偶に愛が重くなるまぞくと、愛されてる男のまちカド物語   作:名無しのモンスター

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原作二巻の物語に突入したので初投稿です。


原作二巻編 町を守る仕事が追加されました‼︎ ……ヤンデレ回避するだけでも忙しいのに……
桃による俺と優子の強化修行……おい桃、余計な本音までダダ漏れだぞ。筋肉について語る程度にしろ


 

 ──よぉ。はじめまして、と言ったところか。どうだ? アンタはこの世界には結構慣れているか?

 

 ──ん? 一体どこから話しかけているのか、だって? どこって、アンタの夢の中だぞ? それも白龍様とかいう偉い人がいる場所とは別の。

 

 ──お、また質問か。何なに? お前は一体誰なんだ、だって? あぁ……スマン、そこはまだプライバシーの問題とかあって言えないんだ。けどずっと言わないつもりでいるわけではないから、まぁ気長に待っておいてくれよ。

 

 ──っておいおい、また質問か? さすがに三回目は予想出来なかった……ん? 急に話しかけて来て何が目的だ、だって? おぉ、三回目の質問がそっちか。ま、それが目的でアンタに話しかけてきたと言っても過言ではないんだよな。いいぜ、もちろん教えてやるよ。

 

 ──何が目的で話しかけてきたか? ……それはまぁ、そのアレだ。目的っつーか理由は三つある。まぁどれも大した理由じゃないんだけどな。とにかく聞いてくれると助かる。

 

 ──まず一つ目。俺とアンタとこういった状況でも話し合えるかどうかを、マイクテストみたいな感覚で試したかったから。またいつかこうやって話し合いたいから、アンタが寝てる時にちゃんと通話……というよりは念話、テレパシーかな? それが出来るかどうかお試しでやってみたんだ。初めてだけど成功してよかったぜ。

 

 ──今はこうやってテレパシーで会話出来るけど、聞こうにしてもザザザッーていう雑音とかが流れてきたら困るからな、今日はそういった事が起きないかどうかの確認ってわけだ。けどそういったのはないみたいだから、これからはこちらの機会を伺ってまたいつか声掛けてくるよ。アンタが寝てる間に。

 

 ──は? また寝てる時にアポ無しで話しかけてきたら迷惑? 仕方ないだろ、アンタが起きてる間はこちらからテレパシーを送ることなんて出来ないんだからさ。こっちだって毎日話しかけられるわけじゃないんだから、間隔が空くだけでもよかったと思ってくれよ。頼むから。

 

 ──とにかく二つ目いくぞ二つ目。二つ目は……まぁ、これも一つ目に似てるかな。アンタがこの世界に転生して、自身の身体とかに異常がないのかどうかを聞きたかったんだ。どうやら今アンタがいる世界は、本来『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』のヤツらしいから、もしその世界での流れがアンタの知識に入ってるのと違っていたら、それを耳にしようと思ってな……

 

 ──それらを耳にしてお前はどうするのか、だって? アンタの知識通りに世界を変えるのは非常に無理だけど、どうすれば良いのかの話し合いなら出来るぞ? ……役に立たないかもしれないとか言うなよ。俺だってそういった状況の時にどうすれば良いのか皆目検討もつかないんだからさ。そんなことが出来るのは神様系だけだっての。

 

 ──つーかよく考えたら、俺はアンタのいう『物語』がどんなものなのか知らないんだった。聞いたとしても的確なアドバイスとか送れそうにないや。やらかしたぜ……

 

 ──まぁいいや。そろそろテレパシーの終わる時間だから、二つ目はまた今度聞くとして、さっさと三つ目を言うよ。三つ目はアンタにどうしても伝えたいメッセージがあるから、だ。これはアンタにとって重要なメッセージだからちゃんと聞けよ?

 

 ──吉田優子……シャミ子の事を──────

 

 

 

『あぁっ⁉︎ テレパシーが切れた⁉︎ ここ結構大事なところだったのに‼︎ もうちょっとその前の言葉を減らせばよかったか⁉︎』

 

 

 

 

 

 

 ………………んあっ? なんだ、夢か……。う〜ん、何だったんだ今の夢は? なんか小学生ぐらいの男の子っぽい声が一方的に聞こえてた気がするけど、何だろう……何て言ってたのかは全然覚えてない……

 

 あっ、どうも皆さんおはようございます。平地白哉です。優子と一緒に桃の看病をしてから一週間が経ちました。あいつ元気になったのかなー。

 

 にしても先週はとんでもないことになってしまったなー。優子が止血のためにハンカチに染み込ませた桃の生き血で魔族の呪いの一部が解除。リリスさんを喋らせるようになったし、桃と一緒に多摩町を守ることになったしで、徐々に原作が本格的に進んでいったというか……

 

 あっ。呪いと言えば、翌日には優子ら吉田家の『月四万円生活』の呪いが解けました。ここは原作通り……というよりは解除される日数的にはアニメ沿いかな? これで優子はスタミナつくものを食べやすくなったと……よかったね。

 

 その記念として行われる、鉄板囲んでお好み焼き食べる回には……参加しませんでした。ああいう場面は家族水入らずで楽しんでもらいたいし、何より吉田家の者じゃない奴は幼馴染だろうと部外者扱い……だと思う。

 

 ってなわけで、その日はメェール君達召喚獣の皆さんと一緒にオードブル注文しました。ちょっと豪勢……いや、買った量を考えたらちょっとどころじゃねェな。

 

 なんかメェール君が『僕達もお金を出すから五十五個は買っておこう』と言ってきた時は結構驚いたなー。召喚獣は白龍様を除いても十九体はいるし、体型がデカいもいるから無理もないけど、五十って……どんだけ食うんだよ。金もほとんどが召喚獣が何故かどっかで稼いでものばっかだし。

 

 中でもすごい食欲っぷりを見せてくれたのは、無口な孔雀の朝焼(あさやけ)だったな。召喚師覚醒フォームで呼べる奴の中で一番細いのにめっちゃ食ってたな。中には鶏肉もあって食いづらいものもあるだろうに……(汗)

 

 そうやってワイワイガヤガヤ騒がしてたら、優子が作った飯のお裾分けをしに来てくれました。何だろう。照れながら渡しに来てたから、誤解を招いてしまいそうで恥ずかしかったな……

 

 あっ、騒がしいのはメェール君達が貼った結界で防音対策されてるから、俺が女の子を招き入れてるとかという誤解はされてない……と思う。絶対されてない、はず。なんか不安になってきた。

 

 まぁそんなこんなで、原作通りorアニメ沿いに進む現実世界(ものがたり)。けど、予想外な展開になった事も一つだけあった。それは、俺も優子のサポートをするという形で共に町を守る使命を果たすことになったことだ。それを理解した時は内心結構驚いたよ。いや、マジで。

 

 まぁそういう責務を任された原因は、俺が優子の魔力修行の時に『優子を守れる時に守れる程に強くならないといけない』と宣言したことによるものだけれども。

 

 謂わば自業自得、または口は災いの元ってヤツだ。言ってしまったものを覚えられてしまったものはしょうがないということで、この使命を果たすことにしたわけで。ま、半ば強制だけど。

 

 そんなわけで、新しく変わっていくかもしれない俺の人生の門出を祈願するべく、今日もメェール君の作る美味い朝ご飯を食べるとしますか。

 

 

 

 

 

 

 で、放課後。元気になって学校に来ていた桃に呼び出された俺と優子は、そのまま流されるかのように各々ロープで腹周りを結ばれ、タイヤを引っ張る修行をする羽目に。

 

 どうしてそうなったか? 朝にも言ったように(俺自身も誰に向かって言ってるのかわからないけど)、桃は優子に大量の魔力を持っていかれたのは知ってるよな? だから桃はこの町を守るのを手伝ってもらうために、優子に強くなってもらいたいとのこと。その修行内容が内容だが。

 

 で、なんで俺まで? と普通は思うところなのだが、優子の役割のサポートをすることになった身だと考えると、これは避けて通れない道なのだ。俺もいざという時に優子を助けられるようになりたいし、別に嫌とは思わないけどね。

 

 で、優子は鉱山とかで重いものを運ぶ働く類の車のドデカいタイヤを走って引っ張ることに。俺もそのタイヤを引っ張る……引っ張るの、だが……

 

 

「なんか俺の方のタイヤ、縦幅高くね?」

 

「白哉くんのはタイヤを二つにしているから」

 

「なんで⁉︎ というか何これ⁉︎ スパルタ⁉︎ スパルタの類に入るのかこのトレーニングは⁉︎」

 

 

 俺が引っ張るタイヤは、何故か二つもあって縦に重ねられていた。

 

 いやなんでやねん。修行のハードルの差が優子と比べてデカすぎじゃね? 性別の問題とか、俺と優子の体力や筋力の差の問題とかで内容が異なってしまうのはわかるけど、数じゃなくてせめて大きさを変えるとかしろよ⁉︎

 

 俺のはこのタイヤを一個にして、優子は原作通りにじゃなくてせめてトラックタイヤのサイズにまで小さくするとかさ⁉︎ 他になんかマシなのあんだろ⁉︎

 

 こんにゃろ、今すぐタイヤの数減らして……って、マジかよ。普通の結びに見えて意外と結構強く縛られてた……

 

 

 ▼平地白哉 は 逃げられない!

 

 

 誰だ今ゲーム画面みたい台詞を出した奴は。

 

 

「……これ、せめて横に並べた方が白哉さんも修行しやすいのでは?」

 

「学校でだと中々並べられるスペースが無くて」

 

「じゃあもっと広い場所で準備しとけよ⁉︎」

 

「前持って学校で準備しておかないと、二人とも見逃して家に帰ってっちゃいそうだったから」

 

「「……否定はしねぇ/しません……」」

 

 

 なるほど。つまりはすぐにも俺達に修行してもらいたくて、学校周辺の面積を測り損ねて俺の修行用のタイヤを重ねている、と……

 

 いやそれなら事前に河川敷とかに置いて、そこに見つけて縄とかで捉えた俺達を連れて行けば良いのでは? あっ、荒い誘拐みたいに見えるから、犯罪扱いにされるのを避けたかったのか……

 

 

「それはそうとして、話を変えるよ。なぜ私がダンプを止められるほどの力持ちか、分かる?」

 

「気合と筋肉がすごいから? それとも『○滅の○』の炭治○さんみたいに、鬼○辻無○レベルの敵を倒したいから稽古か何かをしてたのですか?」

 

「……山に籠って修行してたってのもあるだろ」

 

「どれも違います! 特に後者の二つは正解から色んな意味で大きくかけ離れてる! 別に家族を殺された挙句に妹を怪物にされたからとか、『グラッ○ラー刃○』に出てくる夜叉○みたいに倒したい敵がいるからとかじゃないから‼︎」

 

 

 うん、優子が週刊少年ジャン○をいつ読んだのかっていうのもツッコみたいけど、桃までジャン○だけじゃなくて昔の週刊少年チャン○オンの漫画を読んでたことに驚いて、思わずポカンとしてツッコめませんでした。どの漫画もちょっとは詳しそうなんだけどこの子。

 

 ってかよく考えたら、俺の世界で連載していた漫画が二つともこの世界でも丸々連載してたんだな……結構意外だった。

 

 この後桃は自分がダンプを余裕で止められる理由を説明してくれた。魔法少女は光の一族と契約した時点で、ほぼ肉体を再構築して高密度のエーテル体みたいな存在になるらしい。

 

 なんだその『一度妖精さんに生まれ変わってくださーい』と言われていたような説明は。キュゥ○えと契約する時みたいに代償を払う必要はないのかもしれないけど……

 

 

「……でも、今の桃は魔力が減っているのでは?」

 

「そうだな。だったら今みたいにタイヤを三つ同時に軽々しく持てるわけがねェ」

 

「……今は多少、気合と筋肉で補ってる」

 

「じゃあ優子の前者の答えも正解だったじゃねーか。無理強いして不正解にするから恥ずかしくなるんだろうが」

 

「………………」

 

 

 あ、ヤベッ。思わず正論をぶつけちゃったから、桃が俺のことを剣幕してるような目で睨んできた。おぉう……クール系を怒らすとここまで怖くなるのか……

 

 

「……ここまでは出来ないにしても、シャミ子も魔族のはしくれで、白哉くんも召喚師……二人とも似たようなことは出来るはず。だから私は二人の魔力を上げたい。魔力は肉体・精神・人生経験……いろんな要素で上がるから。まずは手っ取り早く筋肉をつけよう。そしてその修行でシャミ子と白哉くんには、スポーツ漫画みたいな手汗握る熱い友情や、ラブコメみたいなドキドキするイチャラブフラグ展開といった、しょっぱかったり甘酸っぱかったりする青春の一ページを刻もう」

 

「ヒッ⁉︎ ってか、なんか後半筋肉関係なくないこと言ってません⁉︎ きっ……聞いてるこっちが恥ずかしい欲望がダダ漏れしてるじゃないですか⁉︎ イ、イ、イチャラブフラグ展開って……

 

「つーか恐怖と羞恥心が混ざり合って、複雑なマイナスの感情が俺らに襲い掛かってくるんだけど⁉︎ って、ヤメロ-⁉︎ 俺達の側に近づくなー⁉︎ 今のお前マジ怖い怖い怖い怖い‼︎」

 

 

 怖い怖い怖い怖い(二回目)!! こいつ本心を全然隠そうとしなくなってきたんだけど⁉︎ 誰かを筋トレで筋肉つけさせたいという意欲と、俺と優子に対して何か仕掛けて揶揄いたいという意欲が合わさって危険度MAXなんだけど⁉︎

 

 つーかなんか流れてくる⁉︎ 突然俺の脳内で○ーミネー○ーのBGMが流れてくる⁉︎ このBGMがより一層恐怖を引き立たせてくるんだけど⁉︎

 

 

「さらに筋肉をつけて、イチャイチャして、ついでに筋肉をつけよう。続けてイチャイチャしよう。そして筋肉をつけよう。その次にイチャイチャしよう。あと言い忘れてたけど筋肉をつけて、私のいないところでもイチャイチャしよう」

 

「すんません、言い忘れてないというか鬱陶しいほど言ってますよアンタ……特にイチャイチャイチャイチャうるせーよ……」

 

イチャ、イチャ……さ、さては自分がしたいことや私達にしてもらいたい欲を、ありのままに曝け出したいだけなんじゃないですか……?」

 

「違うよ、仕方ないんだよ」

 

「「目をキラキラと輝かせてる時点でバレバレなんですけど⁉︎」」

 

 

 つーか俺と優子を……というよりは他人同士をイチャイチャさせようとするのは、さすがに仕方なくでやるわけないだろ⁉︎ 絶対何か目的とか本筋とかがあって、それらを事前に計画させてから実行するようなものだろ⁉︎ それを仕方なくでやるなんて……あぁもう‼︎ なんだか頭がゴッチャになってきたんだけど⁉︎

 

 あっ。なんとかマイペース桃による被害を避けたいがためか、優子が魔力の減った桃でも強いのではと指摘してきた。話を変えてきたな、良いぞ。

 

 で、何なに? 大技は出せない? 魔力修行の時に呟いたフレッシュピーチ……何だっけ? あれは中技だから出せるのか。

 

 って、おっとぉ〜? 大技の概念があることを聞いてからグイグイ行き始めた優子が、桃に中技を披露してと要求してきた。

 

 さらにぃ〜? それで桃もなんで名前完璧に覚えているのかと戸惑ったり、要求されるも恥ずかしいから断ろうとしてるぞぉ〜?

 

 いいぞ優子、もっとやれ。そして弄ばれた鬱憤をここで晴らせー‼︎

 

 

「あれ? 三人とも何してるの?」

 

 

 ここで杏里の登場。ここまでの展開で何れ出てくるとは思ってたけど、なんでよりによって……

 

 チッ、さすがに今回ばかりは感謝できねーな。せっかく優子が追い詰めていって、桃がだんだん押し負ける展開になりそうだったってのに……

 

 まあ来てしまったものは仕方ないので、とりあえず現状について説明することに。とは言っても、共闘をすることになったことやリリスさんが喋れるようになったことなど、一週間の間に起きた出来事とは言ってもそれほどスケールはデカくはない……のかな?

 

 ってか杏里、お前はリリスさんの事をシャミ先と呼ぶんだな。知ってたけど。桃だけじゃなくて、魔族の先祖に対してもあだ名呼びとは……人が良いのか失礼なのか……

 

 まあそんなこんなで、杏里が今度は今の俺達が何をしているのかを問いかけてきたので、正直にドデカサイズのタイヤを引っ張れという修行を無理矢理させられているのだと言っておきました。

 

 頼む杏里。原作には存在しないはずのものである俺までこんな無茶苦茶な特訓をさせられているんだ、なんとかしてくれ……‼︎

 

 

「なるほどねー。魔力修行のための筋トレかぁ……。でもさぁちよもも。人類は基本、鉱山車両のタイヤは引っ張れないと思う」

 

「そっか……確かに。あんまり重いものが持てないシャミ子と、シャミ子を担げてもそれより重いのを担げるかどうか分からない白哉くん、二人の特性を深く理解していなかった……」

 

「うんうん。二人各々の特性じゃなくて、人類の特性だけどね!!」

 

 

 人間が持てるタイヤは本来、トラックサイズのを両手で抱えるのが限界。当たり前だよなぁ? 自分の主観で他人と見比べたりするんじゃなくて、一般人からの主観を予想して人の限界とかを分析しなさいな。

 

 この後杏里は、優子には気が弱い一面をよく見せるので精神面を強くするといいというアドバイスを桃に送りました。だがオススメの修行内容が論外レベルだ。バンジージャンプとか滝行とかって、週一でも実行するのが難しいというかハードルが高いやろ。あと曰く付きの旅館に泊まらせるって何? そんな怪奇事件が起きそうなところは既に潰れてるだろ絶対。

 

 

「で、白哉の方はどこを鍛えるべきかなんだけど」

 

 

 おっ、次は俺か。俺の欠点とかは自分でも分からないのだから、他人主観で教えてくれるのはある意味助かる……

 

 

「……うん、恋愛方面かな」

 

「「……………… はい?」」

 

「クソ雑魚ってレベルな程は酷くないけど、ここぞという時にシャミ子の本心に気付けてない一面がよく見られるんだよねー。そこさえなんとかなれば後は大丈夫なのかもしれないんだけど」

 

「なるほど。確かに白哉くんは大事な場面で鈍感になる時がありそうだったから、読唇術を理解する必要があるってことだね」

 

「そゆこと。だから恋愛に関する本などの資料を送ったり、デートスポットにシャミ子と二人きりにさせたり……」

 

「待て‼︎ 待て‼︎ プリーズウェイティング(待ってくださいお願いします)‼︎ そ、それはさすがに強くなることに関係ないと思うんだけどなー⁉︎ つ、つーかなんで優子の名前まで出てきた⁉︎ お前まで何を狙ってんの⁉︎」

 

 

 チクショー、うっかり忘れていた……‼︎ 今ここに俺と優子を無理矢理にでもイチャイチャさせたい奴がもう一人いたのを、なんで忘れてしまったのかな……‼︎

 

 

「デ、デ、デート、スポッ……二人、きり……えっ? 私と、白哉、さんを、二人……えっ?」

 

「ほら、優子も混乱して赤面目ん玉ぐるぐる状態だぞ‼︎ この状態の奴が吹っ切れたら取り返しのつかないことになるぞ‼︎ そして俺が色々と終わる‼︎ だから鍛えるべきところを変えろ‼︎ 恋愛方面は強くなるのに関係あるか⁉︎」

 

「あ、ああ……正直なこと言っちゃった。白哉もシャミ子もごめんね?」

 

「あっ。い、いえ、私は、私は大丈夫なので……多分……」

 

 

 いや何が⁉︎ その混乱状態のどこが大丈夫なんだよ⁉︎ やめろ杏里の話をまともに考えるな‼︎ 聞いた俺だって恥ずかしく思えてるんだから、意識するのはやめろ‼︎

 

 

「………………ラブホテルに二人で泊まらせるのもアリかも──」

 

「「テメー/貴様は懲りないというか度を超えすぎだ‼︎」」

 

 

 おい誰かこの頭も桃色な魔法少女もなんとかしろ‼︎

 

 この後色々と落ち着いた感じになり(?)、杏里はこれから部活だと言って、今後出来ることがあれば物資のためにバイト先の紹介とかするよと言ってそのまま去ることに。ったく、本当に思わぬ刺客が出てきて結構焦ったりしたぜ……

 

 って、は? 桃お前今なんて? 俺達の一番怖いものが何か、だって? いやこの流れで教えてもらえるわけねーだろアホか。俺も教えねーよ絶対に。

 

 

「大体……町を守りたいというのなら、桃も早く魔力が戻るように頑張るべきじゃないですか‼︎ 私も頑張るから、桃の怖いものを教えなさい‼︎ 魔力をもらった以上不本意だけど、いちれんたくしょうなんです‼︎」

 

「一蓮托生……その発想はなかった………………そっか、そうかも」

 

 

 おう、その通りだよく言った優子‼︎ 元々町を守る役目は桃が握ってたしな‼︎ そんな奴がいざという時に怖いもの……弱点となるものに出会ってしまったらどうなるのかわからないしな‼︎

 

 

「……そうだな。ほら、共闘してくれている宿敵もそう言ってるんだし、桃も怖いものをちゃんと教えろよ。俺も怖いものとかがあった時に乗り越えられる程に強くなっから」

 

「……私の怖いもの……薄皮大福が怖い」

 

「……はい?」

 

「ただの薄皮大福じゃないよ。たまさくら商店街に一軒だけある和菓子屋さんの……『薄皮いちご大福』が怖い」

 

 

 なるほど、まんじゅうメソッドってヤツか……

 

 いや原作読んだから分かってたけど嘘つくなよ。大福が怖いってなんだよ、あんなに美味い大福が怖いとか、もし本当なら人生の何割か損してるぞ。しかも美味しそうな説明しやがって、優子のようなチョロい子じゃなかったら少なくとも疑問に思われるわ。

 

 

「じゃあそれを克服しましょう‼︎ 恐怖にふるえるがいい魔法少女‼︎ クククのク……」

 

「夕方からの販売分がすぐ売り切れちゃうから走って‼︎」

 

「らじゃー‼︎」

 

「出来れば三つ買ってきてね」

 

 

 あーあ、いつの間にか優子が桃に財布渡されて買い出しに行っちまったよ。おーい、大福がそう簡単に怖がられるわけないぞ戻ってこーい。チクショー、俺を縛る縄も解いてくれれば止めれたのになー(棒)

 

 

「……さて、シャミ子が大福を買いに行ってきたところで……白哉くん、ちょっと聞きたいことがあるけどいいかな?」

 

「なんだ? だから俺には怖いものなんてないってさっき……」

 

「それとは別の方。個人的に疑問に思ってたことがあるの」

 

「ん?」

 

 

 何なんだ? 桃は一体何を思って俺に質問しようとしてるんだ? 変な質問じゃなきゃいいんだけど……

 

 

「白哉くん、シャミ子が君の事を好きなの知ってるよね?」

 

「ッ⁉︎ な、なんだよいきなり……あっ、いや、知ってるけど……」

 

 

 なんで優子の好意の事を指摘するんだよ……

 

 まぁ、本当は『知らない』って言おうかとは思ってたよ? けど、魔力修行の時に優子が桃に唆される形で本心を大声でカミングアウトして、それを俺が聞いちゃったって反応しちゃったから、嘘ついてもバレバレになるから正直に答えたわけで……

 

 

「それを白哉くんは蔑ろにはしないけど、聞いたとしてもシャミ子に何か特別な反応とかをしてるわけじゃないよね?」

 

「……さっきから何が言いたいんだよ?」

 

 

 なんだってんだよ、さっきから急に真剣な顔で俺を見つめながら優子の話をしてきて……俺が優子に何かやらかしてしまったとでも言うのか?

 

 

 

「───白哉くんはシャミ子の事、好きなの? 嫌いなの? どう思ってる?」

 

 

 

「………………は?」

 

 

 えっ……はっ……えっ……? 俺が? 優子の事を? ………………えっ?

 

 

「………………あっ、いや、そ、その……べ、 別に嫌いじゃないぞ? というか嫌いにはならないし、仮に嫌いになろうとしても出来ない、的な? で、な、何? す、好き、だって? いや、まぁ、好きだぞ? お、幼馴染として、な? よく一緒にいるし、そりゃあ、な……?」

 

「結構動揺してるね……図星かな」

 

 

 いや誰のせいでそうなったと思ってんだよ。白々しいにも程があるだろうがこのおちょくり魔法少女が………………けど、動揺しているのは否定出来ないな……

 

 俺はずっと優子に寄り添ってきたはずだし、彼女がヤンデレになってしまったって伝えてきても嫌がらなかったし、寧ろ気にかけたりしてるというか……。なるべく優子の本心を尊重させながらも、それで彼女が暴走しないように立ち回ってるつもり、なんだけど……

 

 

「じゃあ恋人としてはアリって捉えれば……いや、この場合は白哉くん自身もシャミ子の事をどう想ってるのか分からない、と捉えておけばいいのかな?」

 

「えっ、えっと……いや、その……も、もう、そう捉えてもらえれば、いいです……。悪い意味では捉えてなければ、いい……かな……?」

 

 

 俺が、優子の事をどう想ってる、か……何ひとつ考えたこともなかったな……

 

 そういえば、俺はなんで、前までは原作キャラと深く関わらないでおこうと考えてたのに、あの日から優子に積極的に関わっていったんだ? なんでヤンデレってしまったのに、彼女を避けようとは考えなかったんだ? なんで彼女に寄り添っているんだ?

 

 俺は、優子の事をどう想って……? 好き? 嫌い? それとも……?

 

 

「ハァ、ハァ、た、ただいま戻りましたー‼︎ ……って、アレ? 白哉さん? どうしたんですかそんな難しい顔して……?」

 

「あ、おかえりシャミ子」

 

 

 悩みに悩んでいたところに、優子が薄皮大福を買って戻って来てくれていた。ってか俺、疑われるような表情していたんだな。

 

 ……優子に変な誤解をされる前に、いつも通りを装うか。この話題はまた今度……というかじっくり考えておくとしよう。うん、そうしよう。

 

 

「お、おかえり優子。い、いやぁどうしたらこのロープを解けるのかなーって考えてたところでさぁー……」

 

「あ、ごめん。すぐ解いておくね」

 

「……?」

 

 

 結局頭にクエスチョンマークを浮かべながら怪しませてしまったよ……

 

 

 

 

 

 

 フッ、フフッ……大分走ったし結構並んだけど、桃が怖いという薄皮いちご大福を三つも買うことが出来ました……‼︎

 

 本人曰く、不自然なくらい巨大なイチゴが入っていて、薄い皮から覗くと中のあんこが見える様がたまらなく不気味、そして上質の生クリームまで入っていて退廃的だと言われているこの大福……

 

 こんなにも結構美味しそうな大福を恐れているとは、桃にも意外と恐れているものがあったのですね。というかもったいない……

 

 ですが! 恐れているからこそ食べて克服して、これまでこの大福で損していた分を無理矢理にでも取り戻させるとしましょう‼︎ そうと決まればささっと二人のところに走って戻りに行きましょう‼︎ 猪突猛進……あっ、なんか意味が違うかも。爆裂猛進……でもなくて、全速前進です‼︎ 「全速前進DA☆」

 

 

「ハァ、ハァ、た、ただいま戻りましたー‼︎ ……って、アレ? 白哉さん? どうしたんですかそんな難しい顔して……?」

 

「あ、おかえりシャミ子」

 

「………………」

 

 

 わ、私が来たことに桃が先に反応したのに、白哉さんの方は頬を赤らめている顔を俯かせて、何やらブツブツと呟いているためか、桃の声にも反応を示してない……?

 

 なんだろう……普通ならこの状況でだと、桃が何かして白哉さんを惚れさせるという泥棒みたいなことをしてるのではないかと思い、桃を嫉みそうになりますね……

 

 でも、白哉さんの顔をよく見たら、何やら難しい顔をしている上に影を落としていたので、桃に何かされたわけではないというのは理解しました。じゃあ何を思ってそんな顔を……?

 

 

「お、おかえり優子。い、いやぁどうしたらこのロープを解けるのかなーって考えてたところでさぁー……」

 

「あ、ごめん。すぐ解いておくね」

 

「……?」

 

 

 白哉さんの言ってることは、今回ばかりはどう見ても嘘に聞こえますね。でも、なんでだろう……今何故そんなをしてるのだと聞いたらダメだと思う気がするのですが……

 

 いや、ここは本能に従って聞かないようにしておきましょう。私だって色々と隠し事をしているのですし、白哉さんにだって言いたくないことはあるはずです。

 

 だったら今は聞かないようにしましょう。白哉さんが言いたい時が来るまで、この件には一切触れないように……

 

 よし、そうと決まれば早速本題です。さぁ、この薄皮大福による恐怖におののくがいい魔法少女‼︎ カッカッカッカッカッカッ……アレ? 怖がってる様子がない? 何やら苦い顔はしているけど……

 

 ほへっ……? 何故か大福を私と白哉さんにも一個ずつ渡してきたんですけど? えっ? 運動後は糖分取ると美味しい? 大福は出来立てが一番?

 

 ……さては騙したな⁉︎ 私を走らせて体力つけさせるために嘘をついたな⁉︎ そしておつかいのついでに餌付けするためだったな⁉︎ あっさりと引っ掛かってしまったー‼︎

 

 だ、騙された……。これで勝ったと……あっ、超おいしい‼︎ おいしい……おいしい……。さっきまで暗く難しい顔をしていた白哉の表情もいつも通りのに戻ったし、今回はまあいい……のかな?

 

 

「ここの大福が苦手なのは嘘じゃないよ」

 

 

 えっ? 桃、急に何を言って……?

 

 

「昔を思い出すから何年も食べてなかった……ここのお菓子は姉が好きだったんだ」

 

「……姉妹の思い出、というものなのか? その大福は」

 

「うん。血は繋がってなかったけど、姉と過ごしてきたのはどれもいい思い出だった……」

 

「そっか……苦い事聞いてごめんな」

 

「ううん、大丈夫」

 

 

 えっ……。あっ、そういえば桃は今は一人暮らしだと聞きましたが、おねーさんが居……るんでしたか。血は繋がってなかったみたいですけど……

 

 あっ、そしたら桃が苦手なものをほんの少しだけ教えてくれた。昔の自分、ですか……。今は一人暮らしの身になってしまっているみたいだから、家族……というよりはおねーさんとの間に何かあったのでしょうか。それでもその過去と向き合おうとしている。私が頑張っているように、彼女も……

 

 ん? 無理矢理手伝わせてごめん? 何故突然謝る‼︎ ……わるいなーと思ってるなら、今度は本当に怖いものを教えるがいい。その苦手だという貴様の過去も、いつかは絶対教えてくださいよ。でないと困るのは私なんですからね。

 

 ……私も今の白哉さんに対する自分を恐れていますが、なんとか克服できるように今でも頑張っていますから、桃も何かしらの努力はしててくださいよ。ぼぉっーとしてたら、いつかは色々な方面で私に追い抜かれますからね。どうなっても知りませんよ?

 

 

「……ま、これからはお互いの課題に挑んでいこうという形にしておこうか。んじゃ、今日はここまでにしとこうぜ」

 

「そうですね。それじゃあそろそろ解散としましょうか」

 

 

 結構綺麗な夕日が降りていって辺りが暗くなりそうですし、そろそろ帰ることに……

 

 

 

「ん? 何言ってるの二人とも? むしろこれからじゃないの?」

 

 

 

「へっ?」「は?」

 

「シャミ子のうちって門限ある? 白哉くんは一人暮らしだからないよね? まずはストレッチとスクワットからやろうか」

 

「ッ⁉︎ 一旦筋トレは保留になったのでは⁉︎」

 

「おま、ふざけんじゃねぇドデカタイヤ二個同時引き摺りはやんねぇぞ俺は逃げ……ぐげふっ⁉︎ ちょっ、腕強く掴むな引き寄せんな‼︎ ヤメロー‼︎ シニタクナーイ‼︎」

 

 

 ああヤバいヤバいヤバいヤバい‼︎ 私達、尻尾や右腕強く掴まれて逃げられなくなってきてる‼︎ 逃げ道を事前に潰された‼︎

 

 と、というか、白哉さん……今、無自覚にわ、私のて、手繋いで引っ張ろうとして……⁉ ってドキドキしてる場合じゃない!!

 

 

「精神面も筋肉面も同時に鍛えないと効率悪くない? 世の中には道具を用いずペットにも頼らず筋肉を鍛える方法がたくさんあるんだよ……」

 

「顔!! 顔!! キラキラとした目で近づかないで来ないでくださいよ怖い怖い怖い怖い!!」

 

「つーかペットってなんだペットって⁉ それって俺の召喚獣のことを言ってのか⁉ペット扱いしやがってふざけんないつかぶっ飛ばすぞテメー⁉」

 

 

 ちょっとー!! 誰か助けて―!! 自重トレーニングをやらせようとするハラスメントな魔法少女に拉致されてますー!! いや、もう助からないかも……

 

 

「……白哉さん、叫んでもいいですか?」

 

「……奇遇だな、俺も同じこと考えてた」

 

「「桃こわいー/こえー!!」」

 

 

 この後、私達は夜になるまで桃のトレーニングに付き合わされる羽目になりました……。いやホントに、トレーニング云々関係なく桃が怖いです私……白哉さんも同じこと思ってるでしょうね……

 

 そしてトレーニング終了後、白哉さんが召喚獣に手伝ってもらえればトレーニング地獄を脱せられたのではないかと嘆いたのはまた別の話……

 

 




はい、白哉くんがシャミ子の事をどう思っているのかというところにも触れられたかもしれない回でした‼︎
クソボケ白哉くんはシャミ子に対する自分の想いに気づけるか……?
気づかなかったら皆さんはそんな白哉くんに対してどんな反応をしてあげます?



おまけ:台本形式のほそく話

本編前日の闇の一族禁断の儀式(鉄板パーティ)にて
シャミ子「おかーさん手伝います。私もっと料理が上手くなりたいんです」
清子「……フフッ、そんなに積極的になってまで白哉くんに料理してあげたいのですか。おかーさん安心した」
シャミ子「ほげっ⁉︎ な、何故白哉さんの名前が出るんです⁉︎ あっ、い、いや、確かに白哉さんにも振る舞いたいとは思ってはいますが……というか安心したって何⁉︎」
清子「一年前まで優子は自分の事を後回しにして家族に気を回していたものだから、自分のやりたいことや本心を後押しにしているのを見ると、どこか心苦しく見えて……。けど、白哉くんと親しくしている内にそういうのを少しずつ出していっていたから、母親として嬉しく思えるんです」
シャミ子「おかーさん……」
清子「いつしか、白哉くんにお嫁さんとしてもらってくれるといいですね」
シャミ子「はがあっ⁉︎ そ、そ、そういう話はしないでください‼︎ 正直もらってくれたら嬉しいですけども!! ……ただでさえその事で魔法少女に揶揄われてるというのに、その魔法少女が最近栄養バランスに問題を抱えているというのに……」
清子「あら、それはごめんなさい。………………ん? んん⁉ まさか魔法少女にも作ってあげようとしてます⁉︎」
シャミ子「このままだと私が倒す前に倒れそうなんです‼︎」

END

 
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