転生したら暴虐の魔王になれそうな件   作:デントウ

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転スラを読み直していたら、なんかルミナスの口調が自分の解釈していた感じとは違いまして、とはいえユレム君ともまた違うので試行錯誤している作者です。


介入

 魔王たちの宴(ワルプルギス)に参加するにあたり、八神たちの作った仮面と服を着ている。ルミナス曰く、正体はできるだけ隠したいそうだ。古参の魔王の一部にはバレるだろうが、それでも、切り札として俺を取り込んでおきたいようだ。

 

ユレム「なるほど、ならば貸し1つだ」

 

ルミナス「無論じゃ、出来る限りの要望は聞くぞ」

 

 魔王と貸し借りの関係とは、贅沢なものだな。そんな事を話しながら、俺は着替え終わる。

 

ルミナス「うむ、なかなか似合っておるぞ」

 

ユレム「何を言う、仮面に手袋を付けているのだ。似合っているも無かろう?」

 

 それに、なかなか窮屈だな……仮面とは。

 

ルミナス「お主こそ何を言っておる。お主の放つ雰囲気が、その服装によって増幅されておる。お主の放つ絶対的な強者の気配には、そのように簡素のように見えるが荘厳な服がよく似合う」

 

 そう言うものか? まあ良い、姿見鏡にて自分の姿を見る。これは……レイやシンが着ていた、アヴォス・ディルへヴィアの服にそっくりだった。それに……。

 

ユレム「変声効果に、魂の隠蔽効果がある。<根源偽装(ナーズ)>などを使う必要がないのは、なかなか便利だ」

 

 これを作ったエンティとフェリシオの技術力は、なんとも凄まじいものだな。シュナやガルム達と会わせてみたいものだ。

 

ルミナス「そろそろ0時じゃな、では、行くとしよう」

 

ユレム「ああ、少し待て。リベリオ、バース、ディウス、3人に、旧オーク王国、オークビックの跡地にて始まる戦の方へ行ってもらいたい。俺の配下達だ。万一にも負けることはないだろうが、死者が出そうな場合は救護して欲しい。敵味方問わずな」

 

 リムルのことだ、敵の犠牲も抑えようとするだろうが、こちらでも犠牲を少なくするように、手を打たせる。リベリオならば、回復魔法も十分に使えるだろう。それに、最悪スキルを使えば死の事象に入りすることも可能か? 2つ目は流石に分からぬが、回復魔法だけでも犠牲は抑えることができよう。

 

リベリオ「了解いたしました。ただ、介入した際に、テンペストの者に気づかれた場合は、どうすれば?」

 

 たしかに、ベニマルなどと邂逅した場合は少し厄介か。

 

ユレム「その場合、敵対行動以外ならば特に指定は無い。ただ、対立はしてくれるなよ? その為ならば、俺の名を出しても良い。尤も、俺とルミナスの関係は秘匿せよ、でなければ、俺が変装する意味がない」

 

 要は対立することと、俺とルミナスの関係(というよりも約束と言った方が正確か)を教える以外ならば、どう接してもらっても構わない。と言うことだな。

 

リベリオ「ハッ! 特にバースには気をつけるよう言いつけておきます」

 

バース「おい! 何で俺なんだよ!?」

 

 リベリオの一言に、バースがすかさず突っ込む。かなりの反応速度だな、リベリオの発言からの誤差が殆どない。

 

リベリオ「だってバース、気性が荒いじゃないですか。私と違って」

 

バース「おい、キレたリベリオに吐かれた暴言を覚えているぞ。たしか……グハッ!?」

 

 バースが何かを言おうとすると、突如バースが倒れる。リベリオだ。恐ろしく速い腹パンだった、俺でなければ見逃していただろう。

 

ディウス「まったく、我が君の前で下らない茶番をしないでください。申し訳ございません、我が君、早急に連行しますので」

 

ユレム「ああ、頼んだぞ……」

 

 ディウスがバースを抱え、<転移(ガトム)>で転移する。バースが暴れていたが、気のせいだろう。リベリオもそれに続き、この場にいるのは俺とルミナスだけとなった。

 

ルミナス「此奴ら、いつも賑やかだの。まあ良い、ではユレムよ、行くぞ」

 

 そういえば、魔王たちの宴(ワルプルギス)の会場はどこにあるのだ? それに、ルミナスの影武者もここにはいないようだな。

 

ユレム「ふむ、具体的にはどこに行くのだ?」

 

ルミナス「魔王たちの宴(ワルプルギス)は別の空間で行う。自力で行けなくもないが、迎えが来るので問題はない。妾たちが今から行くのはルーン近郊の森の中、そこに妾の影武者、ロイがいる」

 

 なるほど、森の中で待ち合わせをするのか。

 

ユレム「そうか、では案内を頼む」

 

 ルミナスについて行き、森の中にて、そうだな、例えるならば、ハリウッド男優のような容姿の大男と待ち合わせる。暫くすると、禍々しい門が出現し、中から暗紅色のメイド服を着こなした緑髪の美女が現れる。悪魔、それも通常よりはるかに強力な上位魔将か? いや、それ以上に強力だ、何者だ?

 

???「お迎えにあがりました、魔王ヴァレンタイン様、そしてその従者の方々、こちらへお進みください」

 

 ルミナスもいつの間にかメイド服に着替えており、ロイを先頭に門をくぐる。

 

…………

 

 今は無き、オーク王国、その跡地であるオークビック跡には、3つの勢力があった。魔王クレイマンの5本指が筆頭、中指のヤムザが率いる軍勢。テンペスト、その侍大将たる大将、ベニマル率いる軍勢、そして、たった3名、というより、3柱の神、その総戦力はクレイマンの軍とテンペストの軍、その2つを総合しても及ばぬだろう。そんな3柱の神々の目的は1つ、主たるユレムの命令通り、なるべく犠牲者を減らすことである。そして、眼科にて繰り広げられる戦は、戦争とはとても言えない、ただの蹂躙であった。

 

リベリオ「クレイマンの軍勢はまんまとリムル=テンペストの軍の策に引っ掛かったようですね。まあ、そちらの方が仕事が少なくて助かりますが」

 

 リベリオは、このままでは死ぬが、まだ助けられる者。がいれば助けに行くが、それ以外には見向きもしない。とはいえ、大体が即死なので、介入の余地は殆どなかったが。

 

リベリオ「わざわざバースやディウスを連れて来ずとも、私1人で十分でしたね」

 

バース「だな。骨のありそうな奴はいねぇ、いても支配できそうにはないな」

 

 バースは、自身のスキルにて、支配できそうな優秀な手駒はないかと探しているが、テンペストの軍勢の者は誰もが別の誰かに強い忠誠を誓っているためスキルが効かない。クレイマンの軍勢はそもそも骨のある者がいない。

 

バース「チッ、いっそ暴風大妖渦(カリュブディス)でも出てきてくれりゃあ面白いんだがなぁ」

 

ディウス「理想論は語るだけ無駄ですよ。我が君が我々をここに遣わせたのも、ただの保険でしょう」

 

バース「そうだろうがよぉ……」

 

 バースはつまらなさそうに戦いの様子を見る。魔王カリオンの三獣士、アルビスとヤムザの戦いだ。アルビスが押している……というより、勝負はすでについているようで、別の場所に移そうとしたその時……。

 

バース「おいおい、ありゃあ……!」

 

 膨大な魔素が放出されながら、ヤムザの身体が大きく変化しながら膨張している。

 

ディウス「ほう、バースの理想が実現するとは……明日は火山が噴火しますね」

 

 よっぽど珍しいことなのだろう。通常あり得ないだろう事を予報する。

 

バース「災害神だからな、全然いけるぜ?」

 

 バースに限り、それは実現可能だったが。

 

リベリオ「しかし、どうしますか? まだ完全体では無いようですから、ここの者でも対処可能でしょうが……」

 

ディウス「一先ずは様子見を……」

 

バース「俺の眷属にしてやる。今は不安定だが、後でちょちょいと加工すれば安定してその状態を維持できる。それに、俺の支配下にあればその暴虐的な力を効果的に使える」

 

 バースの言葉を聞き、リベリオとディウスは呆れ果てる。

 

リベリオ「それでは確実にあの者たちも無視しないでしょう」

 

バース「だが、会うなとは言われてねぇだろ。対立しなきゃOKだ」

 

ディウス「まったく、それはやむを得ない場合でしょうに……」

 

 2人に止められては、流石にバースも動くわけにはいかない。嫌そうだが、傍観を選ぼうとするが……。

 

リベリオ「いや、まて、今ここで実力を見せれば、彼らも今後の油断がより少なくなるか……? 仕方ありませんね、バース、行っていいですよ。ただし、彼らに実力差を見せなさい。自分たちの力ではまだ足りないと思わせるのです」

 

バース「あ? 何で急に……ああ、そういう……分かった、力を見せつけてくりゃ良いんだな?」

 

 そう言ってバースは、ベニマルの暴風大妖渦(カリュブディス)に対する攻撃を防ぐ。

 

ベニマル「な!? 貴様ら……ずっと遠くからみていた奴らか」

 

バース「なんだよ、気づかれてたのか、まあいい、ちょいとこいつが完全体になるまで待っててくれや」

 

ベニマル「聞くと思うのか?」

 

 ベニマルはバースに向かって斬りかかるが、バースは魔法も使わず、手も出さずにその神の覇気のみで攻撃を防ぐ。

 

リベリオ「【神族覇気】ですか、確かに格下の攻撃なら無効化できますが……それ程格下じゃなかったらどうするんですか……これでは、力を見せつける。ではなく、ただの舐めプでしょうに……やはりアホですね。まあ、結果オーライなのでよしとしましょう」

 

 リベリオが分析する間にも、暴風大妖渦(カリュブディス)は完全体に近づいていく。

 

バース「来た……! ただの暴風大妖渦(カリュブディス)じゃねぇ、氷結の魔剣を取り込んだ事で、周りの熱を奪う力を手に入れた……暴風大雹渦(カリュブディス)って言ったところか」

 

 暴風大妖渦(カリュブディス)、改め、暴風大雹渦(カリュブディス)は、完全体となり周囲に厄災をばら撒く……はずだった。

 

ベニマル「おいおい……ウソだろ?」

 

 暴風大雹渦(カリュブディス)が力を振るう前に、バースは暴風大雹渦(カリュブディス)を支配し、自身が支配した厄災たちを封じ込める空間に送り込んだ。

 

バース「ふう、支配完了っと、さぁて、これ以上戦いもなさそうだし、これで帰るのかねぇ?」

 

ベニマル「おい、お前……」

 

 ベニマルが満足そうな顔をしたバースに声をかける。

 

バース「あ? どうしたよ」

 

ベニマル「貴様は何者だ? いや、貴様ら、と言った方が良かったか」

 

 ベニマルは臨戦体制になり、バースを最大限警戒しながら質問する。

 

バース「へぇ、良い目持ってるな。リベリオ、ディウス、お前ら気付かれてるってよ」

 

リベリオ「寧ろ、気づかれてないと思っていたのは貴方だけでは? さて、このバカは放っておいて、我々が何者か……ですか、そうですね、いずれわかる、とだけ言っておきましょうか」

 

 リベリオが丁寧な態度で誤魔化す。

 

ベニマル「そんな誤魔化しが許されると?」

 

 しかし、リベリオ達は既に、多くの者達に囲まれていた。紅炎衆(クレナイ)の者達だった。<転移(ガトム)>を使えば容易に退散することは可能だろうが、それは得策とはいえない。

 

リベリオ「(このままでは敵対してしまいますね。確かに、このベニマルと言う者が、この中では圧倒的に実力を持っています。そんな彼を相手に舐めプで戦い無傷、相手からすれば十分な脅威でしょう)仕方ありませんね、少しだけ、教えて差し上げます。まず、我々は貴方がたと敵対する気は毛頭ありません。その上で聞いていただきましょう。我々は……ユレム様の命でのみ動きます。我々を動かせるのは、ユレム様のみです。信じるか信じないか、それは貴方がたに委ねますが、今回ここに来たのも、ユレム様の命です。本来なら貴方がたには直接干渉せず、戦が終わったらすぐ帰るつもりでしたが、そこの阿呆がやらかしたので……」

 

 その話を聞き、ベニマル達は驚愕する。行方不明となっていたユレムの指示しか受けぬ集団が、ユレムの指示によってここに来ていたの言うのだ。そうしていると、3人はすぐに消えてしまった。自らの主人であるユレムがよく使っていた転移魔法を使って……。

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