鉄血のオルフェンズ 次元を超えし出会い   作:五月雨☆。.:*・゜

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決闘の終わりと鉄華団としての旅立ち

 

 

 

「ギャラルホルン火星支部実働隊、クランク・ゼント!!」

 

 

「CGS一軍兼3番組教官、カエデ・ビットウェイ・オズロック」

 

 

刹那の静寂、3番組の皆はカエデの勝利を願う中、機体のユニットが稼動しエネルギーを放出しつつ互いは今か今かと戦いの始まりの時を待っていた。

 

 

そして2人が同時に声を発するとグレイズとナイトメアは突進して行った。

クランクは迫ってくるナイトメアの速度に驚きつつも防御の姿勢を取りながら斧を振るうが瞬間、視界から相手ナイトメアが消えると機体が振動した。

 

 

ナイトメアが斧の一撃をすり抜けるように回避してグレイズを踏み台にしながら高々と跳躍したのだ。

高度を取ったナイトメアはそのまま落下し杖型のハンマーを一気に振り下ろすがグレイズは良い反応でそれに対応し盾で防御した。

 

 

「中々やるでは無いか…ただのギャラルホルンが内部は腐っていると思っていたが貴様はそうでも無いらしいな…」

 

 

「オオオオッッ!!!!」

 

 

クランクの乗ったグレイズは防御した直後に斧を振るうが、ナイトメアは即座に後退してそれを回避した。

杖型のハンマーで盾を押しのけてグレイズの体勢を崩そうとするがグレイズはしっかりと踏ん張り斧を振るうがナイトメアは高い機動力で瞬時に回避した。

 

 

「君も何故子供を戦いに出すのだ!?」

 

 

「私達、子供が戦うのは御気に召さないようだな。クランク・ゼント。」

 

 

「あぁ、そうだ!!」

 

 

一気に接近して斧を振り上げたグレイズに対応すべく杖型のハンマーでそれを受け止めるナイトメア。

 

 

「子供とは良く食べ良く学び良く遊び育つ!!そして夢を持ち、その夢が未来を作る!!それを戦わせるなど、私は認めない!!」

 

 

「貴様が良い大人って事が良く分かった。だがな……世界はそんなに優しくないのだ!!」

 

 

カエデは思ったクランクは良識を持った良い大人だと言うことが…だが彼にとって私達子供は大人の思惑で戦わされるような存在ではなく、大人が守り大人の背中を見て育つ存在だと思っている。

 

 

それは正しいと思うだがそれはあくまでクランクの理想論にすぎないのだ。

現実問題としてそのように過ごせる子供達ばかりではない。

生きる為に少年兵として生きてヒューマンデブリとして売り物にされる子供だっているのだ。

それが今ある火星いや世界の現実だろう。

 

 

「貴様の思いはとても素晴らしいだがそれだけで我々は生きていけないのだ!!」

 

 

「だとしても……私は諦めたくなどない!!私がそうだと思っている限り、私はそれを貫き通す!!それが私の信条だからだ!!!」

 

 

一段と重くなってくる斧、それを杖型のハンマーで受け止めるナイトメア。

だがナイトメアも出力を上げていき徐々に斧を押し返していった。

 

 

「そうか。なら私とイシガシも彼等達の兄として、彼等達を見守る義務があるのだ!!だからっ!!私は此処で負ける訳には行かないのだ!!貴様をナイトメアの悪夢へとご案内しようでは無いか!!」

 

 

正面から無策にもこちらに向かってくるクランクのグレイズは斧を振り上げてナイトメアに向かって一気に斧を振り落として攻撃が当たったと思ったクランクは目の前で起きたことに思わず目を疑った。

 

 

「なっ、ど、どこだ!? どこに消えたのだ!?」

 

 

クランクはグレイズのカメラアイをギュルンギュルンと動かして先程攻撃をしたナイトメア相手の影を探していた。

 

 

「そこかッ!!」

 

 

自分から遥か後方で杖型のハンマーを肩にかけて余裕そうにしているその姿を見て、すぐさまクランクのグレイズは距離を詰めると再び斧を振るう。

しかし、また手応えはなくクランクは驚きの声を漏らした。

 

 

その光景は3番組のオルガ・イツカや三日月・オーガスから見ても異常であった。

またも姿を消したナイトメアの姿を目で追うとさらに驚くべきことが起きていた。

 

 

「流石です。カエデ様…(元々ナイトメアは高い機動力と高い攻撃力を有していたがその代わりにかなりコンクピット付近が弱くなっていたのです。その弱い部分を敵に分からないように敵を翻弄して倒すやり方や分身等を編み出して敵を倒していたのです。)」

 

 

「な、なんだ! 君はッ!? な、何故……」

 

 

クランクのグレイズの周りには全く同じ姿のナイトメアが3機。

黒と紫の機体色にT字に光る双眼、各部に配置されたスラスターに禍々しく広がるマントの形は全て瓜二つであり、クランクと3番組の皆驚愕させるには十分であったがイシガシは尊敬の目をしていた。

 

 

「さぁ、味わって頂こうか。クランク・ゼント。私のイリュージョンをな!!」

 

 

通信機越しに聞こえるその声は、今までのお返しをさせてもらおうという怒りに聞こえたのだ。

 

 

3機のナイトメアから繰り出される連撃にクランクは翻弄され、斧を振り回すも華麗に避けるナイトメアには一切当たらず、当たったとしてもそれは残像であり本体からの切り上げを受けてその機体を宙に舞わせる。

 

 

「く、なんという操作技術なのだ!!」

 

 

ナイトメアの攻撃は止まらず、しかもその速度は加速していき3機の行動は同一ではなく、1機が正面から切り上げ、他の1機が横から杖型のハンマーを振り下ろし、もう1機が背後から杖型のハンマーをフレームのシリンダー目掛けて薙ぎ払った。

 

 

「さすがの貴様でも、ナイトメア3機に勝てるわけないだろ?」

 

 

「凄い、カエデ兄さん…」

 

 

通信画面を見ていた三日月は感嘆の言葉を漏らした。

カエデの"イリュージョン"と称したその動きはまさに魔術師の手品のように魅せられたのだった。

 

 

ナイトメアの3機の攻撃でクランクの機体を仰向けに倒してナイトメアは3機から1機に戻りそのままナイトメアはグレイズのコクピットに杖型のハンマーを突きつけるとカエデはクランクに告げた。

 

 

「私の勝ちで良いな?」

 

 

「あぁ、そうだな。俺は敗者だ、君の好きにして構わない」

 

 

「そう。とりあえずは…」

 

 

カエデはナイトメアの杖型のハンマーを空に突き上げて試合を見ていた全員に告げた。

 

 

「勝利を手にしたぞ。歓喜と祝福を今此処に!!」

 

 

「やはり、私が命を捧げた方だ…カエデ様。このイシガシ・ゴーラムは永遠にあなたと共に行く道が例え茨の道でもお仕え致します。」

 

 

イシガシの言葉は誰にも聞こえなかったがカエデのその宣言に皆は歓声を上げながらカエデの勝利を祝ったのだ。

三日月はカエデの戦いぶりに見惚れ分身を教えて貰おうと誓い、昭弘はカエデの強さに驚き、オルガは確信していた勝利に笑った。

 

 

「決めたぜ……鉄華団。俺達の新しい名前だ」

 

 

「テッカ……鉄の火ですか?」

 

 

「いや……鉄の華だ。決して散らない鉄の華だ」

 

 

カエデはナイトメアとグレイズと共に帰還をしてカエデは縄から降りたつと幼い子供達が群がるが頭を撫ぜながらオルガに告げる。

 

 

「グレイズのパイロットのクランク・ゼントの処遇だがオルガ、私に預からせ貰っても良いだろうか?」

 

 

「あのパイロットをか?」

 

 

「あぁ、彼は真面目な人間だと私は判断をしたのだ。だから幼い子供達の先生をしてもらおうと思ったのだ。」

 

 

「先生?」

 

 

「そうだ。文字などを覚えたほうが良いだろう。私とイシガシも教えたりするが何せ時間が無かったからな。

 

 

これからは私もMSの整備などや書類仕事もやらないとダメだからな。

クランク・ゼント、彼ならグレイズとかのMSの整備などもやってくれると思うからおやっさんのサポートもしてくれると私は思うのでな。」

 

 

「なるほどな、確かにおやっさんはMW専門だったからな…わかったぜカエデの兄貴とイシガシの兄貴にあの人のことは任せるぜ!」

 

翌日

「ふぅ、クランク・ゼントに決闘に勝ったは良いがその分書類仕事がどっと増えたな…」

 

 

「カエデ様、お茶でございます。」

 

 

「あぁ、イシガシ。お前も少し椅子に座って休むと良い此処に来るまでバルバトスとグレイズとナイトメアの整備を手伝いしていただろ?」

 

 

「はい、では失礼致します。」

 

 

イシガシが椅子に座るのを確認すると今までの事をカエデは思い出していた。

カエデは決闘に勝利しグレイズとクランク・ゼントの身柄を手に入れたCGS改め鉄華団。

 

 

そして3番組の教官職兼相談役という任に付いたカエデ・ビットウェイ・オズロックと同じく3番組の教官職兼相談役補佐という任に付いたイシガシ・ゴーラム。

 

 

だが鉄華団と名前を変え新しくスタートする為の書類仕事などの整理や始末にカエデとイシガシは追われていたのだ。

これは来年成人になる勤めとしてやっているが他にも鹵獲したグレイズを売却し少しでも高値にしようと修繕の為のマニュアル作りやMSの整備マニュアル作りと中々に多忙であり2人はかなり疲労していたのだ。

 

 

「オズロック、此方のマニュアルは仕上がったぞ」

 

 

「流石はギャラルホルンで働いていた事はあるな。殺さなくて良かったといま私は思っているぞ。クランク、助かったぞ。」

 

 

「しかし本人の目の前で殺すと言うな。だがこれだけの量をもう…2人は凄まじく優秀なのだな」

 

 

「まぁ、CGSの元社長と一軍屑野郎達には色々あってな……」

 

 

「私はカエデ様の補佐をしているだけでございますので褒められても困りますので…」

 

 

先程カエデの部屋に入ってきたのは鉄華団に身柄を置く事になったクランク・ゼント。

最初はカエデの事をフルネームで呼んでいたのだがカエデ自身がオズロックと呼べと言われてクランクはそう呼ぶようにしている。

 

 

クランクはただ身柄を置いているだけではなく彼にはカエデとイシガシが手を回せない子供達の先生役を頼む事にしてグレイズの整備の手引きや知識面での補強を依頼していたのだ。

 

 

「鉄華団の変更業務申請書はこれで良いだろう。桜農場の契約更新もこれで終わりだな。

あぁ、そうだったアトラ・ミクスタが入った事で契約書とかも持って行かないとな。

なんとか地球に行くまでに間に合わせないダメだな…」

 

 

アトラ・ミクスタは鉄華団の炊事係としてカエデが雇っていたのだ。

元々はイシガシが炊事係をしていたのだがカエデの仕事が倍増した事によりイシガシはカエデに傍で仕えたいと頼み込んだ時に来たので即炊事係として採用したのだ。

アトラ・ミクスタの炊事係としての料理はイシガシ公認であるので味は問題は無い。

 

 

「オズロック、少し休んだらどうだ、流石に働きすぎだ。」

 

 

「あぁ、そうだな」

 

 

書類を終わらせ一段落付いたカエデは椅子の背もたれに倒れこみ疲れたと声を漏らした。

クランクが鉄華団の一員として働き始めて数日が過ぎたが彼とその補佐であるイシガシの優秀さには舌を巻いていた。

 

 

少年達からの信頼も厚く腕も立ち仕事人間で鉄華団では要的な存在となっているカエデ・ビットウェイ・オズロックとイシガシ・ゴーラムの2人。

だからこそクランクは2人には聞いて起きたい事があった。

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