転生したら暴虐の魔王になれそうな件   作:デントウ

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俺はきっと、君と出逢う。
何度離れようとも、君と言う親友に。
例え、死に阻まれても。


霊神人剣の勇者の追憶

 俺には親友がいた。

 

…………

 

 俺は、都内の進学校に通っていた。中学の頃の成績はかなり良く、その高校へも、特に苦労せずに入れた。高校に入ってからも、勉強と部活の両立を十分こなせた。コミュ力はある方だったし、順風満帆な高校生活を送っていた。

 

 ある日、ある男が目に入った。ソイツは、特段誰かと話したりするわけでもなく、自分の机でケータイを弄ったり、読書をしたり、勉強をしたりしていた。誰かと話している時も、あまり盛り上がっている様子はなく、下手な愛想笑いで誤魔化しながらだった。自分でも、なんであんなヤツに目が入ったのか分からない。

 

 10月、1年2学期の中間試験、科目は、数Ⅱ、数B、言国、言文、コミュ英、論表、地理、公民、化学基礎、生物基礎の、主要5教科10科目だった。数学の進みは早めだったので、既に数Ⅱ、数Bへ入っていた。合計は1000点満点中の971点。結果は上々、俺が勝手にライバル視していた相手は誰もこれ以上には行っていなかった筈。1位は貰った。そう思った。

 

 

結果は、2位だった。

 

 

 自分の目を疑った。俺が2位、俺より点数が高い者が、1人いると言うことだ。誰だ!? そう思い、張り出された順位表で、俺の上の者の名前を見る。

 

1位:国枝 陽太:998点

 

 国枝 陽太。気にしていた、彼だ。ちなみに言っておくが、ここは進学校、偏差値は71程で、決してそう簡単には高得点が狙える学校ではない。どの教科でも、平均点が赤点になっているなど、ザラにあった。そんな学校では、80点以上が1つでもあれば、思わずガッツポーズをしてしまう者もかなりの人数いる。そんな学校で、971点、周りからすれば、とんでもない点数だ。3位だって950点ほどだったはず。そんな学校で、ほぼ全教科満点、失点は2点だけなど、イカれている。

 

 早速、彼に接触を図った。軽く話した後、勉強について聞いた。そうして帰ってきた言葉は……。

 

陽太「特別何かしているわけじゃない。軽く教科書を読んでるだけ。国語系は少し苦手だけど」

 

 嫉妬心か、対抗心か、この時、俺には大きな感情の揺れがあった。それは、絶対的な天才を前にした、根源的な恐怖。なによりも……。

 

(コイツ、見えない……)

 

 見えない。どう表現すれば良いか……あえて言うならば、彼の存在感が、これ以上なく希薄なのだ。少し意識から外しただけで、彼のことを認識できなくなる。確かにそこにあるはずなのに、まるで、雨の時に降る雨粒の1つ1つを認識できないように。無意識のうちに、彼の存在が、視界の背景と化していく。

 

 それからと言うもの、俺は彼と良く話すようになった。そうして分かったのだが、彼とて、なんでもできるわけではない。どうやら、生まれつき身体が弱く、運動が大の苦手だそうだ。とはいえ、体育の評価は5だった。そんな時に言っていたのだが「苦手だからと言って、出来ないとでも思った? そんなの努力量と頭でカバーできる」だそうだ。やっぱコイツ完璧超人だと思う。

 

 とはいえ、苦手なものは苦手なようで、実技面では俺の方が全然出来た。陽太も平均以上は普通に出来たけど……。コイツもともと身体弱いって嘘だろ。そんなことを思いながらも、陽太とは仲を深めた。半年で、もはや親友とも呼べる仲になったと思う。彼とは、よく競い合った。本当に、小学生のような、軽い遊び程度だが。俺が勝手に始めるときに、決まって俺は「3秒以内で支度しろ」と言っていた。今思うと本当にガキみたいだな。でも、本当にこの頃が、1番子供みたいに遊んだ気がする。

 

 

 

 

 

 高校2年生の8月、俺はトラックに轢かれて死んだ。

 

 

 

 

 

 陽太と遊んだ帰り、陽太の少し後ろを歩いており、信号が青になったので、横断歩道を歩いていたところ、俺だけが轢かれた。俺が、陽太の後ろを歩いていた時に、陽太にはギリギリ当たらず、俺だけが轢かれた。俺たちの歩く速度がもう少し遅ければ、陽太も轢かれていた。死ぬ間際、俺は何を思ったか……確か……。

 

「(痛い、熱い、寒い……)」

 

《確認しました。【痛覚無効】【対寒耐性】【対熱耐性】を獲得……

成功しました。対熱、対寒の各耐性を獲得、【熱変動耐性】を獲得……

成功しました》

 

「(なんか、痛みも引いたし、寒くも熱くもない。まあ良いか……それにしても、こりゃ、死んだかな……いや、ダメだ。陽太なら、こんなことじゃ屈したりしない。絶対に、まだ、諦めない……!)」

 

《確認しました。ユニークスキル【不屈者(クジケヌモノ)】を獲得……

成功しました》

 

 こんな感じだったか……屈しないとは言ったものの、死んだね……。それは良いとして、そうして、俺はこの世界に転生してきた。そうしてシズ先生に拾われて、ヒナタを追ってルミナス教に入信した。ヒナタに初めて会った時、なんと言うか……言葉にはしづらいけど、何か惹かれるものがあったのかな? だからか、追わずにはいられなかった。まあ、そうして、今に至る。

 

 まさか、また、逢えるとは思っていなかったけどね。陽太……いや、今の名前は、ユレム。だったっけ?




今回は、トウジの過去編ですね。トウジの名前は出してませんが。

あと、前書きにポエム的なの書いてみました。こう言うの書くの初めてなので、上手く出来てるかわからないけど……。見るに耐えないと思ったら、読まなくても対して支障はないです。ちなみに作者はBLEACH結構好きです(誰も訊いてない)
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