転生したら暴虐の魔王になれそうな件   作:デントウ

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ちょっと遅れたがセーフ! 決して、ゲームに明け暮れて小説を後回しになんかしてませんよ?


ヨウム英雄化計画

 ある日、ゴブタ達が人間を連れてきた。その中にはエレン達がおり、それ以外にも、ブルムンド王国のギルドマスターのフューズ達だ、こちらはソウエイから聞いていた。

 また、それとは別に、ヨウムという色黒の美丈夫率いる、ファルムス王国の辺境伯から派遣された、辺境調査団達だ。

 

リムル「申し遅れました。私、ジュラ・テンペスト連邦国の代表をしているリムル=テンペストと申します。見ての通り、スライムです! また、こちらはユレム=テンペストです。ユレムには主に内政を担ってもらっており、外政の決定権は私が持っています」

 

 俺は、この会議中はずっと黙っていろと言われた。

 その後、フューズたちの話を聞いた。どうやら、先日のオークロードの一件にて大混乱が起こり、カバル達の案内で、森の騒乱を収めた者達の所に案内してもらったそうだ。

 続けて、ロンメル達――ロンメルとはヨウムの参謀役の様な者だ――の事情も聞いた。大方、フューズ達と同じ様な経緯だ。尤も、フューズ達の方ははここを目標としていたが、ロンメル達はただの調査だった様だが。

 さて、それから話し合いの結果、ヨウム達がリムルと契約し、ヨウム達がオークロードを収めた、そして、俺達はそれに協力した、友好的な魔物という噂を流して貰う事になった。正確には会議の後、リムルとヨウムが個人的に話をして決めたそうだが。対して変わらぬ。また、そのことに関して、フューズ達からも協力が得られる様になった。

 

…………

 

ヨウム「なぁ、ユレムの旦那、ちょっと言いか?」

 

 丘で町を眺めていると、ヨウムが来た。

 

ユレム「なんだ?」

 

ヨウム「アンタって、この前の会議で、1度も発言しなかったよな?」

 

 なるほど、その事か。

 

ユレム「ああ、リムルからそう言われていてな。俺は敬語が出来ぬ、無論、努力はしているがな、なかなかどうして、この口調が身体に染み付いているようだ」

 

ヨウム「へぇ、だから外政も任されないのか」

 

ユレム「ああ、その通りだ。俺は内政でも満足しているがな、外政ができぬからと言っても、公式的な場でなければ別の国の者とも話はできる、特に不満はない」

 

 もちろん事実だ、嘘をつく理由もない。

 

ユレム「そういえば、ハクロウに稽古をつけてもらうそうだな?」

 

 英雄と名乗るにあたり、英雄に相応しい実力を身につけてもらう事となったのだ。

 

ヨウム「おう! 自分がさらに強くなるチャンスだからな、絶対にこの機会を無駄にはしねぇぜ」

 

ユレム「くはは、先ずは生き残る事だな、死んでは元も子もない、精々、足掻くが良い」

 

ヨウム「……? ま、まぁ、確かに気を引き締めねぇとな、それにしたって大袈裟じゃねぇか?」

 

 まあ良い、稽古が始まれば、すぐに分かるだろう、ハクロウ、アイツは容赦というものを知らぬ、ゴブタ達の稽古後の様子を見ればわかるが、この世の何もかもに絶望した顔をしている。

 

…………

 

ヨウム「あ"……じ、死ぬ……」

 

 案の定である。ヨウムの顔には大量のタンコブが出来ており、元の美丈夫はそこにはない。

 

ユレム「気休めの効果だが、多少は楽になるだろう」

 

 ほとんど魔力を込めずに<治癒(エント)>を使う。すぐに回復させては、稽古の意味がないとハクロウは言うだろう。この世界の住民は基本的に生命力が強いので問題ないだろう。

 

リムル「はっはっは、随分してやられたなヨウム」

 

 共に稽古の様子を見ていたリムルが笑いながら言う。

 

ヨウム「リムルの旦那……」

 

ユレム「さて、ヨウム、最後の5秒、お前の視界にはなにが見えた?」

 

 ヨウムはこの稽古の中でかなりの成長を遂げた。最後の5秒は、その時点でのハクロウの剣を見切り、避けて見せたのだ。だが、その後ハクロウの剣に向かっていく様に避けて吹き飛ばされたが。

 

ヨウム「……ああ、最後、ほんの少しだけだけど、師匠の剣が見えたんだよ、1度だけだが、避ける事も出来た」

 

ユレム「ならば、何故それが出来た?」

 

 ここからが重要だ。

 

ヨウム「何故って、俺の目が師匠の剣に慣れてきたからじゃないのか?」

 

リムル「ふっふっふ、20点だよヨウムくん。勿論100点満点で」

 

 確かにそれくらいだな、確かに、ヨウムの目が慣れたというのも少なからずあるだろう、だが、それ以上に重要なロジックがある。

 

ヨウム「はぁ? それ以外になにが……」

 

ユレム「ヨウム、お前は剣の前に何を見ていた?」

 

ヨウム「そりゃ……師匠の目の動きとかか?」

 

 そう、それも1つだ。

 

リムル「70点だ、なんでヨウムはハクロウの目の動きを見たんだ?」

 

ヨウム「師匠がどこを狙ってくるか……でも、どこを狙っているかは最初から注意してたぞ?」

 

ユレム「もう少しだ、お前は無意識のうちに理解した、ハクロウという存在をな」

 

ヨウム「……! そうか、師匠の攻撃のパターン、師匠が何処かを狙った時、殆ど最短の道で剣を振ったんだ! だから、俺の目は師匠の剣が通る道を先回りして、対応することができたんだ! 最後以外は」

 

 理解したか、ハクロウの剣の第1段階を。

 

リムル「100点だ、ヨウム! よく理解した! その上で考えてみてくれ、何故最後はそれが通用しなかったのか」

 

ヨウム「多分だが、師匠はあの時、重心、視線、剣の位置で俺が避ける方向を操ったんだと思う。あの時の師匠の視線は俺の首に向いていて、重心は右足、剣の位置も右にあった、だから俺はしゃがんで1撃を食らわせようとしたが、師匠が実際に取ったのは上段からの振り下ろし……」

 

 そう、1つのコツさえ覚えて仕舞えば、相手の動きの意味を理解するのは難しくない。

 

リムル「それじゃ、今度はハクロウの視線とかに騙されない様にするのはどうするか! 頑張りたまえよ、ヨウムくん」

 

 ヨウム英雄化計画は始まったばかりだ。




作者は武術の達人でもなんでもないです。なのでこの理屈は、そーなのかー程度に思ってもらえれば……
そういえば、魔王学院2期、7月になるだそうですね、新ビジュアルもかっこいい!
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