鉄血のオルフェンズ 次元を超えし出会い   作:五月雨☆。.:*・゜

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宇宙に咲いた鉄の華

 

 

 

「チクショウ!! なんであっち側にギャラルホルン最大級のアリアンロッドがいやがるんだよ!! おかしいだろうが!!」

 

 

黄金のジャスレイ号のレーダーが捕捉した戦艦には鉄華団とタービンズ以外にもギャラルホルンのアリアンロッド戦艦も含まれていた。

 

 

ジャスレイはその事に驚きと怒りを隠すことが出来ずに船員にどういうことか調べるように命令するがエイハブ・リアクターが戦闘状況に入って稼働している今はまともに情報収集などできる訳もなかった。

 

 

「お、叔父貴、もうやべぇっすよ! !鉄華団とタービンズだけならともかく…ギャラルホルン、アリアンロッドを相手にするのは……!」

 

 

「うるせぇ!!んなことは分かってんだよ!!」

 

 

何故、自分達の方に付いている筈だったギャラルホルンが鉄華団やタービンズの味方をしているのか分からない上にジャスレイ本人にとって不条理な現実に歯ぎしりをしながらこの状況を打開するために再びセブンスターズのイオク・クジャンに連絡をとった。

 

 

「叔父貴! 繋がりやした!」

 

 

「よし、モニターに映せ!」

 

 

藁にもすがる思いであったのだが繋がったのであればまだ此方には勝機はあるとジャスレイ・ドノミコルスは思った。

 

 

セブンスターズのイオク・クジャンは浅知恵で物事を深く考えずに自らの感情に任せる正義感が強いだけのお坊ちゃまとジャスレイは聞いていた。

 

 

それを利用してこちらが一方的に襲われているからなんとかしてくれと涙ながらの演技で訴えれば一時的にではあるが鉄華団とタービンズと停戦に持ち込める筈だと考えたのだ。

しかし、ジャスレイ・ドノミコルスにとってその考えは浅はかな思考だった。

 

 

そして、モニターに映し出されたのは、若い肌黒の男性ではなくて白い肌に貫禄のある髭を生やした目付きの鋭い男性でその姿をジャスレイ・ドノミコルスは知っていた。

 

 

「やぁ、君とは初めましてになるのかな?ジャスレイ・ドノミコルス」

 

 

ギャラルホルン最大級の部隊、アリアンロッドの頭領であるラスタル・エリオンは僅かに微笑みながらジャスレイに挨拶をするがされた方は「な、なんであんたが……」と開いた口が塞がらなかった。

 

 

「いや何、私が以前世話になった青年が歳星でとある男からうちに来いと脅迫じみたヘットハンティングをされ掛けたと聞いてね。

 

 

私の親友やジュリエッタも彼を心配していてね。

それで職権乱用とまでは行かないが少し乱暴な手段で彼を脅迫じみたヘットハンティングしようとした愚かな人間を探していたのだがまさかジャスレイ・ドノミコルス、君だったとはね」

 

 

笑みは崩さずとも射るような視線は変えずに画面越しにジャスレイを見つめるラスタルは端的にジャスレイの罪状を読み上げて言った。

殺人、他の企業や海賊、陵辱した相手からの窃盗や不正取引に今回の脅迫未遂など……ジャスレイ自身が隠し通したと思っていた罪をひとつ残らず読み上げたラスタル・エリオン。

 

 

「な、なんでそれを……知って…」

 

 

「私も少し乱暴な手段を使ったと言っただろう?

まぁ、私はジュリエッタが君を殴打した後に命と生活の保証を約束しただけなんだがね」

 

 

脅迫して金で釣るつもりはあったがジャスレイにジュリエッタが殴り掛かってしまったのはしっかりと首輪をつけていなかったラスタル本人の落ち度の為に少し乱暴な手段と表現した。

 

 

だが、ジャスレイからすれば部下に手を噛まれてこの状況に立たされている為。

この場にいない部下で自分の秘密を知っている者を思い浮かべるもラスタルの言葉でその者への憎悪の言葉は断ち切られた。

 

 

「安心したまえ、ジャスレイ・ドノミコルス。私は君に対して手出しはしない。

それが君の部下との約束だからね」

 

 

「え、えっ……じ、じゃあ……た、助け……」

 

 

「まぁ、私はだがね」

 

 

助けを呼べると雲間に見えた光。

ラスタルの言葉にそれを見出したジャスレイは数時間ぶりに笑顔を浮かべるも肩肘をつきながらラスタルがこぼした言葉に身を強ばらせた。

 

 

「それからジャスレイ・ドノミコルス、ジュリエッタは許してやって欲しい。

尊敬している者が脅迫じみたヘットハンティングされたとしたらジュリエッタがあのようなことなるのは当然だからね」

 

 

「いや、おい、あんた……さっきの私は……って、どういう……意味……?」

 

 

「あぁ、私は一切何もしないが他の者達が君に危害を加えることに関しては目を瞑ろうということだよ」

 

 

それだけ言い残して通信を切ったラスタルにジャスレイの身体に再び恐怖が襲い掛かった。

 

 

通信が切れて目の前に映し出されているのは、MSの繰り広げる戦いでその中にはあれだけ大勢いた自分のMSと海賊共のMSがもはや数えられる程にまで減っていたのだ。

 

 

そこでジャスレイは最後の頼みの綱としてテイワズの代表、マクマードに連絡して繋がった瞬間に安堵の顔を浮かべながらマクマードへと命乞いをおこなった。

 

 

テイワズの代表のアンタの力で宇宙ネズミ達と女子供でなり上がる卑怯者と宇宙ネズミで構成された傭兵団を止めてくれないかと…。

 

 

「ジャスレイ、そいつは無理だな。自分で撒いた種だろうが…自分でなんとかしろ」

 

 

だが、そんな都合の良い話は無くてマクマードは愛刀である太刀を磨きながらそう返すと…そういえばと思い出したようにマクマードは画面越しにジャスレイを睨みながら言葉を放った。

 

 

「おめぇみたいな犯罪者の、義理とはいえ父親とは虫唾が走るんでな。

親子の盃はこっちで割らせてもらったぜ。

あとのことは、カエデとイシガシとフォボスとオルガに任せてあるんでな。ジャスレイ、命乞いするなら俺じゃなくてあっちにするんだな」

 

 

そうして切られた電話にジャスレイは硬直するがマクマードが最後の最後にかけてくれた情けに欠けてジャスレイは恥と知りながらも鉄華団の船へと回線を繋いでオルガの姿が映った。

 

 

「……なんだお前か、ジャスレイ・ドノミコルス」

 

 

「なんだ!宇宙ネズミ!その口の利き方は!?」

 

 

「落ち着いてくだせぇ!叔父貴!」

 

 

「……ッ!」

 

 

不敬にも見下げながら口を開いたオルガにジャスレイは噛み付こうとするかすぐさま部下達に止められて言葉を飲み込むとオルガへと命乞いを始めた。

 

 

もう自分への復讐は済んだだろう。あの時鉄華団の相談役をヘットハンティングしたのを謝るからと…。

だから、もうやめないかと…。

いくらでも金を出すと…。しかし、オルガはつまらなさそうに息を吐いた。

 

 

「あぁ、わかったよ。"俺"はアンタを殺さねぇよ」

 

 

「お、おう、そうか……なんだよ話が……」

 

 

いや待て…。こいつはなんと言った? "俺"はだと? このパターンは先程もあったようなと汗の雫が割れた顎から落ちると同時に、黄金のジャスレイ号の甲板に白いMSと黒いMSと白いガンダム・フレームが降り立ったのだ。

その3機の手にはジャスレイが贔屓にしていた海賊共の操るナイトフレームのMSの頭部が握られていた。

 

 

「……恐怖の魔術師がわざわざ悪夢を魅せに来たぞ。ジャスレイ・ドノミコルス」

 

 

「……は、はぁ? お、おい、なんかの冗談だろ!?」

 

 

どうしてその声がするんだとジャスレイは自らの耳を疑った。

部下に調べさせたカエデ・ビットウェイ・オズロックの機体は"白いMSに白と薄い緑色の斜め格子模様のマントと杖型のハンマーとのようなMSに乗っている姿から悪夢を魅せし幽霊の魔術師と呼ばれている"というのがあるというのを聞いたことを思い出だした。

 

 

「ま、まさか、ほ、ほんとに……悪夢の…魔術…師……」

 

 

そんなはずはないと思いながらもジャスレイの心には確信が生まれていた。

こいつは間違いなくカエデ・ビットウェイ・オズロックであると…。

杖型のハンマーを振りかぶったナイトメア・フィアーを見上げながらジャスレイは最期の命乞いを行った。

 

 

「わ、分かった!!お前らがすげえのはよく分かったよ!お前らがテイワズに入るのも認めるから! 鉄華団がハーフメタル採掘場の権利を得るのも認める!

な、名瀬がテイワズの若頭になるのも認めるからよ!

だっ、だから!い、命だけは!」

 

 

「貴方の言い訳などあのイオク・クシャンと同等なのですね。聞く価値がありませんね。カエデ様」

 

 

「早く潰さなくて良いの?カエデ兄さん」

 

 

「カエデ、お前の許可さえあればこいつの戦艦を俺は叩き潰すだけだ」

 

 

ジャスレイを見た事がある者たちからすれば考えられないほどの清々しいほどに惨めで生に縋りつこうとする命乞いに通信を聞いていたオルガ、イシガシ、フォボス、三日月は哀れや怒りに思いながらこの後にオルガは彼を襲う衝撃音を聞かなくても良いようにと通信を切った。

 

 

そして、ジャスレイ・ドノミコルスへと言い渡された"悪夢を魅せし幽霊の魔術師"改めて"恐怖の魔術師"ナイトメア・フィアーからの判決は…。

 

 

「それを決めるのはジャスレイ・ドノミコルス、貴様ではない。我々だ。」

 

 

その時、ナイトメア・フィアーの左右に2機のMSとガンダム・フレームが並び立って全員は「SS」の十字架のペンダントを「SS」の認証システムに入れて必殺ファンクション発動の準備を開始した。

 

 

「冥土の土産に見せてやろう、ジャスレイ・ドノミコルス。ナイトメア・フィアー!必殺ファンクション!デスサイズハリケーン!!」

 

 

「貴方は私や他の人達から様々な物を奪おうとした罪をその命で償うが良い。ジョーカー・フィアー!必殺ファンクション!デスサイズハリケーン!!」

 

 

「俺は正直、お前のことは何も知らないが鉄華団に手を出したのが運の尽きだったようだな。アキレスD9!必殺ファンクション!ソードピット!!」

 

 

「俺はカエデ兄さん達みたいに話のは苦手だからバイバイ、あんたとは二度と合わないことを願ってるよ。バルバトス・ルナ・ルプス・レクス!必殺ファンクション!Ωエクスプロモージョン!!」

 

 

ナイトメア・フィアー、ジョーカー・フィアー、アキレスD9、バルバトス・ルナ・ルプス・レクス、5機の必殺ファンクションが黄金のジャスレイ号に炸裂して最期の最後に信じてきた者、利用してきた者達、自分が恨み妬みを向けた者達からの正当で真っ当な判決で黄金のジャスレイ号は血のように赤い鉄の華を宇宙に上げたのだった。

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