絶望の渦中、生きるMessiahは何を見る?   作:綠月

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久々にこっちを投稿。今回も台詞多めに仕上がってしまった・・・。


邂逅編.Ⅷ ~思い知る闇と紐解けない疑念~

無名の丘、そこに人里へ向かうとする三つの影があった。いや、正確には一つの影に、誰かが”入り込んでいる”。

「ねぇねぇ、ヨシミちゃん。あなたってどこの世界から来たのかしら?」

影に下半身を入れた人物がその後ろを歩く少女・・・伊原木ヨシミに話しかける。

「・・・少なくともここまで殺伐とした場所じゃないわよ。前は帰り道に皆とスイーツを買い食い出来ていたのに、こんなところに・・・。」

「へぇ、甘い物が好きなのね?じゃあ人里についたら甘味処にでも寄りましょうか?私がおごってあげるわよ。」

「・・・少しハ緊張感持つデスよ、追跡者。後イイ加減私ノ影に潜リ込むノモやめろデス。」

先頭を歩いていた女性、死霊術師が自分の影に潜り込んでいる人物、追跡者に声をかける。

「あらあら、私は至って真面目よぉ?ただこの子が怖がっているから落ち着かせようとしているだけじゃない。」

「わ、私は怖がってなんか・・・」

「イヤ、怖がラせたのは多分アンタのせいデス。見つけタ時にアノ異形に襲わレテパニック状態デ銃を乱射してた所二あんたがそいつノ影に入リ込んで声をかけテタじゃないデスカ。」

「あれは私達が助けに来たから落ち着いてって声を掛けようとしただけよ?」

「あんたの能力を知らナイ奴からすれバ普通はビビるんデスよそんな事されタラ・・・。」

「だから怖がってなんかないわよ!そりゃちょっとビックリはしたけど、怖いとは違うんだから・・・。」

「大丈夫よ、もうすぐ里につくから。あ、もし良かったら少しの間私達に付き合ってくれるかしら?」

「う・・・わ、分かったわよ・・・。」

~~~~~~~~~~

やがて人里についた三人が一件の料理店の前にたどり着き、中へと入る。

「ただいま戻ったわよー。」

「とりあえズ一人連れてきたデス。」

「あぁ、死霊術師と追跡者か。こちらも救助を一つ済ませた所だ。」

帰ってきた三人に侍が声を返す。ヨシミの方を少し見てから言葉を続ける。

「先程鉱山作業人から救助した者の中には今の異変の事を知らないという者が少なからずいるから説明も兼ねてここ最近の状況を振り返ろうという話になっているのを聞いてな。二人と、そこの少女も同席してくれないだろうか?」

「あら、オーケーよ。死霊術師ちゃんも同席するわよね?」

「キモいからちゃん付けやめろデス。面倒デスけどまだ面倒な事に巻き込マレそうなんで付き合ッてやるデスよ。」

「私も何が起きてるのか分からないからそうさせてもらうわよ。」

「よかった、では奥の方で集まる事になっているので移るとしよう。」

自分達の同意を聞き、侍が奥の方へと促す。

~~~~~~~~~~

「・・・これが、今ここ幻想郷で起きている異変の全貌よ。この異変での死亡者は、少なくとも幻想郷の住民の2、3割は越えているわ。これほどの犠牲者の出る異変はこれが初めてでしょうね。」

建物内で大きめの部屋の大半を埋める程の人数がいる中で開かれた話し合い。鉱山作業員が異変の内容を話し終え、色んな所から異変に気づかなかったのであろう人らが様々な反応を示す。

「どうやら、ここでも大変な事が起きているみたいですね。兄様。」

「・・・・・・。」

「ヒイィ・・・改めて聞いても恐ろしい話ですよこれ。」

「それはまた中々大変そうですねー♪」

「どうやら神はまた僕に試練を与えたようだね。ふ、ふふふ・・・。」

何故か一人はとても悠長そうにしている。あの追跡者と似た雰囲気があるが・・・いや、もしかしたらそれ以上にマイペースかもしれない。

「要はそいつら全員殺せばいいんだろ?あん時は油断したが次は失敗しねぇ・・・。」

助けられた一人の龍人、フォレルレイ・ウル・ツェペリが爪を立てながら呟くように鉱山作業員に問う。

「それはそうなんだけど、それだけじゃ駄目よ。まだ私達が救助出来ていない上に異変を知らない人々がいる可能性は高いし、異変の首謀者も突き止めないといけないもの。そこのサキュバスが異形をけしかけていたってタレコミもあるから、異形ではない何者かの手によってこの異変が引き起こされているのは確かよ。」

「確か、鞭を下げたマントの女性・・・だったな。しかし、それ以外に何も情報がないとは・・・。」

侍が苦悩したようにため息を吐く。が、そこでヨシミが声をあげる。

「ねぇ・・・もしかしたら私、そのマントの女性と出くわしたかもしれないわ。」

「それは誠か・・・!?であればその時の話を是非聞かせてくれないか?」

侍の懇願に首を縦に振り、話し始める。

「実は・・・私、さっきあの化け物に襲われててそこの二人に助けてもらった訳なんだけど・・・その少し前に、マントの女性を見つけたの。確かに鞭も持っていたわ。その人、コウモリみたいな羽を持ってる男の人に何か話しかけてて、盗み聞きなんてしようと思わなかったから素通りしようと思ったら女性がどこからか化け物を出してきて・・・戦ってる内に、その二人は消えていたの。前に姿を見た人も、化け物を呼ばされたんでしょ?だったら同一人物じゃないのかなって・・・」

「なるほどねぇ・・・。確かに同一人物の可能性は高そうね。しかも、その女が話しかけていたという男、だったかしら?どうやら首謀者一人ではなさそうね。」

「コウモリの羽ヲ持つ男・・・デスカ。他に特徴ガないようナラ恐らくは吸血鬼でしょうカ。」

「ふむ・・・犯人が複数ならば、その二人以外にも共謀者がいる可能性もあるだろうな。完全に異形を絶つ術が分からない以上、今までのように情報収集と拙者らに協力してくれる者達を探すのが最善だろう。」

皆の中で話し合いが終わりそうな中、ストレリアは一つの嫌気を感じていた。

「吸血鬼・・・まさか・・・いや、ありえねぇ。きっと別人のはずだ。」

~~~~~~~~~~

一方、りょく達一行は魔法の森で異形に苦戦を強いられていた。今までの個体より一つ二つも大きい異形だ。それに身体の色も黒では無く青色だ。しかし数は一体、三人もいる分有利に運べるはずだが・・・

「驚きだ、僕の作った毒をどれだけ受けても傷一つつかないとは・・・!」

「悠長に言っている場合じゃないじゃん・・・!」

感心の声を漏らす毒の科学者にツッコむ。そう、三人がどれだけ攻撃しても異形の身体に傷がつくことがないのだ。

「これなら・・・除夜の鐘と同じくらいやれそう・・・!」

「いや、多分やり終わる前にこっちが力尽きるから!」

死んだ目をキラキラさせるナディアについまたツッコむ。一度は逃走も試みたが、駄目だった。このままだと全滅してしまう・・・そんな最悪の事態を考えてしまいながら防戦一方になりかけていると、遠くの方から複数の走る足音が聞こえてきた。

「あれは・・・!」

その足音の方向には、居候先で共に過ごす友人と姉妹の姿があった・・・。




YKN.48 連城瑞花 生存確認。
YKN.136 シェロカルテ・ファレル 生存確認。
YKN.143&144 孔瑞麗/孔濤羅 生存確認。 
YKN.148 フォレルレイ・ウル・ツェペリ 生存確認。
YKN.150 伊原木ヨシミ 生存確認。
今回の犠牲は・・・
無し
残り・・・159名。
討つべき敵は・・・5名。





出演者の数が多い分毎回合流描写を挟むのが面倒になってきたので今回は既に合流したという体にしてみました。まぁ何も邂逅編で全てのYKNを出す予定ではないんだけども。
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