あ、今回は特に、アノス様とユレム君は別のものとして考えていただいて……。これからはアノス様とユレム君をなるべく同じような感じになる様に書きますが、それでも少し違うところがある。みたいな感じで書いていこうかなと、勿論、アノス様成分が摂取できた気分になれるよう努力はします!
八神騎士団は、聖騎士団と違い、西方聖教会ではなく、神聖法皇国ルベリオスに所属している、それには、いくつかの理由があるが、その1つは、神話に直接由来する騎士団であることが大きいだろう。
彼ら八神騎士団の指揮官は8人いる、その者たちは八神選定者と呼ばれており、その実力は、聖人を超える神人であり、その8人がそれぞれ11人の部隊を持つ。総勢88名の部隊の団員は、その全員が仙人へ覚醒しており、各部隊の隊長は皆、聖人へと覚醒している。聖騎士団よりも団員は遥かに少ないが、その戦力は八神選定者を含まずとも、聖騎士団を超えるとされている。
勇者を名乗る者には因果が巡る。彼もまた、数奇な運命を辿るのだろう。
…………
膨大な力の衝突により、【
ユレム「ただ、驚いたな。まさか、腕を切り落とされるとは」
トウジの部下であろう者達は、信じられぬものを見るような目でこちらを見る。鎧で目は見えぬが。
ユレム「どうした、かかって来ないのか?」
腕は……聖痕だな、しばらく治せそうに無い。
トウジ「まて……! まだだ……!」
トウジが地に伏したまま、こちらを睨む。
ユレム「諦めろ、お前には余力は残っていまい?」
全身全霊の効果により、動くことすらままならないトウジに出来ることは何も無い。
トウジ「……ッ! ああ、俺はもう戦う力は残っていない、ただ、1つ聞かせてくれ、お前は、シズ先生を殺したのか?」
ふむ、トウジ、シズの教え子だったのか。だが、殺したのか? か、生き返らせるつもりではいるが……。
ユレム「見方によってはそうだな」
トウジ「曖昧な答えは許さないぞ! グッ、」
傷口が痛むのだろう。体力も残っていないだろうに、これだけ教師想いの生徒を持つとは、シズが羨ましいものだな。
『告、スキル、魔法の復旧が完了しました。<
【
ユレム「
トウジ「まて! 話は終わっていない! ゴホッゴホッ!」
トウジの部下が数人、俺を囲む。
ユレム「俺は急いでいるのでな、手加減はできぬぞ?」
【破滅の魔眼】により、騎士どもの武器を破壊し、を気絶させる。そして<
???「トウジが負けるとは、驚きましたね」
何者かが俺の背後から歩いてくる。銀髪に、一切表情を変えそうに無い無表情の男、かの魔王の右腕、シンを思い出させるその男は、一本の剣を帯刀するのみで、手に握っているわけでも無いのに、全く隙がない。ハクロウ以上の手馴れだ。
ユレム「何者だ?」
トウジ「ディウス様……何故……?」
ディウス? この男の事か。
ディウス「トウジ、お疲れ様です。私も少々、相手の力量を見誤っていたようです。直接対峙して分かりました、今回、貴方では分が悪かったようですね」
あの本物のシンからは絶対に出ないであろう労いの言葉である。いや、出るのだろうが、俺のイメージ上……いや、これ以上無駄な考え事をしていれば、斬られる。
ユレム「済まぬが急いでいてな、通してもらえると助かる」
ディウス「お断りします。今、貴方に町へ向かわれると、後々都合が悪いので、今、ここで捕縛させてもらいます」
刹那、ディウスの腰にある剣が、目で追うことすらできぬ速度で振るわれる。殺気に反射で後ろへ引いていなければ、首を斬られていただろう。
ディウス「今の不意打ちを避けますか……流石です、ただし、次は取り逃がしませんよ?」
今は町に戻らねば……。奴は万全の状態で戦っても勝率は1割も行かぬだろう、戦闘を避けるのが得策か。全く、まだ届かぬものだな。
ディウス「……ッ!」
先ほどと同等以上の速度で近づいてくる。そこで俺は、ある魔法を使う。
ユレム「<
可能性を具現化する魔法、<
可能性の俺は、ディウスに向かっていき、蹴りを入れようとするが一瞬で切り刻まれ、消滅する。だが、十分な時間は稼げた。町へ向かうため、<
『告、転移先の特定が不能です。考えられる原因として、何らかの結界により外界と隔絶されていると推測されます』
ふむ、それでは、ガビル達の洞窟ならば……いや、そこまでの時間はくれそうに無い。
ディウス「<
試しに<
ディウス「洗礼剣、秘奥が壱――」
剣身が、神々しく輝く光を放つ。
ディウス「――<
花の刃が、辺りを照らしながら、高速で乱散る。その光により、<
ユレム「
<
ディウス「<
全く、黒き太陽の雨を容易に抜け、一瞬でここまで来るとはなかなかどうして、格上だ。とはいえ……。
ユレム「格上だからと言って、そう簡単に民を捨てさせられるとでも思ったか?」
ディウス「捨てさせるつもりはありません。ただ、今行かれるのは困るだけです」
俺にとっては対して意味は変わらぬ。
ユレム「単純な予感だ。今俺が町に向かわねば、誰かが死ぬだろう、根拠は無い。だが、確信がある、信頼していないわけでは無いが、今行けば間に合うかも知れぬ。王とは、そういうものだ」
ディウス「まったく、やはり、人は変わらぬものですね……ですが、私にも目的があります。今の私は、今の貴方よりも先を見ている。故に、今ここで止めます」
ディウスは先ほどとは違う剣を抜く。その剣は、先ほどのものよりも、圧倒的な存在感に包まれている。
ディウス「終王剣、秘奥が参――」
周囲に結界が貼られる。反応が遅れたか、となると、回避は不可能と考えるか、おそらく、このエネルギーは……今の俺の持つ全ての手札を使ったとしても、一撃で俺を葬り去る火力を出すだろう。できる限りの防御魔法を展開する。
ディウス「――<
剣先にエネルギーが収束し、周囲の空気が消え去る。別に呼吸ができなくとも生きていけるが、問題はそこでは無い。検査機に集まったエネルギーの量だ。おそらく、俺を除くテンペストの民のエネルギーを全て集めてもここまでは行かぬ。それほどまでのエネルギーが、次の瞬間には、拡散していた。防御魔法は意味をなさず、俺の身体は滅び去る。意識が無くなってきた…………。
…………
「<
「ええ、想像以上ですね、これなら、これから起こる魔王の誕生の
「起こります。しっかり、その為に誘導しましたから」
「確か……魔導王朝サリオンの皇帝の叔父の娘でしたか」
「ええ、別に、誘導しなくても勝手に魔王への覚醒について教えに行きそうですけどね」
「念には念を……ですよ、エンティ。では、戻るとしましょう」
「部下は?」
「トウジ以外は大した怪我は負っていませんから、大丈夫でしょう」