偶に愛が重くなるまぞくと、愛されてる男のまちカド物語   作:名無しのモンスター

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最近絵師に推しを描いてもらうことに喜びを感じているので初投稿です。

それによってかTwitterをよく漁るようになり、編集頻度が……

ん? 今日はちよももの誕生日? ………………ガチで忘れてたわ。


ジャンジャジャーン‼︎ 今明かされる衝撃の真実ゥ‼︎ ……このセリフ言うの自分でも痛いと思ってる

 

 ………………ん? アレ? 知らない天井ですね。あと、ぼやけて見えないけど人影が見えますね。その奥には古風のある天井に、古い照明……

 

 あっ、これ私の部屋だ。

 

 ええっと……そもそもなんで私、こんなところで寝ているんでしょうか? 私って確か、『あすら』のバイトに行って時間の余裕を作れたら桜さんの行方を聞こうとしたけど、その機会が中々見つからないから仕方なく接客の仕事を続けてて、それから……

 

 ………………アレ? ところでこの人影って、一体……? なんか細くも逞しさもある身体作りをされているけど、これどこかで……

 

 

「───おっ、起きたのか優子。おはよう」

 

「あっ白哉さん、おはようございます………………ん?」

 

 

 えっ……アレ……? 私、白哉さんの夢の中に入っているのですか? それとも私の部屋に白哉さんがいる……? アレ……?

 

 ………………あっ(察し)。あぁ、そうか。そういうことなんですね。私はバイト中に突然倒れてしまって、白哉さんにここまで運ばれてもらった……って感じですかね……?

 

 ん? あれ? ちょっと待って? 今、私はバイトに行ってきたはず。なのに気がついたら自分の部屋で寝ていた。そしてその隣には白哉さんがいる。とりあえず現時点では……

 

 私は白哉さんに寝顔を見られた可能性がある。そして今でも寝ているところを見られているってことが分かりましたね。

 

 ………………………………

 

 って。

 

 

「くぁせdrftgyふじこlp!?」

 

 

 あびゃ、あびゃ、あびゃびゃぁぁぁぁぁぁッ⁉︎ えっちょっ、おま、えぇぇぇぇぇぇえっ⁉︎ な、なんでェェェェェェッ⁉︎ なんで白哉さんが私の部屋に入って私の寝顔を見ているんですかァァァァァァッ⁉︎

 

 私の寝顔、可愛くなっていましたか⁉︎ 白哉さんもドキドキするような可愛い顔してましたか⁉︎ 桃やミカンさんに負けないぐらいの⁉︎ み、見てくれて嬉しい……白哉さんの為ならもうちょっと見せてあげたかった……じゃなくてェッ⁉︎

 

 と、と、と、と、とにかく‼︎ 今最も最優先して聞くべきことはただ一つ‼︎

 

 

「なんでここにいるんだってビックリしたろ? 実はお前はバイト先で───」

 

「びゃ、びゃびゃびゃびゃびゃ、白哉さん‼︎」

 

「ん? な、なんだ?」

 

「そ、そ、そ、その………………私、寝顔はちゃんと可愛い感じになってましたか⁉︎」

 

 

 あああああああああっ⁉︎ いやいやいやいや⁉ ち、違う‼︎ 最優先にすべきところが違うゥゥゥゥゥゥッ‼︎ 正直私の寝顔が可愛い感じであってほしかったけど‼︎ 変顔レベルでヤバかったって感じにならないでほしいとお祈りしたんですけどォ‼︎

 

 

「えっ……? もっと優先すべき質問あったはずなのに、一番に聞きたいのがそれェ? えっと……ま、まあその、アレだ……結構可愛い寝顔してたぞ?」

 

「可愛っ⁉︎ えっ。あっ、そ、そうでしたか……」

 

 

 か、かわっ……かわっ、かわっ、かわっ、可愛いって……そ、そうなんだ……変な顔にはなってませんでしたね……そ、それを知っただけでも嬉しいというか、なんというか……

 

 あっ。ど、どうしましょう……私今、可愛いって言われて絶対ニヤけてますよね? そうですよね? これまでとは違って表情筋が変わったってのが自分でも分かってしまう程ですもん、絶対ニヤけてるに違いない……‼︎ 抑えろ、抑えるのだシャドウミストレス優子……‼︎

 

 ……そういえば、白哉さんに私の寝顔を見られるのって何かとこれが始めてなのかもしれない。それって所謂白哉さんに今までお見せしなかったところを見せられて、それを白哉さんに覚えてもらうことができるってことになりますよね?

 

 それに、白哉さんに私の寝顔を『可愛い』と言ってくれるということは、何かと好意を持ってくれているってことですよね? 少しは意識を持ってくれているってことにもなりますよね? そうですよね? だったら……見せてあげたい。もっと私の可愛い寝顔を見せてあげたい。白哉さんには私の寝顔を独占してもらいたい。そんでもって……

 

 

「……シャミ子、一応私もいるんだけど」

 

 

 ハッ⁉︎ ま、また白哉さんへの愛が重たくなっていた……も、桃に呼びかけられてよかったです。なんだかこのままいくと行動に移しそうだったから……って、ん?

 

 

「ほりゃべっ⁉︎ も、桃ォ⁉︎ き、きさまいつの間にィ⁉︎」

 

「ずっと白哉くんの向かい側でシャミ子を見ていたんだけど……」

 

 

 き、気づかなかった……ちっとも気づかなかった……‼︎ 途中まで気配を消しながら監視とはきさま卑怯だぞ‼︎

 

 あっ、いや私が単に気づかなかったというか、白哉さんがいたことにしか目がいってなかったというか……結局ここも私のせいじゃないですかヤダー‼︎

 

 ……というか‼︎

 

 

「き、きさま無防備な宿敵の姿を見下すなんて人が悪いですよ‼︎ デリカシーさとか正々堂々さが足りないというか………………あっ。いや、白哉さんが見つめてくることには何の不満もないので、私も人の事を言えないですけど……」

 

「一人で勝手に手のひら返ししても……後、私はそんな悪い性格をしてないと思うんだけど」

 

 

 えっ……? 自分の行動に対する良さと悪さの区別がつけない感じなんですか? いくらなんでも桃はそんな性格ではないとは思うのですが……いや本当に。

 

 

「……シャミ子って、何か欲しいものとかある?」

 

「えっ……? どうしたんですか突然」

 

「バイト先の事で寝不足になったお前の事が心配で仕方がなかったんだよ。俺も実際そうだったし」

 

 

 あ、あぁそういうことでしたか。でも別に病んではないので、何かを買ってくれるどころか見守らなくても大丈夫なんですけど。………………別の意味では、病んでますが。そこは我ながらなんとかしたいものです。

 

 

「ちょっ白哉くん、本当の事を言わないで……と、とにかくシャミ子! 何でも言ってみて」

 

 

 そんなこと急に言われましても……まあせっかく桃が珍しく私に要求させてきたことですし、とりあえず……

 

 

「じゃあ……アイスもなか」

 

 

 夏で暑くなってアイスが食べたい気分なので、偶には我儘を言っておきましょうか。

 

 

「………………そういう、食べたら消えるものじゃなく」

 

「何でもって言ったのに⁉︎」

 

 

 僅か三秒で手のひら返されて拒否された⁉︎ 桃、今のきさまは矛盾行為をしてるぞ⁉︎ えっ何⁉︎ 消えないもの系のリクエストを所望⁉︎ え、えっと、食べ物で消えないものなんてないから、食べ物以外で……いや思いつかない⁉︎

 

 

「ッ……『何をお願いすれば良いのかわからない』って顔をしている……シャミ子って意外と欲望低めまぞくだったとでもいうの……⁉︎」

 

 

 なんか変なあだ名を付けるのやめてくれませんか? 別にそんなに欲しいものとかないので、そう言われるのは否定しませんが……

 

 

「落ち着けよ桃。今の優子は寝不足で長時間寝たばかりなんだから、何をお願いすればいいのかを考えられず、上手く頭が回らない状態なんだ。欲求を聞くのは本調子になった時にしてあげようぜ。焦りは禁物だ」

 

「………………うん、そうだね。シャミ子、ごめんね」

 

「えっ? あぁいえ、別に気にしなくて大丈夫ですよ」

 

 

 うーん……それにしても桃が私の欲しいものを聞こうとするのって、なんだか新鮮さを感じますね。今まではそういった見返りに答えるようなことをしようとしてなかったような感じがしたので、なんだか……

 

 それにしても欲しいもの、か………………なんか今、こういった物が欲しいっていうのが突然思い浮かんできそうな気がするのですが……確か、白哉さんの事に関する……

 

 あっ、これは忘れておこう。白哉さん絡みのものとなると色んな意味で危なっかしいものをお願いしそうで、そのせいで白哉さんを傷つけそうな気がして……いや人を傷つけるものを欲しがるとか酷くないですか? それを考えようとする私も一時ヤバくなってるじゃないですか……

 

 ん? 今、何やらインターホンが鳴らされたような気がするのですが。一体誰なんでしょうか?

 

 

「客か? 俺が出るよ。優子はそこで寝てて、桃は優子の隣にいてやってくれ」

 

「うん、わかった」

 

「……すみません白哉さん、お願いします」

 

 

 なんだろう……ここは白哉さんの部屋じゃないのに、何故かこの瞬間に、今の白哉さんの対応の仕方を見ただけで、その……私と白哉さんが……ど、ど、同棲……してるって妄想が……

 

 な、なんでこんなこと考えるんでしょうね私⁉︎ つ、つ、付き合ってもないのに同棲してる妄想をするとか、何段飛び出してんだって話になりますよね⁉︎ あー恥ずかしい恥ずかしい‼︎ 痛い妄想はやめた方がいいですね‼︎ うん‼︎

 

 しばらくしてたら、『あすら』の店長とリコさんが謝罪するためと私が聞きたいことがあるとのことで来たことを知りました。何故か廊下で軽くフライアウェイしたことで怪我を負ったみたいですが。

 

 あと、白哉さんが前に出会った魔法少女・奈々さんと魔族・ブラムさんの兄妹のお二人が白哉さんに長話をさせてしまったお詫びの品を持って来てくれて、私達の話を聞いてくれるそうです……

 

 あれ? ちょっと待って。魔族が兄で魔法少女が妹ってどんな関係性なんですか。しかも血縁者じゃないらしいので、どうやったら兄妹関係になったのか余程気になるんですが。そもそも魔族と魔法少女が家族関係って……

 

 

 

 

 

 

 突然インターホンが鳴ったので出てあげたら、原作よりも早めに白澤さんとリコさんが登場。しかも白澤さんがフライングアウェーイ‼︎した後だった。……すいません、フライングアウェイの『ウェイ』のところを変な感じに言ってしまいました。だって名前に『ウェイ』って書いてあったもん。昔からオンドゥル語が流行っているせいで思わず連想してしまうもん。許して。ウソダドンドコド-ン‼︎

 

 話を戻そう。何故白澤さんとリコさんが原作よりも早く登場したのかというと(原作では優子に希望を言ってもらったアイスもなかを買ってあげた後の桃と遭遇した後にお邪魔してた)、ブラムさんと訳あって魔法少女の姿となった奈々さんと出会ってなんか色々あったから……だそうだ。いや、その二人と出会ったことで何があったのか詳しく教えてほしいのですが。

 

 ちなみに何故ブラムさんと奈々さんがこのばんだ荘に来たのかというと、俺に長話をさせて疲労させてしまったお詫びとして何かしらのものを直接渡しに来たからとのことだ。あー……確かに俺、ブラムさんと初めて会った時に優子や桃とミカンと関わった時の事を全部話されてたな。あれは正直キツかった。

 

 あっ。ブラムさんを『様』付けするの、本人が『付けなくていい』と言ってきたのでお言葉に甘えて付けないことにしました。変に壁は作っちゃいけないんだなってのを改めて知れてよかったな。うん。

 

 で、色々あって白澤さんがバクなのに雑食派であることとリコさんがどこに行ってもマイペースであることを知った後、ようやく本題……桜さんの行方についての話に入ることに。

 

 良子ちゃんも自由研究で家と町のことを調べてるからとのことで聞かせてあげることに……なんでパソコンのスライド? なんで本格的な感じにまとめようとするの? 小学生はもうちょっと簡単なものを作っていいんだよ?

 

 白澤さんとブラムさんの話によれば、二人とも十年前のクリスマスの時、それぞれが突然訪れてきた桜さんに『天災』が来ることと二・三日間戸締りして外出しないことを伝えられ、それぞれがリコさんと奈々さんを押し付けられたとのこと。そしてそれが桜さんと最後に出会った場面とされたようだ。

 

 

「しかし驚かされたぞ。まさか白澤殿も我と似た形で桜殿と会うのがそれっきりになるとはな。似た経験をした者同士が出会うというこの偶然、滅多に起きることではない……また新たな小説のネタを手に入れられて我は嬉しいぞ‼︎」

 

「偶然、と言えるべきですかね? それぞれがリコ君・奈々君を桜殿に押し付けられるなんて何か意図があるのではないかと……ん? 嬉しい? 小説のネタ? どういうこと?」

 

「気にしないでください、兄さんは非常識な出来事を小説の執筆に取り入れようとする性分なので」

 

「ブラムはんは小説を書くのが趣味なんやな。ウチは料理に関する小説を書いてほしいんやけどえぇかな?」

 

「リコ君、いきなりリクエストを押し付けないで───」

 

「構わぬ。我の小説執筆欲が増すだけである」

 

「欲が増えるの⁉︎」

 

 

 おいおい、似た経験をした者同士がいきなり仲良くなり始めたぞ。先程まで玄関で騒いでたってのが嘘に思えてきますなぁ。ってかリコさんがナチュラルに次の小説の案を出してきたのに、その要望に真摯に応えようとしてくれるブラムさんって聖人か何か?

 

 

「……にしても桜はん、どこにおるんやろ。コアは動いて逃げるから捜すのも難儀やなぁ」

 

「えっ……動く? コアを見たことがあるんですか?」

 

 

 コアの件で桃からの指摘が入る。どうやら彼女が以前見た方のコアは水晶体で動かなかったらしい。一体どんな経験があってコアを見る機会があったのだろうか?

 

 ちなみにリコさんが見たコア──彼女の出身地では魂魄──は子猿とチョウチョだったらしく、どっちも味方の巫女はんに抱えられて逃げていったと……いや待てや。白澤さんとこに来る前に一体どんな争論に発展したというんや。リコさんアンタ魔法少女に襲われるようなことでもしたんか?

 

 

「実は私も見たことがあるんだよね。リコさんの場合は襲いかかってきた魔法少女を返り討ちにした後に実際に見たって感じだけど、私の場合はちょっと違う感じかな。県外に用事があって来た兄さんを陰から攻撃しようとしてた過激派魔法少女二人を見つけて、その場でボコボコにしたって感じにコアを見たよ。その時は鶏とイルカだった」

 

 

 ………………ん? んんん? 奈々さん、貴方今なんと? 魔法少女をボコボコ? 過激派とはいえ同じ魔法少女だよね? 向こうから陰から攻撃しようとしてきたとはいえボコボコはその、穏健派である貴方としてはそれはどうかと思うんですが……

 

 

「あ、ちなみにコアになった彼女達には『次兄さんや他の魔族に問答無用に攻撃しようものならコアそのものを跡形もなく消し飛ばすから』って言って脅したから。これで復活したとしても無闇に魔族を襲うことはないでしょうね。特に兄さんに攻撃だなんて許さないんだから」

 

「……我が妹よ、我の知らぬ間にそんなことをしていたのか? 怖っ……」

 

「えっちょっ……兄さん構えながら引かないで? お願いだから」

 

 

 ブラムさん、義妹さんのその容赦無さと意外な恐ろしさを知ってドン引きしました。今でも良い子で穏健派の魔法少女としてやっている義妹さんが、自分の命を狙う過激派に対して過激派になっていたってことを知ったその衝撃はデカいよね。地雷系に見える女子が実はドが付くほどの聖人だったってことぐらいの衝撃だったよね。どんな女子なのかは知らんけど。

 

 

「けど、桃ちゃんが見たのは動かない水晶体だったなんてね。嘘は言っていないのは顔で明らかだけど、なんだか辻褄が合わない気がする」

 

 

 それはごもっともですね。というか何事もなかったかのように自分のヤバさを置いておかないでくれます? ブラムさん絡みの貴方は怖かったですよ。

 

 

『まとめるとこういう感じだな。桃はコアを《動かないもの》として探していた。そこの女狐と黄色魔法少女は《コアは動いて逃げる動物系》……探し方を変えて聞き込めば、新しい情報が出るかもしれんぞ』

 

「確かに起点を変えるのは新たな発見となって良いですね。やっぱり頼りになるわリリスさんの偶に出してくれるめっちゃタメになる意見」

 

『アレ⁉︎ それだといつもの余は頼りにならないってことにならぬか⁉︎』

 

 

 いやそんなことはないですよ? いつもリリスさんには助けてもらってますし……いやいつも、なのか? なんか不安になってきたんだけど……

 

 で、この後白澤さんが寝不足の優子を寝かせる為にお暇しようとするが、その前に優子に遠慮がちにまた『あすら』で働いてくれるかと問いかけてきた。

 

 それに対して優子は知り合い増やして手掛かりを見つけられるかもとのことで躊躇いもなくOK。その反応に驚いた桃は就労やめてオーラを放ってます。気持ちは分からなくもないが落ち着け、殺意と勘違いされるぞ。

 

 

「ねぇ、シャミ子ちゃん……いや、この場合は優子ちゃんで良かった?」

 

「どっちでも構いませんが、出来ればシャミ子で呼んでほしいです。活動名ですけど」

 

「そ、そっか……シャミ子ちゃん。そこの魔法少女……桃ちゃんがいかにも反対の意見を出しそうな感じに露骨にイライラしてるみたいだけど、引き受けちゃって大丈夫なの?」

 

 

 あっ、プレッシャーを受けて震えている白澤さんに代わって代弁してくれてるよ奈々さん。下手すれば汚れ役を買うことになるかもしれない事を魔族の代わりにやってくれるとは、マジモンの聖人かこの人?

 

 

「気にしないでください。私と桃は共闘してるけど宿敵なんです。多分、最近私が色んな手掛かりを見つけてくるから……主導権を握られそうで嫌なんです」

 

「優子……そう強気に言ってる割に尻尾震えてるが大丈───」

 

違ーうッ‼︎ なんでいつもいつもいつもいっつもねじれた解釈をするのかな⁉︎ バイトNG‼︎ 就労ダメ絶対‼︎」

 

「あれっ⁉︎」

 

 

 オイ、何俺の意見を遮ってくれてんだこの筋トレ馬鹿脳筋魔法少女が。遮られて俺の心はボロボロなのだが? そしてその台詞はニートにさせたい疑惑が出るから慎みなさい。

 

 

「というかよく考えたら白哉くんも白哉くんだよね⁉︎ なんでシャミ子に働いてもらうか否かの件に対して何も言おうとしないの⁉︎ 不慮や事故とかシャミ子の性分のこともあるとはいえ、バイト先でシャミ子が変な目に遭わされたんだよ⁉︎ 幼馴染なのになんで止めようとしないの⁉︎」

 

「えっ? ………………ああっ……」

 

 

 あぁそっか。桃は優子にはもう変な目に遭ってほしくないんだな。だからそんな過保護な母親みたいになってしまっているんだな。確かに優子は実際に数日間健忘になってしまったからな、無理もない。

 

 変な目に遭ってほしくないのは俺も同じ気持ちだ。幼馴染だからこそ心配にもなる。けど、幼馴染だからこそ……

 

 

「確かに結果論として優子はそういう目に遭ってしまったんだけどさ……それは店側の不本意ってのもあったし、大体最終的に決めるのは優子自身だからな。優子がそうしたいと言うのなら、最後までといかなくても、出来るだけ信じてあげた方が彼女の身の為にもなるとは思うんだよな。俺的には」

 

「あっ……」

 

 

 今明らかに『そういえば今の私はシャミ子の事を信じてあげれてない気がする』って顔したな。心配することはいいことだけど、だからって大事なことを避けさせようとするのはそいつのことを信じないことと同じだからな。無闇な信頼度ゼロはダメ、絶対。

 

 

「ま、もしそれで優子の様子がおかしいなと感じたら、取り返しがつかなくなる前にその日から俺達が何かしらの対策をしておけばいい。俺もしばらく様子を見て、昨日みたいにタイミングを逃さずその芽を摘んでやるさ。幼馴染を救うのは当然だろ。その代わりお前も少しは優子を信じてやってあげて、優子がおかしくなってると思ったらその芽を詰んでやってくれ」

 

「……う、うん。わかった。そこまで言うなら最初はシャミ子の判断に任せる。それ以降の事はシャミ子の様子を見て決めるよ」

 

「おう、それがいい」

 

 

 納得……してくれたのかどうかまでは分からんが、とりあえずは優子の判断と変わり様で後先の事を考えてくれるようだ。ということは忘れていた優子への信頼も取り戻しているらしい。よかった、宿敵が宿敵を信じないのはどうかと思うからとりあえずは安心したぜ。

 

 

「………………えっ? あれ? ちょっと待ってください? 二人とも私の様子を見るってことは……私が何か行動したら二人に監視されるってことになりますよね⁉︎ それって結局私は未だに信頼されていないってことになりませんか⁉︎」

 

 

 あー、そう捉えちゃうか。まあ幼馴染と宿敵、両サイドから見られることになっているんだよね。監視されてると思ってしまっても仕方ないよね。うん。

 

 

「信頼しているからこそ、お前が無事であってほしいんだ。これは俺達なりに優子の為を想って決めたことなんだ、大目に見させてやってくれ」

 

「……まあ、白哉さんがそう言うのでしたら」

 

 

 ちょっと膨れっ面になってたから納得はしてないみたいだけど、とりあえずはそれで妥協してくれるって感じか。なんかすまんな、優子。後その膨れっ面可愛い。

 

 この後は白澤さんが優子に『たまさくらまんじゅう』を渡したことで、優子の話で桃がたまさくらちゃん好きであることが改めて判明。実はあのキャラは白澤さんが生みの親であることも判明された。

 

 で、白澤さんは桃と仲良くなりたいとのことで今度桃に限定グッズをたくさんあげることを伝える。桃はたまさくらちゃん好きであることが恥ずかしかったのか、好きじゃないと嘘言って断ろうとしたけど、最終的には直筆サイン&チェキ券付きテレホンカードを追加されて折れたそうな。

 

 ……チェキ券はともかく、テレホンカードは今の時代、使い道ないよな? 近くにある公園の公衆電話でしか使えんよな……?

 

 

「でもどうしてそんなにたまさくらちゃんが好きなんですか?」

 

「それは……たまさくらちゃんが………………お姉ちゃんに似てたから……」

 

「桜さんに?」

 

 

 やはりそうだったか。俺の場合は原作を知らなくてもなんとなくそうだろうなとは思うけども。だってたまさくらちゃんの名前に『さくら』って書いてあったもん。桜さんの名前も『さくら』だもん。偶々とは一致していると言っても過言じゃねェはずだ。

 

 桃が白澤さんにたまさくらちゃんは桜さんがモデルだったりするのかと問いかけたが、実際は違ったようだ。白澤さんは桜さんの魔法少女の姿を見てないと言うし。

 

 実際にはショッピングセンターマルマでの夜間の買い出しの時に、たまさくらちゃんと同じく紅白の変わった首輪をした、神秘的な雰囲気の猫が走って行ったのを目撃したそう。

 

 しかもその猫は普通の猫とは明らかに違うところがいくつかあったらしい。雪なのに足跡はなく歩いた道に花びらが散っていて、白澤さんを見た時に一礼して、隣の建物の壁に溶けるように消えていったそうだ。

 

 雪に足跡を作らない上に建物の壁を物理的ではなく非常識的な何かで方法で通り抜け、しかも初対面のはずの白澤さんに一礼する。改めて聞くと、普通の猫では絶対あり得ないことをする猫なんてどうもおかしい気がするな。いや壁を通り抜けること自体、他の動物でも絶対あり得ないけどね。

 

 あの猫を見た後『あすら』は大繁盛したという。白澤さんはあの猫を見た人を幸せにする妖精さんだと思っており、その姿をゆるキャラ募集のモチーフにしたそうだ。

 

 

「ほう、白澤殿も中々不思議な猫に会ったようだな。実は我もその猫に会ったことがあったぞ。チラリと見えただけではあるが」

 

「えっ? ブラム殿もですか?」

 

 

 おっとー? ここでまさかの新事実が発覚したぞー? どうやらブラムさんもその摩訶不思議な猫を見たという情報が発覚したぞー? 偶々見かけたって程度のレベルらしいが。

 

 

「我がその猫を見たのは病院でだったな。その時の我は常連客が交通事故で足を骨折したと聞いてな、店を閉めた後にまだ感情を取り戻してない頃の我が妹を連れてお見舞いに来てたのだ。そこで例の猫が他の者達の死角を、それも足音を立てず足跡も残さず通っていったのを見かけたのだ。そしてその猫は我等に気づいた時、白澤殿と同じように一礼してそのまま走り去っていったのだ。一応看護師を呼んで探し回ったが、もう既に外に出て行ったのか見つからなかったがな」

 

 

 はえっー、まさかの病院内で見つけただなんてな。しかも人の死角を通りながら、ブラムさん兄妹以外の人誰にも気づかれずに……頭良いなその猫。そんな猫を偶然見つけたブラムさん達もすごいと思うけどさ。

 

 いやこれは猫とは関係ないけどさ、客の為ならば怪我した時に見舞いに行くという優しい対応までするとかめっちゃ優しくね? 絶対お客さんは大事にするタイプだよねこの寛大魔族さんは。

 

 

「後日我の店もいつも以上に繁盛してな、数万冊は売れていたのだ。その時は年末セール初日であったとはいえ、白澤殿の話を聞くにあれは例の猫からの贈り物なのかもしれぬ」

 

 

 うっかり吸血鬼の翼を出してパタパタさせる程に嬉しかったんですか。その翼、リコさんに弄られ始めてますよ。

 

 ちゃっかりと『あすら』と同じ処遇を得てたとは……さすがは桜さんによって多摩町に引っ越してきた魔族、偶然にも受けた幸福まで似たものとは。更なる桜さんからの処遇とかが今後見つかるのかもしれんな。

 

 

「まさかここにも紅白首輪の猫に幸運を受け取った者がいたとは……。そんな僕達は今この場で遭遇した……これは何たる偶然でしょうか」

 

「否、これは偶然ではなく必然と言えよう。幸せの白猫とも呼ぶべきであろうあの猫を見つけた者同士、これまた何かの縁であろ───」

 

「バクさん吸血鬼さんもう一回‼︎ 今の話もう一回して‼︎」

 

「ピィィィィィィエッ‼︎」「グギャヘッ⁉︎ 翼ハンドルはやめぬか痛いッ⁉︎」

 

「良⁉︎」

 

 

 ここで良子ちゃんがこの話に食いついてきた。ブラムさんの話もあったからか思ったよりも遅いタイミングだったけども。というか鼻ハンドルと翼ハンドルを受けてる白澤さんとブラムさん、めっちゃ痛そう……あのまま抉り取られるのかと思ったぞ……

 

 良子ちゃんがここまでの話をまとめると以下の通りだ。

 

 白澤さんとブラムさんが猫と出会ったのは十年前の十二月二十八日(今さっき聞いた)。そして二人とも桜さんに最後に会ったのが十二月二十五日。猫さんを見るまで三日しか間がない。リコさんと奈々さん曰くコアは動物の形で動く。そして普通の猫は壁に溶けず、足跡は残すが花びらは出さない。

 

 以上のことを踏まえるに辺り……良子ちゃんはその猫が、桜さんのコアではないかと捉えたのだ。

 

 ………………いや情報処理早くね? 鋭くね? 君はいつから吉田家のブレインになったの? 良子ちゃん……本当に小学生?

 

 あっ、自由研究に使うとされる町の地図を出した。

 

 

「バクさん、猫さんはどこを通ってどこの壁に消えたの?」

 

「ええと……『ショッピングセンターマルマ』前の噴水広場を通って……向かいの建物……」

 

「吸血鬼さんはどの病院で猫さんを見かけた?」

 

「そういえばあの時どの病院にいたのかを言ってなかったな。その病院の名は……せいいき記念病院であるな」

 

 

 やはりそこの病院で見かけたのか。せいいき記念病院はマルマの向かいの建物である。これは利害が一致したな。ブラムさんがそこの病院で猫を見つけたっていう話も本当になる。

 

 ………………しかし、せいいき記念病院か。懐かしいな……

 

 

「……そこの病院、俺と優子が初めて会ったところだよな。俺は事故で一時期、優子は病弱だったから長期間入院してたっけか」

 

「───はい、覚えてます。今となってはいい思い出です」

 

 

 俺が徐に懐かしむような言葉を呟いたら、優子も頬を赤くしふにゃりとした笑顔を見せながらそう呟いた……いや今の笑顔は何。めっちゃ可愛かったんだけど。惚れてまう。

 

 

「シャミ子‼︎ 今にも聞きたいその時の思い出を懐かしんでいるところ悪いけど、十年前猫を見た記憶は⁉︎」

 

 

 聞きたいんかい。

 

 

「すみません、そこはほぼぜんっぜん覚えてないです! 夢の中で見た気はしたんですが!」

 

「うん……大分前だしね……」

 

 

 あれ。一応夢の中で見た気はしてたんか。でもその台詞は原作では言わなかったはずだよな? 俺と出会ったことで入院してた頃の記憶が鮮明に覚えているのか? けどその記憶と猫の夢は関係ないから覚えられないような気が……

 

 

「…… 優子は猫を見ているはずです。私……病院で優子が猫さんの話をしていたのを覚えています」

 

 

 清子さんや‼︎ おいなりさんを持ってきた清子さんがとっておきの情報を教えながら来てくれた‼︎ みんな清子さんの方に目がいったぞ‼︎ 有益な情報、発見や‼︎

 

 

「お母様にお茶を‼︎」

 

「座布団も出します」

 

「膝掛けも用意しとくぞ」

 

「おいなりさん一緒に食べる?」

 

「白哉君へのお詫びの品のバナナ羊羹しかないですが宜しければ‼︎」

 

「この家、私がホストなのでお構いなく……」

 

 

 厚い待遇に清子さん引き気味となりました。けど有益な情報を持ってきてくれた人に何もしないのも癪なのでそこのところ許してください。

 

 清子さん曰く、あの頃治療を頑張っていた優子がある日──俺が彼女のところに見舞いに来るようになって三日後──目を覚まし、部屋に来た白猫とお話したと言っていたらしい。

 

 当時の優子は呼吸器に問題があったため、野良猫が入り込んだら事であるとのことで看護師さんと病院中を探したものの、猫の痕跡はどこにも見つからなかったという。ブラムさんも看護師と一緒に探してた翌日以降の話だったから、見つからないのも当然だろうな。

 

 そして時期は良子ちゃんの臨月……十年前の年末。白澤さんとブラムさんが猫を目撃した情報の直後。それが優子の夢じゃなければ……十年前、優子は桜さんのコアと思われるその猫と接触し、何らかの話をしていた可能性がある。

 

 ここに来てようやく最重要課題──原作でも注目すべきイベントの一つ──に突入してきたな。いよいよ、か……優子の運命が決まる可能性のある最重要課題……果たして何事もなく達成できるのだろうか……

 

 

 

 

 

 

 とりあえず一時解散、桜さんの情報の共有についてはまた今度ということで、『あすら』組と『スカーレット』組は帰ることに。あっ、『スカーレット』組ってのは『本の祭典 スカーレット』で働くブラム兄妹のことを意味してます。……普通にブラム兄妹でもよかったか?

 

 で、そのブラム兄妹を俺がばんだ荘まで見送ってたところで、ブラムさんが俺に話しかけてきた。

 

 

「そういえばきちんと謝っておくことを忘れていたな。……この前は無理に長話させてすまなかった。そのせいでしばらくの間は君を放心状態にさせてしまった」

 

「えっ? あぁ大丈夫ですよ。その日の内に正気になりましたし、俺があぁなってしまったのも結果論みたいなものですから」

 

「……そうか。それならば安心した」

 

 

 忘れてた。ナチュラルに忘れてた。桜さんの話をしてたからあの日の経験を一瞬忘れてたわ。その謝罪の為に来てくれたんだったこの兄妹は。なんで忘れたんだよ俺。

 

 

「……ところでだが、話は変わるが一つ聞いても良いかね?」

 

「? はい、俺が答えられる範囲ならなんでも」

 

 

 ブラムさんが俺に質問? もしかして俺が手に入れた召喚術のことか? それとも優子や桃、ミカンの事? 一体何について───

 

 

 

「白哉君、君はあの魔族……シャミ子の事が好きなのかね?」

 

 

 

「ブハブヘッ……あだっ⁉ ひ、膝ぶつけた……痛い……」

 

「ちょっ、大丈夫……?」

 

 

 たぶん大丈夫じゃないです。ブラムさんが前桃にも聞かれた優子の事をどう思ってるのか発言してきたからか、思わず吹いて転がってしまった……

 

 って、ちょい待ち⁉ ブラムさんの場合だと直接『好きか嫌いか』どうかを聞かされるの俺⁉ 桃でもそういう恋愛感情がどうこうのを遠回しに質問してたのにこっちはダイレクトクエスチョンですか⁉ 躊躇う気ねーなこの人!!

 

 ってか……

 

 

「な、なんでそう思えるんですか……?」

 

「いやなに、君があの子の事を信じたいとか救いたいとかそんなことを言って余程信頼していたものだからな。それに病院の話となった時にはシャミ子と会った時の事を笑顔で懐かしんでいた上、彼女も頬を赤くして緩んだ表情を浮かべていた……これは脈ありなのかもしれぬと思ったのだ」

 

「そ、そっすか……」

 

 

 こ、細かいところを見たり聞いたりしてますねアンタは……確かに俺も優子に信頼を寄せてはいるし、昔の思い出を懐かしんでましたよ? それに優子が緩んだ顔をしてるのも可愛いと思ってましたし……けどそれだけでは俺が優子の事好きなのか疑惑を掛けられるわけが……

 

 

「後、シャミ子が桃とかいう魔法少女に揺さぶられた後は毎度のこと誰よりも率先して彼女に寄り添い、落ち着くまで側を離れなかったではないか。あんな対応、余程の感情がないとできぬとは我は思うがな」

 

 

 ………………そういえばそうだった。優子が角ハンドルされながら質問されてた後はそんな感じに俺が誰よりも先に彼女の隣に来て、彼女の気が安定するまでずっと側にいてあげてたんだった。そういうところも見てたんですね……

 

 

「それと、その時にシャミ子が頬を赤くして照れ笑いしたのを見て目を逸らしたであろう? そこも見てたぞ」

 

「ア ゙ア ゙ア ゙ア ゙ア ゙ア ゙ア ゙ア ゙ア ゙ッ ゙‼」

 

「白哉君が壊れちゃった⁉︎」

 

 

 み、見られたァァァッ‼︎ 優子の目線合わせながらの笑顔が可愛いすぎてつい逸らしちゃったところも見られたァァァァァァァァァッ‼︎ しかも誰に対して伝えているのかわからない描写でも言わなかったところォォォォォォッ‼︎

 

 こ、これはもうダメだ‼︎ 『何の話ですか』みたいな感じに適当に流して切り上げさせる作戦を実行できねェ‼︎ 答えるまで帰ってくれないパターンだこれはァァァッ‼︎

 

 奈々さん止めて……助けて……いや期待の眼差し向けながら聞こうとしないで。貴方はそっち側に立たないで。頼むから。

 

 ………………こうなってしまっては仕方ない。今はどう思っているのかぐらいは話しておかないと。

 

 

「……正直、まだわかんないんです」

 

「……まだ、とな?」

 

 

 ……あの、その疑いぶるように睨みつけないでくれませんかね? 俺、別に嘘をついていませんので……

 

 

「優子からは一度告白みたいなものは受けました。それと同時に俺の事になるとヤバくなる……歯止めが効かなくなる場合があるということも言われました。それでも俺は彼女を拒絶せず、彼女の情緒を安定させる為にいつも通り仲良く接してきました」

 

「……好きになったのかもしれないとか、そういうのに似た感じなものは感じてないのか?」

 

「………………優子の仕草でドキドキしたりすることはあります。けど、それが恋へと繋がっているのかどうかはわかりません。いつも彼女から逃げずに接しているというのに、別に自分が鈍感ってわけではないのに、お恥ずかしながら俺自身の本音がどうなのか……」

 

 

 それに、そもそも何故俺は優子から逃げようとは考えなかったのかすら、今でも分かっていない。優子本人は『逃がさない』みたいなことは言っていない。ヤンデレ相手に逃げたら後先取り返しのつかないこと可能性だってあるだろう。けどそれが逃げないという理由にはなってないことは確かだ。

 

 俺自身が優子の事をどう想っているのか、そして何故俺はその感情を抱いているのか、そもそも何故その感情に未だに気づけていないのか、その理由が一年過ぎても気づくことが出来ずにいる。そんな中で、優子の事が本当に好きなのかなんて……

 

 

「───分からないのならば、機会がある時に昔を振り返ってみれば良い」

 

「……昔を?」

 

「うむ。昔の事を上手く思い返してみれば、何故そういう風に彼女と接していこうかなどといった大切なことに気づくことが出来るはずだ。……ま、機会があればでいい。無理に気負わずゆっくり振り返っていくのだ」

 

 

 そう言ってブラムさんは気落ち止めの為か俺の頭を優しく叩き、そのまま奈々さんと共に帰っていった。

 

 昔を振り返る、か……そういえば最近そういったことをしてなかった気がする。改めて振り返ってみれば、優子がヤンデレってしまった本当の理由とか、俺が優子の事を本当はどう想っているのかとか、そういった意外な真実を知ることができるのかもしれない。

 

 よし、今度余裕があれば昔優子と仲良くしていた時の事を思い返してみるか。前はどんなことを話したのかとか、色々と懐かしむ良い機会だなー。

 

 ………………それと、念のため前世の事も思い返してみるとしようか。なんか、前世の事が急に引っ掛かり始めたから……転生前と後、何故か何かとの関連性がありそうな気がする……

 

 

 

『───そろそろだな。さあ、この後立ちはだかる壁にアンタはどう向き合っていく?』

 

 

 

 




おまけ:台本形式のほそく話その16

シャミ子が起床したばかりの頃、ばんだ荘玄関前

ブラム「先程は危なかったな。まさか我々の頭上に工事に使う鉄骨が落ちてくるとは……」
奈々「即座に魔法少女になってよかったぁ……危うく兄さんにも当たるところだったよ」
ブラム「それもそうであるな。……ところでだが我が妹よ、何故魔法少女の姿のままになっているのだ?」
奈々「ん? あぁこれ? また鉄骨落下みたいな突然の出来事があったら困るからね、緊急処置のため」
ブラム「ふむ、いざという時にすぐに人助けできるようにするために……良き心掛けだ!! さすがは我が妹!!」
奈々「お、大袈裟だよもう。えへへっ……あっ、着いたよ。ここが白哉君や魔族の子、後輩魔法少女達が住んでるばんだ荘みたい」
ブラム「ふむ、中々風情があるアパートであるな!! 長年そのままの情景でいさせたいという思いを感じるぞ」
奈々「えっ。そ、そうかな……? リフォームはしてほしいとは思うのだけど……あれ? 人影が……」
?1「履歴書の住所ではここのはずなんだけど……」
?2「マスター完全に不審者やわぁ」
奈々「すみません、そこで何をしているんですか?」
白澤「ん……? げぇっ⁉ 魔法少女⁉ 何故ここに⁉」
奈々「ここに住んでいる知り合いに用があって来ただけですが……」
ブラム「ほほぅ、まさかこんなところで我と同じ魔族に会おうとは何たる偶然による幸運だろうか……」
白澤「こ、こんなところに魔法少女が来るなんて予想外だった!! あとなんで同じ魔族の方が当たり前のような感じに隣に⁉ き、昨日の件もあるからなんかヤバい!! 逃げるぞリコ君!!」
リコ「ウチ逃げるって言葉嫌やわぁ」
白澤「ならば回れ右前進だ!!」
奈々「あの、とりあえず落ち着いて───」
ブラム「クックックッ……逃げられると思っているのか? 吸血鬼の魔族である我と、我を従えている最強の魔法少女に……」
奈々「ちょっ⁉ 兄さんこんな時に悪ノリはやめて⁉ あとすみません、右側行くと地面にダイブすることに───」
白澤「続けぇー!!」
奈々「行ったー⁉」
リコ「いややー」
奈々「見送ってる場合ですかー⁉」
ブラム「逃がさぬぞハッハッハッー!!」
奈々「だから悪ノリしないでー⁉」

END



いやーついに原作三巻編も終わりに近づきそうですねー。実はオリジナル回も何話かやる予定なので、すぐには終わりそうにないッスけどね。

 
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