鉄血のオルフェンズ 次元を超えし出会い 作:五月雨☆。.:*・゜
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翌日の夜遅く、カエデ様との書類仕事を終えたイシガシは部屋に戻ろうとしていた時に鳴り響いたサイレンと警報。
敵襲を知らせるそれを聞き、急いで外へと飛び出した。
空から落ちてくる光は次々と落ちては爆発と土煙を上げている。
こちらが出来ないような贅沢な絨毯爆撃をしてくる。
余程出撃をして来た軍隊は羽振りが良いらしい、その2割で良いから此方に欲しいと思いつつ通信機を取ると既に出動しているMW全機に繋いだ。
「皆さん、聞こえてますか?イシガシ・ゴーラムです。遠距離射撃で牽制しつつ相手を確認して下さい、無理は禁物ですからね。
三日月と昭弘はタイミングを見計らって飛び込み相手を引っ掻き回して下さい。直ぐにオルガも直ぐに来ます。あと少し耐えて下さい!」
『了解!!兄さん/兄貴!!』
少しうろたえていた3番組の少年達は、イシガシの指示が入ると一斉に顔が引き締まっていく。
一軍だけど信頼を置けているイシガシの指示を受けて少年達の顔に生気が吹き込まれていきすぐさま対処と攻撃が開始されていた。
そして確認された敵戦力がこの火星を支配していると言ってもいいギャラルホルンだと分かるとイシガシは顔を顰めた。
「(ギャラルホルン、彼等もファラムと同様に腐っているのか…戦争いや侵略と言うのか…まともな奴は居ないのか…ギリッ)」
イシガシは顔を歪ませて納得したくないが認めたくもない。
地球で絶対的な武力を以て武力を制す世界平和維持の為の暴力装置であるギャラルホルンならこんな豪勢な攻撃が出来る筈だ。
「(奴らの狙いはクーデリア・藍那・バーンスタインでしょう。しかし…彼女を捕まえる為に何故こんなにも大勢いるんですか…。)」
「イシガシの兄貴、遅れてすまねぇ!!此処からは俺が3番組の指示に入る!!」
「えぇ、此処はお願い致します。オルガ、してもギャラルホルンだとは…面倒ですね…」
その時、イシガシの耳に付けている青色のイヤーカフが光る。
このイヤーカフは通信機にもなっていてこの通信機を使う者はイシガシ以外には1人しか居ない。
そしてイヤーカフを触り画面を観続けるオルガ達を横目に心の中でその相手とテレパシーを会話する。
「(カエデ様、どうか致しましたか?)」
「(イシガシ、例のアレを出撃させる。オペレーターとして使われて居ない部屋で出撃準備に頼む)」
「(かしこまりました。お任せ下さいませ。カエデ様)オルガ、此処は任せますよ。」
「わかった。任せてくれ!」
オルガの返事を聞いてイシガシはこの場の指揮をオルガに一任すると駆け出していった。
オルガは3番組のリーダーとして3番組の戦力や強みを完璧に把握していからこそ団員達とも信頼が厚い彼になら此処は任せられる。
イシガシはそのまま使われなくなった部屋に着くと椅子に座りイヤーカフを触りながら現在火星で手に入れられるオペレーターの機材に電源を入れてカエデに通信しながら返答を待っていた。
その頃カエデは、昨日の夜イシガシがオルガと出くわした扉へと来るとパスワードを入力し中に飛び込む。
ライトが無い為に暗闇ではあるが、イクサル人には暗闇などは関係ない。
歩いていきカエデは目的地でスイッチを押すと内部の照明が付けられた。
そして照明に照らし出されるように魔術師が映し出された。
滑らかな装甲は黒く美しい光を放ちながら確固たる力を保持し続けていた。
カエデはそんな魔術師へとリフトを使って乗り込むと電源を入れると臨時のオペレーター室にいるイシガシの画像がコンクピットに映し出された。
リアクターが稼動し各部にカエデの持つエネルギーが魔術師に供給されていく。
静かな駆動音を掻き均しながらもそれは徐々に高まっていく。
そして魔術師の両目に光が灯った。
「イシガシ、タイミングを頼むぞ。」
「はい、かしこまりました。カエデ様」
カエデは両手のステックのスイッチを押すと機体の各部に繋がっていたケーブルが排除されていくと同時に機体頭上の隔壁が開いていった。
間違い無くイシガシのハッキングだろう。
そしてまるで魔術師は長い時間の出撃を喜んで居るのかも知れない。
「カエデ様、2番ゲートからの出撃の準備が完了致しました。いつでもどうぞ。」
「流石だな、イシガシ。カエデ・ビットウェイ・オズロック。ナイトメア、ギャラルホルンの奴らに悪夢を魅せてやれ!!」
スロットルを押し込みながらペダルを踏み込むと軽く膝を曲げながらジャンプするようにしながらカエデと愛機のナイトメアは一気に加速し通路を付き進んでいく。
直線の通路だが途中道が閉ざされていたが爆撃によって歪んでしまった為に開かなかった隔壁のようだがそんな事で自分は止まらない止まる訳には行かないのだ。
初めて出来た弟分達を見殺しには出来ない。
前世は人の命などはどうでもよかったがこの人生では無駄な犠牲は出したくは無いとカエデは思っていたのだ。
大切な弟分達、3番組を救うためにカエデとイシガシは道無き道を歩んで行くのだから。
所持していた杖型のハンマーに小さな光が集まり徐々に巨大な光なって一気に放つと歪んでいた隔壁は吹き飛び鈍く光を放っている空が見えると一気にナイトメアは高い機動力で加速し外に躍り出た。
「な、何だあれ!?」
「なんか飛び出して来た!?」
MWの中や補給を行っている少年達から声が漏れた。
空に躍り出たナイトメアは手に持っていた杖型のハンマーを背中に戻してまた背中に背負っていた銃をぐるぐると回してそれが止まると同時に先程登場したナイトメアに攻撃を仕掛けてきたギャラルホルンのMS、グレイズに向かって発砲した。
グレイズは銃弾を頭部に食らってよろめいて膝を突くがこちらを確認すると銃をMWに乗った子供達にに向けて撃って来た。
「(馬鹿者が、そんなものでナイトメアがやられるわけが無いだろう。)」
「やめろ!!そこには俺達の仲間が!!」
『よせ!ダンジ下がれ!!』
もう一体のグレイズは接近をしてしてきたダンジのMWをもっているライフルで破壊しようと砲塔を向けていた。
『ダンジ!!』
ノルバ・シノが叫んだ時、黒い機体が飛んできてグレイズのライフルを杖型のハンマーで投げ飛ばし遠くから撃ってきた弾丸を杖型のハンマーで回しながら弾丸を防いだ。
ダンジはすぐに後退をして命からがら助かった。
「な、なんだ!?」
「あの機体はなんだ!?」
オルガ達はいったいどこから攻撃が来たんだと思い見ているとグレイズに接触して蹴りを入れる黒い機体が現れた。
右手に持っている杖型のハンマーで放ったであろう攻撃で相手の武器を壊され蹴り倒されたグレイズに右手に持っていた杖型のハンマーでコクピットを殴りグレイズは動かなくなった。
二機のグレイズは突然として現れた黒い機体に驚いていた。
『そんな・・・・・・オーリス隊長がやられた。』
「・・・・・・オーリス・・・・・・アイン、お前は援護をしろ!!」
『りょ、了解です!!』
クランク・ゼントは部下であるアイン・ダルトンに援護をするように指示を出して自身はアックスで黒い機体に振り下ろす。
黒い機体はその高い機動力で瞬時に後ろに下がり杖型のハンマーを背中に戻してまた背中に隠していた2つの銃を抜いてグレイズに放った。
「く!!」
『クランク二尉!!ってなんだ!?』
アインは援護をしようとした時メイスが飛んできて自身の機体の右手が吹き飛ばされた。
「アイン!!」
クランクは一体何が起こったとみると基地の方から上空に飛びアインが搭乗をするグレイズを蹴り飛ばした白い機体が降りたった。
機体名はガンダムバルバトス・・・・・・搭乗をしているのは三日月・オーガスである。
彼は投げ飛ばしたメイスを拾ってアインが搭乗をするグレイズに構えている。
「(あれがソロモンの72柱の1つ、ガンダム・バルバトスか…)」
『おのれ・・・・・・』
アインは左手に持っているアックスで攻撃をする。
三日月はバルバトスのメイスで彼が振り下ろしたアックスを受け止めてから蹴りを入れてスラスターを起動させてある場所に向かう。
『何処に・・・・・・あれは撤退中の我が軍のMW部隊!!』
三日月が乗ったバルバトスはそちらに行きMW部隊を蹴散らした。
クランクは二機もこの基地にはMSがあるとは聞いていない。
だからこそ今相手をしている敵に今の自分たちでは勝てないと判断をして黒い機体に蹴りを入れてアインを助けるためにバルバトスにタックルをしてアインを回収をした。
「逃がすとでも思うの?」
「そこまでだ、三日月。相手のギャラルホルンは撤退をしている追い駆けても無駄だ。」
「その声…カエデ兄さん?」
バルバトスは黒い機体の方を見ていた。
3番隊のオルガ達もあの機体から自身らが慕っている兄のような人の声が聞こえてきたので驚いている。
彼らは帰投をして黒い機体も共に帰投をして膝をついて胸部のコクピットが開いた。
そこから縄を使って降り立つ少年、カエデ・ビットウェイ・オズロックが降り出来た。
「カエデの兄貴!何だよその機体てかMSは!?」
「この間、イシガシと話していただろう。私とイシガシの宝物であり私の愛機、ナイトメアだ。装備によって接近をして攻撃をしたり銃で攻撃したり出来る機体だ。」
『それに、三日月も大活躍でしたよ。休んで下さいね』
「イシガシ兄さんも居たんだ…うん…」
三日月は兄さん達の言葉にそんな嬉しさとは真逆にMS、バルバトスから受ける情報量の多さに三日月はいい加減に限界を迎えようとしていた。
そしてそんな2人の兄から"休んで良い"という言葉を受けると同時に三日月は意識を手放した。
「…お疲れ様、三日月。(イシガシ、ナイトメアを格納庫に収納してくれ)」
「(はい、かしこまりました。カエデ様)」
戦闘が終了しみんなが思わず身体から抜いてしまった時、皆の前にナイトメアが降り立った。
オルガからあれにはカエデが乗っているという通達があったが、本当なのか半信半疑だったのだ。
見た事もない未知の機体に思うのは命を助けてくれた恩義と未知という響きから来る恐怖心だったが、コクピットから縄のような物を掴んで降りてくるカエデの姿を見るとみんなは心から安心して幼い子達はカエデ駆け寄って来た。
「カエデ兄さん、本当にカエデ兄さんだ!!」
「オルガさんの言うとおりだったんだ!!」
「すっげえよ!これに乗ってたの兄さんだったんだ!」
カエデは幼い子供達の頭を撫ぜるがシノは羨ましそうにした。
「頭を撫ぜて欲しいのか?シノ」
「そ、そんな訳!」
しかし、シノは頭を撫ぜられる感覚がした。
シノはおそるおそる自分の後ろを見るとイシガシがいて彼の頭を撫ぜていた。
「良く頑張ったな、みんな。お前達が奮闘をしてくれたからこの基地を守ることができたんだ。私とイシガシはお前達を誇り思うぞ。イシガシ、一旦シノの頭を撫ぜるのは辞めて負傷者の収容と治療、MWの回収を始めるように指示を飛ばす。それから時間があればナイトメアの整備を頼んだ。バルバトスもおやっさんとやってくれ。」
「はい、カエデ様。」
「私は負傷者達の治療に当たる。頼んだぞ…」
カエデはそのまま負傷者の手当に向かう。
その時、オルガ達3番組は何かを話していた。