのそんな発言でダンテ達のテンションがやや下がりながらも出撃していくナイトメアとジョーカー達。
ナイトメア達は外に出ると同時にスターサファイア・ドライブよりに浮かび上がり一気に加速し空へと舞い上がって行った。
ナイトメアを先頭にジョーカー、流星号、獅電と続いていた。一直線に採掘場を目指して飛んで行く。
「ユージン3分、いや2分待っていろ!そうすれば我々は到着する!!」
「分かった!でも早く頼むぜ!!」
現地への連絡をしながらもカエデとイシガシの瞳にはまだ見えていない筈の採掘場近郊での戦いの灯火が見えるようだった。
ポツリポツリと明るく照らされていく死の光。それを拭う為にナイトメアは杖型のハンマー、ジョーカーは赤い鋭い鎌を手にし構える。
「行くぞ、お前達!!」
「はい!!」
「「「「おう!!」」」」
現場ではMW隊同士による激しい砲撃が行き交う中、遂に敵側のMSが姿を現した。
マン・ロディと違い機動性と汎用性を重視ていると思われるガルム・ロディが躍り出ては鉄華団のMW隊へと銃撃を行い始めた。MW同士とは違った死の恐怖が一気に襲い掛かってくる中それを払拭するように到着したシノ率いる流星隊とナイトメアとジョーカーは戦闘を開始した。
「オラァァァァッッ!!!!」
シノのパンドラ、いや流星号の左腕が唸りを上げた。その腕に装備されているのはビームダガーはプラズマを纏い高熱化し激しく音を立てていた。
敵をそれを危険と判断して後退しようとするがそれよりも早く加速してタックルを喰らわせるとそのまま転倒させ仰向けになったガルムの胸へとビームダガーを突き立てた。
高熱化したビームダガーはナノラミネートアーマーを突破して内部へと潜り込むと連続的に内部へと攻撃を打ち込み敵機を撃破した。
「シノの野郎、パンドラを上手く乗りこなしやがって羨ましいんだよ!!」
「全くだぜ、俺だって乗りたいのによぉぉ!!!」
負けじとダンテとデルマの獅電は互いに連携を取りながら敵を薙ぎ倒していた。
ダンテは相手の得物を破壊するとデルマが通り過ぎるように脚を払い体勢を崩しそこへダンテが一撃を加えて確実にコンクピットを潰していった。
確実かつ正確な連携で相手を倒す2人は次の敵へと向かうがその視界の端で自分達の背後を狙おうとした敵が空からの攻撃を受けて爆散するのが見えた。
「私の弟分達に手出しはさせん…」
「全くですね、カエデ様」
鉄華団の悪夢を魅せし幽霊の魔術師、魔術師の死神、悪魔と同じく恐れられている存在であるナイトメアとジョーカー。
どれだけ激しく動こうが狙われたが最後全身を殴り抜かれ動けなくなった所を必殺の一撃が襲う。
そんな噂は事実であり各部の間接を遠距離と近距離と高機動を両立させたまま殴りつけ鎌で切り付けて止めをさすナイトメアとジョーカー。
カエデとイシガシは酷く恐れられているがそれを討つ為に敵もかなりの戦力を投入しているらしい。
新たなリアクターの反応が8もあった。
「追加が来ましたね」
「見たいだな…相手も必死だな」
「おう!どんどん来やがれってんだ!!」
「おい!シノお前は阿頼耶識あるから良いだろうけどこっちはガスの消費とかきついんだぞ!!」
「そうだ!増援とかたまったもんじゃねえよ!!!?」
という声が響いた時、夜明けが訪れ始めた空から1機のMSが落下するように此方へと向かって来た。
片腕に得物を携えながら自分達へと向かってくる敵を全て薙ぎ払い潰す悪魔が翼を広げながら降臨したのだ。
天から地上に向けて銃口を向けながら降りてきたそれは瞳を輝かせ敵を睨み付けた。
「制御システム、スターサファイア・ドライブ、スラスター全開解除!!」
地上から敵へと喰い付くかのように飛びかかり1機のガルム・ロディへと得物を貫通させると顔を上げた悪魔はギラリと周囲を睨むと得物を構え、突撃しながら2人の兄に言葉をかけた。
「カエデ兄さん、イシガシ兄さん…ただいま」
「帰ってきたか、三日月」
「おかえりなさい、三日月」
鉄華団の魔術師、カエデ・ビットウェイ・オズロックと悪夢を魅せし幽霊の魔術師のナイトメア。
鉄華団の死神、イシガシ・ゴーラムと魔術師の死神のジョーカー。
鉄華団の悪魔、三日月・オーガス、そしてテイワズによって改修され生まれ変わったバルバトス・ルナ・ルプス。
いま、最強の戦力が敵へと襲い掛かった。
地上へと降り立った翼をバルバトスは折りたたむと地上を滑るかのように駆け抜けながら新たな獲物を喰らう為に動き始めた。
悪魔に睨まれ命の危険を感じ取った敵は発狂したかのように銃を乱射するが発射された銃弾を手にした細長い剣、ソードメイスで受けながらその反動と衝撃を利用しながら回転しその勢いでメイスをMSへと炸裂させて装甲をフレームごと歪ませるという圧倒的な破壊力を生む一撃を放った。
「な、何だよあれ……!?あんな簡単にMSを……!!?」
MWに乗っていたハッシュは呆然とするようにその光景を目に焼き付けていた。
突如、空から舞い降りてきた天使よりも遥かに慈悲も無くて目の前に立ち塞がる敵を屠り抉るだけの悪魔は次々と敵を狩って行った。正に悪魔のような狩人だ。
それを横で見ていたデインは思わず"バルバトスと三日月さんが帰ってきたんだ"と言う。
「み、三日月って何時も寝てるあの……!?」
「あぁ、間違い無い。見た目は変わってるけどバルバトスを動かせるのは三日月さんだけだ」
「あれが……」
戦いは何時の間にか一方的な殺戮へと転じていた。
先程まで攻められていて防衛していた筈の此方が何時の間にか相手を全滅させる為に身体を動かしていた。
それを見つめるハッシュは気付けば笑いを浮かべながらゾクゾクとした感覚が身体を突き抜けるのを感じながら背筋が熱くなっていた。
その力に憧れたのか…又はMSという存在が発揮する力に憧れたのかは分からないがハッシュは獰猛そうな笑いを浮かべ続けていた。
「これで最後っ…!」
「うわぁぁぁぁ!!!!」
気付けば最後の1機もバルバトスが殲滅したハーフメタル採掘場へと襲い掛かってきた敵MS部隊は壊滅していた。
それを目の当たりにした新入団員はその圧倒的な力に憧れたりその強すぎる力に震えたりと様々だったが悪魔たる三日月とその隣に降り立った魔術師と死神を見つめ続けていた。
戦闘も終了して本部へと戻ってきた。そこで襲ってきたのは"夜明けの地平線団"という大規模な海賊である事とそれを依頼した人物をイシガシとオルガが突き止めた。
オルガとイシガシはこれから如何するべきかと会議をしている間に戦闘によって出来た破損などの修繕作業に入っている中久しくドック内に入ったバルバトスを三日月は見上げながらエネルギーバーを啜っていた。そんな三日月へと雪之丞が近づいていく。
「んで如何だったよ。バルバトス・ルナ・ルプスの調子はよ」
「うーん……なんか今まで以上に出力とか機動性が上がってるのに凄い扱いやすい。なんか俺自身の身体?みたいに違和感なく動かせるよ」
「グシオンと同じくガンダム・フレームに対応する為の新型設計の「SS」搭載型だからな。小型化もされて燃費も良い…それでいて空を飛べるからな。」
「今までのMSの常識を完全にぶっ壊してるな。カエデの技術だった「SS」って代物は…」
こうなったのもカエデがテイワズにスターサファイア・ドライブの契約を結んだからである。
そのお陰かテイワズは圏外圏で更に勢力を伸ばしておりギャラルホルンの正規部隊ですら戦う事を恐れるようになっていた。
そんな中でも最も恐れられているのはダントツでカエデとイシガシと三日月だろう。三日月はバルバトスを見上げると背中から伸びている翼にも似ている機関が目に入った。
そこに新型「SS」が搭載されておりバルバトスの性能を底上げする結果となっている。
「ナイトメアとジョーカーの改修プランも考えても良いって言われて居るが……現状で満足しているからな。
パーツを新しいのに変えればそれだけで性能はある程度上がるから私とイシガシはそれで満足だ。」
「まぁ、ナイトメアとジョーカーは性能は良いからな。余り必要としてないって感じだな」
そんな世間話をしているとドックに2人の女性が入ってきた。その人物はクーデリアとフミタンであった。
「お久しぶりです三日月。エクセ姉様に雪之丞さんも」
「おう、久しぶりだな」
「久しぶり、なんかオルガと話してたんじゃないの?」
「はい。お嬢様……いえ私と社長は暫くの間、桜農場の方にて避難させていただく事になりましたのでその後挨拶にと」
「そうか、2年前みたいに一緒にいられるのか」
「はい、なんだか懐かしいですね」
しばらく世間話をして桜農場に向かうクーデリアをカエデは見送るとカエデはナイトメアとジョーカーの整備を開始する為に動き始めるのであった。
ナイトメアとジョーカーの整備と調整、補給要項などを纏めて団長補佐のビスケットに渡すと食堂に姿を現したカエデを皆が囲って自分達と一緒に食べようと誘ってくる子供達。
鉄華団の食堂は以前よりも大きく拡張されておりそこでは本格的な調理器具が揃っており何時でも美味しい食事を食べられるようになっているのだ。
そんな引き金となったのは「SS」の技術を提供した際の契約金や次々支払われるお金だった。
本部に残りながらオルガ達の帰りを待っていた皆にとってカエデの資金のお陰で美味しい食事が食べられるので更に人気が過熱する事になっていた。
「アトラ、今日の夕食はなんだ?」
「あ、カエデさん!お疲れ様です!えっとこの前、地球からのレシピで見たケバブって料理です!おっきなお肉からお肉を削いでそれを野菜と一緒にソースで食べるんですよ!」
「そうか、因みにどんなソースがあるんだ?」
「ヨーグルトとチリソースです、はいどうぞ!」
カエデはケバブを受け取って席に着くと早速ソースをかけようとするが手を伸ばそうとした瞬間、周囲の子供達や食事をしに来ていた雪之丞やヤマギ、デインや三日月までもが此方を見つめていた。
「なんだ?お前達、私を見ても何も無いぞ。」
「カエデ兄さんは何のソースを掛けるんですか?」
「まだ決めては居ないが…それがどうした?」
「だったらヨーグルトでしょ!!」
「チリソースで決まりだろ!!」
と一斉に声が上がった。
実はこのケバブの料理は…以前カエデが1人で仕事をして居ない時に昼食として出た際に大人気となったものらしいがその際に掛けるソースで派閥が出来てしまった。
辛くて元気が出て肉の旨みを引き出し食欲も増進するチリソース派と肉の臭みや油を旨みへと昇華させ後味のさっぱりさと酸っぱさが身体を癒すヨーグルト派が誕生しケバブが出る度に言い争いが生まれていた。
「カエデ兄さんならヨーグルトですよね!あんな奴らにケバブに対して冒涜に等しいソースなんて掛けませんよね」
「ヤマギ…顔が凄いことになってるぞ…」
「俺もヨーグルト派です!カエデ兄さん!試す価値はあると思いますよ。特に疲れてる時なんか堪りませんから」
「デイン、お前もか…」
「うっす!」
心なしか普段会話する時よりも饒舌になっているデイン。
カエデはヨーグルトも悪くないと思って手を伸ばそうとするがそれを三日月が止めたのだ。
「ケバブはチリだよ。身体が暖かくなって元気が出るんだ。それにこれならチリが鉄板」
「はぁ、三日月はそっち派か……」
「そうだぜ!カエデ。このピリリとしたのが肉と絶妙にあってな。特に体力を使う俺達に取っちゃ最高の栄養食みたいなもんだぜ!」
「おやっさん…あんたもか…」
「兎に角試してみてよ、カエデ兄さん」
大好きな兄に自分の好きな味を試して欲しいと三日月は親切心からチリソースを掛けようとソースを手に取った。だがそれに負けじとヤマギもヨーグルトソースを手に取った。
「待ってください三日月、カエデ兄さんには白くて優しいヨーグルトです」
「チリ!!」
「ヨーグルト!!」
「チリだってば!!」
「カエデ兄さんまで邪道に落とす気ですか!!幾らなんでもそれは見逃せません!!」
「それ味が弱いから強いカエデ兄さんには似合わないよ」
カエデの皿の上で繰り広げられる小さな戦争、それらを周囲の子供達も応援するようにしていた。
カエデは争いで混ざってしまったヨーグルトソースとチリソースのケバブを覚悟を決めて食べたが結局素材の味はせずソースの味が口一杯に広がる結果となった。
「普通だったな…」
「おい、お前ら何やってんだ?ケバブにはガーリックマヨネーズに決まってんだろ!」
「ヨーグルトソースとチリソースも良いですがやはりケバブにはガーリックマヨネーズです。」
「イシガシ、お前もか…」
まさかの第三勢力のオルガとイシガシの登場に更に食堂は賑やかになった。
だがMSに乗せて欲しいとお願いしに来たハッシュはケバブ論争に巻き込まれてしまいカエデと一緒に延々とケバブのソースに付いて散々に語られるのであった。