偶に愛が重くなるまぞくと、愛されてる男のまちカド物語   作:名無しのモンスター

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中々というかほぼ全く感想貰えず落ち込みながらの初投稿です。

感想というかコメントがないと不安な性なので、批判含む感想よろしくお願いします……

さて、みんなを煽ってたかもしれないお願いをしたところでそろそろ本編の方をどうぞー。


ほんの少しの原作改変ぐらいはいいだろと考えて行動したら…… ♦

 

 俺のせいで自覚系ヤンデレになってしまった優子がまぞくになった翌日、俺はいつも通り起きて制服に着替え、顔を洗っていた。それにしても昨日は失敗だったな。昨日が日曜日……優子の先祖返りの日だったことを忘れて一人ヤンデレ回避考察会議を行なってたからなー。もし原作とは異なるルートが発生したらとなると……ヤベッ、背筋が凍ってきた。そのせいか顔に浴びてる水がいつもよりも冷たく感じる。まるで背中に氷を数個あてられたかのようだ。

 

 俺のせいで原作キャラの性格を原作とは違うものにしてしまったんだ。きっとこれからの原作の物語も変わって実際に起きるものとは異なるイベントだって起きるかもしれない。もしものことが起きた時のために、これからは原作の物語に積極的に関わっていかないとな。

 

 そんなことを考えながら朝飯(ちなみに主食はパン)を済ませ、忘れ物がないかの確認を済ませてからドアを開けた俺氏。玄関から出ると、そこにはやはりといったところか、昨日からツノと尻尾が生えている制服姿の優子の姿が。

 

 

「あ、白哉さんおはようございます!」

 

「おう、おはよう」

 

 

 俺が挨拶を返せば、優子の尻尾がブンブンと動いている。これはご機嫌……『嬉しい』という感情を表してるな。こういう動きを見てると、優子が今どんな心境なのかが一目で分かりそうだ。ある意味助かる。つーか、原作を読んだ時も思ったんだが……

 

 

「せめてツノくらい隠そうとする努力はしなかったか?」

 

「……すみません。隠そうにもどうしても帽子から凹凸が出てしまいますし、尻尾もす、スカートの中から……」

 

「あぁ……悪い、聞いて悪かった。そもそも帽子は校則でアウトだもんな」

 

 

 だよね。隠そうにしても隠しきれないよね。ツノデカいし、尻尾も優子の身長並みに長いし。大きさの計算せずに『隠せんじゃね?』って甘い考え方してたわ。ホントごめん。

 

 とりあえずしばらく二人で学校に登校することになったのだけど、突然優子の顔に少し影が落ちてきた。この後杏里も来るからなのか『ずっと二人だけで登校していたい』っていう感じのヤンデレモードの顔ではないらしいが、どうしたんだ急に……?

 

 

「それにしても、やっぱり夢じゃなかったんですね。私が人間じゃなくて闇の一族だったことも、魔法少女に助けられたことも……。あの、白哉さんは人間じゃない子は嫌いですか?」

 

「ん? そんなことないぞ? 逆に皆にはないもの持てるなんて羨ましいぐらいだよ。それにいつもの体にツノと尻尾が生えただけなら、優子は充分人間でもあるよ。まぁ本当に人間じゃなくなったとしても、俺が優子といつも通りに接することに変わりないさ」

 

「……そう、ですよね。なんか変なこと考えてたみたいです、すみません……フフッ

 

 

 なんかまぞくになったことで俺からの対応に不安を持つようになったようだが、俺が頭を撫でながら慰めたら元気を取り戻したようだ。……いやちょっと待って。微笑しながら『ナデナデ以上のことも期待してもいいですか?』みたいな感じにハイライト落とした目で頬赤らめるのやめて? ヤンデレモード入ってる入ってる怖い怖い。

 

 

「優子おはよー。ついでに白哉も」

 

「あっ、杏里ちゃん。おはようです」

 

 

 き、来た! 杏里が合流して救いの手を差し伸べてくれた! そのおかげで優子も自分がヤンデレったことに気づいて正気に戻ってくれた! さすがは唯一何故か優子をヤンデレにさせない行動が自然に取れる親友・杏里! 嬉しいタイミングで来てくれてサンキュー!

 

 

「おはよ……って、よく考えたらついでにってなんだついでにって。俺の事興味無くしたかのような言い方だな」

 

「ちょ、冗談だって。そんな怖い顔しないでよー。白哉は優子みたいに色々な反応してくれて結構面白いから飽きないぐらいだって」

 

「「どういう意味だそれは」」

 

 

 まるで『遊び相手をもう一人見つけた』みたいな言い方だな。俺学校で面白い反応してたか? いや、他の女と関わっていたところを見た優子の誤解を解く時に焦ってたのを見られたとなると、我ながら他人に面白いと思われてる……のか?

 

 

「……ごめん、優子なんかツノ生えてない?」

 

「やっぱりそう見えるかな⁉︎」

 

 

 あ、そう考えてる間に原作通りの会話が出てた。やっぱり杏里も見えてたんだな、優子のツノと尻尾。まぁ体の一部を透明に出来る能力を持てるわけじゃないし、仕方ないかな。

 

 

 

 

 

 

 杏里に優子の先祖返りについて警戒されながらも学校に着いた俺達。優子がそのツノと尻尾を見られて女子に注目を浴びてる中、俺はというと……

 

 

「えぇぇぇ⁉︎ マジかよ⁉︎ ウチのクラスメイトにツノと尻尾生えたまぞくいたのかよ⁉︎」

 

「しかも女の子、それも影薄いのかそうじゃないのか分からない吉田さんだったなんて……」

 

「チクショー意識しちまう程可愛くなりやがって! けどなんかスゲー違和感‼︎」

 

「ちょっと触らせてくれよ‼︎ ツノか尻尾、どっちか先っちょだけでいいから‼︎」

 

 

 優子の変わり様に興味津々なうるさい男どもを黙らせ……落ち着かせております。いつもはそんなに優子に興味示してなかった癖に先祖返りしたらこれかよ。ツノや尻尾に注目がいくのは百歩譲って分かる。けどどさくさに紛れて胸とか尻とか触りそうで怖いんだよテメーら。つーか約二名優子をディスってる気がするけど気のせいか? 後先っちょだけと言った奴ちょっと前に出ろコラ。嘘、はよ座れや。

 

 ん? 俺だったら胸とか尻とか触っても優子に怒られないだろ、だって? ……そうかもしれないし、正直俺もそういう下心がないわけではないけどさ? ヤンデレになる奴に実際にやってみろ? そいつが何考えるかわかんねーぞ? 命を賭けてモミモミしてみるか? ()()俺にはそんな勇気など……あぁすいません!! 揉む気は一切ありません‼︎ 今のは聞かなかったことに!!

 

 まぁ先程の会話のように優子の先祖返りに驚いているクラスメイトは何人かいたけど、実は大抵の奴はすんなり受け止めています。杏里曰く、なんでも多摩町の人達は変な人ばっかりらしい。その会話を実際に聞くと、優子もその部類に入ってるのだと思うと可哀想に思える。本人もツノ隠して怯えてるし。まぁ、その……ドンマイ。

 

 

「とにかく、今は魔法少女を見つけてこのご先祖の像に生き血をまぶさなくては!」

 

 

 あ、そうこうしてる内にまぞくとしての本題に入ったな。優子がまぞくになる前までドアストッパーになってた哀しきご先祖リリスさんの人面石像、ホントに右のツノ欠けてるな。よく長年ドアストッパーにされてバラバラに壊れなかったなオイ。そんないつ壊れても分からない状態なら後で夢の中でリリスさんに叱られるのも無理ないな、うん。……優子、いつでもお灸を据えられる覚悟しとけよ。

 

 

「そういえば、魔法少女ってA組にいたよね」

 

「ほぇー、そうなんだ………………ってえぇ⁉︎」

 

 

 お、今度は宿敵となる魔法少女・千代田桃が学校にいるという情報を得たな優子。これも原作通り、と。昨日出会った宿敵が実は身近にいたと聞いたらそりゃ驚くわな。

 

 つーか皆がまぞくになった優子を見て大袈裟なテンションにならないの、それが原因じゃね? そもそもなんで魔法少女は皆に正体がバレるようなことしてんのかな?

 

 

「アレ? そういや白哉は驚かないんだね。魔法少女みたいなファンタジーな奴がこの学校の同級生という事実を知ったってのに」

 

「ん? ……あぁ、多摩町の人達が変なのばっかりなら、ウチの学校にも二次創作みたいな奴が一人か二人はいてもおかしくないのでは? という結論に至っちゃってね。そう考えたら驚かなくなったな、ハハハ」

 

「順応早っ……というかそんな結論でいいの?」

 

 

 本当は原作読んだのでね、既に魔法少女がこの学校にいるかどうかは把握済みです。ごもっともです。ってオイ優子、ショックを受けたような目で見るな。『貴方なら私と似た反応すると思ったのに』と言うかの如く見つめないでくれ頼むから。

 

 まぁこの時期の優子はまだ桃の事を全然知らないとのことで、どんな奴なのか様子見することに。俺は別にいいとは思ったが、やっぱり原作のイベントを間近で見たいという欲が出て同行しちまった。我ながら注意力が怠ってるな今のは。それで……やっぱり教室にいたわ。しかも原作通り本読んでる。……なんか、隣で糸電話してる女子二人にも目がいくのは気のせいか?

 

 

「なんかあのカミソリ感、どこかで……ほあー⁉︎ 昨日の片手ダンプの君ではないですか‼︎」

 

「おいなんだその変なニックネームは」

 

 

 思わずツッコんじゃったよ。反応しちゃったよ。原作のセリフなのに。そう言うの知ってたのに。反応していいのかもわからないのに。

 

 

「悔しいことに彼女に色々と施されました‼︎」

 

「それが昨日言ってた菓子パンか。中になんか入ってたような……豆? くるみ? どっちだっけ?」

 

「どっちでもいいわ‼︎ というか白哉さんそれ言わないで‼︎」

 

「昨日何があったのかは分からないけど……彼女、なんでも六年位前に世界を救ったらしいよ」

 

ワールドワイドで⁉︎ そ……そんな世界級の魔法少女だったなんて……町内規模の魔族である私が、そのような高嶺の花をころがせるでしょうか……」

 

 

 おん。改めて考えると世界を救った奴が同じ場所に住んでいて、そいつを倒すという使命を与えられたら、そりゃあどうしようとかヤバいとか無理だろとか思うよな。マジ卍。

 

 それから杏里の話によれば、体力測定で握力計を二個も振り切らせちゃったとか、肺活量もカンストしたとか……身体能力はめちゃんこヤバいそうだ。何処ぞのジャン○漫画の戦闘民族だってレベルだなそれ。しかもそれで世界を救ったとなると、フ〇ーザかセ〇、それどころか魔〇ブ〇を倒したレベルになるのでは? いや、〇ラゴン〇ールじゃあるまいからあり得ないかもな。……物理少女というよりは、龍球少女の間違いじゃね(何言ってんだ俺)?

 

 

 

 

「しっかしこりゃあ、優子も色んな方面で危ないかもなー。あんだけスケールがデカい奴となると、優子が片想いしてる男もそっちに視線がいっちゃったりして」

 

 

 

 

「………………」

 

「えっちょっ、待って待って。好みは人それぞれだから地雷踏むなやめて差し上げろ。それ聞いた本人が固まった上に目のハイライト消えとる」

 

 

 つーかその優子の片想いの人、絶対俺だよね⁉︎ 分かって言ってるな杏里オメー‼︎ よく本人の目の前でそんなこと言えるなコノヤロー‼︎ さてはテメーも優子のヤンデレモード楽しんでるな⁉︎ それを優子が発動する度に俺がどれだけ彼女にフォロー云々するのに苦労すると……‼︎

 

 

「優子……親友の言葉だからってまともに受け止めないでくれよな? 実際にそうなるわけないから。あくまでもしもの話だから。お前がそれで暴走したら俺もめっちゃ悲しくなるし

 

「……あ、は、はい。そうですよね! まともに受けていい話と受けなくていい話がちゃんとありますし! と、とりあえずあの魔法少女は身分隠して騙し打ちを……」

 

「千代田さーん。D組の闇の一族の吉田さんが用事だって〜」

 

杏里ちゃん⁉︎ きさまうらぎるか‼︎

 

 

 おいコラ杏里テメー。俺が優子を正気に戻すよう慰めてる間に何原作通りのことしとんじゃ。まだ優子の気持ちの整理が原作よりも出来てねー感じだぞ。遊びすぎも程があるだろーがいい加減にしろ。

 

 

「……何」

 

 

 ってそうこうしてたら来たわ、魔法少女・千代田桃。うん、やっぱり優子の頭一個分身長が高いな。優子もその大きさのことでめっちゃたじろいでるし。

 

 

「あ。昨日の小さい子」

 

 

 おいコラ身長指摘すんな不謹慎だぞ。

 

 

小さなくそにゃー(小さいとはなんですか)‼︎ まだ成長するかもらー(なにくそーこんにゃろー)‼︎」

 

「「優子‼︎ 気持ちに口が追いついてないよ/ぞ‼︎」」

 

 

 あ、ヤベッ。思わず息が合っちゃった。ここ俺がツッコむ必要ないはずなのに……優子のヤンデレモード時の『早く対応せねば‼︎』という必死な感情が、ヤンデレじゃないこういう原作イベントでも反映されてんのかな? ……なんか、俺もある意味ヤバくなってきてね? 急に俺自身への心配が募ってきたんだけど。

 

 

「ごめん。悪気はホントになくて、ただ客観的に小さかったから」

 

 

 千代田桃、お前も無意識な煽りやめとけ。ヤンデレモード程じゃないが優子の怒りの歯止めが効かなくなる。

 

 

「喧嘩の叩き売りか‼︎ 今ので完全にやる気が出ました‼︎」

 

 

 ホラ、優子の冷静さが欠けてるよこれ。こう熱くなった優子は誰にも止められそうにねーよ。……アレ? 今、ヤンデレった時にすぐさま冷静さを自分で取り戻してる時の方がまだマシって思えてきたんだけど……俺の許容範囲、捻じ曲がってる?

 

 

「私はシャミ……」

 

「うん」

 

「シャドウミストレス優子‼︎」

 

「うん」

 

「封印されし一族の復興と闇世界のしゃは……支配のため……ハァ……ハァ……魔法少女の息の根を止めに来ました‼︎」

 

「……うん」

 

 

 あ、いつの間にか優子が宣戦布告代わりの自己紹介してた。つーか最初噛んだよね? まぞくとしての活動名噛んだよね? しかも思いっきり『シャミ』って言い間違えてたような……。もしや、今後皆から『シャミ子』と呼ばれることになる要因って、この場面からだったのか……?

 

 

「………………そういうわけです」

 

「うんうん……途中、中盤噛んだ? 言い直す?」

 

「貴方の合いの手がペースを乱しまくるんです‼︎」

 

 

 ってかそろそろどうにかして優子を止めないとアカンやん。この後全くなってないフォームで千代田桃をポカポカするけど、全くダメージを与えられず逆に息切らして手首と脇腹痛めて、挙げ句の果てに桃の無自覚かつ不器用なフォローによって精神的にもダメージを……

 

 ……うん、やっぱり可哀想だ。前までは原作にあまり深く関わらないようにと思ったけど、ここは優子のメンタルのために止めておくか。といっても、どうやれば……?

 

 

「カクゴー‼︎」

 

 

 ってそうこうしてる内に飛び上ろうとしとるー⁉︎ えぇい、過程や方法の模索なんてどうでもいい‼︎ 今はとりま止めないと‼︎

 

 

「優子ストッープ‼︎ 一回落ち着けー‼︎」

 

「はぐえっ⁉︎」

 

「えっ?」

 

 

 よし、腹ギュッとしたことで動きが止まった‼︎ 停止完りょ……

 

 

 

 

 ムニッ

 

 

 

 

「ひゃんっ⁉︎」

 

「へ?」

 

「「あっ」」

 

 

 弾力のある柔らかい感触が、俺の両手を通して伝達。硬直する。二人同時に着地。ふと感触がする方に目を向ける。

 

 優子の体に付いている二つのメロン並の大きな丸い物体が、俺の両手を埋めてる。つーかこっちが思いっきり鷲掴みしてるように見える。これだけで背筋が凍った。ふと丸い物体から上に視線を上げる。そこには、熟した林檎のように紅潮させ、目を渦巻きの如くグルグル回している優子の顔が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 いや思いっきりやらかしたよマジで⁉︎ いくら事故とはいえ、か弱い女の子の胸を揉むとか何してんだよ俺ェ⁉︎ しかも目の前で二人の女の子にその場面を見られるとか最悪だよ⁉︎ これ正直に事故だって言ってもセクハラしてしまったことに変わりないやん‼︎ 駅などの公共の場だったら警察署行き確定だよ⁉︎ 対象がヤンデレとかヤンデレじゃないとか関係なく普通にアウトォォォォォォッ‼︎

 

 ハッ⁉︎ ……や、やめろ杏里と魔法少女‼︎ なんかエロ本見つけた様な顔で『わーお……』って言うなァァァ‼︎ 違うから‼︎ 狙ってないから‼︎ これ事故だから正真正銘の‼︎

 

 つーか早く優子のデカメロンから手ェ離せよ俺ェ‼︎ なんで即シュパッと離さないのかな俺ェ‼︎

 

 

「す、スマン優子‼︎ 決してわざとじゃ……」

 

「あっ……えっ……へっ……今、手が……えっ……?」

 

 

 やっぱ聞いてねー‼︎ 俺に胸揉まれてめっちゃ顔真っ赤にして動揺してるよこの子‼︎ ヤンデレってなくてもこれはマジでヤバい‼︎ 別の意味で優子のメンタル崩れたよ‼︎ 別の恥を宿敵の目の前で見せつけちゃったよ‼︎

 

 

「えっと………………私達、今のは見なかったことにしておいた方がいいのかな?」

 

 

 コラァァァァァァッ‼︎ 天然魔法少女テメー‼︎ おま、こんな時に不器用なフォロー入れんなァァァッ‼︎ そういったのが優子にとっては逆効果なんだよチクショー‼︎ 絶対優子のメンタルめっちゃ崩れたよもー‼︎

 

 

「………………こっ……こっ……」

 

「「こ?」」

 

これで勝ったと思うなよ桃色魔法少女ー‼︎

 

「えっ、なんで私?」

 

 

 えっ、ホントなんで? 何故か俺が胸揉んでしまったのを千代田桃のせいにしながら走ってっちゃったんだけど……。いや、これは俺が狙ってやったわけでもないし、単なるまぐれが起きた現象なんだけど、だからって俺に何の罰を与えないのはどうかと……。しかも優子、今ヤンデレモードになってないよね? 嫌がってはないけど喜んでもないような……

 

 

 ハッ⁉︎

 

 

「「ジィー……」」

 

「………………な、なんだよ……俺のさっきの失態をわざとやってるものだと思ってんのか? 違うからね? わざとだったら悪巧みしてるような顔してたからね、俺。やめて見ないで見ないでくださいお願いします」

 

 

 頼むよお前ら、今のを事故だときちんと捉えてくれ。悪気はなかったしこんなことになるとは思わなかったんだって。先生にチクったりしようなんて考えないでくれ。頼む、三百円あげるから。

 

 

「……ねぇ」

 

「な、なんだ魔法少女・千代田桃」

 

「君って、あのまぞくの子と何か関係でもあるの?」

 

「は……?」

 

 

 急になんだその質問は。関係があったらなんだと言うんだよ……? けどあやふやに答えてもどうかと思うし、少し正直に答えるか……

 

 

「……しょ、小学生の頃からの仲の良い幼馴染だよ。それがどうしたってんだよ?」

 

「そっか……」

 

 

 えっ? ちょっと待って? なんか急にニヤニヤし始めてるんだけど。何を考えてらっしゃるのアンタ。怖い怖い怖い怖い。

 

 

 

 

「事故とはいえ、その幼馴染の胸を揉んじゃったのだから、これは責任とった方がいいかもね」

 

 

 

 

「ファッ⁉︎」

 

 

 ちょ、おまっ……えっ⁉︎ こいつ今なんて言った? 俺が優子の胸揉んじゃったから『結婚しろ』とでも⁉︎ 待って待って待って待ってホント待って‼︎ いくらなんでも胸揉んじゃったからってその責任の取り方は絶対じゃないよね⁉︎ 他にも責任の取り方あったはずだよね⁉︎ 大体まだヤンデレの感情を抑えきれてない優子と結婚とか……そういうのはもっと段階踏んでから……

 

 ……えっ? 俺、今、なんて……? 段階……? えっ?

 

 

「………………」

 

「どうしたの? 急に黙り込んで……」

 

「………………杏里」

 

「えっ。あっ、お、おう? 何?」

 

「優子ももう戻ってるだろうし、俺も先に教室戻ってるよ……」

 

「あ、ちょっと⁉︎ 結構精神的ダメージ負ってるよね⁉︎ それ抱えたまま授業受ける気⁉︎ ねぇ、ちょっと⁉︎」

 

 

 ヤバい、もう空気に耐え切れねぇ……さっさと教室戻って、頭冷やして、後で優子に謝って、出来るならさっきの出来事は忘れよう……うん、そうしよう……

 

 

「……冗談が過ぎたかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ……」

 

 

 なんとか自分に色々言い聞かせて授業を終えた私は、ふとあの昼休みの事を思い返した。不慮の事故とはいえ、白哉さんに胸を揉まれた。きっと私の身の危険を察知して止めてくれたのだろうけど、まさかその時にムニュッてされるなんて……

 

 アァアァアァアァアァアァアァアッ‼︎ 恥ずかしい‼︎ かなり恥ずかしい‼︎ 思い返したら余計に恥ずかしさが増す‼︎ しかも桃色魔法少女の目の前で起きるとか最悪すぎる‼︎ 絶対まぞくとしての尊厳とか純潔の一部とかが失われました‼︎ もうお嫁に行けません‼︎ 絶対どこにでも嫁げません‼︎

 

 いや、この際だからいっそのこと白哉さんにお嫁さんとしてもらってもらおうかな……。そして、いつまでもずっと……

 

 って、また愛が重くなり始めた‼︎ しっかりしてください私‼︎

 

 ……よく考えたら、胸を揉まれたのはこれが初めてだったのかも。

 

 白哉さんにだったら揉まれてもいいとは考えていた時期がよくあったけど、実際にそういった行動には移していない。白哉さんや周囲の目のことも考えてるから、寧ろそういった事は考えないようにしている。もしそれでまた白哉さんへの愛が重くなったら……というわけじゃない。単純に恥ずかしかっただけだ。女の子同士でもそうですが、異性に胸揉まれるなんて羞恥の極みですもん!! 無理無理!!

 

 でも、本当にそれでいいのかな……。あの時『今度は逃げずに改めて告白する』と決めたのに、自分から何の行動も起こさず本心も抑えたままにして……。そんなことしたら盲目になりがちだし、それで相手や周りの心身共に傷を負うかもしれない。だからといって後ろめたくしても、そうしてる内に他の女子に白哉さんを奪われて、それでこそ、その悲しみで二人を傷つける羽目に……

 

 嗚呼、不安がかなり募るばかりだ。先程の件も含め白哉さんの事で、自分がだんだんとおかしくなっている気がする。一族の件が第一だというのに、こんな調子で呪い解除も恋も出来るはずが……

 

 

「ああ……優子?」

 

「はひゃいぃ⁉︎」

 

 

 ほわぁ、思わず変な返事しちゃいました……‼︎ 今の思い返しが授業後だっただけマシだった……のかも? これまで何度も愛が重たくなる自分を抑えてきたことによるものだからなのか、あの時のことを授業中にまで引き摺らなくてよかった……。そうじゃなかったら集中できなかったですし……

 

 いや、今白哉さんに声掛けられましたよね⁉︎ 全然よくなかったですよね⁉︎ ヤバい、また鮮烈に昼休みの時の事が脳内にフラッシュバックして……‼︎

 

 

「その……さっきは悪かった。事故とはいえ、お前を止めようとしただけなのに……お前に、かなり恥をかかせた上に……その……」

 

「あ、い、いえ……わ、私の方こそ、何も考えずに、あの魔法少女に飛びかかろうとしたせい、で……」

 

 

 お互いに顔を合わせられていない。やはり白哉さんも羞恥心や罪悪感を感じていたのだろう。尻目に顔を見れば白哉さんの顔が耳まで紅くなっているから、彼の脳内にも鮮烈に記憶されているはず。

 

 ここはどう言えばいいのが正解なんだろう。どう言えばこのモヤモヤがお互いに消えるんだろう……きっと彼も同じ事を考えているはず。何か言わなければ、私達の関係が崩れてしまいそうで、怖い。

 

 私の胸の感触はどうだったのか聞く? いやそれじゃあ私が痴女に聞こえるからダメ‼︎

 

 揉まれて正直嬉しかったとぶっちゃける? それも恥ずかしいし、やっぱり愛が重……いやいつもよりもさらに重い気がする‼︎

 

 冗談で『責任取ってください』と言ってドッキリ企画の終盤みたいな展開にする? でも私が言ったら冗談に聞こえないし、下手すれば皆さんから変な噂が広まる可能性がさっきの二つの案よりも高くなる‼︎

 

 『あの桃色魔法少女が体験出来ない事を見せられて結果オーライでしたね』と言って笑い話にする? あ、見せられた当の本人の反応薄いからどうかと……というか何考えてるんですか私⁉︎

 

 あぁもう‼︎ どれも解決出来ない案ばかりじゃないですか‼︎ こんなんじゃ白哉さんとの関係が悪くなって……

 

 ………………そんなの嫌だ。せっかく自分の重たい愛を抑えて、これまでの関係を保ってきたのに、それが崩れるなんて嫌だ。白哉さんが私から離れるなんてことは嫌だ。

 

 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……

 

 

「───優子」

 

「はびゃあぁ⁉︎」

 

 

 い、いけない‼︎ あまりの不安にまたおかしくなってた……‼︎

 

 ……でも、もう仕方ないですよね。これまでの事もありますし、今回の不慮の事故(このぐうぜん)を機に、私と距離を置くことで、白哉さんを縛るものが無くなるのなら……

 

 

「その……優子はあんなことになってしまって、嫌だったか? 俺の事、嫌いになったか? それと……その……大丈夫か?」

 

「えっ……」

 

 

 私がどう思ってるのか、気にしている……? それ故に、私が白哉さんを嫌ってしまったのかも気にしている……? それでも尚、私の事を心配している……?

 

 

「わ、私の事を、嫌ったりしないのですか……?」

 

「へ? なんで恥かかせた奴が嫌われるんじゃなくて嫌わなきゃならないんだ? えぇっと、俺は優子があの後どう思ったのかを聞いてるんだよ、な……?」

 

 

 素だ。今のは素で答えているのがキョトンとした顔から見てとれた。嫌う筋合いがあったのかという風に首も傾げているし、無理してるような渋い顔とかにもなっていない。……そっか。ただ純粋に、本当に私のことを心配してくれているんだ……

 

 そうだった。この人は元から優しい性格だったんだ。それは私に対してだけでなく、お母さんや良、杏里ちゃんやクラスメイト、町内の人達……皆に優しく接している。その性格故か、私があの時自分が愛が重たくなることを知っても尚縁を切ろうとはしなかった。私がまぞくになってもそれは変わりなかった。それほどの包容力があるからこそ、白哉さんは皆に親しまれている。

 

 だからこそ、私は彼のことが……

 

 

「あ、あの……優子、さん? やっぱ胸揉まれたこと怒って……」

 

「……いえ、全然怒ってません。あ、さっきの質問なんですけど、揉まれた時は困惑しちゃいましたけど、正直途中から嬉しく感じちゃいました……アハハ……。でも、杏里ちゃんや桃色魔法少女の目の前で見られたのは嫌でしたね。まぞくの尊厳が失われたというか……」

 

「そ、それはホントごめんって……」

 

 

 あっ、今顔赤くしてたじろいだ。白哉さんのそんな顔見るの新鮮で可愛いですね。なんかちょっと悪戯してみた気分で悪くないかな。

 

 

「……その、ですから……」

 

「ん……?」

 

 

 今更だけど、よく考えたら周りにクラスメイトがいるのに胸の話するのは恥ずかしい……。こういうのも恥ずかしいけど、ここから白哉さんの耳元で言っておきましょう。それぐらいなら、もし杏里ちゃん達に見られても聞こえなければ問題ない……気がする。

 

 

「た、たとえ事故でも、わ、私以外の人の胸を揉んじゃ、ダメ……ですからね」

 

 

「ッ⁉︎」

 

 

 やっぱり刺激的なお願いだったのかな。それを聞いた白哉さんは生存本能を察知したかのように思いっきり後ろに下がった。顔を耳まで林檎のように真っ赤にしているのがはっきりと見えた。それを言った私の顔もきっと真っ赤になっているはず。やっぱりこの言葉も愛が重たかったのかもしれないけど、偶には少しぐらい躊躇いもなく言っておいても良いですよね。ほんの一瞬だけなんですから……

 

 

「あっ……えっ……そ、その……お、おぉ、わかった……? そ、そいじゃあな……」

 

「あ、はい……」

 

 

 そう言って白哉さんは真っ赤にした顔を腕で隠しながらその場を去っていった。やっぱり恥ずかしかったけど、これで白哉さんとの距離が良い方向性で近づけたら、いいな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 あぁもう‼︎ 色々な方向性になるのを覚悟して謝りにいっただけなのに、『私の胸ならまた揉んでもいいですからね』みたいな清楚っぽさのあるセクハラ発言してきやがってェェェ‼︎ あれじゃあ今でもヤンデレってるのか純情な感じに戻ってるのかも分からんし、めっちゃ脳裏に刻まれてめっちゃドキドキしちまうゥゥゥゥゥゥ‼︎ ダメダメダメダメ、優子を暴走させないためにも、こんな淫らな煩悩を消すんだ俺ェェェェェェッ‼︎ アァアァアァアァアァアァアァアッ‼︎

 

 

「うるさいッスよ平地くん。なんか午後の休憩時間になった途端すぐ喚くとか、どうしたんスか?」

 

「年頃の男の子の葛藤ってものよ全臓くん。そっとしてあげよう?」

 

「……小倉さん。一応言っておくッスけど、俺らも年頃の高校生ッスよ?」

 

「なんか言ってみたくなった」

 

「そっスか……」

 

 




オリ主、ラッキースケベ発動によりシャミ子への好感度アップ‼︎ そして密かに桃への理不尽な敵対心が強くなった……のか?

そして本文の最後の最後にオリ主の次にメインになる予定のオリ男をセリフだけ登場させておきました。口調が『〜ッス』のキャラ、なんか喋ると結構目立ちそうじゃない?

それでは最後にはりねず男子メーカーで作ったオリ主・平地 白哉の画像載せて今回の話を終わりにしたいと思います。感想・評価のほどよろしくお願いいたします。

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