皆、順調にメガロドンを撃破していく。命令通り、傷は最小限にとどめてくれている。
ユレム「さて、そろそろ動き出すか」
リムル「だな、味方のメガロドンもほとんど撃破した。恐らく狙いは俺たちだ。自分たちの手でカタをつけなきゃな!」
皆がカリュブディスに攻撃を加えるが、ダメージはほとんどないようだ。次の瞬間、突如カリュブディスの目が一瞬赤く光る。何らかの攻撃のサインだろうな。
トレイニーも気づいたようで、リムルに報告、リムルがすでにソウエイ達へ警告を終えていた。
ユレム「ふむ、あれはかなり大規模な攻撃だろうな。万が一はリムル、食えるな?」
リムル「ああ、勿論だ!」
不快な音が響き、カリュブディスの全身を覆う鱗が一斉に放出された。その殲滅力は、ベニマルの
リムル「行ってくる!」
ユレム「ああ、頼んだぞ」
リムルはソウエイ達の下へ一瞬で移動し、カリュブディスの鱗を【
さて、カリュブディスを見直すと、全身が微かに煌めいている。恐らくは鱗の再生だろうが、その速さから見るに奴は【超速再生】を持っているようだ。
ユレム「リムル、カリュブディスは恐らく【超速再生】を持っている。数分で鱗は回復するだろう。
リムル「了解、一先ずは鱗の修復に気をつけつつ、相手の攻撃を、俺の【大賢者】とユレムの【大教授】【魔眼】で分析だな」
そう言うと、リムルとカリュブディスの攻防戦が始まる。リムルも思ったようにダメージを与えられていないようだな。
ユレム「さて、やっと参加できるな」
そう言って俺は立ち上がる。俺は、何もせずに見守っていたのではない。カリュブディスの【魔力妨害】に対する対策を練っていたのだ。俺が出した答えは、妨害をものともしないほど強大な魔力で魔法を使う。だ。とはいえ、普段はここまで大きな魔力は使わない。ただ無駄に魔力を消費するだけだからな。慣れないことはするものではないな、想像以上に時間がかかった。
ユレム「リムル、気づいているな?」
リムル「ああ、フォビオ。だろ?」
ユレム「ああ、少々怒りが滲み出ている。俺に対してのな。まあ良い、無理矢理だが、落ち着かせて話をするとしよう。俺が奴を弱らせる。あとはできるな?」
リムル「ああ、簡単だ!」
頼もしい限りである。俺は<
ユレム「よう。久しぶりだな。フォビオ」
カリュブディス「ユ、ユレム……! ユレム・テンペストォ!」
怒りの念がこちらに完全に向けられる。
ユレム「さて、料理してやる」
カリュブディスは
ユレム「<
黒き稲妻が鱗を落とし続ける。そのうち、鱗は消えていた。
ユレム「鱗は十分取った。もう遮るものはないぞ?」
カリュブディスの頭上に立ち、脚を大きく上げる。
ユレム「とはいえ、そのまま調理するには肉が硬いな」
そう言いながら踵を振り下ろす。その一撃は、カリュブディスを数秒硬直させる。俺の身体能力は、オークロード戦の時より、遥かに上がっている為だ。
ユレム「そら、もう数発行くぞ」
今度は<
カリュブディス「グァ……ユ、レムゥ……!」
カリュブディスがうめく。体力を削いでる証拠だろう。
ユレム「ふむ……活け造りもアリか?」
俺は周囲を見回す。すると、とあるものを見つけた。メガロドンの死骸である。それは、比較的損傷が激しく、かつ、両断などされていないものだ。
ユレム「<
その死骸を掴み、持ち上げ、カリュブディスに叩きつける。するとカリュブディスは大きくよろめき、メガロドンは全身が少し柔らかくなる。全身の骨が砕けたのだろう。
ユレム「質量は十分だ。1匹無駄にしてしまったが……仕方あるまい」
流石に、骨が砕けきって仕舞えば、それは捌いた際に骨が所々混ざる可能性が高い。そのため、料理に使うのは難しいだろう。
ユレム「決めたぞ。お前は……焼き魚にしてやる」
俺は巨大な魔法術式を100門、上空に描き出す。
ユレム「<
その魔法を行使すると、空から雨にように黒き太陽が降り注ぐ。
カリュブディス「ガア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!」
ユレム「コレくらいの火力が無ければ、お前にはダメージは入らぬだろう?」
ミリム「おお! 前よりも魔力の出力が上がっているぞ! 魔力量も魔素量も変わってはいないはず……なるほど! 魔力の効率が良くなっている。何度も使用したためか!」
ミリムは【
黒き太陽の雨が止むと、そこには至る所が焼け焦げ、殆ど限界をとどめていない、カリュブディスがそこにいた。
ユレム「リムル、もういけるか?」
リムル「……あ、いや、まだ難しいなもう少しでいい」
もう少し……どうしたものか。
ユレム「では、さらに続けるとしよう。だが、また同じことをすると、少々面倒になるかも知れぬな」
今度は1つ、巨大な魔法術式を描く。
ユレム「<
雷魔法における、<
それを喰らったカリュブディスの原型は無く、人型の物体が1つ、落ちていく。
リムル「よっしゃ! いけるぞ、ユレム!」
俺とリムルは立ち位置を瞬時に交代し、その人型物体、つまりフォビオに近づき、【
リムル「…………終わったぁ……!」
ユレム「流石だな。帰ったら魚祭りだ。しばらく刺身には困らぬな」
先ほどは焼き魚と言ったが……やはり刺身に限る。
魔王の厨房には、カリュブディス以上の硬さの器具が必須です。