鉄血のオルフェンズ 次元を超えし出会い   作:五月雨☆。.:*・゜

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宇宙への準備と戦いと旅立ち

 

 

「オズロック、イシガシ少し良いか。何故子供達を…戦いから離す事は出来ないだろうか」

 

 

それを聞いて椅子から身体を起こしてイシガシが持って来たお茶を喉に流し込みながらカエデは言葉を詰らせた。

 

 

「君達もそうだが子供が銃を握り、戦いに出て相手を殺すなど間違っている…私はそうとしか思えんのだ。」

 

 

「私も出来る事ならそうしたが……残念だけどそれは難しいだろうな…」

 

 

「しかし…」

 

 

「私とイシガシとオルガ達にとって出来る仕事が他にないのだよ。クランク、生きて行く為にな。」

 

 

苦々しく口を開いたカエデの表情はこの数日中で見た事もないようなものだった。

 

 

「私達には他の仕事を出来るだけの能力がない。文字を読む事が出来ない子も多い。

出来るのは銃を持って撃ったり機械を弄ったりする事が精々なのさ。

そんな私達ヒューマンデブリにとって金を稼ぐにはこんな仕事しかないのだ。

子供だって戦わないと生き残れないって現実がいま此処にあるのだ。」

 

 

「……」

 

 

「クランク、私とイシガシもオルガ達に危険な仕事させたくない。

しかし、それだと十分に仕事が出来るだけの能力や知識を教え込むのは私とイシガシの2人だけでは難しいのだ。

 

だからこそ、今はこの仕事場で出来るだけの事をしていくのがベストだと私達は考えているのだ。」

 

 

齢が10歳にも満たっていない子供もこの鉄華団には居るのが現実だ。

そんな子供が生きていくのは今のこの社会は厳しすぎる。

だから今この鉄華団で出来るだけの事をしてそんな子供達が生きていけるようにしていくしかないとカエデは思っているのだ。

 

 

「私とイシガシは同い年でオルガ達や幼い子供達より歳上なのだ。だからこそ此処で知識などを学んで将来の役になって欲しいのだ。」

 

 

カエデの強く握り締められた手には強い悔しさがクランクの目に見えた。

 

 

「まずはこの鉄華団を大きくしてオルガ達に銃を握らせない位の会社に致します。

そしてオルガ達には真っ当な仕事をして貰うこと、それが私とカエデ様の今の目標です。」

 

 

「なんと真っ当な……オズロック、イシガシ。私なんかより君達は何倍も強いようだな」

 

 

「本当に、色々あってな…」

 

 

そう、本当に色々な事があったのだ。言葉では言い表せない程の出来事が…あの頃はカエデとイシガシは故郷を失い復讐に走ったのだ。

カエデとイシガシが何処か自分達の過去をはぐらかすような言い方にクランクは肩を竦めた。

 

 

それが2人の選んだ道なのだろうとクランクは理解した。

ならば自分も少しでもその手助けと幼き子供達の未来の為に尽力してみようとクランクは思った。

 

 

「ならば俺も今の役目を全うするとしよう、子供達のクランク先生として……。大人としてな」

 

 

「期待していようと思いますよ。クランクさん」

 

 

イシガシはそういうとドアを開けてクランクはカエデとイシガシが処理し終わった一部の書類を持って部屋から出て行くクランクを見送ったカエデとイシガシは溜息をつきながら自分の過去いや前世の行いを後悔しているのかと…。

 

 

「イシガシ、お前は後悔しているか?」

 

 

「カエデ様、私は後悔などはしてはいません。あの時、コールドスリープされた宇宙船でただ座り込んでいた私に声を掛けて頂きファラムに復讐しようと言ってくださったことで私は復讐を決意したのですから。

 

 

もし、そのようなお声が無ければ私とあと9人の仲間もただコールドスリープされた他の仲間達を見上げながら長い年月をただ座り込んでいたことでしょう。」

 

 

「そうか、…私自身も後悔はしていない。復讐をしても当然だと今でも思っている。」

 

 

それから2人は前世の話を切り上げ明日への準備に向けて話し合いを進めたのだった。

そして遂に鉄華団が青き星地球へと向かう為に宇宙へと飛びたつ日がやって来た。

シャトルには宇宙へと上がり鉄華団の船となったイサリビに乗り込みトドが紹介したオルクス商会の案内の元、地球へと向かうメンバーが乗り込んでいた。

 

 

未来に向かう為のシャトルがいよいよ旅立とうとしていた。

火星に残り帰りを待つ団員、旅立つ団員に手を振り無事を祈る家族、企みを抱えそれが如何転ぶかを楽しむ者の思いを受けながらシャトルは重力の緒を引き千切りながらどんどん加速して宇宙へと飛び出した。

 

 

鉄華団の主要メンバーを乗せたシャトルはいよいよ暗黒の宇宙へと漕ぎ出し低軌道ステーションへと向かう為に案内役であるオルクス商会の輸送船に拾ってもらう予定だったのだが…。

 

 

「あっ、あれがオルクスの船じゃないですか!?」

 

 

「えっ、予定より早くない?」

 

 

「だな、何でこんなに…」

 

 

窓から見えた巨大な船、それこそがオルクス商会の船だがまずは低軌道ステーションでその船が来るのを待つ手筈なのに幾らなんでも早過ぎたのだ。

 

 

「(カエデ様の予感は当たりましたか…ならば私のすることは…)」

 

 

何かあると思いつつそれを見つめていると複数の光が此方に向かって来ていた、それは船に比べると小さいが速い……。

 

 

「あれはグレイズ!?それに奥に見えるのはギャラルホルンの船か!?」

 

 

「おい奥に見えるあれがかよ、クランクのおっさん!?」

 

 

クランクが大声を張り上げながらその正体を見破った。

それは間違いなくギャラルホルンのグレイズとその船だった。

明らかに此方を狙って接近して来ていた。

 

 

「はぁ、どうなってんだよ!?」

 

 

「おいトド!!テメェ説明しやがれよ!!」

 

 

「俺が知るかよ!?ギャラルホルンなんて聞いてねえ!!くそっ!!」

 

 

トドが操縦室に飛び込んでオルクス商会の船へと連絡すると返ってきたのは『我々への協力を感謝する』という通信であった。

 

 

それを聞いたシノやユージンはトドを問い詰めて殴られた。

殴られたトドは何も知らないと叫ぶがこんな事態になってしまったはそれも意味は成さない。

兎に角このままではまずいとオルガは加速するように指示を出すがあっさりとグレイズに追いつかれてしまい囲まれてしまった。

 

 

「敵のMSから優先通信です!クーデリア・藍那・バーンスタインの身柄を引き渡せとか言ってますけどぉ!?どうするんですか!?カエデ兄さん!?」

 

 

「はぁ、やはりこうなったか…元々は覚悟していた事だ。オルガ、私と三日月で向かう。異論は無いな?」

 

 

「勿論だ、カエデの兄貴、ミカ頼んだ。」

 

 

「あぁ、分かっている」

 

 

「わかった。オルガ」

 

 

カエデは立ち上がると右手で左肩を掴むと一気にマジシャンのようにイクサルフリートのユニフォームに早着替えした。

呆然といていた鉄華団メンバーはイシガシに怒られて目の前の出来事に集中した。

 

 

三日月とカエデは別々の格納庫へ向かう途中にカエデはクランクから話し掛けられた。

 

 

「なんだ、時間が無いのは貴様も分かっているだろ。」

 

 

「あぁ、だが今言わなければダメなんだ。」

 

 

「手短に頼むぞ」

 

 

「敵はコーラルが指揮をする部隊だ。あいつはクーデリアを狙っているのは事実だ。」

 

 

「それは分かっていた。何か裏取引でもしたのかしたのだろうな。それで…私に何をやらす気だ?」

 

 

「おそらく緑色のグレイズが出てくるはずなんだ。それには俺の部下が乗っていてな。君達と同じように火星の血が半分流れている。」

 

 

「はぁ、それで可能な限り私に助けてほしいって事か?」

 

 

「すまないオズロック。三日月にはそれを言うのは難しいと思ってな。」

 

 

「まぁ、確かにな。可能な限りやってみるが期待はするなよ。」

 

 

「オズロック、感謝する。」

 

 

カエデはナイトメアに乗り込み、三日月はガンダムバルバトスに乗り込んでシャトルを守る宇宙での戦いを始める。

 

 

「行くぞ、三日月!」

 

 

「了解だ、カエデ兄さん!」

 

 

シャトルのハッチが開いて煙幕が発生をする。

グレイズのパイロットは小細工をと言った瞬間滑腔砲を突き付けられてからの砲撃でグレイズの1機は宇宙に浮かんだ。

 

 

他の2機はシャトルを撃墜をしようとしたがナイトメアが持つ銃から銃弾が放たれて2機のグレイズのコクピットに命中をして撃破したが三日月の背後を取ったグレイズへと攻撃するという援護を行うナイトメア。

 

 

「ごめん、有難うカエデ兄さん」

 

 

「構わん、次来るぞ。」

 

 

その援護を受けたバルバトスはすぐさま反転しつつ奪った斧でグレイズの腕を切断しつつ0距離でコクピットを打ち抜いたがナイトメアの背後にも敵がいたがカエデが気づく前に狙撃された。

 

 

「大丈夫か?カエデ兄さん、三日月!」

 

 

「昭弘?」

 

 

「昭弘か、助かったぞ。」

 

 

ライフルでグレイズを撃ったのは回収をしたクランク・ゼントの機体を修復して昭弘に上げた機体であるグレイズ改であった。

 

 

「さて、昭弘も来たことだ。私の相手は…貴様か…」

 

 

カエデの真正面にはクランクが言っていた部下が乗っている緑色のグレイズがいたのだ。

 

 

「三日月、あの緑の奴は私がやろう」

 

 

「解ったっよっ!!」

 

 

迫ってきた1機の攻撃を回避しつつその胸へとメイスを突きつけつつその先端から鋼鉄の杭を打ち込む三日月。

 

 

「ふん少しは出来るようだな、宇宙ネズミが!!」

 

 

「ネズミネズミとうるさい奴だ。そんなに戦いたいならば私が相手になろう。」

 

 

カエデの乗るナイトメアは杖型のハンマーを肩に掛けていたがそれを両手に持ち替え緑色のグレイズが攻撃して来た。

 

 

「はぁ、何とも血気盛んなことだな…では始めよう。」

 

 

緑色のグレイズは荒々しく斧を振るいナイトメアを仕留めようと躍起に会っている緑色のグレイズを遇いつつも一気に後退していきながら杖型のハンマーで軽く牽制する。

 

 

装甲に任せながら防御もせずに迫ってくる緑色のグレイズ、ギャラルホルンのナノラミネートアーマーは優秀だと思い知らされるがカエデは止めと言わんばかりに分身とは行かないが高速移動からの杖型のハンマーをコンクピットへと当てた。

その激しい振動はアインへと襲いかかりグレイズは動きを止めてしまった。

 

 

「おい、緑色のグレイズ。生きているか?」

 

 

「ぅぅ…」

 

 

「気絶しているだけか…コンクピットをブチ抜いたと思ったぞ…やはり力加減は難しいな…」

 

 

そしてカエデは接触回線を用いてモニターを強制的に開いてコクピット内を確認して見ると小さくうめき声を上げているアインの姿があった。

だが此方へと向かってくる機体があったそれは青い指揮官用のグレイズであった。

 

 

『君のお相手は、次は私がしよう』

 

 

「はぁ、休む暇も無いのか。」

 

 

一旦アインを置いて青いグレイズとの戦闘に入るナイトメア、高い推力とコンクピットの高い操縦技術が光り中々の強敵だとカエデに直感させた。

 

 

「ちっ…」

 

 

ナイトメアは高い機動力で消えて出てを繰り返し続けて攻撃を当たらないようにしていた。

 

 

「まだまだ……なっ!!」

 

 

が突然青いグレイズは後退して行ってしまった。

何事かとカエデが思い画面を見るとなんとイサリビが此方へと近づいて来ていた。

どうやら小惑星にアンカーを打ち込んで強引に進路の転回を行ったらしい。

 

 

「イシガシの指示か…」

 

 

「まぁな、カエデの兄貴、待たせたな!さぁ行こうぜ、地球へ!!」

 

 

クランクの約束通りにアイン本人と緑色のグレイズを回収してカエデはさっさとイサリビの内部へと入って行った。

ハンガーに移動したナイトメアからカエデは降り立った。

すでに三日月のバルバトスや昭弘のグレイズ改は回収されていた。

 

 

一方マクギリス達の機体は浮いていた。

 

 

「マクギリス大丈夫か?ひどくやられたらしいな…」

 

 

「君の方もじゃないかガエリオ、ランスユニットとアンカークローを彼等に盗られたみたいだな。」

 

 

「あぁ、不覚をとった。お前が相手をしていたガンダムはいったい何者だ?」

 

 

「…バルバトスの方は固有周波数が出たが…もう1機の方はナイトメアと呼ばれるガンダムフレームだった。

だが私もあの機体が突然居なくなり気づいたら目の前にいたとしか言えない。」

 

 

「いったいどういう力だそれは…まるであの機体は幽霊のようだった…消えたり姿を現したりしてどういう操作技術をしてるんだ。」

 

 

「いずれにしても我々の機体も修理が必要だ。ガエリオすまないが引っ張ってくれないか?機体が思っていた以上にダメージを受けていたんだ。」

 

 

「わかった。」

 

 

ナイトメアに手痛い目に遭った2機は帰投をした。

カエデがコンクピットを出ると目に付いたのはクランクが緑色のグレイズのコンクピットを上げて中のパイロットを引きずり出している光景だった。

 

 

「アイン!おいアインしっかりしろ!!」

 

 

「うううっ……クラン、ク二尉……?えっクランク二尉!!?ど、どうなっているんですかぁ!!?此処は何処ですか!!?」

 

 

「また、問題が増えるかも知れんな…」

 

 

一方その頃ギャラルホルンの戦艦に帰って来たマクギリスとガエリオは先程戦闘を行っていた鉄華団の機体について話し合っていた。

 

 

「ガンダムフレーム、バルバトス。我らギャラルホルンの伝説として語られた存在が今や宇宙ネズミに使われるとはな」

 

 

「しかしその力は確かな物だ。実際に果たしあったお前ならそれは良く解るのではないか?」

 

 

「普通のMSに比べると強いと言わざるを得ないが勝てない相手ではない」

 

 

「それで?マクギリス、お前の方で相手をしていた奴はどうだった?」

 

 

「あぁ、この機体の事か。」

 

 

データを出力し映し出されたナイトメアを改めてガエリオは目にした。バルバトスにばかり気を取られていた為にナイトメアには余り目を配れていなかった。

 

 

漸くマジマジと見る事が出来たが黒く滑らかな装甲と杖型のハンマーと紫と黒のマントその出で立ちはまるで魔術師のようにも思えた。

 

 

「ほう……中々珍しいMSだな」

 

 

「私もそう思う。しかしこの乗り手も中々のやり手でな、やや手玉に取られてしまった」

 

 

「それでこいつの詳細は…見た事もないタイプの機体だな……」

 

 

「見た目からの該当は一切無しワンオフの機体かもしれんな。エイハブリアクターのマッチングは今行う所だ」

 

 

2人にとっても興味深いナイトメア、その機体と似ている機体がもう1機あると知ったらどのような反応するのだろうか?

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