鉄血のオルフェンズ 次元を超えし出会い   作:五月雨☆。.:*・゜

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同盟とパーティ編
アリアンロッドとの同盟


 

 

 

「噂に名高き鉄華団、その団長に会えてこちらとしては光栄だ」

 

 

「そりゃどうも。俺としてもまさかのアリアンロッドの司令官が直接会いに来るなんて思いもしなかったからな。」

 

 

「はっはっは!驚いてくれたかな」

 

 

「正直、顎外れかけたがよ。」

 

 

鉄華団はその日、最も緊張する日を迎えていた。

鉄華団団長のオルガ(スーツ姿)と鉄華団相談役と相談役補佐役のであるカエデとイシガシ(和服姿)は共に宇宙へと上がるとギャラルホルン火星支部の宇宙ステーションにてその時を待ち続けていた。

 

 

そんな彼らへと姿を見せたのは月外縁軌道統合艦隊、通称 アリアンロッド艦隊の総司令官であるラスタル・エリオンと仮面を付けている謎の男、ヴィダールであった。

 

 

名瀬からラスタルが自分から望んだという鉄華団との会談、正式な物であった為に受けない訳にも行かず了承して日取りを決めた日だった。

 

 

オルガは隣に居るカエデと後ろにいるイシガシのおかげで辛うじて冷静を保っていたが内心は驚きと警戒心で飽和していた。

 

 

「それでそちらの青年は?オルガ団長の秘書ですかな?」

 

 

「初めまして、月外縁軌道統合艦隊、総司令官ラスタル・エリオン殿。私は鉄華団相談役兼教官を担当しております。カエデ・ビットウェイ・オズロックと申します。以後お見知りおきを」

 

 

「カエデ様と同じく、鉄華団相談役補佐兼教官を担当しております。イシガシ・ゴーラムと申します。ラスタル・エリオン殿」

 

 

「教官!こいつは驚いた。そして鉄華団の団員が酷く羨ましく思えますな。」

 

 

「本当にお上手ですね。」

 

 

ラスタル・エリオン、セブンスターズの一角であるエリオン家の現当主。ワイルドなままに残された髭と以下にも勇猛そうな顔つきは相手に威圧感と共に一種の安心感のようなものを与えていた。

 

 

会談中だというのに口説くような言葉回しからすると見た目に違わず豪快な性格の男なのだろうという印象を受けた。

 

 

「んでそっちの……仮面の人は……?顔の傷でもあるんだったら聞いちゃ悪いが」

 

 

「すまない。とある事情からか外す訳には行かずにこのままで失礼する。名はヴィダールという。」

 

 

「そうか、なら気にしないでおくぜ。んで天下の月外縁軌道統合艦隊の司令官様が俺達火星の一企業になんの御話があるんですかね?」

 

 

何処かニヒルっぽく口を開いたオルガ。ハッキリ言って自分達はギャラルホルンとはこれ以上関わる気はなかった。

 

 

マクギリスからの勧誘を蹴った上にMAはギャラルホルンの力を借りる事もなく討伐する事に成功し無用な貸しを作らずに済んだ。

 

 

「(MAの覚醒自体はギャラルホルンの責任なのだからこちらに非はないだろうな、だがMAを掘り出したのは此方だけど……。)」

 

 

火星内での経営も軌道に乗り始め仕事も良い感じに入るようになってきてカエデとイシガシが目指す真っ当の仕事だけで運営して行く鉄華団が形になろうとしている所だった。

そんなオルガにラスタルはニヤリと笑った。

 

 

「一企業とは謙遜をするな。君達は伝説的なガンダム・フレームを3機所有している上にあのMAを討伐しているという。

既にその戦力は火星ではトップと言えるだろう。

ギャラルホルンの火星支部も君達と真正面から戦っても勝つ事は難しいだろう」

 

 

「ラスタル・エリオン殿。ですが我々達はこの力を使ってどこかに攻め込む気はないのです。あくまで自衛や防衛の為なのでご了承下さい。」

 

 

「分かっている。イシガシ・ゴーラムくん。そして君達はマクギリス・ファリドからの誘いを蹴った。故に今こうして会いに来ているのだ」

 

 

瞬間的にカエデの瞳が鋭くなった。

マクギリスが鉄華団と繋がっていたのは公然の秘密のようになってはいるが火星の王に関する事は完全な機密な筈。

それを知っている上で会談の申し出をしたという事はこちらも何かがあるという事になるだろう。

 

 

「それで私達に何を望む?ラスタル・エリオン殿。」

 

 

「そうだな。面倒な事な言い回しや理由は退屈だろうからな。ならば率直に言うとしよう。

我々月外縁軌道統合艦隊は君達鉄華団と協定を結びたいのだ。

 

 

その内容はアリアンロッドの火星圏及び地球との境における案内役兼顧問を鉄華団に委託したい」

 

 

「「「……はいっ!?」」」

 

 

思わず変な声を出したオルガとカエデとイシガシ。

思わず木星までぶっ飛びそうになるほどの衝撃に3人は顔を見合わせてしまった。

 

 

この男は今なんと言ったのだろうか!?鉄華団がアリアンロッドの案内役を請け負うと同時にその顧問になるという事だ。

 

 

「(前代未聞どころの話ではない。一体、我々に何のメリットがあるというのだろうか。)理由をお伺いしても?」

 

 

「あぁ、カエデくん。理由はいくつかあるのだ。

2年前より地球火星間では以前よりも宇宙海賊共が活発化している。

 

 

その影響はギャラルホルンが火星支部へと輸送する物資にまで手を出しているところもあってな。

 

 

唯の海賊なら対処の使用が出来るのだが奴らは阿頼耶識対応型のMSを大量に投入して来て被害も大きくなっているのだ。」

 

 

2年前と言えば鉄華団始まって依頼の大仕事でありクーデリアを地球へと送り届けるという仕事を行いそれを無事に達成した時の事を指されていたのだ。

 

 

「だが数なら上なんじゃねえのか?」

 

 

「数だけならな。しかし海賊共も馬鹿じゃない。

複数の組織が手を組み戦力確保した上で阿頼耶識対応型MSを大量投入されては幾ら数で上回っても押され気味になるのだ。」

 

 

そう言われると確かに納得できる所がある。

自分達は正にそれをやってのけていたのだからしかも自分達の場合は戦力は少なかったのにその乗り手が全員腕が良かった為に数で圧倒されても盛り返し押し返す事が出来ていた。

 

 

MSを操縦するのにタイムラグが発生せずに人間のような動きが出来る阿頼耶識対応型は普通のギャラルホルンのMS乗りからしたら厄介な事でこの上ないのであった。

 

 

「蛇の道は蛇、茨の道は茨、阿頼耶識の強さを最も把握している者達に協力してもらうのが一番だと考えた結果が君達鉄華団にこの話を持ちかけたという訳だ」

 

 

「成程……詰る所それを受けた場合はギャラルホルンの輸送船を護衛に軍事演習の参加協力とかになるってことか?」

 

 

「その通りだ。カエデくん頭も切れるとはますます羨ましい。この件についてテイワズのトップ、マクマード・バリストンからは鉄華団の許可があれば良いと言われているのだ。」

 

 

「親父が!?」

 

 

「…手回しが早いですね…流石はマフィア。」

 

 

オルガが断ろうとした親父に確認して見ないという事を先に封じられてしまった。

加えてマクマードからは合法的な商売になるんだから良いだろうと加えてお前達が表に出て動けば裏に輸送依頼が多くなって利益が大きいとの事だった。

 

 

「……」

 

 

「勿論、鉄華団の案内役という便宜は通常の業務でも使っても構わない。民間企業が地球へと行きたいと言えばアリアドネを使用してもらって構わない」

 

 

「随分と高待遇過ぎないか?ラスタル・エリオン殿」

 

 

「あぁ、裏があるとしか思えない」

 

 

「……フッ、流石に分かるか」

 

 

やはり何かあるかとオルガは身体を硬くした。

 

 

「来る時に備えた布石とでも言えば良いかな。近々起こる大きな戦いに備えて鉄華団にはアリアンロッド側に回って貰いたいのだ。」

 

 

「でかい戦い……?」

 

 

「それはどういうことでしょう?」

 

 

「あぁ、ギャラルホルンを…いや地球と火星を巻き込んだ大きな戦いになるだろう。その為にだ。」

 

 

それを聞いてカエデが真っ先に連想したのはマクギリス、あの男の事だった。

常々話していたギャラルホルン改革の話、腐敗したギャラルホルンを変えたいというあの男が出てきた。

 

 

しかしこうしてアリアンロッドの司令官が出てきている以上マクギリスが何か大きな事を起こすのだろうというのは明らかだった。間違い無い事なのだろう。

 

 

「俺達は、鉄華団は降りかかってきた火の粉を払う為に戦う。それで良いか」

 

 

「十分だ!ではこれで成立だな、オルガ・イツカ団長、相談役カエデ・ビットウェイ・オズロック、相談役補佐イシガシ・ゴーラム」

 

 

満足げに笑いながら豪快な笑みを浮かべるラスタル。

先程まで冷徹な武人のようだったのに陽気なおっさんのように見えてオルガは若干この男の事が分からなくなってきたが決めた。

自分達は真っ当になって平和に暮らしていく為にアリアンロッドと組むと…。

 

 

「あぁ、宜しく頼むぜラスタル・エリオン」

 

 

「よろしく頼みたい、ラスタル・エリオン殿」

 

 

「よろしくお願い致します、ラスタル・エリオン殿」

 

 

「うむ。では後日火星の鉄華団本部を訪ねよう。部下を連れていこう。そこで我々の協定を祝って焼肉パーティでもしよう」

 

 

「肉か……良いな、久しぶりに皆が喜ぶだろう」

 

 

「ヴィダールお前も強制参加だ!その仮面外せよ!!」

 

 

「いや、この仮面のままで出させてもらう」

 

 

「ですが食べられるのですか?」

 

 

「無問題だ。この仮面は口元の部分がスライドして開くようになっているからな」

 

 

「何だよ!その無駄なギミック!?」

 

 

本来とは別の道を進む事になった鉄華団だがオルガに後悔はなかった。きっとこれが家族を真っ当な仕事をする鉄華団に導いてやれる道だと信じている。

そう思いながら握手をするラスタルの手を強く握り返した。

 

 

「しかし、アリアンロッドとの事実上の同盟……よくもまぁ此処まで来たって感じだ。あの頃よりは…。」

 

 

「鉄華団が発足してまだ3年も経っていないだろう?それになのに此処までの急成長、ハッキリ言って傭兵団イクサルの代表としては羨ましいものがあるな」

 

 

「ですがフォボス、貴方だって鉄華団お抱えの傭兵団イクサル、ハーフメタルの採掘場は共同経営なんだからそっちも十分美味しいでしょう。」

 

 

「あぁ、事実ギャンブルに傭兵事業よりも儲かっているな」

 

 

カエデの執務室にて先日のラスタルとの会談の結果によって出来上がった鉄華団の成り上がりに付いて話し合うカエデとイシガシとフォボスの3人。

 

 

鉄華団だけではなくテイワズそのものを深くまで潤していく結果となり鉄華団のテイワズ内の評価が上がっていった。

他の組織からの妬みや悪意は更に大きくなっていく事だろうがその辺りの対処になれているフォボスも動いているので下手な手は取れないのだ。

 

 

「それとラスタル殿達が今回の事を祝って鉄華団の本部に顔を出して友好を深める為にやるパーティをやるがお前も出るか?」

 

 

「……すまないがその時は傭兵団イクサルの皆はギャンブル事情や傭兵団について会合があってな。恐らく俺以外の連中は出れないだろうな。」

 

 

「なんで貴方は出れるのですか?代表なのでは?フォボス」

 

 

「……ギャンブルにおいて俺はカモにしかならんからだそうだと団員が言っていた。」

 

 

「大穴ばかり賭けるからカモにされるのだ。昔ならば近づく者を破壊していたのにな。」

 

 

「そうだったな。」

 

 

「事務作業も上手くなっていましたから相当にファラムに仕込まれたのでしょうね?」

 

 

「良く分かったな。姫君はお転婆姫で上の貴族共は俺達の事を敵視していたからな。暗殺されても気にしない。元々そのつもりで"オズロック"お前の作戦に乗ったのだから。」

 

 

「そうだな、それにいまは私の事はカエデと呼べと言っているぞ。オズロックとは呼ぶな。」

 

 

実際、フォボスは経営者としては非常にやり手ではあるがギャンブルの一点に限っては全くもって駄目。

何でもの大穴の分の悪い賭けばかりをするので事業は成長するが自分自身は負け続けているという奇妙な事になっていた。

 

 

その影響かギャンブル事業に関わって大負けでもしたら困るからという理由で傭兵団イクサルの団員達から除外される扱いを受けておりカエデにも借金をしているのが現状であった。

 

 

「それでフォボス。何時返してくれるんだ?もうリアクター2基分位は貸しているが?」

 

 

「……」

 

 

「イシガシや傭兵団イクサルの売り上げで返すなよ?自分で働いた分の給金から出す事が条件だ。」

 

 

「貸しませんよ?フォボス」

 

 

「……分かっている」

 

 

フォボスは頭を抱えるがそのまま立ち上がった。

 

 

「そろそろ、アキレスD9が戻ってくる頃だ。見てくる」

 

 

「逃げたか……ナイトメアはどうなっていることやら」

 

 

「ジョーカーもですね」

 

 

鉄華団食堂

 

 

「ふぅ……これで受け入れ準備は完了だね」

 

 

汗を拭いながら空を見上げるビスケットと昭弘抜きのアルトランド兄弟達。

今日行われるアリアンロッドとの協定を祝してのパーティ。その為に外に発注し届いた道具を昌弘とデルマで運んだりとビスケットは忙しくも嬉しそうに働いていた。

 

 

漸く鉄華団の悲願とも言える真っ当な仕事のみでの事業に大きな一歩を踏み出せた。合法的なルートの使用許可に地球圏との大きなコネでこれを喜ばずにはいられない。

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