転生したら暴虐の魔王になれそうな件   作:デントウ

23 / 43
ごべんなざい! 遅くなりました!


魔王の厨房

 皆、順調にメガロドンを撃破していく。命令通り、傷は最小限にとどめてくれている。

 

ユレム「さて、そろそろ動き出すか」

 

リムル「だな、味方のメガロドンもほとんど撃破した。恐らく狙いは俺たちだ。自分たちの手でカタをつけなきゃな!」

 

 皆がカリュブディスに攻撃を加えるが、ダメージはほとんどないようだ。次の瞬間、突如カリュブディスの目が一瞬赤く光る。何らかの攻撃のサインだろうな。

 トレイニーも気づいたようで、リムルに報告、リムルがすでにソウエイ達へ警告を終えていた。

 

ユレム「ふむ、あれはかなり大規模な攻撃だろうな。万が一はリムル、食えるな?」

 

リムル「ああ、勿論だ!」

 

 不快な音が響き、カリュブディスの全身を覆う鱗が一斉に放出された。その殲滅力は、ベニマルの黒炎獄(ヘルフレア)やリムルの炎化爆獄陣(フレアサークル)を遥かに超える。それに対し、ソウエイ、シオン、ランガも避けきれず、苦戦している。

 

リムル「行ってくる!」

 

ユレム「ああ、頼んだぞ」

 

 リムルはソウエイ達の下へ一瞬で移動し、カリュブディスの鱗を【暴食者(グラトニー)】にて喰らい尽くす。これは、随分と凄まじいスキルを手にしたものだな。

 さて、カリュブディスを見直すと、全身が微かに煌めいている。恐らくは鱗の再生だろうが、その速さから見るに奴は【超速再生】を持っているようだ。

 

ユレム「リムル、カリュブディスは恐らく【超速再生】を持っている。数分で鱗は回復するだろう。天翔騎士団(ペガサスナイツ)がくる前にその間隔を確認、安全マージンを取れるよう分析するぞ」

 

リムル「了解、一先ずは鱗の修復に気をつけつつ、相手の攻撃を、俺の【大賢者】とユレムの【大教授】【魔眼】で分析だな」

 

 そう言うと、リムルとカリュブディスの攻防戦が始まる。リムルも思ったようにダメージを与えられていないようだな。天翔騎士団(ペガサスナイツ)も到着し、犠牲者を出さぬよう細心の注意を払いながらの戦いが続く。

 

ユレム「さて、やっと参加できるな」

 

 そう言って俺は立ち上がる。俺は、何もせずに見守っていたのではない。カリュブディスの【魔力妨害】に対する対策を練っていたのだ。俺が出した答えは、妨害をものともしないほど強大な魔力で魔法を使う。だ。とはいえ、普段はここまで大きな魔力は使わない。ただ無駄に魔力を消費するだけだからな。慣れないことはするものではないな、想像以上に時間がかかった。

 

ユレム「リムル、気づいているな?」

 

リムル「ああ、フォビオ。だろ?」

 

ユレム「ああ、少々怒りが滲み出ている。俺に対してのな。まあ良い、無理矢理だが、落ち着かせて話をするとしよう。俺が奴を弱らせる。あとはできるな?」

 

リムル「ああ、簡単だ!」

 

 頼もしい限りである。俺は<飛行(フレス)>にてカリュブディスに近づく。魔力の消費が激しい。持って3時間と言ったところか。

 

ユレム「よう。久しぶりだな。フォビオ」

 

カリュブディス「ユ、ユレム……! ユレム・テンペストォ!」

 

 怒りの念がこちらに完全に向けられる。

 

ユレム「さて、料理してやる」

 

 カリュブディスは暴風の乱鱗雨(テンペストスケイル)を俺1人を狙って放つ。

 

ユレム「<魔黒雷帝(ジラスド)>」

 

 黒き稲妻が鱗を落とし続ける。そのうち、鱗は消えていた。

 

ユレム「鱗は十分取った。もう遮るものはないぞ?」

 

 カリュブディスの頭上に立ち、脚を大きく上げる。

 

ユレム「とはいえ、そのまま調理するには肉が硬いな」

 

 そう言いながら踵を振り下ろす。その一撃は、カリュブディスを数秒硬直させる。俺の身体能力は、オークロード戦の時より、遥かに上がっている為だ。

 

ユレム「そら、もう数発行くぞ」

 

 今度は<飛行(フレス)>で高く飛び上がり、落下の勢いで数百発程ラッシュをぶち込む。その火力は【超速再生】を上回り、損傷率をより増加させている。

 

カリュブディス「グァ……ユ、レムゥ……!」

 

 カリュブディスがうめく。体力を削いでる証拠だろう。

 

ユレム「ふむ……活け造りもアリか?」

 

 俺は周囲を見回す。すると、とあるものを見つけた。メガロドンの死骸である。それは、比較的損傷が激しく、かつ、両断などされていないものだ。

 

ユレム「<森羅万掌(イ・グアネス)>」

 

 その死骸を掴み、持ち上げ、カリュブディスに叩きつける。するとカリュブディスは大きくよろめき、メガロドンは全身が少し柔らかくなる。全身の骨が砕けたのだろう。

 

ユレム「質量は十分だ。1匹無駄にしてしまったが……仕方あるまい」

 

 流石に、骨が砕けきって仕舞えば、それは捌いた際に骨が所々混ざる可能性が高い。そのため、料理に使うのは難しいだろう。

 

ユレム「決めたぞ。お前は……焼き魚にしてやる」

 

  俺は巨大な魔法術式を100門、上空に描き出す。

 

ユレム「<獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)>」

 

 その魔法を行使すると、空から雨にように黒き太陽が降り注ぐ。

 

カリュブディス「ガア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!」

 

ユレム「コレくらいの火力が無ければ、お前にはダメージは入らぬだろう?」

 

ミリム「おお! 前よりも魔力の出力が上がっているぞ! 魔力量も魔素量も変わってはいないはず……なるほど! 魔力の効率が良くなっている。何度も使用したためか!」

 

 ミリムは【竜眼(ミリムアイ)】にて見つめながら、ユレムのさらに火力の上がった<獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)>を分析する。

 黒き太陽の雨が止むと、そこには至る所が焼け焦げ、殆ど限界をとどめていない、カリュブディスがそこにいた。

 

ユレム「リムル、もういけるか?」

 

リムル「……あ、いや、まだ難しいなもう少しでいい」

 

 もう少し……どうしたものか。

 

ユレム「では、さらに続けるとしよう。だが、また同じことをすると、少々面倒になるかも知れぬな」

 

 今度は1つ、巨大な魔法術式を描く。

 

ユレム「<雷界滅電陣(ギル・デモリア)>」

 

 雷魔法における、<獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)>と同階級の魔法、<雷界滅電陣(ギル・デモリア)>それの1発の火力は<獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)>を超える。

 それを喰らったカリュブディスの原型は無く、人型の物体が1つ、落ちていく。

 

リムル「よっしゃ! いけるぞ、ユレム!」

 

 俺とリムルは立ち位置を瞬時に交代し、その人型物体、つまりフォビオに近づき、【暴食者(グラトニー)】にて捕食、それを【変質者】の【分離】にて、フォビオからカリュブディスを引き剥がし、引き剥がしたカリュブディスの部分をリムルが捕食する。

 

リムル「…………終わったぁ……!」

 

ユレム「流石だな。帰ったら魚祭りだ。しばらく刺身には困らぬな」

 

 先ほどは焼き魚と言ったが……やはり刺身に限る。




魔王の厨房には、カリュブディス以上の硬さの器具が必須です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。