偶に愛が重くなるまぞくと、愛されてる男のまちカド物語   作:名無しのモンスター

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リクエストを参考にしておりますってことで初投稿です。

今回で合計話数が100話になりましたァッ‼︎ それをシャミ子の誕生日に(自分で)祝わせていただきます‼︎ おめでとう‼︎

というか、なんでシャミ子の誕生日にこんなもの書いたんだ俺は……(詳しくは本編をお読みください)
 


バイ○ハザードならぬバグスターハザード⁉︎ 通りすがりと行くパラレルワールド プロローグ&予告

 

「………………ここ、どこ?」

 

 

 未来の闇の女帝・シャドウミストレス優子ことシャミ子こと吉田優子が目を覚ますと、何故かボロボロな建物の中にいた。

 

 辺りは薄暗く、埃と砂が舞っている。足元には瓦礫が散乱し、天井は一部が崩れている。さらに周りを見回すと、壁には巨大な穴が開いている。また、瓦礫に混じって奇妙なオブジェや看板が転がっていた。至る箇所に血痕が染み付いており、少々不気味な光景である。

 

 ふと、ひび割れた跡の付いている窓ガラスからの景色を覗くけば、そこは廃墟だった。

 

 建物の多くは崩れており、人通りはない。大通りが見えたのでそこをこの場からの視線で辿る。広場の中央には噴水が見えたものの、水は止まっていた。

 

 この光景を見て、シャミ子は思わず呟いた。

 

 

「えっ……う、嘘……⁉︎ な、なんで……⁉︎ なんで多摩町がこんなことに……⁉︎ い、いやそもそも、ここは本当に多摩町なのですか……⁉︎」

 

 

 彼女は今、現状に対して困惑している。

 

 何故自分はこの廃墟の町にいるのか。この町はもしや多摩町の成れの果てだろうか。仮にそうだとしても、何故このような惨状になっているのか……様々な感情が混合し、思考の整理と理解が追いつかなくなっていた。

 

 

「ハッ⁉︎ そ、そうだ白哉さん‼︎ 確か先程まで、白哉さんと一緒に寝ていたはず……‼︎」

 

「あっ……優子‼︎ よかった、目覚めたんだな」

 

 

 目覚める前まで自分の部屋に一緒にいた白哉の身を案じるシャミ子だったが、その心配はいらなかった模様。その本人が半壊した扉の入り口から姿を見せ、彼女の元へと駆け寄って来たからだ。

 

 

「びゃ、白哉さん‼︎ よかった……無事だったんですね。というか、貴方もここにいたんですね」

 

「ま、まぁな。………………とりあえずこれ着ろ。今の俺達は、その……アレだから」

 

「……? アレって?」

 

 

 何処かよそよそしく、真っ赤な顔で明後日の方向を向いている白哉を見て、シャミ子は首を傾げた。

 

 ふと全体像を見れば、今の彼は、ところどころボロボロでシミや埃の付いている、灰色のポロシャツと濃い緑の長ズボンを履いていた。普段の彼が着るはずのない服装である。

 

 何故そのような衣装を着ているのか、今の自分達はアレだからとはどういうことなのか、シャミ子の脳内にはそのような疑問が浮かんでくる。

 

 だが、その疑問の答えにすぐに気づくことになる。ふと自分の服装を見てみれば……

 

 

「………………………………〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜⁉︎」

 

 

 お分かりいただけただろうか。

 

 シャミ子は今、一糸纏わぬ姿──全裸──であるのだ。そのことに気づいた途端、胸元と股間を腕で隠しながら真っ赤な顔で悶絶した。

 

 どうやら昨夜にも二人は夜迦をしたらしく、その後の格好のままでこの場所に来てしまったようだ。

 

 

「あ、あうぅぅぅ……そ、その……あ、ありがとう、ございます……」

 

「お、おう。早く着ろよな」

 

 

 お互い紅潮している顔を見せぬままとなり、シャミ子は白哉から受け取ったボロボロの白いポロシャツと青い短パンを着ることとなった。腕と脚の肌だけが出ていることも一部にとっては需要があるかとは思われるが、そこには触れずにいよう。

 

 

「……えぇ、オホンッ」

 

 

 シャミ子が着替え終わったことを確認した白哉は、紛らわしく咳払いをしてから語りだした。

 

 

「とりあえず……さっきちょいと調べておいて分かっていることは、ここは多摩町ではないってことだ。今俺達がいる建物からして、ばんだ荘の部屋にしてはちょっと広いし、窓から見える建物の形状も多摩町とは全然違う。屋根らしきものが見当たらないし、四角い。多分西洋だった町……だと思う」

 

「えっあっ……じゃ、じゃあ多摩町がこれと同じ光景になってしまったわけではなさそうなんですね‼︎ よかった……」

 

 

 多摩町がこの町と同じ惨状ではないとは限らない。だが少なくともここは多摩町ではない。それを理解したシャミ子はホッと胸を撫で下ろした。

 

 と、同時に疑問が浮かぶ。

 

 

「アレ? じゃあ、ここは一体どこなんですか?」

 

 

 そんなの俺が知るわけがないだろ。白哉がそう言おうとした……その時だった。

 

 

 

「聖都市ってところらしいよ? 何県にあるかは知らないけど」

 

 

 

「「⁉︎」」

 

 

 この場に二人しかいるはずのないから聞こえてきた、一人の青年の声。その声がする方向に二人が振り向こうとするが。

 

 

「はいチェック&スティールね」

 

「ぐあっ⁉︎」

 

「きゃあっ⁉︎」

 

 

 その前に、謎の濃い紫の瘴気が二人を覆い尽くす。体内に締め付けられながら強めの電流を流されたかのような感覚が、二人に襲い掛かる。抵抗するべく身体を動かそうとするも、激痛のようなその感覚と瘴気の重さで身動きが取れずにいた。

 

 

「ッ……‼︎」

 

「か、身体の力が抜けてそうです……ッ‼︎」

 

 

 やがて引っ込むかのように瘴気は二人の身体から離れ、一点へと送還されていく。解放された二人は無理矢理脱力されたかのように、その場で右膝・両膝をそれぞれ地面についてしまう。

 

 

「はい、ゲット完了。やっぱり何かしらの力を持ってたんだね。ま、ゲーマドライバーに入ってる抗体システムが無い分、ボコす必要無く盗めるんじゃないかとは思ったけど」

 

 

 再び声がする方向に今度こそ視線を向けると、そこにいたのは……何故か既に開いていた窓のところに悠々と座っている、一体の異形の姿だった。

 

 顔を覆うひび割れしている大きなゴーグルとそのゴーグルに保護された赤い眼球の、下部分が露出した大きな目。頭部には二つの『く』の字型の濃い紫色の鋭利的なヘッドパーツが、対照的になるように二つとも天に向かって連なっていた。口からは不平等の長さと並びとなっている歯が見えている。

 

 肩・肘・白骨の形をした手の甲・膝・足甲には一本の太い角が、ヘッドパーツに同じく天に向かって連なっており、その支柱となっている真っ白で小さな凸凹のある身体には、ところどころシミやひびの出来た蛍光色のゲーム機のコントローラーを模したデザインの胸部装甲が嵌め込まれていた。

 

 背中には何故か、自身の頭部を巨大化させたような形状の装甲を背負っている。ゴーグルに収まったような見た目の双眸は、コミカルな外観に反して、青と赤のオッドアイとして映っていた。

 

 遠くから見れば悪役とも正義の味方役にも見える戦士。近くから見ればその仮面を被り損ねている怪人にも見えるその異形が、白哉とシャミ子を見据えていたのだ。

 

 

「な、なんだお前は⁉︎ 俺達の身体に何をした⁉︎」

 

「何って……これを作るために力を奪っただけだけど?」

 

 

 怒り混じりに叫ぶ白哉の問いに答えるように、怪人は右手の人差し指と中指にぶら下げている二つの何かを見せびらかす。

 

 それらは、金の縁に覆われた白色と藍色の縁の付いた紫色──各色の外装パーツに覆われているグリップの様な形状の下に透明な基盤が付けられたものだった。

 

 グリップの側面をよく見れば、白の方は白いローブを纏った一人の男が金色の円錐形の槍を構えているイラストと『SACRED LANCER』の文字が描かれたシールが、紫の方は山羊のような角を付けた赤い長髪の女性が赤紫色のマントを羽織った後ろ姿と『SHADOW MISTRESS』の文字つきのシールが貼られていた。

 

 一見、この怪人は突然ゲームソフトを見せびらかしているだけだと思われるだろうが、白哉とシャミ子にとってはその程度の解釈で済ますことは出来なかった。

 

 

「な、なんだよそれ……まるで俺達がゲームソフトのキャラになってるみたいじゃないか……⁉︎」

 

「シャ……シャドウ、ミストレス……シャドウミストレスって書かれてある……⁉︎ わ、私がゲームに……⁉︎」

 

 

 そのゲームソフトとなるものが、白哉とシャミ子、それぞれが持つ力を彷彿とさせるイラストを写していたからだ。そしてそれを見せられる前に、謎のモヤから力を吸い取られたかのような感覚に襲われた。これらから導き出させる答えは……

 

 

「そいつで、俺達の力を本当に奪い取りやがったってのか……⁉︎」

 

「き、危機管理ー‼︎ なんとかの杖ー‼︎ ……ホントだ。まぞくとしての力を発揮出来なくなってしまいました……‼︎」

 

「正解。変な動作に見えるその仕草からして、やっぱり成功したみたいだ」

 

 

 もしやと悟った二人が戦闘フォームへの変身と専用の武器の展開を試みるも、何度行おうと何の変化もなかった模様。どうやら怪人の言っていた『力を奪った』というのは嘘偽り無かったらしく、ゲームソフトのイラストでそれを物語らせていた。

 

 

「んじゃ、後はもう君達二人に用はないね。それじゃあ僕は帰るから、後は彼等の遊び……鬼ごっこの相手になっといて」

 

「オイ待て──うおぉっ⁉︎」

 

 

 白哉の呼び止めも遅し。怪人は窓から飛び降りて脱走。入れ替わりとして二体の異形が飛び入るように現れる。全身が青く白いハットとマントを着用している怪人と、頭に砲台らしき銃器を付けた水色の怪人である。

 

 

「ヒイッ⁉︎ な、何なんですかこの人達は⁉︎ 過激系のまぞくか何かですか⁉︎」

 

「いや、こいつらはまぞくじゃないだろ。まぞくにしては……殺意が強すぎるッ」

 

 

 二体の怪人の眼球は全くもって微動だにしていない。だがその瞳から向けられているものからは、いかにも必ず獲物を仕留めようとする猛獣のような威圧感が放たれていた。

 

 

「優子、お前だけでも逃げろ‼︎ 力を奪われたお前じゃこいつらに殺されちまうぞ‼︎」

 

「そ、そんな事できません‼︎ 白哉さんだって力を奪われているというのに……って、ギャアアアアアアッ⁉︎」

 

 

 白哉に逃走を促されるも、彼を置いていけないと必死に拒むシャミ子。だがどのみち逃げる余裕など彼女にはなかった。二体の怪人がこちらに目掛けて飛び掛かってきたのだ。

 

 

「ヤベェ……ッ⁉︎」

 

「だ、誰かーッ‼︎」

 

 

 白哉がシャミ子を庇い盾になろうとし、シャミ子が必死の叫びで可能性の低い救いの手を求む。そんな無力と化した二人に向けて、二体の怪人の凶暴なる一手が迫る───

 

 ことはなかった。突如として盛大に割られたガラスの音が鳴り響いたのと同時に、二体の怪人が何かに蹴り飛ばされ、向かいにあるコンクリートの壁に激突したからだ。

 

 

「シャミ子、白哉、二人とも無事か⁉︎」

 

「ご、ご先祖⁉︎」

 

「リリスさん⁉︎」

 

 

 二体の怪人を蹴り飛ばした者の正体は、藍色のビキニとサスペンダー付きの迷彩柄のミニスカートを着て、ライフル銃を抱えていた、シャミ子の先祖・リリスだった。ガラスをぶち破ってこの場へと駆けつけたからなのか、頭や腕には窓の小さな破片がいくつも軽く刺さっていた。

 

 何故彼女がこの廃墟にいるのか、シャミ子がそう問いかけようとしたのと同時に。

 

 

アタックライド ブラスト

 

 

 電子音声が流れると共に、赤紫色の複数の光の弾丸がリリスの背後を通る。その弾丸は瞬く間に、二体の怪人に平等になるように全弾命中。その熱も押し出される力に身体が耐えきれなくなった怪人達は、その場で朱く発光しながら爆発四散した。

 

 二体の怪人がいた場所は焼けた更地となり、代わりとして窓から新たな乱入者が。その者は全身を色褪せた返り血の如きマゼンタで染め上げた翡翠の双眸を持つ、怪人にしては禍々しさが一切見当たらない戦士の姿をしていた。

 

 その戦士の姿を見て、白哉は驚愕したのか目を見開いた。この者の事を何処かで見た覚えがある、そのような反応を見せているかのように。

 

 

「なっ……‼︎ あ、あの、アレって……」

 

「ん? あぁ、そう警戒するでない。彼奴はあの怪人やその仲間と闘ってくれてる味方だからな」

 

 

 彼の反応に気づいたリリスが彼を軽々しくも庇うように語ると共に、戦士の身体が九つの残像となって散り、その者がいた位置に一人の男性が立った。

 

 茶髪がかったヘアカラーに、汗で張り付いたストレートヘアー。キリッと凛々しく上がった眉に、張りのある血色のよい肌。

 

 そして……首に掛けているマゼンタ色のトイカメラが、白哉がその男性の正体が何者かを理解することとなる。

 

 

「お前らがリリスの言う子孫とその眷属って奴か。大丈夫か?」

 

「か……門矢、士……⁉︎」

 

 

 彼の名は、門矢士。『世界の破壊者』の異名を持つ戦士・仮面ライダーディケイドに変身する男である。

 

 白哉は前世にて、特撮系のテレビ番組『仮面ライダー』にて彼の存在を知り、初めて仮面ライダーシリーズの存在をも知り、全話視聴したことがある。そのためか……

 

 

「なんだ? お前、何故俺の名前を知って───」

 

「あの‼︎ サインください‼︎ ……ってヤベッ⁉︎ 今色紙とかないんだった⁉︎ あああせっかくレアな場面に遭遇したっつーのにィィィィィィッ‼︎」

 

「……は?」

 

 

 会って数秒で、サインを求めたのだ。シャミ子よりも警戒心が充分ある彼が、だ。

 

 

 

 

 

 

「───というわけで、白哉さんは貴方の存在を知っているわけなんです。転生者だなんて信じられないとは思いますが……」

 

「なるほど、大体分かった」

 

 

 士からサインを貰えないという現状に白哉が嘆き、リリスがそれを必死に宥める中、シャミ子は白哉が転生者であることを士に話した。初対面であるはず者からの突然のサインの要求に、士が納得出来ていないのだろうと憶測したシャミ子なりの対応だろう。

 

 だが、士は彼女の説明に疑問を持たず、愛用のカメラの手入れをしながら納得しているかのような素振りを見せる。

 

 

「えっと……こんな話、信じてくれるんですか? 一応本当の事なんですけど……」

 

「俺はいくつもの平行世界を旅してきて、いろんな意味で常識から外れてる様々な奴に会ってきたんだ。俺や仮面ライダーの事を架空の存在として認知している前世の記憶を持った奴がいるというのも、嘘だとは思わない」

 

「は、はぁ……」

 

 

 士には……否、ディケイドには平行世界を行き来できる力を持っており、その力を持ってして様々な世界の、様々な人々を見てきたらしい。つまるところを言えば、白哉も士も普通の人間ではないからこそ理解できるものがある、とのことだそうだ。

 

 と、ここで落ち着きを取り戻した白哉が士に問いかける。

 

 

「取り乱しました、すんません。ところで……士さんって、この世界では医者なんですか?」

 

「あぁ。それも、この世界を滅茶苦茶にしてる怪人──バグスターに関する病気専門のな」

 

 

 士には平行世界ごとの役割を持っているらしく、服装や職業もその世界に合わせて転々と変わるらしい。しかも不思議なことに、その職業の免許を取るのに必要な勉強をしてきたわけでもないのに、自然とその仕事を淡々とこなすことが出来るそうだ。

 

 ちなみに彼の今の衣装は、白いラインの入った縞模様のネクタイを付けたマゼンタ色のワイシャツの上に、医者が着ている白衣のようなコートを羽織っている。衣装の独特な点はあるものの、正しく医者として勤めていることを表されていた。

 

 

「あっ……そういえば私達、この世界について何も知りませんでした」

 

「うむ。それについては、今のところでの分かっている点だけだが余が教えてやるぞ」

 

 

 シャミ子がこの世界で起きた経緯云々が何なのかを呟いたところで、リリスがその説明に入ることとなった。

 

 事の発端は数ヶ月前。突如として発生したウイルスが人々に襲い掛かり始めた。

 

 その名はバグスターウィルス。コンピュータウイルスの一種ではあるものの、どういうわけか現実世界の人間に感染し、バグスターウィルス感染症──通称『ゲーム病』という病気を発症させるという不可解かつ現代医療では治療不可能なウイルスだった。

 

 病状が進行すると感染者を取り込み、デジタル3D形態『バグスターユニオン』として物理的に実体化する。どうにかしてユニオンの中から患者を助け出すと融合は崩れるものの、怪人『バグスター』と戦闘員のような姿のバグスターウイルスに分裂してしまう。

 

 バグスターはどんな遠くにいようとも、患者──宿主である人間から存在力とも呼ぶべきものを少しずつ奪っていく。無論、放置し続ければ肉体を乗っ取られた患者は生命力と共に現代世界にいられる力を削られていき、いずれこの世に何一つ残すこと無く消滅してしまう。

 

 バグスターウイルスは発見されたと同時に世界各地へと拡散されていっていた。次から次へと人々に感染し、バグスターを生み出しては現実世界の破壊活動を開始。それが進んでいく内に、現在のような状況に陥ったそうだ。

 

 

「だが、そんなバグスターに対抗できる組織も出来上がっているぞ。『CR』と言ってな、言うならば地球防衛軍とゲーム病専門の医療組織が合体したようなものだ」

 

 

 CR。バグスターの殲滅と共にウイルスに感染した者の救助・治療に専念している政府公認の組織である。

 

 とあるゲーム開発会社の社長と共に対バグスターウイルスのシステム・ガシャットを作り上げ、適任された医師がそれを用いた戦士『仮面ライダー』に変身し、日夜バグスターと闘っている。

 

 さらに今から五ヶ月前の事。小型飛行カメラでの調査にてバグスターが大量に出現し、治療が追いついていなかかなってきたことを知り、社長が一般隊員向けとして新たにガシャットを作り上げることにした。

 

 命懸けの実験に協力してくれた者達の協力の元、社長とCRは試行錯誤の末に『仮面ライダークロニクル ver.2』を作り上げた。他の隊員もライドプレイヤーに変身してバグスターの脅威から地球に住む人々を護り、救助しているらしい。

 

 

【なるほど。つまりそのCRってところに就けば、元の世界に帰れる方法を探しながら、バグスターに対抗できる手段を手に入れられるかもしれない……ってことだな?】

 

「うむ、そういうことだ……って、えっ⁉︎」

 

 

 自分の説明から状況の理解をしてくれたことに喜びを噛み締めたと思いきや、この場にいるはずのない者の声を聞いて驚愕するリリス。白哉達と共にその声がする方向へと振り向けば……

 

 

「ひ、聖⁉︎ な、なんでここに⁉︎ 俺の力、あの謎のバグスター(?)に奪われたはずなんだが……」

 

 

 ボロボロになったソファの上に座り込んでいる、白哉の召喚獣の一匹・聖の姿が。

 

 彼は自力で現界でき、白哉が召喚師覚醒フォームになった時に呼ばれると全力を発揮できるのだが、白哉は今、謎のバグスターによって召喚師の力を奪われたという。

 

 ならば何故聖が現界できたのか。士を除く全員に疑問が浮かぶ。

 

 

【どうやら召喚師の力を全部までもは奪われてはいないようだ。魔力を確認してみたところ、召喚師覚醒フォームになれない程に奪われてるみたいでな。そのせいであのフォームで呼ばれる方の俺達は、自力かつ半分の力を持ってしてしかこの世界に来れなくなっちまったんだよ……】

 

「そ、そうなのか……現界できないってわけではないし、全員呼べないってでもないんだな?」

 

【あぁ、そういうわけだぜ】

 

 

 白哉の力は完全に奪われたというわけではなかった模様。しかし彼本人が前線に立つことは出来ず、召喚師覚醒フォームで呼ばれるはずの召喚獣達も全力を出せなくなくなったらしい。無力化というよりは弱体化と言った方が正しいだろう。

 

 白哉や召喚獣達の現状を理解したリリスは、わざとらしく咳払いした。

 

 

「えぇ……んんっ。とにかく、白哉は身を守るぐらいの力は残ってるってことは分かった。力を取り戻すまでは召喚獣達の協力を得て、お主自身やシャミ子を護ることに専念しろ」

 

「えっあっ、わかりました」

 

「さてと……ここにまたバグスターが来るのも時間の問題だし、そろそろCRの元に向かう。場所は既に把握してあるため余が案内しよう。少々ゴキゲンな遠足になるが……行くぞ‼︎」

 

「は……はいっ」

 

 

 白哉に今後の活動について指示を出し、CRへの出発を促し駆け出すリリス。白哉もシャミ子も、今は生存を優先したいがためにその後を追いかける。

 

 

「やれやれ、今回は夏未やユウスケみたいな騒がしい連中と一緒になりそうだな」

 

 

 そう呟きながら、士も早歩きする形で三人の背中を追いかけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 迫り来るバグスターを撃退しながら(大半は士ことディケイドが倒したが)、やっとのことでCRへと到着した白哉達。早速CRへの組織入りを頼み込んだものの……

 

 

「そこの巻き角の付いた奴はここには入れられない。地下シェルターへと避難させてやる」

 

 

 薄い赤色に染めた艶のある髪に白い縁の黒いサングラスを掛け、胸ポケットにゲームキャラらしきストラップを付けている白衣を着込んでいる青年──CRの最高責任者・救世エムから、シャミ子の組織加入を拒否されてしまった。

 

 

「何故シャミ子だけ仲間外れにする⁉︎ 余のかわいい子孫で白哉の上司ポジ兼彼氏なんですけど⁉︎ 入れてやってくれ‼︎」

 

「特別保護する理由がないからだ」

 

 

 リリスが怒りを顕にしながらシャミ子の組織入りを懇願するも、エムは頑なにそれを拒む。

 

 

「小型飛行カメラからお前達の戦いを覗いてきた。カメラの男はバグスターに対抗できる特別な手段が、白哉とかいうその男には不思議な生き物を呼べる力がある。バグスター殲滅の協力を求める必要も、力を奪うというバグスターから二人とも護る必要もあるため、二人の加入は認められる。お前もライフルを使って臆せず戦ってたから及第点と言える」

 

 

 白哉・リリス・士……それぞれに視線を向けながら三人の組織の加入を認めている理由を語ると、今度はシャミ子の方を見ながら指を差した。

 

 

「だが、この女は別だ。力を奪われたかなんだか知らんが、録画した映像からして戦える力が全くないのは事実。ただでさえ食料の備蓄量が厳しいのに、何一つ戦力になれない者を入れるわけにはいかない。あくまでここは政府公認の組織だからな」

 

 

 バグスターと十分に闘える術のない者は避難すべき。エムは無神経な態度でシャミ子の組織加入を諦めることを白哉達に促進する。

 

 白哉はシャミ子を庇うようなことを発しようとするも言葉が思い浮かばず、リリスはただただシャミ子の加入を拒むエムを睨むことしかできなかった。士は気にしてないかの如く施設の物を物色しては組織に所属している看護師に注意されている。

 

 そんな彼等をよそに、シャミ子は何故か一袋の満帆なゴミ袋の中身を物色し始めた。これには無愛想に話を進めていたエムも怒りと動揺を隠せない声を上げる。

 

 

「感染したから治療のために入院させてと言うのなら話は別だ。それに避難シェルターも地下にあるし、ここよりも食料がそこそこ備蓄されてるから安全は保証する──って、おい‼︎ そこで何をしてる‼︎ ゴミ袋を漁る程までに飢えていたのか⁉︎」

 

「あの……違います‼︎ この食材、まだ食べられるので」

 

 

 そう言ってシャミ子が取り出したのは、ゴミ袋に入っていた一枚の渦巻き状に剥かれてた人参の皮だった。

 

 

「野菜の皮は捨てちゃダメです。刻んでかき揚げやきんぴらにできます。後、分厚く剥きすぎです」

 

「えっ。あ、はぁ……?」

 

 

 どうやらシャミ子は、CRの食料問題の話を聞いて心配に思っていたらしく、せめて吉田家の節約知識を持ってして助力できないかと考えていたらしい。

 

 それで目をつけたのがゴミ袋の中身に入っていた、食材で使った後の野菜の皮やヘタ・種に目をつけたようだ。そして節約知識を伝え、CRの食料問題に貢献し始めた。

 

 

「大根などのヘタは水につけて、窓辺に置いてください。発芽するのでもう一回食べられます。カボチャの種は干して───」

 

『おぉ……‼︎』

 

「この子……‼︎」

 

「えっと……そ、そんな豆知識があるのか。助かる……」

 

 

 淡々と話されるシャミ子の節約知識に、耳にした隊員達が次々と興味を示しだした。中でもセミロングの長さをしたピンク色の髪を持つナースが一番に目を輝かせていた。エムもありがたい知識を耳にしたからか、思わず正直に礼を言う程だ。

 

 そしたらナースがその期待の眼差しをしたままで、突然エムに詰め寄りだした。

 

 

「ねェトップ‼︎ この子、ちょっと厨房に入れてもいいですか⁉︎」

 

「ア、アスカ? きゅ、急に何を……?」

 

「君‼︎ いきなりで悪いけど、ちょっとお願いしてもいいかしら⁉︎ あ、君達もごめん‼︎ ちょっとこの子を借りるわね‼︎」

 

「えっ? は、はい……?」

 

「は、はぁ……?」

 

「な、なんなのだ……?」

 

 

 突然の事に戸惑いを隠せていないエムの許可を待たず、ナース──弥縫アスカは同じ心境のシャミ子を厨房へ連れ込んで行ってしまった。

 

 

 

 

 そして数分後。

 

 

「う、美味い……‼︎」

 

「い、今まで食べてきた組織の飯よりも……‼︎」

 

「こ、こんなに美味いのが、いつもより少ない材料の数や量で……⁉︎」

 

「せ、節約調理師の神か……⁉︎」

 

 

 シャミ子が提案・調理した節約料理が、組織の者全員から大きな評判を得ることになった。

 

 さらに数分後、発生したバグスターとの対決の時。

 

 

『うおらァァァアアアァァァッ‼︎』

 

『バグスター覚悟ォォォォォォッ‼︎』

 

『病原菌は消毒だァァァッ‼︎』

 

 

 それを食した隊員、特に『仮面ライダークロニクル ver.2』でライドプレイヤーに変身した者達が、次々とバグスターウイルス相手に優勢を強いいるようになった。

 

 

「ラ、ライドプレイヤーの変身者達が、いつも以上に活発的に……‼︎ そしていつも以上にバグスターを追い詰めている……‼︎ 一部ハイになってるが……」

 

「やっぱり‼︎ 私の見立てに狂いはなかった‼︎ この子にレシピの相談や知識について聞いたりしておいてよかったわ‼︎」

 

「む、むむぅ……」

 

 

 エムは苦悩し始めた。シャミ子の予想外の功績を見て、これはシャミ子の組織の加入を認めて良いものか、一度拒否しておいて手のひら返しするのは虫が良すぎるのではないか、判断に困りだしたようだ。

 

 

「………………わかった。シャミ子、といったな? お前をCRの調理班のメンバーとして歓迎する」

 

「えっ? いいんですか?」

 

「アレを見たらさすがに……な」

 

 

 シャミ子本人は、組織の加入を拒否することを考え直してもらいたいがために、節約知識を伝えたわけではなかった模様。だが先程のライドプレイヤーから、エムは彼女の事も受け入れるようになったようだ。

 

 

「えっと……ありがとうございますわぁぁぁっ⁉︎」

 

「やったな優子‼︎ 俺は嬉しいぞ‼︎」

 

「でかしたぞ余の可愛い子孫よ‼︎」

 

「あっ……は、はい……アハハハッ……」

 

 

 エムにお礼を言う前に、自身のCRの加入を喜びを隠せない白哉とリリスに抱きつかれるシャミ子。最初は恋人の白哉に抱きつかれたことに戸惑い顔を真っ赤にするも、嬉々とする二人の表情を見て苦笑するのだった。

 

 

「……これも撮るべき、だな」

 

 

 そして士は、三人の嬉々として抱き合っている様子を見て、その光景をトイカメラに収めた。

 

 

 

 

 

予告

 

 

「余もライドプレイヤーになりたい‼︎ あと白哉とシャミ子にも変身できるようにしてやってくれ‼︎」

 

「ダメだ。もう危険なver.1しか残ってない」

 

 

 ───『仮面ライダークロニクル ver.2』誕生の裏側

 

 

「あぁ、やっぱり生きてたんだ」

 

「あの時のバグスターか……‼︎ 俺達の力を返せ‼︎」

 

 

 ───謎のバグスターとの再会

 

 

「鳴滝か……今度はどうやって邪魔する気だ?」

 

「ディケイド……この世界での真意に触れる前に立ち去った方がいい」

 

 

 ───謎の中年男子による妨害

 

 

「さぁ存分に暴れなよ、セイクリッドバグスターにシャドウミストレスバグスター」

 

「アレって、私達の武器では……⁉︎」

 

 

 ───奪われた力によって生まれた新たなバグスター

 

 

「あのバグスターは……俺と親友が作ってしまったゲームから誕生した、この世界の惨状の元凶だ」

 

 

 ───明かされるエムの過去と謎のバグスターの秘密

 

 

「この先『かわいそう』なことが起きるからね、気をつけた方がいいよ」

 

 

 ───存在するはずのないあの者からの忠告

 

 

「エ………………エ、ムゥ……?」

 

「お、お前……クロトか⁉︎」

 

 

 ───望まぬ形での再会

 

 

「びゃ、白哉さん……貴方だけ、でも、逃げて……‼︎」

 

「そして……感染した余ごと、こいつらを撃て……」

 

「優子‼︎ リリスさん‼︎」

 

 

 ───感染。そして絶望

 

 

「救いたい命を助けようとするのに、理屈とかそんなのは関係ない」

 

 

 ───世界の破壊者が差し伸べる救いの手

 

 

「さぁ……決着をつけるぞ‼︎」

 

「私達がこの悲しみの連鎖を断ち切る‼︎」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ‼︎」

 

「世界の運命は……俺達が変える‼︎ ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ‼︎」

 

 

 ───この世界で起こる結末はいかに……

 

 

 

 

 

 

偶に愛が重くなるまぞくと、愛されてる男のまちカド物語

 

エグゼイド・リ・イマジネーション編

 

近日投稿予定

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやいやいやいやいやいやッ⁉︎ やりませんからねこんな物騒すぎる回ッ⁉︎ これは嘘プロローグと嘘予告ですッ‼︎ このプロローグと予告は全部嘘でーーーーーーすッ‼︎」

 

 

 お分かりいただけただろうか。

 

 ここまで流してきた物語も、予告も全て、リリスが夢魔の力を用いて作ってテレビで流している虚像である。あ、『嘘』ってところしか分からないか。ごめん。

 

 

「地上波で流しても良さそうなストーリーだっただろう?」

 

「このまま流せますかこれ⁉︎ 世紀末な感じの世界でバグスターとやらがゾンビみたいにウジャウジャと出てますけど⁉︎ よく見たら建物とかに血がいっぱい付いてましたし‼︎」

 

 

 リリスにとっては番組としてテレビ放送で流しても良い仕上がりだと思っているようだが、シャミ子がそれを否定する。物語の舞台や設定からして地上波放送は危険性を伴うことを危惧しているようだ。

 

 

「存在するはずのないあの者って、台詞からして絶対誰何じゃないですか‼︎ 彼女も出すつもりですか⁉︎」

 

「なんか過去のボスが敵に回らず助言しに来るって展開もいいと思ってな……」

 

「ってか途中から私とごせんぞまでゲーム病に罹ってるじゃないですか‼︎ 白哉さんの敵になるなんて死んでも嫌ですよ私は⁉︎ 予告の最後のところにごせんぞが見当たらないし‼︎ ごせんぞ殺されちゃうのか消えちゃうのかってことになるんですか⁉︎」

 

「恋人を救う回や師匠の屍を超える回は約束された神回だからな。九話くらいでやりたい」

 

「ディケイドの用語が出た時点で、前編後編しかやらなさそうですけど⁉︎」

 

 

 次々と出てくる、設定に対する容赦ないツッコミ。それほどまでにシャミ子が否定せざるを得ない内容だったのだろう。それでも、とても良いストーリーになるだろうという可能性も拭えなかったようだが。

 

 

「……というかごせんぞ、これ絶対『仮面ライダー』シリーズ観ましたよね? しかもディケイドとエグゼイドを全話」

 

「ディ、ディケイドも出そうと思ったのはジオウも全話観たからだぞ。ディケイドはあそこでも結構いい仕事してたし……エグゼイドは神作だったし……」

 

「それは言えてますけど‼︎」

 

 

 どうやらリリス、『仮面ライダー』シリーズを多く視聴した上で夢(で作った)物語を制作したらしい。無論というかの如く、ディケイドもエグゼイドも良作品だと感じているようだ。

 

 そしてシャミ子も『仮面ライダー』シリーズを数多く視聴済みで気に入っているらしく、リリスがその良さを伝えている点に対して否定の言葉を述べなかった程だ。

 

 一つ息を吐き、リリスはシャミ子に向けてそっと手を翳しながら呟く。

 

 

「まぁとにかくだ、これ以上この件に関して触れる必要はないぞシャミ子よ。何せこれは……余が作った夢なのだからな」

 

「アレ? なんかその台詞、前にも───」

 

 

 何か言い終わる前に、シャミ子の意識は途切れたのだった───

 

 

 

 

 

 

「うーん、嘘プロローグ………………ハッ⁉︎ 夢でした‼︎」

 

「うおっビックリした」

 

 

 気がつけばシャミ子は目を覚まし、その声に気づいた白哉がコーヒーを作りながら呟いた。どうやら二人は嘘プロローグと同じ流れで一夜を過ごしていたらしく、白哉は既に起きてシャミ子が目覚めるのを待っていたようだ。

 

 

「あっ……おはようございます、白哉さん」

 

「おう、おはよう。朝飯作ってるから着替えろよ。あ、お前もココア飲むか?」

 

「は、はい。お願いします」

 

 

 やっぱりアレは夢だったのか……シャミ子はそう思いながら苦笑いを浮かべ、その夢をもっと見たかったという物足りなさを感じながら着替えた。

 

 普段着へと着替え終わり、顔を洗ってから白哉の朝食の手伝いをしていたところで、一つのニュースがテレビから耳に入ってきた。

 

 

『続いてのニュースです。

 

 

 

 芸夢大学附属病院所属・救世エム院長が、新型○○○ウイルスワクチンの開発とウイルス対策に大きく貢献したとして、ノーベル生理学・医学賞を受賞いたしました。エム院長は二ヶ月前に院長に昇進したばかりとのこと───』

 

 

 

「………………………………えっ?」

 

 

 救世エム。リリスの作った夢に登場した医者──エグゼイドのリ・イマジネーションの世界を妄想して誕生した、架空の人物であるはずの男性が、実在する人物としてテレビのニュースに取り上げられていた。

 

 しかも偶然と偶然が重なったのか、夢の世界にてバグスターの殲滅を目標にしていたこと、組織のトップであることと類似・共通している点もあった。

 

 

 

「あぁこの人。滅茶苦茶早いスピードで新型ウイルスに対抗できる安心安全なワクチンを作り上げたんだっけか。院長にもなったばかりだとか言うのに、あんなすごいワクチンも作り上げるなんてスゲーよな。あとなんかゲーマーでもあるとからしいけど」

 

 

 ちなみに夢の世界でのエムについては、この現実世界の方の白哉は全く知らない模様。彼もシャミ子やリリスと夢の世界の事を共有できるらしいが、今回ばかりはそれはなかったようだ。

 

 とはいえ、奇遇にもリリスが夢の世界で造ったはずのエムがこの世にもいたことは確か。その事実にシャミ子は驚いた様子を見せる他なかった。

 

 

「………………夢じゃなかった、のかな……?」

 

「ん? どうした優子?」

 

「あっ。い、いえ、なんでもないです……」

 

 

 せめてバグスターウイルスまでもがこの世界に来ないことを祈ろう……シャミ子はそう誓ったのだった。

 

 




おまけ:台本形式のほそく話その41

これはとある世界線の未来での、ちょっとしたお話

白哉「優子、誕生日おめでとう」
シャミ子「ありがとうございます白哉さん‼︎ まさか日付が変わったのと同時に祝いに来てくれるなんて……」
白哉「プレゼントを渡すことを一番期待されてた奴が、一番乗りにお前にプレゼントを渡さないってのはなんか癪に感じたからな」
「はい、今年はバラの花束だ。もちろん桃含めたみんなで話し合って決めたものだぜ」
シャミ子「わぁ……‼︎ とても綺麗に咲いてますね‼︎」
白哉「厳選すんの大変だったんだぜ? ……あ、それと」
「これ、お前にあげようと思ってな」
シャミ子「何ですかこれ? チケット……?」
白哉「おう。天の川の見える展望台があってな、そこに行けるチケットなんだぜ。昨日くじ引きでペアで当たった」
「その展望台から見える夜空の星は世界レベルに輝いて見えてよ、滅茶苦茶美しいって結構人気らしいんだ」
シャミ子「世界レベルで美しい星空……‼︎ すごく気になります‼︎ 是非見てみたいです‼︎」
白哉「それはよかった。来週行けるみたいだから、そん時に一緒に見ようぜ」
シャミ子「はい‼︎ 約束ですよ‼︎」
白哉「おう、約束だ」

魔王シャミ子「……なんて約束したのが、あの事件が起きる三日前の出来事でしたっけ」
「白哉さん、そこから見てますか? 数百年も間が空いちゃいましたが、約束、これで果たせると思いますよ」
「貴方の言う通り、ここの展望台から見える天の川は滅茶苦茶綺麗でしたよ。確かにこれは世界レベルです」
「……白哉さん。私、これからもっと私らしい魔王として、この町を護っていきます。だから……そこから見守っていてくださいね」
「愛してますよ、白哉さん」

END


まさかほそく話でとはいえ、魔王のシャミ子を再登場させるとは……気まぐれ編集はどうなるのか分からないもんだ。
 
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