鉄血のオルフェンズ 次元を超えし出会い 作:五月雨☆。.:*・゜
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クロノスの異空間では…。
「父さん達、町の住人から観光客が消えた滝の場所を聞いて向かってるな」
「あれ、なんで木の枝の上にいるの?」
映像を見ると空き地で声を張る子供達の姿が目に入った。
その話は川に引き込まれた人喰い妖怪の話だった。
「なんか、不気味な話だな」
「でも、人が引き込まれるって鬼しか出来ないんじゃ無いのかな?」
「ラフタさん、子供達が言ってた妖怪の説がありますよ。」
昭弘、ラフタ、昌弘は結論を出したが子供達が空き地から居なくなるとカエデと水無月は妖怪では無く鬼だと結論を出していた。
クロノスの異空間side終
その日の夜。
寝静まって外を歩く者がいなくなった空き地に辺りをきょろきょろ見回しながら少年が歩いて来た。
「おっ、ちゃんと来たじゃねぇか!ヨシ!」
「わっ、声が大きいよケンちゃん。だってケンちゃんがあんなこと言うから……」
「ヘッ、じゃあさっそく人喰い妖怪ってヤツを探しにい……」
「こんばんは、月が輝く良い夜だね」
「うん、でも夜に子供達だけで出歩くのは危険だよ」
「ッッ!だ、誰だ!お前ら!?」
カエデと水無月は挨拶したらめちゃくちゃビビられたのだ…幽霊が出た訳では無いのに…。
「デカい声出しちゃダメだよ、町のみんなに近所迷惑だからね?」
「それで君達だけで何処に行くの?」
「お、お前らのせいだろ!関係ないだろ!?急に出てきやがって……!だから誰だよお前ら!!」
キレてくる勝気な少年に改めて名乗った。
「俺はカエデで隣にいるのが…」
「水無月だよ」
ケンちゃんと呼ばれた少年はなんで此処に居るんだと2人に聞いた。
「実は、この辺の森が良い景色と評判だと聞いて見に来たんだが…」
「道に迷ったりしてね、時間を無駄にしてこんな時間に到着にしたんだよ」
夕方頃に事前にカエデと水無月は決めていた話を声を抑えながら勝気な少年はふーんと頷いてから…。
「俺とヨシは…これから森に入るから一緒に行くなら観光客に人気の"あの場所"まで案内するぜ!」
「……本当か?」
「ありがとう、ケンちゃん。
迷わずに行けそうだね、カエデ」
「そうだな、ミナ」
2人はワザとらしく提案してきた少年に小さく笑みを零して頷いた。
「さすがに夜は暗いし歩きづれェな、お前らちゃんと付いて来いよ!」
「ちょ、速いよケンちゃん!置いてかないでよぉ」
勝気な少年の持つカンテラの灯りだけを頼りに進んでいるとそんな困り声が聞こえてきた。
「君の持つ灯りだけが頼り何だよ。
ちゃんと友達のことも気にかけて進まなきゃダメ…」
「ミナに言われたな、ケン」
「ったく、ちょっとだけゆっくり歩いてやるよ!
ついてこれねぇなら置いてくぞ!」
「ケン、素直じゃ無いね」
「っるせえ!水無月!……てかお前らすげぇなこんな暗い中よくそんな軽やかに歩けるな」
「あぁ、俺とミナは昔と今も鍛えてるからな」
勝気な少年…ケンに説明をしたカエデは、一番後ろを水無月と共に歩く気弱な少年に水無月は話し掛けた。
「ヨシ、しんどいなら俺がおぶって行こうか?」
「い、いえ!自分で頑張ります……。
カエデさんと水無月さんは凄いですね…でも、2人は僕らと三つしか歳が変わらないのにどうしてそんなに動けるんですか?」
「小さい頃からずっとカエデと鍛えてたからね。
君達と同じ十歳の頃には毎日、山の急斜面と木から木に飛び乗って全力で遊んでたよ、ヨシ」
「そうだったんですね」
後ろから水無月とヨシの会話を聞きながらもう1人の少年、ケンの姿が見えた。
「おい、3人共!そろそろ着くぞ」
「ケン、案内ありがとうな。
この景色は確かに綺麗だ。」
「水無月さん、着きましたよ!」
「ヨシもありがとう。
此処が観光客や町の人達から人気になるのは分かる気がするよ」
カエデと水無月が町の人達から聞いていた通りの絶景の景色が広がっていた。
夜の為、ハッキリと全体は見えないがバシャバシャと大きな水音を立てて流れる大きな滝。
そして辺りを淡い光を発しながら飛ぶ蛍達。
その光や月の光が川に反射していることも相まって…確かに幻想的な景色であった。
「やっぱ蛍以外なんもいる感じしないな!」
「ほ、本当なんだからね!絶対見たもん!」
「ケンもヨシも落ち着けよ。
とりあえず座ってひと息つこうぜ」
「ん、お団子食べる?」
カエデは川の近くにある石にに座り込みケンとヨシに手招きをした。
水無月は買ったお団子をケンとヨシに渡してカエデの背中に自身の背中を付けた。
ケンとヨシは顔を見合わせてカエデの隣へ腰を下ろしてケンは疑問を口にした。
「お前ら、本当に俺達の三つ上なのか?
無駄に大人びてんだよな」
ケンの言葉でカエデと水無月は肩をビクッとさせたが直ぐに違う話題を水無月が出した。
「……二人はいつも一緒にいるの?」
水無月はケンに質問するとケンは一度、水無月の顔を見て視線を川に移してまぁなと頷いた。
「家が近ぇ…歳も同じだからな。
それにこいつは直ぐに一人でビクビクしてっから俺が遊んでやってんだよ」
「う、うん……周りの子に自分から話しかけるのとか少し苦手で……それを見かねたケンちゃんが僕を引っ張って色んなとこに連れ回してくれるんです」
「俺とミナも幼なじみだ。
そういう縁は大事にしろよ。
大人になってもずっと仲良く居れたら最高だろう?」
「ヘッ!それはどうだかな。
俺はこんな田舎なんて出て警察に入るのさ。
そんで悪いヤツを片っ端から捕まえてやんのさ!」
「僕だってケンちゃんと同じ警官になって困ってる人をいっぱい助けたい」
二人には夢を叶えて欲しいと思うカエデと水無月だが立ち上がった。
「……?カエデさん、水無月さんどうかしました?」
急に立ち上がったカエデと水無月にヨシが不思議そうに首を傾げていた。
「ケンとヨシのような未来ある子供達の夢の芽は絶対に摘ませたくないから…」
「下がってろ、此処からは俺とミナの仕事だ!」
カエデと水無月は日輪刀を構えていた。
「え……えっ、刀!?なんでそんな物!2人は持ち歩いてるんですか!?」
「ごめんね、ヨシ。俺とカエデが滝を見に来たってのは半分本当で半分嘘なんだ」
川をじっと見つめて水無月はヨシにそう答えながら…2人は羽織の中に隠していた日輪刀を普段の腰の位置に戻して静かに抜刀した。
「ほら、出て来いよ。殺気……ダダ漏れだぞ」
「ケッ、勘の良い奴らめ!!」
カエデが川に向けてそう言い放った直後に大きな水飛沫を上げ飛び掛かって来たそいつを水無月が刀で受け止め押し返した。
「な、なんだコイツ!?!?」
「最近ケンとヨシの町で頻発していた観光客が消息を絶つ一件、その犯人だよ」
カエデの後ろで驚いた顔をしてあと退りするケンに水無月は答えていると身体をブルブル震わせてながらヨシが指をさした。
「こ、コイツだよ!ケンちゃん!
僕が昨日見た人喰い妖怪だ!!」
「おぉ、妖怪とは随分ひでぇこと言うじゃねえの……んぉ?
お前は……俺が人を食おうとしてたところをコソコソと後ろで覗いてやがった餓鬼じゃねえか。
機嫌が良かったから見逃してやったのにわざわざ自分から食われに来てくれるとは嬉しいねぇ!」
ヨシを鋭く尖った爪のある指で差しながら…そいつは気味の悪い笑顔を見せていた。
「ひいいい!そんなっ!バ、バレてたなんて……お前一体何なんだよ!!」
「こいつは、妖怪じゃねぇよ。
人を襲って喰らう鬼だ!」
カエデの言った言葉に目を細めて舐め回すようにカエデと水無月を順番に見るそいつは…緑がかった身体にくちばしのような尖った口があった。
水かきのついた手足を持って亀のような甲羅を背負い頭に湿り気を帯びた皿のような物体を乗せていた。
「あんた、鬼じゃなくて河童でしょ?」
「違っっげえよ!!鬼だ!俺は!!」
水無月の言う通りどっからどう見ても河童にしか見えないその鬼の無駄にやかましい叫び声が夜の静かな森に虚しく響き渡った。
「人に危害を加える鬼ってことで俺達に斬らせくれるよな?」
「パッカッカッッ!お前達のような子供が俺を斬れる訳がないだろうよっ!!」
奇怪な笑い声を上げながら爪を振るってくる鬼を2人は刀で防いだ。
そして押し返して軽く後ろに飛び退いた。
「ケン、ヨシちょっと危ねぇから下がってろ!ミナ…行くぞ!!」
「カエデ、わかった!」
カエデは少年達を後方に行かせて水無月と共に日輪刀を胸の前で真っ直ぐ上に向け構えた。
「雪の呼吸、弍の型 花弁雪!!」
「氷の呼吸、捌の型 氷刺雪魄!!」
「あら、よっと!!」
「あんた、案外すばしっこいんだね」
2人から放たれた雪の呼吸と氷の呼吸を鬼はバク転してそのまま川に飛び込むことで躱した。
「良い技を持ってんな鬼狩りの餓鬼。あぁ!早くお前らの溺れ死ぬ姿が見たくなってきたぜえ」
川から飛び出して上がってきた鬼が目を見開いて気味が悪い表情で笑う。
「ふーん、成程ね。今までの人達もそうやって殺してから喰ってたのか?」
水無月の質問に鬼は余裕もって答えた。
「そうだ。間抜けヅラで景色見に来た奴らを引きずり込んで逃げられないよう川の中でまずは押さえ付けてやるのさ。
あの恐怖や焦りに染まった顔を見るのが堪らねぇ!
そうやって殺した人間の方が別格な味のさ!」
「…悪趣味、理解したくない」
「同感だな、ミナ」
目を輝かせながら嬉々として語る鬼の姿に思わず顔を顰める2人。
「一番にお前を殺して仕舞えばあとは楽だからな!
そのためには使える物はちゃ〜んと使わなきゃな…」
そう言った鬼は指を一本クイクイっと動かした。
カエデと水無月は何か血鬼術でも使う気かと警戒を強めた直後にカエデは気づいた。
鬼の視線の先がカエデと水無月では無い。
それは俺達の後ろにいる誰かに向けているようで……
「パッカッカッ!甘かったな鬼狩りのガキよ!!」
「…はっ?……なるほどそういうことかよ……!」
背後からヨシ達の叫び声が響き振り返った先にはもう一体姿形が瓜二つな河童の鬼がケンの首を締めながら抱えていた。
「ごめんな兄ちゃん。
この餓鬼がその弱っちい餓鬼を突き飛ばしちゃってさ二匹同時に捕まえらんなかった!」
「気にするな弟よ、今すぐにもう一匹も締め上げりゃ良いだけだろう?」
「や、やだ……!!」
「させねぇよッ!」
二体目が動きだした瞬間、尻もちをついて怯えるヨシをカエデが直ぐに抱きかかえ二体の鬼から距離を取った場所に移動した。
「……んのやろう、二人いたとは気づかなかったぜ」
「パッカッカッ!オレがお前らに堂々と姿を見せていたからな。草むらからそっと近づいていた弟に気づかないのも無理はないさ」
「パッパッカッ!
上手くいって俺は嬉しいよ!兄ちゃん!」
ニヤニヤと笑う弟鬼がそう声を上げて川の近くまで…移動して川を背に立ちこちらを見た。
「このガキを殺されたくなかったらお前らの刀を川に捨てるんだな。
そんでおれ達がお前らを溺れ殺したら餓鬼共は家に返してやる。
嫌ならこの餓鬼を置いて3人で大人しく村に帰れ!」
「攻撃を仕掛けてきたりしたら即!
この餓鬼の喉笛掻っ切るからなぁ。
どうしよっか鬼狩りさ〜ん?…こんなお子様見殺しになんてできないよねぇ??」
カエデは水無月と喋らずにアイコンタクトをとって行動を開始した。
水無月は近くにいたヨシを連れて森の中に向かった。
「まさか、自分が犠牲になるとは…あとは刀を川の中に置けよ。
そしたら子供を助けてやるよ。」
そう鬼が言うとカエデは「いま、月が雲に掛かって見えないから月が見えたら刀を置いてやるよ」と言った時にカエデの背中に暖かみが来た。
「月が出て来たぞ!刀を置け!」
鬼がそういうがカエデは刀を持ちながら…2人の鬼にゆっくりと歩いていた。
「この餓鬼を殺すぞ!?」
ケンを持っている鬼は爪をケンの首元まで持っていた時にカエデは鬼に近づいていた。
鬼の視線はカエデの持っている刀に向いていてカエデは笑っていた。
「………(クラップスタナーの発動条件は…
1つ、武器を持っていること。
2つ、敵が手練であること。
3つ、敵が殺される恐怖を知っていること。)」
カエデは空中に刀を置くように捨てそのままクラップスタナーを決めて一瞬でケンを助けて後ろに飛んだ。
「な、何が…てめぇ!?喰ってやる!!
いまは丸腰だからな!」
「そんな訳無いよ、俺が居るんだから」
鬼は後ろから声がして振り向く前に……。
「氷の呼吸、漆の型 氷雨!!」
「…あの餓鬼と…逃げたんじゃ……」
実は、水無月は逃げた訳では無くてヨシを森の中に隠してカエデが鬼と話して月が隠れている時にカエデの背中に付いてクラップスタナーを決めた時に鬼の首を斬ったのだ。
水無月は川の中に沈んで置いてあったカエデの刀を持って渡すとヨシとケンが来た。
「危ない目に付き合わせて悪かったな。
特にケン、殺されると思ったよな。本当にごめんな」
「うぅ……まぁ、大体わかってたけどよ…」
無愛想にそう吐き捨てて歩きだして行くケンとヨシ。
「俺とミナが鬼は倒したからもう人が居なくなることはもう無くなるぞ
あと今更だけどな!ケン、ヨシ!
夜に子供だけで出歩くなんて絶対ダメだかんな!」
「今回は鬼の怖さを知って貰う為に俺とカエデは敢えて止めずに一緒に来たけど…。
俺達が此処に来て無かったら2人は死んでたよ?」
散々危険な目に遭わせてから言っても遅いと思うが…2人はこの場所で伝えた。
本来はそうなのだ、こんな夜に出歩くなんて言語道断なのだ。
「は、はい…すみませんでした……。
カエデさん、水無月さん」
「…………おう」
本当に反省したようにシュンとして謝ったヨシとバツの悪そうな顔をして頷いたケン。
反応はそれぞれだが二人ともちゃんと聞き入れて反省しているようだ。
カエデと水無月はケンとヨシの頭をわしゃわしゃと撫でてカエデ達は村へと戻った。
ヨシ↓
ストレートの黒髪で青色の着物を着ている。
性格は穏やかでオドオドしがちな子。
ケン↓
薄い黄色の短髪で橙色の着物を着ている。
口調は荒く性格も荒々しい。
ガキ大将で度々村の子供達とケンカしてほぼ勝つ。
(ドラえもんのジャイアンみたい)