転生したら暴虐の魔王になれそうな件   作:デントウ

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魔王カリオン

 元の姿に戻ったフォビオを回復させ、目覚めるのを待つ事となった。

 

ドルフ「さて、説明していただきましょうか?」

 

 天翔騎士団(ペガサスナイツ)長のドルフが俺にいう。

 

ユレム「最後のか? 普通に俺が戦っただけだぞ? 特におかしな事はしていまい?」

 

ドルフ「いや、その普通に戦った内容がおかしいんですよ! 相手は厄災カリュブディス、我々の脅威になり得る相手です。そんな相手を早いうちに討伐できたのは僥倖でしたが、ユレム様のあの力、詳しく説明していただきますよ?」

 

 説明と言われてもな……。

 

ユレム「説明もなにも、俺は特別な事はしておらぬ。俺のスキル【魔法作成】の魔法を十分に活用しただけだ。ただ、【魔力妨害】があったからな、無理やり強大な魔力をぶつけた為。少々溜める時間が必要だったがな」

 

 ドルフは何か諦めたような顔をしている。

 

ドルフ「少々でカリュブディスを討伐されるのは困るんですが……」

 

 確かに、ドルフの目線からすれば、俺は国家の危機たるカリュブディスの体力をほぼ単独で削り切ったという、敵に回るわけにはいかない相手であり、油断できないのは仕方がないだろう。

 

ドルフ「…………はぁ、とはいえ、今回は本当に助かりました。ガゼル王には、俺からも説明する事にしましょう」

 

リムル「ああ、そうしてもらえると助かる。本当にありがとう」

 

 俺からも礼を言う。すると、ドルフが続けて話し始める。

 

ドルフ「礼ならば、ガゼル王に……。ああ、それとここからは独り言ですが……」

 

 そう前置きをして、ドルフは話し始める。

 

ドルフ「王に報告して頂けるならば、是非ともドワルゴンまでお越し願えませんか? 前回はあのような形となってしまいましたし、王も気にしておられます。国外追放や滞在拒否の措置はすでに撤回しておりますれば……」

 

 それを聞き、リムルはそれに了解し、カイジンやガルムを連れて行くことを約束すると、ドルフ達天翔騎士団(ペガサスナイツ)はドワルゴンへ帰っていく。

 

 すると、ある者が目を覚ます。

 

フォビオ「クッ……ここは……どこだ? 俺は、一体何を……」

 

 フォビオである。先ずは記憶の確認が優先だな。

 

ユレム「よう、フォビオ、先ず、お前が何をしていたか覚えているか?」

 

 フォビオは、覚醒した意識で記憶を思い出すようなそぶりをする。すると突然、俺とリムルの前に飛び込むように土下座をする。それは見事な土下座である。

 

フォビオ「す、スマン! いや、スミマセンでした! 俺はあなた方にとんでもないことを……本当にご迷惑をおかけいたしました!」

 

 顔は青ざめており、全力で謝罪をしている。ここまで反省されると、逆のおかしな点が現れる。何故、今回のような騒動を起こしたのか。この魔人のような直情型の者が、ここまでの騒動を起こすのは、不自然に見える。

 

トレイニー「貴方は何故、カリュブディスの封印の場所を知っていたのですか? 偶然見つけたとは言わせませんよ?」

 

 ああ、それもあったか、そもそもカリュブディスの封印場所を見つけた事自体、不可解な点が多い。偶然見つけたでは済まされぬ。

 

 それに、メガロドンに関しては偶然そこにあったレッサードラゴンの死骸を使ったそうだからな。その点も不可解だ。ここまで短い期間では、いくら上位魔人といえど、13体のドラゴンを殺し、カリュブディスの封印場所を見つけて解くなど、出来るとは考え辛い。

 

 つまり、元々死骸を用意し、封印を見つけてあとは依代のみとする所まで準備していた者がいると考えるのが自然だ。

 

フォビオ「ああ、それは……」

 

 フォビオは、仮面を付けた2人組の中庸道化連と名乗る者達に協力を申しつけられたと言う。

 

 すると、トレイニーに思い当たる節があったようで、左右非対称の人を舐めたような仮面を付けた人物でないか? と聞いたが、フォビオの前に現れたのは、怒りの仮面を付けたフットマンと名乗る者と泣いている仮面を付けたティアと名乗る者だったそうだ。

 

リムル「そういえば……ベニマル達の集落を滅ぼした時にいたとか言う……」

 

 ベニマル「ああ、俺もそれを思い出していました。怒りの表情を模った仮面を被った太った魔人、間違いなく、オークを操っていた者の1人です」

 

ゲルド「確かに、オレと別行動を取っていたオークジェネラルの先遣隊に、ゲルミュッドが雇った上位魔人が用心棒として付き添ってました。確か名はフットマンと言ったはず……」

 

 ふむ……。

 

ガビル「そういえば、我輩を助けてくれたラプラス殿も、ゲルミュッドに雇われた者でしたな。確か、中庸道化連とか言う何でも屋の副会長だと名乗っていましたな。それに、トレイニー殿の仰った、左右非対称の人を舐めたような仮面を付けておりました」

 

 ほう? どうやら、点と点が繋がったな。ラプラス、フットマン、ティア、そしてその者達が属する。中庸道化連という何でも屋……。其奴らが一連の騒乱の鍵を握っているの考えるのが妥当だな。

 

 さて、ある程度情報は揃った。それと先ほどから<周辺察知(ジリピア)>にて強大な力の持ち主が接近していることが察知できる。この妖気……恐らく魔王級の実力者か……。

 

 どうやら、フォビオの処遇について話がまとまったようだな。特に罪を問うような事はしないようだ。

 

ユレム「話がまとまったみたいだな。そこにいる者もそれで良いだろう?」

 

???「ほう、気づいていたのか、お前」

 

ユレム「ああ、索敵も多少は得意でな」

 

 とは言っても、此奴の妖気はベニマルやシオンなどに比べれば遥かに小さい。だが、それでは先ほどの接近速度と合わぬ。いくら速さに特化していたとしてもあの程度の妖気しか出せぬのならばもっと遅いはずだ。恐らく、俺も<周辺察知>が無ければすぐそこにくるまで気づかなかっただろう。

 

カリオン「さて、俺様は魔王カリオン。まずは、そいつを殺さずに助けてくれたのは礼を言うぜ」

 

 カリオンは俺とリムルを真っ直ぐ見据える。

 

リムル「わざわざ自ら出向いてくれるとは思わなかったよ。俺の名はリムル=テンペスト。この森の魔物達で作った"魔国連邦(テンペスト)"の盟主だ。そしてこっちが……」

 

ユレム「ユレム=テンペストだ。俺もリムルと共にこの国の盟主をしている。主に内政担当だがな」

 

 カリオン「フッ、たかだか一回の魔人が国を興す。昔ならいざ知らず、今の世で命知らずな野郎どもだ。謎の魔人はオークロードに敗れて死んだと報告を受けたんだが、どうやら間違いだったみてーだな。お前が、ゲルミュッドを殺った仮面の魔人だろ?」

 

 カリオンはリムルを見てそう言う。それを聞き、リムルも人型になる。

 

リムル「そうだが……ゲルミュッドを殺った俺に仕返しにでも来たか?」

 

ユレム「ああ、そういえば、フォビオの前でお前のことを散々煽り散らかした覚えがあるな……それを聞いてか? やると言うならば受けて立つが……」

 

 俺も思い当たる節があったので言ってみる。

 

カリオン「ふははは! 面白い奴らだ。ま、今回は何もしねーよ。俺の部下が暴走しちまったようだ。俺の監督不行き届きって事で、許してやって欲しい」

 

 頭を下げたりはしないものの、彼なりの謝罪を受け取った。

 

カリオン「今回の件、借り一つにしておく。何かあれば俺様を頼ってくれていい」

 

 リムルは、それを聞いてユーラザニアとテンペストの不可侵条約を結んでほしいと要求し、カリオンもそれを飲んだ。一先ずの不可侵条約だ。いずれは国交を繋ぎたいものだな。

 

 フォビオはカリオンに殴られて瀕死の重傷を負いながらカリオンに担がれて帰って行った。

 

…………

 

 それから数日後、俺たちはミリムと手合わせなどをするようになっており、各々のレベルが格段に上がっているのが分かる。そんなある日……。

 

ミリム「ワタシは仕事に行ってくる!」

 

 と言って、飛び去っていった。さて、ミリムが帰るまでに、皆をさらに鍛えねばな。




これにて、魔王来襲編、これにて終了、現時点でのユレム君のステータスをば……。

ユレム=テンペスト
種族:浅層魔族

加護:暴風の紋章
称号:魔物を統べる者 ◾️◾️◾️◾️の胚
魔法:いっぱい(前回までとさして変わらず)
ユニークスキル:【大教授】【魔法作成】【破滅の魔眼】【滅紫の魔眼】【破壊者】
エクストラスキル:【魔力感知】【記憶処理】【思念伝達】
耐性:【痛覚無効】【毒無効】【熱変動耐性】

 まあ、変化なしって感じですね。
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