鉄血のオルフェンズ 次元を超えし出会い   作:五月雨☆。.:*・゜

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生贄の体験入団

 

 

鉄華団本部

 

 

「オラオラ!もっと気合入れて走れやがれってんだ!ちんたらしてっと倍増させっぞ!!」

 

 

「ク、クソ…こ、このイオク・クジャンがこんな火星の一企業の訓練で音を上げるなど有り得ない…!!」

 

 

「イオク様、もっとキリキリと走ってくださいませんか?もう周回に遅れが生じてますよ。それではお先に失礼します。」

 

 

「ま、まてジュリエッタ!私を見捨てるのか!?」

 

 

月外縁軌道統制統合艦隊、通称:アリアンロッドとの協定を結んだ鉄華団は火星と地球間における案内役兼顧問となった事により鉄華団の仕事はより真っ当な良い物へとなっていた。

 

 

アリアンロッドとの協定によって得られた信用は火星での地位を更に強固な物にしており火星では鉄華団に表だって文句を言うような連中を一掃していた。

 

 

その仕返しをしようにもアリアンロッドと通じてしまっている鉄華団に何かしようものなら即座にアリアンロッドにその事実が流れてしまうので結局何も出来ない事が発生していた。

 

 

急成長を続ける鉄華団を妬ましく思う連中から嫌がらせや奇襲などが問題となっていたのでそれがなくなった事に関してビスケットは大喜びしていた。

 

 

当初こそ未だ鉄華団を下に見るアリアンロッドとの人間との争いがあったがラスタルの懐刀と言われているジュリエッタが積極的に鉄華団との交流をしているのを見て自分の行いを見て改める事もしていた。

 

 

そんな鉄華団を潰そうと宇宙海賊達は徒党を組んでアリアンロッドの輸送船団を襲おうと躍起になるがそれらを潰す鉄華団も活躍して海賊達は歯痒い思いをしながら地球へと行く為にタービンズらの力を借りているという現実があってどうにも喜べない物があった。

 

 

「あぁっ……星が見えるぞ……」

 

 

「妙な事を言っているとシノさんにブッ飛ばされることになりますよ、イオク様」

 

 

「ジュリエッタ!?私はアリアンロッド所属でセブンスターズの人間だぞ!?」

 

 

「今は鉄華団の2週間の体験入団員ですよね?ラスタル様からも好きにしてくれて良いと言われてますから遠慮無しにやってきますよ、イオク様。

嫌だったらさっさとあと3週なので頑張ってきてください。でないと昼食を食べれませんよ」

 

 

そんな鉄華団にアリアンロッドの人間が出向して来ていたのだ。その人物とはイオク・クジャンとジュリエッタ・ジュリスであった。

 

 

元々はイオクのみであったのだが形だけではあるが護衛と連絡員として派遣されたジュリエッタだが本人は嫌々だったが鉄華団の美味しい食事の事を考えると悪くないと思っているらしい。

 

 

本来違う組織である筈なのにイオクが何故居るかと言えばMA迎撃戦においてそれを妨害するかのような攻撃を加えたイオクへの罰であった。

仇を討つなどと言いながらやったのはせっかく分断したMAとプルーマを再び合流させる事になりそうな危険な行為であった。

 

 

加えてそんな奴を助ける為に鉄華団にとっての兄貴分というべき存在であるカエデが傷ついてしまったのが一番許せない事であった。

そんなイオクへの罰を与える為にラスタルは鉄華団への2週間の出向を命じたのだ。

 

 

新たなに協定を結んだ組織との連携と友好を深める為に上の立場の物が率先してそれを実践するのだとラスタルから言われて意気揚々とイオクはやってきたが実際は怒りや恨みで今にも破裂しそうな場へ放り込まれただけだった。

出向してまだ3日、それなのにイオクはもうヘロヘロとなっていた。

 

 

「ゼエゼエ……」

 

 

「イオク様、もうへばっているんですか?午後からはMSの訓練だというのに暢気な物ですね」

 

 

「な、何故!お前はそんなに食欲があるのだ…!?」

 

 

「イオク様とは鍛え方が違いますから」

 

 

ちゃんとした正規訓練を受けているジュリエッタと違ってイオクはそのセブンスターズという圧倒的な名前によってアリアンロッドに入ってラスタルという"七光り"もあった為に一部隊の指揮官を任せられているがそれまでの過程が到底指揮官とは思えないような物なので肉体面も技術面も酷く未熟なのであった。

 

 

彼の機体であるレギンレイズの射撃仕様のカスタマイズも前に出したら直ぐに死にそうだからという理由からとジュリエッタは言っていた。

 

 

「三日月、今日のご飯は何ですか?」

 

 

「今日はケバブ。この間のパーティに出てたけど食べれなかったでしょ?鉄華団だと人気メニューなんだ」

 

 

「ケバブ……聞いた事がないですかきっと美味しいんでしょうね!」

 

 

「美味しいよ、きっとジュリエッタも気に入るよ」

 

 

食堂に入るとイオクに対して一斉にヘイトが集まる中にジュリエッタは無視して三日月に今日のメニューを聞いて一緒に食事を取りに行った。

 

 

イオクが早々に席に倒れこむように座ってゼエゼエと息を荒げているが鉄華団のメンバー全員、イオクの評価は最悪だがジュリエッタの評価は非常に高かった。

 

 

あのイオクの付き添いという事で全員警戒していたが普通のやり手のパイロットでなにより三日月とも仲が良いので全員が直ぐに打ち解けたのだ。

そんなジュリエッタはイオクの分も受け取り三日月と共に席に戻った。

 

 

「これがケバブですか……何やらサンドウィッチの一種のような感じですね」

 

 

「このソースを掛けるんだよ」

 

 

「2種類あるようですが…三日月、貴方のお勧めは何ですか?」

 

 

「赤い方のチリソース」

 

 

三日月のお勧めの赤い容器をジュリエッタは取りソースを掛けて頬張るとチリソースの辛味によって肉の旨みが高められた味に思わず感激して身体を震わせ三日月と硬い握手をした。

 

 

「三日月、貴方には感謝します。私は貴方という友人を持てた事を誇りに思います」

 

 

「やっぱり気が合うね。俺達」

 

 

そんな2人を他所にこっそりとヨーグルトソースを掛けて食べるイオクであったがこっちの方が美味いぞ!と大声を出してしまい三日月とジュリエッタから凄まじい眼光で睨み付けられて萎縮したまま食事をするのであった。

 

 

それを遠巻きに見つめているカエデは何とも言えない表情を浮かべるがオルガとフォボスにガードされていたてイシガシはイオクを睨んでいた。

 

 

「警戒を解くなとは言わないが少し離れてろ」

 

 

「「無理だ」」

 

 

「カエデ様、諦めて下さい。」

 

 

そのような事を話していると三日月とジュリエッタがカエデ達のテーブルに近付いてきた。

 

 

「どうした?三日月」

 

 

「ジュリエッタがカエデ兄さんに話があるって言うから連れて来たんだけど今良い?」

 

 

「あぁ、大丈夫だ。」

 

 

「失礼します、改めてアリアンロッド所属のMSパイロット、ジュリエッタ・ジュリスと申します。先日はMAの攻撃から彼処にいるイオク様を守って頂き感謝致します。本来ならば重い処罰を下す所をこのような訓練だけなど…」

 

 

「君もか、構わない。もう済んだことだ大した怪我もしてはいない。君が責任を負う必要も無いだろう。

アリアンロッド総司令官、ラスタル・エリオン殿からも謝罪をされたからな」

 

 

「ラスタル様から!?あっ、失礼しました。」

 

 

「ラスタル・エリオン殿から君は優秀なパイロットだと聞いていた。あのイオク・クシャンよりは期待しているさ。ジュリエッタ・ジュリス。」

 

 

「はい!勿論、期待していて下さい。三日月よりも戦果を挙げてみせますので!!」

 

 

「俺の方が戦果を挙げる予定だから観ててくれる?カエデ兄さん。」

 

 

「楽しみにしているぞ。2人共。」

 

 

「あと、すみません。貴方の事をお兄様とお呼びしても良いですか!?」

 

 

その言葉で食堂にいた全員はジュリエッタの方を見てイオクに至っては椅子から落ちていた。

 

 

「何処をどうすればそうなったのだ!?」

 

 

「実は先日にギャラルホルンで保管されていたとある映像をヴィダールに見せてもらったのがきっかけだったのです。」

 

 

その映像にはカエデの愛機ナイトメアが3体に分身していた映像だとジュリエッタは語った。

 

 

「その分身の映像を観てとても真似は出来ないMSの操縦だとひと目で分かりました。

だからこそ貴方を尊敬していますのでお兄様とお呼びしたいのです!!」

 

 

「尊敬されるのは良いが私のことをお兄様と呼ぶことをラスタル・エリオン殿は知っているのか?」

 

 

「ラスタル様は貴方が許可したら良いと返事を貰っていますので!」

 

 

「はぁ……分かった。許可しようだがあのイオク・クシャンから目を離さないのが条件だ。」

 

 

「はい!ありがとうございます。お兄様!」

 

 

ジュリエッタは嬉しそうに三日月を連れてイオクの元に向かうと思ったがケバブの方に向かった。

 

 

「良かったのか?カエデの兄貴。」

 

 

「仕方ないだろう。此処で断ったらラスタル・エリオン殿になんて言われるか分からないからな。それにお前達と歳は近い筈だから仲良く出来るだろう?」

 

 

「カエデの兄貴、無理しないでくれよ。」

 

 

「善処しよう。」

 

 

話に入らなかったイシガシとフォボスはずっとイオクの監視をしていたのだった。

その後、MSの訓練が始まったのだが……

 

 

「おい!クジャン!お前本当に一部隊の指揮官か!?全然なってねぇじゃねぇかよ!!基本から全部やり直しだ!!」

 

 

「な、何故!?私がこんな目に!?」

 

 

「大体、イオク様の自業自得です。三日月、次は私とお願いします」

 

 

「いいよ」

 

 

イオクが自分の駄目駄目さを全面的に押し出し徹底的に扱かれている中でジュリエッタは初めて扱う筈の獅電やパンドラを難なく使いこなして阿頼耶識無しの三日月と互角にやり合うという実力を発揮して鉄華団内での評価が更に上昇して年少組の子供達からもジュリ姉ちゃんと呼ばれるようになった。

 

 

「わ、私はこんな所で……(バタッ!!)」

 

 

「こんな所で寝るなんて良い度胸ね……来な!!模擬戦30本だ!!」

 

 

「さぁ、行くわよ!え~っと…ペニヤ・シャン!!」

 

 

「誰だ、それは!?」

 

 

「…イオク・クシャンですよ。ラフタさん」

 

 

「知らない、けどありがとう。イシガシくん」

 

 

MSの技術向上のために出向していたタービンズのアジーとラフタにも徹底的に扱かれてイシガシとのMSでは無く生身での模擬戦を行ったが徹底的にボコボコにされたイオクはグッスリと眠りについたがまだまだスケジュールは続きイオクは更なる地獄を見るのことであった。

 

 

月外縁軌道統制統合艦隊(別名:アリアンロッド)からやって来たイオクとそのお目付け役であるジュリエッタが鉄華団への体験入団をする事10日が過ぎた。

 

 

未だに扱きにひぃひぃ言いながら必死に身体を動かしているイオクに比べてジュリエッタは涼しい顔をしながら訓練を行い鉄華団の中でも人気が出ていたのだ。

 

 

「おい!ビスケット、アリアンロッドから送って貰った資料って何処にしまった!?」

 

 

「B-7だよ!急いでよオルガ!今度やる軍事演習の打ち合わせに必要な資料を作らないといけないんだからさ!もう鉄華団は小さな企業じゃないんだよ!?」

 

 

「分かってる!ビスケット!あぁ!!もうこんな時にカエデの兄貴とイシガシの兄貴もフォボスさんも戻ってきたMSで動けないなんて!!ったく今日はなんて日なんだよ!?」

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