鉄血のオルフェンズ 次元を超えし出会い   作:五月雨☆。.:*・゜

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テイワズの傘下と兄弟の盃

 

 

 

タービンズとの戦闘及び交渉からまもなく10日が過ぎようとしていた頃、タービンズと鉄華団は圏外圏随一と言われている大組織であるテイワズの本拠地である巨大な船、歳星へと到達したのだ。

 

 

此処から自分達の運命が再び変動していくといっても過言ではない場に皆はやや緊張しながらも名瀬の案内の元で歳星へと降り立つ前にイサリビにいたカエデに呼ばれたオルガと三日月はカエデの部屋に着くと見知らぬ服を着ていたカエデとイシガシがいた。

 

 

「カエデ兄さんとイシガシ兄さん、何の用?」

 

 

「早く行かねぇと…」

 

 

「馬鹿者、そのままで行くつもりか!鉄華団のパーカーで行ったらテイワズの代表に失礼だろう。」

 

 

「名瀬さん達はちゃんと少しだけ遅れることを伝えていますので安心しなさい。」

 

 

そういうイシガシは黒と赤の着物で帯は茶色でカエデは黒と紫の着物で帯は赤色の着物を着ていたがその背中には金色の鉄華団のマークと蝶の絵柄が刻まれていて髪につけるタイプの金色の房飾りを付けてスターサファイアで加工した十字架のペンダントを付けていた。

 

 

「それを、俺とミカが着るのか?」

 

 

「そうだと言いたいところだがこの着物では無く袴を着てもらう。着物よりは動きやすいからな。

 

 

だが、色はこちらで決めているが文句は言うな。もしかしたらまた着る機会があるかも知れんから着方を覚えろ。今回は私とイシガシが着付けしてやる。」

 

 

カエデは三日月の手を引いて奥の部屋に連れて行きイシガシも呆然としたオルガの手を引いてまた奥の部屋に連れて行く。

そして数十分後、袴を窮屈そうにしている三日月とオルガ。

 

 

2人の着物は黒の袴だったが三日月とオルガの袴の裏には金色の鉄華団のマークと蝶の絵柄が刻まれて髪につけるタイプの房飾りを三日月だけ付けた。

オルガにはスターサファイアで新しく作った加工品である青色のブレスレットを付けていた。

 

 

「すげぇな、カエデの兄貴こんなのいつ買ったんだ?」

 

 

「うん、動きづらいけど豪華な服だよね」

 

 

「買ったのでは無い。作ったのだ…イシガシと私が2人でな。」

 

 

「えっ、作った!?」

 

 

「えぇ、今回は時間が無かったので私が着物を作ったのです。

カエデ様が着物に使う装備品を作ったのですよ。

まぁ、今回出席する鉄華団の主要メンバーだけの着物を用意したのです。」

 

 

「では、着替えを済んだので行きましょうか。」

 

 

カエデとイシガシは普通に歩き出すがオルガは転ばないようにゆっくりと歩くが三日月は1歩も動いていない。

 

 

「三日月、どうした?」

 

 

カエデは三日月の側まで戻ると三日月に手を掴まれた。

 

 

「カエデ兄さん、連れてって…」

 

 

「おい、一体どうしたんだ?三日月。致し方ないな…イシガシ、オルガ!先に行っていてくれ!」

 

 

「かしこまりました、カエデ様。行きますよ、オルガ」

 

 

「あぁ、早く来いよ。ミカ」

 

 

「三日月、何があった?」

 

 

「この頃、オルガとばっかり話してる…俺もカエデ兄さんと一緒にいる時間ない…」

 

 

カエデは考えていると確かに三日月と話している時はほとんど無かったと思い出していた。

 

 

「寂しかったか?」

 

 

「…ん…(コクッ」

 

 

「フッ、お前はイシガシと同じで表情が変わらないし、余りお前は感情を表に出さないから心配していたが寂しいと言う感情を覚えたか…」

 

 

「…ん…」

 

 

「それで、三日月…そろそろ抱きしめるのは止めて離してくれ無いか?」

 

 

「ん…わかった…」

 

 

だが、まだ不満がありそうな顔をしている三日月を見たカエデは右手を三日月の頭に持ってくるとゆっくりと撫ぜた。

 

 

「(さっきの顔より今の顔の方が少しだけ表情が良くなったな…)」

 

 

カエデは三日月の手を引いて先に向かったイシガシとオルガの後を追った。

 

 

カエデと三日月は急いで名瀬の場所に向かうとイシガシとオルガがいた。

そして鉄華団主要メンバーはゆっくりと進めていく歩みの先にはこれから話をするテイワズの代表、マクマード・バリストンの館があった。

 

 

圏外圏一恐ろしい男と語る名瀬の言葉にその場全員が身だしなみを再度整え、入り口の人間に門を開けてもらい名瀬は脅しておきながら

 

 

「んじゃ行くか」

 

 

と軽く言った。

鉄華団主要メンバーが緊張している中で全く緊張していない人が2人いた。

 

 

「あぁ、行くぞ。お前達」

 

 

「かしこまりました。カエデ様」

 

 

普段と変わらないカエデとイシガシの2人のみであった。

カエデのMSの操縦技術と頭の回転の速さや鉄華団の資金等の調達、イシガシの圧倒的の指揮力と知識量等で助けられている鉄華団だがこんな時に緊張しない方法を教えて欲しいと思っていた。

 

 

余裕綽々と言わんばかりの名瀬の軽い足取りに着いて行く鉄華団の主要メンバーとクーデリア、そして通された部屋では恰幅が良い男性がカエデとイシガシに似ている和服を着ながら盆栽の手入れに使う鋏を持ちながら此方を見つめていた。

 

 

「おう、来たか名瀬」

 

 

「ええ。久しぶりです親父」

 

 

「こいつらが鉄華団か……話は聞いてるぜ、全員良い面構えしてるじゃねえか」

 

 

穏やかな表情で此方を持て成しつつお茶菓子を用意してやれと声を掛ける姿に圏外圏一恐ろしい男という名瀬の言葉から連想していたイメージからかなり的外れな印象を受けてしまっていた。

 

 

カエデは表情は普段どおりにしつつも内心では軽く笑っていたのだ。

こういうタイプの人間は表ではなく内面が怖いのだと前世で散々分かっているからだ。

 

 

「こいつらは大きなヤマが張れる奴だ。親父、俺はこいつらに盃をやりたいと思っている」

 

 

「えっ?」

 

 

小さくオルガが驚きの声を上げる。

あくまで交渉の道筋を作ってくれるという話だったのにそれを飛び越えて名瀬自らがテイワズの一員として推薦したいといっている。

予想外な話にオルガは戸惑ってしまう。

 

 

「ほうお前がそこまで言うとはな……。何とも珍しいな、いいだろう俺の元で兄弟の杯を交わせばいい」

 

 

「タービンズと鉄華団が兄弟分……!?」

 

 

驚いて暇も無く兄弟の盃の件は五分ではなく四分六、タービンズが兄で鉄華団が弟という事になった。

 

 

余りな急展開にオルガはなんとか事態を受け止めようと必死になっていたが取り合えずしたい話は済んだので一度クーデリアとマクマードの話に入った。

カエデとイシガシと三日月は護衛として残っている。

 

 

「あんたがクーデリア・藍那・バーンスタインか。時の人と会えるとは光栄だ」

 

 

「時の人だなんて……そんな……」

 

 

カエデとイシガシは2人の話の邪魔をしないようにしていたらクーデリアとテイワズの代表がハーフメタル利権の話になっていたがクーデリアが三日月に視線で助けを求めていた。

 

 

三日月は"ハーフメタルの権利"はクーデリアの最期を決めるような決断だから自分が決めろ的なことを三日月が言うと、テイワズの代表が三日月に興味を示したのだ。

しかし、クーデリアは今すぐには決められずに翌日に決める事にしたらしい。

 

 

「おい、カエデ・ビットウェイ・オズロック。」

 

 

「何でしょうか?テイワズの代表。」

 

 

「何時もの口調で構わん。てめぇがアミダを足止めしたっていうパイロットで合ってるか?」

 

 

カエデが答える前に三日月が答えた。

 

 

「うん、そうだよ」

 

 

「はぁ、あぁそうだ。それが何かしたか?」

 

 

「いや、アミダを足止めできるパイロット等は余りいないからな。それでお前らモビルスーツ乗りのやつだな?」

 

 

問いかけられた三日月がカエデに目を合わせて共に頷くとテイワズの代表が笑います。

 

 

「坊主、てめぇの名はなんだ?」

 

 

「三日月・オーガス…あっ…です。」

 

 

「三日月。お前のモビルスーツをウチで見てやろう。ウチの職人は腕がいいぞ」

 

 

「は?」

 

 

「取って食ったりしねぇよ。じじいの気まぐれだ」

 

 

そうやって朗らかに笑うテイワズの代表の顔はとてもじゃないけどヤクザのボスには見え無かった。

名瀬が鉄華団が鹵獲した物に対して金額がついたといってきた。

 

 

「これで良ければ請求を寄越してくれ」

 

 

「こ、こんなに!?」

 

 

「中でもグレイズのリアクター二基は高く売れた。

エイハブリアクターを新規に製造できるのはギャラルホルンだけだからな。しかもうち1機は重要な部分にダメージがないから良い値が付いた」

 

 

その1機とはカエデが鹵獲したアインのグレイズであった。

カメラとスラスター部分は破損しているがその辺りは修理したり代わりのパーツに換装するだけで済むので余り値には響かなかったらしい。

 

 

売る際にアインに大丈夫かと聞いたら気にせずに売ってもいいと言っていた。

元々自分の所有ではないし既に自分は鉄華団だと力強く答えてくれた。

 

 

「こんな値段するのならば火星の軌道上でもっと鹵獲しておくべきだったな。」

 

 

「おいおい、これ以上だと業者も金準備するのに困っちまうぜ」

 

 

「ちっ、そうだな。」

 

 

オルガは名瀬に恥ずかしそうに兄貴と呼び感謝を示した。

カエデとイシガシには普通に呼んでいるのに何故か照れていた。

 

 

そしてオルガこの金を使い火星からの出発やギャラルホルンとの衝突なので疲れとストレスが溜まっている団員を労いたいと申し出ると名瀬とカエデとイシガシはそれを大いに推した。

 

 

「そりゃいい考えだな。団長としては家族のストレスをいい感じに抜いてやるのも仕事だからな」

 

 

「宇宙では娯楽は限られていますからね、息抜きは大切ですよ。」

 

 

「だよな、イシガシの兄貴!……うし!!今日はこれでパ~っとやるぞ!!皆疲れてるだろうし色々大変だったからな、ここらで皆で一気に疲れを癒すとするか!!」

 

 

「おう、そうしろ!歳星は金さえあれば楽しめる場だ。思いっきり羽を伸ばせよ」

 

 

 

そういうと早速オルガはイサリビにいるユージン、ビスケットと三日月とクーデリアを連れて商業施設へと繰り出していった。

まずは幼年組に対する簡単なご褒美と艦内でストレス解消をする為の機材を見にいった。

 

 

それを見送ったカエデはイシガシに例のスターサファイアとスターサファイアの武器と加工品のデータを出して名瀬と向き合って同じように名瀬は契約書を取り出した。

 

 

「んじゃ、早速契約と行くぞ。カエデ・ビットウェイ・オズロック。鉄華団保有の独自技術であるスターサファイアで作られた武器と加工品のデータ。

 

 

その技術とノウハウはテイワズでも加工研究開発を行うに伴いその許可料金と使用料を支払い独占契約を成立させる。

 

 

そして条件として鉄華団所有MSである『ガンダム・バルバトス』のメイスにスターサファイアを加工した武器の搭載を望むだったな」

 

 

「あぁ、そうだ。」

 

 

「親父もノリノリだったな。こんなお宝に対してこんな条件でいいのかって驚いてたぜ。

だけどその分かなりの金額と弾薬や薬品、補給物資なんかを鉄華団に渡すって話だ。それでOKか?」

 

 

「あぁ、勿論だ。それにしても凄い金額だな。これに加えて毎月毎月鉄華団に金振り込まれる訳だからな。」

 

 

書類に書かれている金額だけで一体どんな買い物が出来るのだろうか。少なくとも火星の鉄華団本部の経営に関してはもうこれだけでやっていけるんじゃないかと思えるほどだ。

 

 

カエデとイシガシが前世の記憶を元に生み出した技術のぶっ飛び加減が改めて理解出来た。

そして内容を熟読し確りと確認したうえでカエデとイシガシはサインを行った。

 

 

テイワズの用事も済ませた事でカエデとイシガシは漸くイサリビに帰還する帰り道でオルガ達青年組が意気揚々と出掛けて行くのが見えた。

 

 

「いい顔しているな、あいつらは…」

 

 

「えぇ、そうですね。カエデ様、我々もオルガ達と合流致しましょう。おやっさんとクランクさんとアインさんも既に誘っておりますので…。」

 

 

イサリビに戻ったカエデとイシガシは大人3人とカエデとイシガシはオルガ達と合流し楽しく騒ぎつつその後2次会と称して静かに大人と来年大人になる2人の少年だけの酒の時間を過ごした。

 

 

因みにアインは余り酒が得意でもないのに飲みすぎて顔を真っ赤にして倒れこんでしまったのでそこでお開きとなってしまった。

この時の目を回している姿はイシガシが撮影しており艦内にばら撒かれそうになったのをアインが止めようとするのがまた別の話である。

 

 

「フフッ…いい物が手に入りましたね…」

 

 

「イシガシ君、お願いですからばら撒かないで!!?」

 

 

そして後日、鉄華団はテイワズの元でタービンズとの兄弟盃を交わし正式にテイワズの傘下の一企業となった。

そして同時に……

 

 

「うおおおおお!!何だこのスターサファイアを使ったのシステムは!!?凄い凄い凄すぎる!!重力制御と攻撃力を上げることが出来る装置なんて見たことがないぞ!!

 

 

これを作り上げたカエデ・ビットウェイ・オズロック君!!君天才だ!!更にこれをガンダムと武器に搭載しろって言われなくてもやっちゃうよ私は!!!!」

 

 

「これがマッドメカニックか…」

 

 

「バルバトス、ナイトメアみたいに速くなって分身出来るかな?」

 

 

「三日月、バルバトスは重量級ですからおそらく無理ですよ。」

 

 

一方ではとんでもない事が起ころうとしていたのだ。

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