ユレム「俺に合わせたい者?」
リベリオ「ええ、ただ、今はここにいないので、彼女が来るまでは城を案内します」
彼女……一体何者だ? まあ良い。案内されるとしよう。それにしても、城か、随分大きい建物だとは思ったが、城だったか。
ユレム「よろしく頼む」
それから、俺とエンティ、ディウス、アミュレの4人で城の散策を始めた。
まず向かったのは、イスやテーブル、暖炉などの生活に必要なものが揃った談話室だ。
アミュレ「ここにはいつも誰かしらはいるわね〜、勿論、各々のしたい事をする為に別の部屋に行くことも多いけど」
普段この城には八神騎士団が出入りすることもあるらしい、あまり多くはないため、普段この城を使うのは八神たちだけらしいがな。恐らく、その際に騎士の溜まり場になっていることだろう。
次に案内されたのは、書庫だ。かなりの広さで、ここにある本は軽く2400万を超えるだろう。それに、魔法で気温、湿度、気圧をコントロールして本にとって最も良い状態を保っているようだ。
エンティ「ここの本は、人間の国の図書館の児童書から、魔導王朝の禁書まで、あらゆる本があります。もしかしたら、今のユレム様の助けになるものがあるかもしれません」
魔導王朝の禁書? どうやって入手したのだ?
エンティ「あ、入手経路は……いろいろです」
つまり聞くなと言う意味か。
次は訓練所だ。訓練所というより、闘技場といった方が正確だが……。
ディウス「我々は、戦場を広く使って戦う者が多いので、コレくらいの広さがないと手合わせができないのです」
なるほど、皆の能力故か。しかし、少々見覚えがあるものが多いな……。それに、先ほどから気づいたが、この城、巨大な立体魔法陣だ。まさか……な。
ユレム「1つ聞くが、この城に名はあるのか?」
ディウス「……ええ、ございます。この城の名、それは」
ディウスが肯定し、続けて城の名を言う。
ディウス「魔王城デルゾゲード」
アミュレ「2000年前、貴方が破壊神を堕とした際に、その神体を作り替えて、この城を築いたのよ」
まったく、2000年前の俺はなかなかどうして、とんでもないものを作り上げたな。それに、デルゾゲードはこの世界でも同じような方法で造られたのか……。
エンティ「その時は私は居ませんでしたが、凄まじい戦いだったと聞いています」
当の俺も知らぬがな。だが、やはりデルゾゲードということは、理滅剣を出すこともできるのか?
『告、<
失敗しました。【魔法作成】で使用可能な魔法術式では、<
なるほど、では、【魔法作成】を進化させることが必要不可欠か……待て、そういえば、<
『解、不可能です。
問、ユニークスキル【魔法作成】を進化させ、究極能力【深魔法作成】を取得しますか? YES/NO』
可能なのか?
『是、条件を満たしたので、取得可能です』
ならば、YESだ。
『究極能力【深魔法作成】を取得……
成功しました』
驚いたな。条件とはなんだったのだ?
『解、【魔法作成】で使用可能な魔法文字を全て解放し、さらなる魔法を欲すること、そして一定以上の魔素量を持つことです』
更なる魔法を欲する……<
『解、まだ魔法の熟練度が足りないため、【深魔法作成】の文字は解放されていません』
なるほど、まだ使えぬか。
エンティ「ユレム様……?」
しばらく【
ユレム「すまぬ、少々考え事をしていた」
エンティ「いえ、大丈夫ですが、貴方に会っていただきたい方が来たようですので、お越し下さい」
ああ、そうだったな。では行くとしよう。
ユレム「分かった、案内してもらえるか?」
まだこの城の全てを把握できているわけではない。分かるのは大方、城全体の2割程度だろう。
そうして、向かったのは応接室だ。俺がその部屋に入ると、そこにはリベリオともう1人、銀色の髪を下ろし、赤と青の金銀妖瞳を持つ、端麗な美女がソファに座っていた。
ユレム「すまぬ、待たせたな」
???「いや、良い、2000年も待ったのじゃ、数分程度どうということないわ」
彼女は、威厳のある口調で言った。
ユレム「それで、リベリオ、この者か?」
リベリオ「はい、彼女は、太陽を克服した
ルミナス・バレンタイン様です」
ユレム「驚いたな、まさか、魔物の天敵とも言える組織の頂点が上位種族……
ルミナス「まさにその通りじゃ、まあ、それに際して魔王の座を配下に譲り、ルミナス教の運営も配下に任せているがな」
では、今は自堕落な生活をしているということか。
ルミナス「してユレムよ、妾のことはどれだけ覚えておる? 妾のことくらい、少しは覚えていよう?」
ユレム「悪いが全く覚えていない」
キッパリと言うと、ルミナスは少々笑みを浮かべる。目は笑っていないが……シュナを彷彿とさせるな。
ルミナス「ほう? 唯一神たる妾とユレム、将来を誓い合い、国を正しく導くため、親愛を深めていった妾のことを忘れたのか……!?」
先程ルミナス教の、もう一つの聖典、つまり唯一神の夫ユレムが出てくるモノに軽く目を通したが、全く同じようなことが書いてあったのを覚えている。おそらく、脚色9割、事実1割と言ったところか。
ユレム「それはすまぬことをしたな。それで、どこまでが事実だ?」
ルミナス「フッ、流石にバレたか、すべて嘘じゃ。お主と妾は2000年前に結婚などしておらぬわ」
まったく、なかなかどうして、下手な芝居をする。
ルミナス「さて、本題に入るとしよう、今回来た目的じゃが、勿論お主に会うためじゃ。じゃが、それ以上に、あることを伝えにしたのじゃ」
あること? 大方、テンペストで何かがあったのだろう。
ルミナス「その伝えたいことじゃが、クレイマンという魔王が、魔王が一堂に集まり、話し合いの場を設ける、
クレイマン、オークロードやカリュブディスの件の実行犯……中庸道化連と繋がっているであろう魔王か……。
ユレム「魔王が一堂に集まる……か、そんなこと、1人の魔王の影響力で可能なのか?」
ルミナス「いや、不可能じゃ。
なに? ミリムがだと? ミリムが賛成しているとなると……なにか面白いと感じる何かがあったのか、それとも何か別の事情か……。
ルミナス「これには流石の妾も驚いたわ。あのミリムが賛成しておるのじゃ、クレイマン程度に、ミリムの興味を惹かせる何かなど用意するなぞ、不可能じゃからな」
どうやら、ルミナスとしてもミリムの賛成には驚いたらしい。
ユレム「1つ聞こう、魔王たちは集まって何をするのだ? ただ集まるだけではないだろう?」
ルミナス「そう、
ふむ、リムルが魔王に進化した事自体初耳だが、寝てる時に聞こえたあの世界の声も、リムルが魔王になっただのと言っていたな。
ユレム「それで、俺にそれを伝えて何をさせるつもりだ?」
ルミナス「ふ、話が早くて助かるのう。お主には、我が配下のロイの配下として、妾と共に
ルミナスの配下のロイの配下としてルミナスと共に宴に参加する……? かなりややこしいが、たしかルミナスは配下に魔王の役をさせていると言っていた。ロイという者がが、ルミナスの影武者の魔王という訳だろう。そして、表向きではルミナスはその配下として宴に参加している。そして、俺もそれに付いていくということか。
ユレム「……分かった。ついて行こう。ああ、言っておくが、俺に敬語を期待するなよ?」
悪戯心を含んだ笑みでそう言うと、ルミナスも挑発的な笑いを飛ばす。
ルミナス「ハッ、そんなこと、2000年前から知っておるわ。出会った時はまだ可愛げがあったのにのう?」
31話にして、ヒロイン初登場。なんだこの小説?