転生したら暴虐の魔王になれそうな件   作:デントウ

20 / 43
今回のユレム君は……アノス様を重ねるとあまりよろしくないかもです。


黒豹牙フォビオ

 ベスターがフルポーションを完成させた翌日、ベスターはそのフルポーションをリムルにも見せるようだ、それと同時に商品化の戦略も立てるのだろう。

 俺は雑務を終わらせ、街を散策する。すると、テンペストにかなりの魔素量を持つ魔人、恐らくゲルミュット以上の力を持つであろう上位魔人が、街の中に入ってくる。近くにはリグルドがいるな、リグルドなら問題はないだろうが、一応、俺も向かうとしよう。

 あれは……ゲルミュットよりは遥かに強力な力を持っているな。それに、すぐに技を使えるよう、拳に魔素を込めている。

 

上位魔人「――ここは魔王カリオン様が統べるのに良い街だと思わないか?」

 

 魔王カリオン、それが奴の主か。

 

リグルド「ご冗談を……」

 

 リグルドが宥めようとすると、次の瞬間奴は拳に炎を纏わせ、リグルドに殴りかかる。俺はすぐにその間に入り……

 

ユレム「魔王の配下の拳もこの程度か、無論、手加減はしていたのだろうが、シオンより単純な火力では下だな。

 さて、我が配下がそんなに気に入らなかったか?」

 

 奴の拳を止め、引く前に拳を握る。

 

上位魔人「……ッ! 貴様は……この町の主か!」

 

 奴がこちらを睨みながら言う。

 

ユレム「ああ、我が名はユレム・テンペスト、まずはお前の名を聞こう」

 

上位魔人「……魔王カリオン様の三獣士、黒豹牙フォビオだ」

 

 三獣士、となるとフォビオと同格の者が魔王カリオンの配下には3人はいると思って良いだろう

 

ユレム「そうか、してフォビオよ、何故いきなり手を出した? 下手に手を出せば、ジュラの大森林は魔王カリオンの敵となる。それを考えなかったのか?」

 

フォビオ「それは……」

 

 少しフォビオの拳を握る手を強める。骨が砕ける音がする。

 

フォビオ「……クッ!」

 

 フォビオが苦痛に顔を歪める。俺はそれを気にせず、言葉を発する。

 

ユレム「だんまりか、予想だが、お前は自身の力でこの町を支配できると思った、違うか? でなければ唯の気まぐれか? いずれにしてもだ、我が配下に手を出しておいて、無事で帰れるとでも思ったのか?」

 

 俺はフォビオに殺気を向ける。

 ふと後ろを見ると、ミリムから怒気が漏れ出ている。俺が止めたとはいえ、リグルドに手を出そうとしたことに怒っているのだろう。おそらく、俺が止めていなければフォビオは良くて気絶、最悪死んでいるだろうな。

 

ユレム「ソウエイ、リムルを会議室へ呼べ」

 

ソウエイ「御意」

 

 ソウエイは命令を聞くとすぐに消える。それを確認すると、俺はフォビオに目を向ける。

 

ユレム「詳しい話は会議室でゆっくりと聞こう」

 

…………

 

 会議室にて、リムルも含めて皆が集まる。

 

リムル「さて、単刀直入に聞くが、君達は何をしに来たんだ?」

 

フォビオ「フン、下等な魔人風情に、この俺が答えるとでも?」

 

 フォビオのその言葉を聞き、ベニマルとシオンが殺気を放つ。

 

ユレム「くはは、ならばその下等な魔人風情よりも弱いお前は何だ? そこらの羽虫か何かか?」

 

 俺はそれを笑い飛ばす。

 

フォビオ「貴様……!」

 

リムル「落ち着けって……ユレムも、そんなに怒りを煽るな……さて、フォビオ、お前の行動1つで魔王カリオンはジュラの大森林全てと敵対するかもしれないんだぞ?」

 

 リムルがフォビオを諭す。この様な遣いまで出すのだ、魔王カリオンはこちらの出方を見る姿勢だろう。もしジュラの森が魔王カリオンと戦う姿勢を見せれば、戦争になるだろう、そうなれば多くの命が死ぬことは免れない。それは避けたい。

 

フォビオ「ハン! スライム如きが、偉そうにいうものだな、この町はこんな下等な魔物に従うのか? 雑魚ばかりだと大変だな。ミリム様に気に入られているからと調子に乗るなよ?」

 

 全く、コイツはリムルの言葉を聞いていなかったのか?

 

ユレム「ふむ、お前のような話を聞けぬ者が遣いに出されるとは、よっぽど魔王カリオンは見る目がないかよっぽどお前たちの国には良い人材がいないのだろうな」

 

フォビオ「貴様……カリオン様を侮辱する気か!」

 

 椅子から立ち、声を上げる。予想通りの怒り方だ。

 

ユレム「それはお前も同じだろう、なに、目には目を、歯には歯を、侮辱には侮辱をと、昔から言うだろう?」

 

リムル「いや最後のは言わないだろ……」

 

 リムルが高速でツッコミを入れる中、フォビオは舌打ちをして席に座る。俺を親でも殺されたかのように睨んでくるが、気にせぬ。

 フォビオは暫くすると、不機嫌そうに話し始める。その内容は、オークロードと俺たちの戦いにて、勝利した方を配下として誘うよう、魔王カリオンに命じられたそうだ。

 

ミリム「カリオンの奴め、お互い邪魔をしないと言う約束を破りおって……」

 

 昼食を食べ終え、頬を膨らませながら俺の後ろでミリムが声を上げる。フォビオはミリムが先ほど発していた殺気を思い出したのか、目を逸らす。それにしても、お互い邪魔をしないと言う約束か、ミリムから詳しい話が聞きたいが……。

 フォビオには、聞くことは聞いたので帰るよう言った。後悔させてやると捨て台詞を吐き、去って行った。

 

 その後、ミリムに約束について問い詰めたところ、口を割らなかった為、リムルがミリムの為の武器で釣って情報を聞き出す事ができた。魔王が傀儡の魔王を作り出そうとは、クレイマンやカリオンは真面目に取り組んでいたようだが、ミリムは暇つぶしだったようだな。どうやら、ミリムが特別暇人なようで、他の魔王たちはそうでもないようだ。

 

リムル「ってことは、俺たちって他の魔王に狙われることにならないか!?」

 

ハクロウ「これは……トレイニー様にも相談しなければいけますまい……」

 

 全く、此奴らは悲観が過ぎる。

 

ユレム「なに、俺たちの敵となるならば、滅ぼすだけだ」

 

シオン「ええ! リムル様にユレム様ならば、他の魔王など恐るるに足りません!」

 

ユレムとシオン以外「…………はぁ」




活動報告更新しました。少々ご報告があるので、是非見ていただきたいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。