転生したら暴虐の魔王になれそうな件   作:デントウ

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今回はちょっと張り切りました! やっとまともなユレム君の戦闘ですからね! では、どうぞ。


豚頭魔王(オークディザスター)

 計画……か、此奴がこの騒乱の犯人か。それに、ゲルミュットか、聞いたことがあるな、確かリグルの兄、リグルに名をつけた者だったか……ややこしいな。

 それはさておき、この者、何やら激怒している様子だ。大方、計画がうまく行かなかったからだろうな。

 

ガビル「こ、これはゲルミュット様! 我輩を助けにここまで来て下さるとは!」

 

 ふむ、ガビルはこのゲルミュットとやらを慕っているのか? もしや、ガビルも先代リグル同様にゲルミュットに名を貰ったのか?

 

ゲルミュット「役立たずのノロマが! 貴様がさっさとトカゲやゴミを喰って魔王に進化しておれば、わざわざ上位魔人であるゲルミュット様が出向くことはなかったのだ」

 

 ゲルミュットがオークロードに向かって言い放つ。随分な言い草だな、トカゲにゴミとは……。

 

ガビル「トカゲを喰う……? は、ははは、これは厳しい冗談ですな。このガビル、まだまだのようです。ゲルミュット様に名を頂いてからも、精進を怠ってはいなかったのですが……」

 

 やはり、ガビルはゲルミュットから名をもらったようだな。恐らく狙いは名を付け、強力な個体となった魔物をオークロードに喰わせて、オークロードをより強力にする、そんなところか?

 さて、考え事をしていると、ゲルミュットがガビルに向かって手の平を突き出した。その手には魔力が集まり、弾となり、発射される。

 

ガビル配下「危ない、ガビル様!」「危険ですぞ!!」

 

 ガビルの配下5体がガビルの盾となり魔力弾に吹き飛ばされた。死んではおらぬな。だが、ガビル、本当に部下に信頼されているな、先ほどの指揮を見ても、ゴブリンを捨て駒として扱う素振りはなかった。良い上司だな。

 

ユレム「<治癒(エント)>リムル、ガビル達の守りは任せよ、お前はそこのゲルミュットを頼む」

 

リムル「分かった」

 

 リムルならゲルミュット程度問題なかろう。一方、ガビルは混乱しているようだな。

 

ガビル「お、お前達! い、一体……一体これはどういう事ですか、ゲルミュット様……!」

 

ユレム「簡単な話だ、ガビル、奴は初めから、お前を計画のための道具としか見てなかったのだろう」

 

 その言葉を聞き、ガビルは絶望の表情を浮かべる。

 

ゲルミュット「下等種族の分際で生意気な……! そんなに死にたいなら纏めて殺してやる! そしてオークロードの養分となり、俺の役に立つがいい!」

 

 ゲルミュットはそう言いながら特大の魔力弾を撃ち出そうとする。狼狽えつつも、配下を庇うように座り込むガビルの前に、俺とリムルが立つ。

 

ゲルミュット「ふははは! 上位魔人の強さを教えてやる、死ね、死者之行進演舞(デスマーチダンス)

 

 特大の魔力弾が放たれる。それは空中で分裂し、1つ1つが先程の魔力弾と同等の威力を持って俺たちの方へ降り注ぐ……が、これは【破滅の魔眼】を使うまでもないな。

 リムルが【捕食者】にて魔力弾を残らず吸収した。

 

リムル「なぁ、これがお前の全力か? これでどうやって死ねって言うんだよ、どうやって死ぬか、お前が手本を見せてくれよ」

 

 リムルはそう言って左手を突き出し、魔力を込めるが何も出ない、それはそうだろう……あれは気操法の一種だ、練習もせずに出来てたまるか……長い間をかけて習得した者が不憫だ……。

 それから、リムルとゲルミュットの戦いが始まるが、終始リムルが圧倒していた。リムルも最後に魔力弾をハクロウ曰く荒削りながらも習得し、ゲルミュットの命乞いを無視し、粘糸で拘束する。

 

ゲルミュット「やめろ……来るな……! おい! オークロード! こっちへ来て俺を助けろ!」

 

 先ほどから愚鈍だのノロマだのと言っていた者に助けを求めるとは……救いようがないな。

 

ゲルミュット「クソ……俺を助けろ! オークロード……いや、ゲルドよ!」

 

 オークロードにも名は付けていたようだ。

 オークロードが近づいてくる。ふむ、そのまま助けるつもりなのだろうか?

 

ユレム「リムル、どうする」

 

リムル「大丈夫だろ、本気で戦えば苦戦はしないはずだと思う」

 

 ふむ、オークロード……ゲルドと言ったか……の動き、少々不気味さを感じるな。

 

ゲルミュット「この愚図が、ようやく動いたか……ひゃはは! どこの何者かは知らんが、コイツの強さを思い知るがいい! やれ、ゲルド! この俺には向かった事を後悔させて…………」

 

 瞬間、ゲルミュットの首が切り落とされる、頭が転がっている。ゲルドは、その首を、切り離された胴体を喰う。容赦なく、手に持った肉切包丁(ミートクラッシャー)で解体してゲルミュットの体を喰らう。ゲルミュットはあれでも上位魔人だ、その魔素量は少なくない、それを喰らえばどうなるか……。

 

≪確認しました。個体名:ゲルドの魔素量が大幅に増大しました。魔王種への進化を開始します……

成功しました。個体名:ゲルドは豚頭魔王(オークディザスター)へと進化完了しました≫

 

 世界の言葉が響く。

 

ゲルド「グルァアーーー!! おれは豚頭魔王(オークディザスター)、この世の全てを喰らう者なり!! "名"をゲルド、魔王ゲルドと呼ぶがいい!」

 

 鬼人達が攻撃を仕掛ける。しかし魔王ゲルドは【剛力】と【身体強化】を使ったシオンに鍔迫り合いで勝利し、ハクロウに胴と首を切られても直ぐに治り、ランガやベニマル達の最高火力をも十分な余力を残して耐えてみせた。

 

リムル「嘘だろ……」

 

 リムルが呟く、確かに想像以上の耐久だ。それに、体力の回復の為に同胞をも喰らう。

 

ユレム「俺がやるとしよう」

 

リムル「……勝算があるのか?」

 

ユレム「ああ……」

 

 自身に張っていた、弱体化の結界を外す。これは普段の生活に不自由になる程の力を押さえるためのものだ。今は必要ない。

 

ユレム「そら、どこからでも来い」

 

ゲルド「お前も我がエサとなるが良い! 餓鬼之行進演舞(デスマーチダンス)!!」

 

 ゲルミュットの技と同じ物だ。尤も、威力が遥かに違う上、腐食の効果もついている。

 

ユレム「その程度か?」

 

 【破滅の魔眼】を開眼する。すると瞬く間に魔力弾が霧散する。

 

ゲルド「……! なかなかやるようだな、だが!」

 

 今度は肉切包丁(ミートクラッシャー)を振り下ろしてくる。が、俺はそれを片手で受け止める。

 

ゲルド「なんだと……!」

 

ユレム「どうした、随分と軽い斬撃だな? それに脆い」

 

 少し力をこめると、肉切包丁(ミートクラッシャー)にヒビが入り、砕け散る。ゲルドもこれには驚いたようだ。

 俺も刀を抜き、隠形法と瞬動法で背後に回る。

 

ゲルド「いつの間に……!」

 

ユレム「ゆるりと動いただけだ。そう驚くな」

 

 そう言った後、ゲルドの足を切り落とす。

 

ゲルド「こんなもの……!」

 

 傷口から黄色い触手のような物が出て来るが、一向に足を繋ぎ止めようとしない。

 

ゲルド「何故だ……!」

 

ユレム「【滅紫の魔眼】が、お前のスキルの効力を滅ぼした。俺の前で、魔法やスキルが使えると思うな」

 

ゲルド「……ッ!」

 

 手詰まりだろう。武器も破壊され、魔法やスキルは悉く封じられる。そんな様子のゲルドを見据え、俺はゲルドに突きを入れる、腕はゲルドの皮膚を貫通し、ゲルドの体に突き刺さる。

 

ユレム「少々事情を教えてもらうぞ<追憶(エヴィ)><思念領域(リノクス)>」

 

 

 

 目の前が白く染まる。光が収まると、そこは豊かな草原だった。オーク達が楽しげに暮らしている。が、次の瞬間、その光景はみるみる姿を変え、草1つない荒野へと変貌した。ゲルドは、砂漠を彷徨い、倒れる。そんな状態のゲルドを見つけたのが、ゲルミュットだった……。

 

――俺は……負けたのか――

 

――そうだな、俺が勝った――

 

――俺は……負けるわけには行かない! 

  俺は同胞を喰った。

  俺は魔王にならねばならない!

  ゲルミュット様を喰ったから。

  俺は負けるわけには行かない!

  同胞は飢えている。

  腹いっぱい喰うのだ!――

 

――だが、お前の同胞が飢える理由にはお前もある。

  お前の【飢餓者】の影響だ――

 

――知っている!

  だが負けるわけには行かない!

  それに、俺は同胞を喰った!

  同胞も罪を犯した!

  俺が死ねば、同胞が罪を背負う。

  俺は罪深くとも良い。

  飢えぬ為には、なんでもやる覚悟が必要なのだ!

  俺は魔王になる。

  皆が飢えることがないように、

  俺がこの世の全ての飢えを引き受けるのダ!

  そうだとも。

  俺は豚頭魔王(オークディザスター)

  この世の全てを喰らう者――

 

――ならば、俺は全てを滅ぼす者だ。

  お前の同胞の飢えも俺が滅ぼす――

 

――お前が飢えを滅ぼす……だと?

  そんな事が……いや、仮に出来たとしても、

  我の罪は消えぬ――

 

――なに、我が友は食いしん坊でな、

  奴ならば、お前の同胞達の罪を喰う、

  とでも言うだろうな――

 

――お前も、その友も、

  どちらも欲張りだ――

 

――ああ、欲張りだ、

  その欲張りに任せよ

  直に我が友にお前を喰らわせる

  その時を待っているが良い――

 

――ああ――

 

 

 

ユレム「リムル、喰らうが良い、話はつけてきた。俺とお前でオーク達の罪を背負うとな」

 

リムル「は、はぁ? どう言う事だ!?」

 

ユレム「喰えばわかる、そら、喰え」

 

リムル「まず説明しろ!」

 

 仕方ない奴だな。

 事を手短に説明した。

 

リムル「……大体分かった。あとは俺がアイツを捕食すれば良いんだな?」

 

ユレム「ああ」

 

 リムルがゲルドに近づき、捕食者を発動する。体積は少しずつ小さくなり、そこに残ったのはリムルのみだった。だが、何処からか「ありがとう」と言われた気がした。

 

ユレム「安らかに眠るが良い、あとは任せろ。

気高き王よ」

 

≪確認しました。ユニークスキル【破壊者(ホロボスモノ)】を獲得……

成功しました。≫




新しいスキルについてはまた次回! ヒントを出すならドライアドのフルーツの力は借りずに食糧問題を解決します! え? 分かりやすいって? そんなバナナ!?

物語の進行速度はどう? 丁度良く進めるコツとかがあればご意見箱にお願いします

  • 早すぎる、これは光なのだろうか……?
  • 早い……少し待ってくれ
  • そうだ、それくらいが丁度良い……!
  • 遅い、もう少し早く進めたまえ
  • 遅すぎる、時でも止まったかのようだ!
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