鉄血のオルフェンズ 次元を超えし出会い   作:五月雨☆。.:*・゜

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鉄華団の辿り着いた場所

 

 

 

ジャスレイ・ドノミコルスと海賊共を討伐してから1週間が経っていた。その間はナイトメア・フィアーの整備や戦闘後の事務処理をオルガとイシガシとまとめ上げていたのだ。

 

 

「漸く、後処理が終わりそうだな」

 

 

「はい、お疲れ様でした。カエデ様。そういえばフォボスのことは聞きましたか?」

 

 

「あぁ、本人から聞いている。まだ我々鉄華団に手を出しそうな輩が居る可能性があるからしばらくは宇宙を漂って関係のある勢力を潰して来るとな…」

 

 

「えぇ、しかもハーフメタルの採掘に傭兵団の半分以上を鉄華団本部に置いて行くとは…」

 

 

「フォボスなりの信頼の証なのだろうな。まぁ、我々は生前からの仲間だからな」

 

 

「えぇ、そうですね。カエデ様、ではギャラルホルンの本部へと伺いますか?」

 

 

「あぁ、少し言いたいことがあるからな。」

 

 

これからの平和な世界を作る為にはマクギリス・ファリドとラスタル・エリオンの行動の1つに掛かっていたのだ。

 

 

しかし、マクギリス・ファリドに関してはカエデ、イシガシ、オルガ含む鉄華団とフォボス含む傭兵団イクサルの賛同が得られてない時点でラスタル・エリオンに勝つなんて夢の中の夢で無理なのだから。

 

 

ギャラルホルン本部

 

 

「おや?久しぶりだね。カエデ・ビットウェイ・オズロックくん、イシガシ・ゴーラムくん。鉄華団の相談役と補佐役の2人が来てくれるとは意外だな」

 

 

「そんなこと言うのならば、もっと意外そうな顔してくれませんかね?マクギリス・ファリド」

 

 

「はぁ、さっさと話し合いを終わらせて仕舞おうか。マクギリス・ファリド」

 

 

「2人して私の名前をフルネームで呼ぶのかい。

まぁ、良いだろう。それで?改めて私になんの用かね?」

 

 

「マクギリス・ファリド、単刀直入に聞くがアリアンロッド総司令官、ラスタル・エリオンとまだ争う気はあるのか?」

 

 

「……あるよ。けれど、カエデくんとイシガシくん、君達がこちらにつかない限りは無理そうだな。

2人が鉄華団を裏切らないと言う確信が私にはあるならね。」

 

 

「私とイシガシは鉄華団を裏切ることはこれからも来ることはない」

 

 

「えぇ、そしてマクギリス・ファリド、私とカエデ様が貴方に付くこともこれから先はないですよ」

 

 

しかし、私とイシガシがまた此処に来る時はヴィダール否ガエリオの行動次第だろう。

それにマクギリスからガエリオに喧嘩を売ることはないだろう。

 

 

「ならば、私とイシガシは此処で失礼しよう。」

 

 

「では、失礼致します。マクギリス・ファリド」

 

 

マクギリス・ファリドの秘書の痛い視線を受けながらカエデとイシガシはギャラルホルンのマクギリス・ファリドの部屋から退室した。

 

 

カエデとイシガシが出て行ったあとのマクギリス・ファリドの部屋では…。

 

 

「……なんだったのでしょうか、彼らは?」

 

 

マクギリスの秘書、石動の問いかけにマクギリスは明確に答える訳でもなくて使い慣れた微笑を浮かべて言葉を濁したのだ。

 

 

それで納得したわけではないのだろうが、こちらの意図を理解した秘書の石動は黙って「次の予定ですが」とタブレットを見ながら読み上げていった。

 

 

しかし、その声も今のマクギリス・ファリドには届いていなかった。

戦争のない平和な世界とまではいかないが生まれや育ちで性別に関係なく誰もが笑って暮らせる世界。

 

 

そんな世界がマクギリスの目標でたった1人の親友に誓った約束であった。アルミリアを幸せにするには、この腐ったギャラルホルンの社会を変革する必要があるとマクギリスは考えていた。

 

 

そのためには腐敗したギャラルホルンを変えて革命のシステムを1から作り替える必要があったのだ。

 

 

だが、敵対だけが変革の方法ではないことはカエデ・ビットウェイ・オズロックとイシガシ・ゴーラムに教えてもらった。

 

 

ラスタル・エリオンは目の上のたんこぶだが、彼との付き合い方さえ間違えなければこちらに仕掛けてくることもないだろう。

仕掛けてきたとしても何らかの形で鉄華団が介入してくるのだから意味が無いというのはラスタル・エリオン自身も既に理解しているだろう。

 

 

アグニカ・カイエルの愛機、ガンダム・バエルによる威光を示しての変革は残念なことに鉄華団の相談役と補佐役により却下されてしまった。

此処からは地道にアルミリアが幸せになれる世界を目指すしかないというわけだ。

 

 

けれども、2人との関係は継続して疎まれない程度にはせいぜい利用させてもらうとしよう。2人の周りには優秀な人材が揃いすぎているからな。

 

 

「それにしても、彼らはこれからどうするのかね」

 

 

「何か言いましたか?」

 

 

秘書の石動の問いかけに今度は「いや、何も無いよ」と答えてマクギリスは地平線から昇りゆく朝日を見ながら今日は早く帰ろうと仕事に手をつけたのだった。

 

 

その頃、2人はラスタル・エリオン陣営のアリアンロッドに来ていた。

着くと以前に会ったことあるような気がしてならないガラン・モッサと名乗る奴がいて話しかけて来た。

 

「やぁ、おつかれ。見事な活躍だったな」

 

 

「大したことではありませんでしたよ。所で…」

 

 

「ラスタル・エリオンに会いに来た。何処にいるか知っていたら教えろ」

 

 

「ん?ラスタルに会いに来たのか、ジュリエッタでは無くてか?」

 

 

カエデはため息を吐きながら答えを返した。

 

 

「ジュリエッタなら昨日に会ったら今日はあの愚か者の所に行って根性を鍛えて来ると言っていた」

 

 

「あぁ、ジュリエッタの奴…妙に張り切っていたのはその為か…ラスタルの奴なら整備場じゃないか?」

 

 

カエデとイシガシはガラン・モッサと共にアリアンロッドの整備場に向かった。

 

 

「ん? カエデくん、イシガシくんではないか!どうしたこんな所まで来て?」

 

 

レギンレイズやグレイズといったアリアンロッド艦隊が保有するMSがずらっと並べられていてそれを見上げながら話していたラスタル・エリオンがカエデとイシガシに気付きました。

 

 

それにつられてヴィダール否ガエリオもカエデとイシガシを振り向いた。

まぁ、本当はマクギリスの親友だったガエリオに用があったがカエデとイシガシとは画面越しで会っていたのだ。

要件が進まないのでカエデは改めてラスタル・エリオンにマクギリス・ファリドの話をした。

 

 

「なに?マクギリスに反乱や革命の動きはないだと?本当なのか?」

 

 

「えぇ、カエデ様と確かめましたから」

 

 

「ふむ……なるほど、君がマクギリスを止めてくれたわけか」

 

 

「あぁ、結果的には革命派の動きは分からんが…動いたとしても鉄華団には全てをねじ伏せる力の全てが集まってるので簡単に潰せるからな」

 

 

「待ってくれ!オズロック、それは事実なのか?」

 

 

「事実だ。ヴィダール、ガンダム・バエルの力だけで世界が変えれるなら戦争なんて起きることは無いのでは無いか?」

 

 

「ふっ、確かにそうだな。カエデ、イシガシよ」

 

 

カエデの話にラスタル・エリオンが失笑しているとヴィダールは「では、マクギリスの目的はなんだ?」とカエデとイシガシに訊いて来た。

 

 

「私は知るよしなどないので…」

 

 

「自分で訊けば良いだろう。ヴィダール」

 

 

そう話を返してカエデとイシガシの2人はアリアンロッドの陣営から出てイシガシが運転する車で鉄華団本部に向かった。

 

 

鉄華団本部はエドモントンの戦いで蒔苗の爺さんから得た報酬金や海賊退治による懸賞金。

格納庫などの一部施設の改修に加えて、桜農場やアドモス商会と提携して事業の拡大を行うなどして火星の産業に多く貢献していたのだ。

 

 

ハーフメタル採掘場の指揮も任された為に鉄華団と傭兵団イクサルの飛躍は止まる気はない…そんな飛躍を疎む者は必ずいるだろう。

 

 

けれども、今の鉄華団を此処まで団員達を引っ張ってきた団長、オルガ・イツカに彼の道を切り開いてきたMS遊撃隊長の三日月・オーガス。

鉄華団副団長のユージン・セブンスターク、参謀のビスケット・グリフォン、流星隊隊長のノルバ・シノ、筋肉隊隊長の昭弘・アルトランド、筋肉隊副隊長の昌弘・アルトランドなどの火星内でも知らない者など居ないくらいに有名となった。

 

 

CGS時代から教官として鉄華団の快進撃に貢献してきたカエデ・ビットウェイ・オズロックとイシガシ・ゴーラムはそんな彼らを冷静な判断能力・戦闘で支えてきた悪夢を魅せし幽霊の魔術師と魔術師の死神を擁する鉄華団に喧嘩を売ろうとする命知らずの企業は居ない筈だ。

 

 

噂では、セブンスターズ内でも巨大な兵力を持つアリアンロッド総司令のラスタル・エリオンや若いながらも地球外縁軌道統制統合艦隊を取り纏め洗練させたマクギリス・ファリドと繋がりがあった。

 

 

地球圏にまでその名を轟かせるマクマード・バリストンと革命の乙女と名高いクーデリア・藍那・バーンスタインなどと錚々たるメンバーとの繋がりがあるとされていた。

 

 

一度手を出せば死ぬまで追い詰められると言われているのだ。

最近は魔術師と死神にちょっかいをかけたその結果、とある企業の重役が揃って傭兵団イクサルに消されたという噂は既に周知の事実となって今や鉄華団に手を出そうとする者は皆無と言っても良かった。

 

 

そして、鉄華団をそこまでの仕上げた鉄華団の相談役と補佐役の帰還に…団長命令で団員全員で2人を迎えて他の団員よりも1歩前に出たオルガはすぅと息を吸い込んで言葉を紡いだ。

 

 

「これからも俺達を見守ってくれよな、そしてこれからも俺達を支えてくれよな、カエデの兄貴、イシガシの兄貴。」

 

 

オルガは団員を代表してアリアンロッドの陣営から帰って来たカエデとイシガシにそう言うと…言われた当人達は普段の無愛想な顔から僅かに表情を崩して微かに笑った。

 

 

「えぇ、これからもカエデ様と私は貴方達が道を間違えないように見守って続けますからね。オルガ、貴方にはまだまだ覚えて欲しいことがありますからね」

 

 

「あぁ、これから先をイシガシと共にいつまでも見守り続けよう。」

 

 

「そりゃねぇや…イシガシの兄貴。カエデの兄貴もありがとうな…」

 

 

カエデとイシガシの言葉に団員たちは口々に「おかえり!」や「見守ってくれ!」と言葉を発していた。

オルガはそんな温かい光景を見ながら微笑んでいると隣にこれまで連れ添ってきた相棒が立つ。

 

 

「ねぇ、オルガ」

 

 

「なんだ?ミカ」

 

 

「此処が俺達の辿り着くべき本当の居場所なの?」

 

 

「あぁ……そうさ」

 

 

ミカ、ビスケット、ユージン、昭弘、昌弘、シノ、おやっさん、メリビットさん、アトラ、ライド、ヤマギ、タカキ、ハッシュ、デイン、ザックがいるんだ。

地球に残っているビスケットの兄貴や昭弘と昌弘の義理の弟達。

 

 

「そして、カエデの兄貴、イシガシの兄貴が全員がいるこの場所が!!俺達鉄華団の辿り着くべき本当の居場所なんだ!」

 

 

きっと鉄華団にはこれからもっと多くの困難が襲いかかってくるだろう。

けれども、仲間達が居てまた困難なことが起きても今まで出会った人達の力を借りればきっとなんとかなると確信していた。

 

 

オルガにはそんな気がしていた。

無論、それは他の団員達も同じで三日月もまた火星ヤシを齧りながら「そうだね」とオルガの言うことに同意したのだ。

 

 

「何かあっても、カエデ兄さんとイシガシ兄さん達と考えれば大丈夫だよ。」

 

 

「……違いねぇな、ミカ」

 

 

そう言いながら顔を見合せた2人は大笑いした。

オルガはそれはもう高らかに…三日月もアトラですら見たことがないような楽しそうな笑顔で…。

 

 

それにつられてアトラが笑うとそれは周りの団員達にも伝線して大きなバカ笑いが生まれてカエデとイシガシもまた朗らかな笑顔で笑っていた。

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